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次の停車駅は内船 [鉄路と風景]

次は内船だと?.jpg
電車内でいつの間にか眠ってしまったらしい。
今、どの辺りだ?
車窓から見たら今まで見たことない風景のようだ。
車両内に電光で表示されている次の止まり駅を見て愕然とした。
内船だと!!!

シマッタ!!寝過ごしたか!!
富士山と富士宮市街が斜め左方向に見えてどんどん遠ざかっていくじゃないか。
そして視界が途切れた。沼久保駅付近の竹藪の山に入ったのである。

JR清水駅から11:49発JR特急ワイドビューふじがわ5号に飛び乗った。自由席にいた。車掌さんに行って富士宮までの特急券を購入しています。
すんなり行って12:22に富士宮駅に着く筈だった。富士駅までは起きていたのですが、スイッチバックで方向転換して身延線に入った途端にスッと落ちてぐっすり寝てしまった。
写真の時刻データを見たら12:28だったから、西富士宮駅を過ぎてから目覚めたというわけだ。やっちまった。次の駅の内船は船山温泉の玄関口だが、そこまで行ってタクシーで戻るかい?莫大な料金がかかるだろうな。
船山温泉の215号室にあったブラックノートにファイルされた身延線のダイヤを思い出した。確か1時間に2本ぐらいだった筈だ。
次にスマホに搭載されてる駅すぱあとアプリで検索したら、この特急は内船駅に12:52に着いて、そこで12:53発の富士行きの普通電車と列車交換することがわかった。
急いで後部車両へ歩んだ。
さっき車内で特急券を売り買いした車掌さんともうひとりいた。運転手と併せてJR東海職員がローカル電車に3人搭乗しているのは珍しい。
車掌さん助役さん.jpg
私は切り出した。相手も「あれこの人?富士宮までじゃなかったかな?」というカオである。
「ゴメン、乗り過ごした」
「え?」
「寝ちまってさぁ」
「確か富士宮駅までですよね」
「そう。で、次の内船駅に12:53分頃に着いて、そこで富士方面の電車と交換するでしょう。それに乗ってリターンできないかなぁ」
そう無理難題?を持ちかけたのである。
私は10数年前、船山温泉に一度だけ身延線で行ったことがある。内船駅で下車して宿の送迎バンに乗ってます。
これは2009年2月に身延線で船山温泉に行った際の内船駅構内、ホームは1面2線です。
内船駅構内1.jpg
10年前の写真ですが、今もそう変わってないと思いますよ。何で電車で行ったか。確か前々日にウチの支店で転んで肩を痛めたからじゃなかったかな。
内船駅構内2.jpg
内船駅構内3.jpg
「内船駅って島式ホーム1面2線だよね」
島式ホーム1面2線なんて鉄道好きしか知らないマニア用語でもある。
「ハイそうです。う~ん、上り下りどちらかが着いた時点で発車するのですが」
「そこを何とかならんかな。向こうの運転士にサイン送れないかな」
無理難題を追加してみた。
「わかりました。やってみます。ではその辺りの座席にいてくれますか?」
もう眠ることはないけれど「近くにいてくれ」と言われたのは、引き受けて安心したらまた眠っちゃうんじゃないかと危惧したに違いない。
その後、車掌さんは相方と喋っていたが、おそらく無線で遣り取りしたと思います。
「では内船までは誤乗車ということにして、内船から富士宮までの料金を精算お願いできますか?」
ということは甲府方面から内船に向かっている電車と繋ぎがついたに違いない。
ちゃんと精算したよ.jpg
ホントならもう着いている筈の支店のリーダー(A子、女性)に電話したの。
「ゴメン、寝ちまって乗り過ごした」
「ええっ」
「特急でさ。内船まで止まらないんだよ。内船で上り電車で折り返せるよう車掌に交渉したから多分、大丈夫だと思うが。」
相手の女性はくるま通勤だが地元静岡の人間なので身延線がどういう電車かは知っている。後で聞いた話では現場ではちょっとした騒ぎになったらしい。「身延線は単線だよ」「あっちの方は本数少なくね?」「戻って来れるのかな?」みたいにね。
戻って来れるのかなって私は子供じゃないが、その仲間ウチに草の者13号がいて、私は彼女に用事があるのですが、草13号は「なぁにやってんですかあの人!!」
せっかくだからネタにしてやろうと適当に写真を撮ってみた。芝川駅です。
芝川1.jpg
何故か芝川には信長公の首塚があります。次に芝川駅その2、写真にバスが写っているでしょう。でも芝川駅からの路線バスは1日に1本か2本しかないらしいぞ。路線免許を維持する為だと思うな。
芝川2.jpg
芝川駅を過ぎたところ。富士川に注ぐ支流らしい。
沿線風景1芝川を過ぎて1.jpg
沿線風景2芝川を過ぎて2.jpg
富士川に沿って走って行く。向こうに遠望される山は白鳥山(城取山?)だと思う。中世に烽火台があった。武田と今川の国境緩衝地帯だからです。
一度だけジャン妻と山頂まで登ったことがある。くるまで途中まで行けます。
沿線風景3.jpg
沿線風景4.jpg
沿線風景5.jpg
十島駅です。
十島駅1.jpg
十島の万栄橋が見えます。こっちから見て富士川の対岸を国道52号線、身延街道が通っている。いつも船山温泉に行く時はあの道を走ってるんだな。
沿線風景6十島の万栄橋.jpg
沿線風景7いつもあの道を走ってるのか1.jpg
あのシェッドを潜ってるわけか。あんなカタチをしてるんだ。
何だか妙な気分である。知らない場所や風景ではないが、いつもと違って対岸から見てるから、知ってるけど初めて見る風景?
いや、そんなこともないのだ。先に述べたように一度、身延線で船山温泉に行ってるし、内船駅まで往復しているのです。
建設中の中部横断自動車道が見える。
沿線風景8中部横断自動車道.jpg
『富沢ICから南部IC間は令和元年11月17日(日)15時に部分開通しました。
新東名経由でお越しのお客様は、船山温泉までの所要時間がさらに短くなりました。』
私らはあまり恩恵無いなぁ。
富士川SAから身延街道を北上するルートなので、富沢ICから南部ICだけ利用しても、南部ICから数100m戻って来なくちゃいけないのだ。そういうルート嫌いだし。

またシェッドがある。雪対策ではなく落石対策らしい。
沿線風景9いつもあの道を走ってるのか2.jpg
赤い南部橋が見えてきたぞ。内船はもうすぐだ。ソワソワして落ち着かなくなってきたがそこは平静を装った。
沿線風景10赤い南部橋が見えてきた.jpg
12:50分過ぎたら「まもなく内船」のアナウンス、ここで「いっそ有休取って船山温泉に行っちまうか」と邪(ヨコシマ)な気持ちが頭をもたげてきたが、もう現場のリーダーに連絡しちゃったし。
電車は内船駅構内を減速していく。内船駅ホームには既に富士方面の上り電車が入線していた。
身延線は途中駅によって乗車できる扉が限られているし開閉はボタン式です。さて、どのドアから乗り込めばいいのかな。
脱兎の如く走りださんと身構えてたら、車掌さんが「大丈夫ですよ。先導しますから」
「ありがとう。でもまぁ普段見たことない沿線風景を堪能できたよ」
負け惜しみと失敗を誤魔化すように言った嘘、大嘘ですよね。船山温泉に行く為に、電車から見て富士川の対岸に見える身延街道、国道52号線を走ってるんだから。
「普通の人は富士宮止まりの方が多いですからね」
そう、富士宮から先、内船まで通しで来る人は普通じゃないのだ。
車掌が先導してくれた。再度礼を言って富士行の普通電車に飛び乗った。
富士宮方面へ乗り換え成功.jpg
折り返し乗車成功です。私が乗ってきた特急を見たところ。
上り線車内、乗客は少なかったが、甲府行の特急からこっちに移った私を一瞥して、この男は富士宮辺りで乗り過ごしたか、特急と普通を間違えて乗車したに違いないと。バレバレである。
富士駅方面へリターンが始まった。
戻る.jpg
そういえば、12:53分だと、13時チェックインの船山温泉送迎バンは駅に来てたのだろうか。
それを確認する余裕は無かったな。
仮に列車交換が無かったら駅でポツンと待つしかなかったか。時間を潰す飲食店もなさそうだし。バカにするわけではないが南部町に喫茶店やファミレスなんかもないしな。そうなったらなったで半休取って船山温泉へ行くか?
沿線風景11.jpg
リターンズの風景です。
井出駅、リターンズ
井出駅リターンズ.jpg
十島駅、リターンズ
十島駅リターンズ1.jpg
十島駅リターンズ2.jpg
稲子駅、稲子は平家落ち武者伝説がある村です。維盛公の廟がある。
稲子駅リターンズ.jpg

芝川駅リターンズ1.jpg
芝川駅リターンズ、この辺りで考えたのですが、私は特急に乗ったが為に内船駅まで行くハメになったのだが、もし普通電車だったら内船駅まで行く必要はないよな。
だが芝川駅で待ったら待ったで今折り返している上り普通電車を待たなきゃならないから同じことか。
ではタクシーはどうか。
内船駅からタクシーで折り返すのは金額的にシンドい。他の駅ではどうか。タクシーを呼べるとしたらどの駅だろう。
沿線風景を見る限り、寄畑、井出、十島、稲子、沼久保では厳しそうだな。工場に面している芝川なら呼べるかもしれない。営業マンも来るだろうし。
もちろんそんな実験をする気はサラサラないが、机上で仮検索してみたらこう出た。
検索1.jpg
内船駅からだとこんな金額に。
検索2.jpg
この金額プラス、タクシーを呼んだ分の距離、金額が加算される筈だ。
身延線も一般道も富士川に沿って同じように走ってるから、おおよそ駅から駅までの距離で試算してみたが、これだけでは足りない。私が向かわなきゃならないウチの現場は富士宮市内だが、富士宮駅からかなり離れている。駅から1時間に1本だけバスがあるが見たことないし乗ったこともない。いっつもタクシーです。その分も加算しなくちゃならない。
芝川駅リターンズ2.jpg

沼久保駅リターンズ.jpg
さっき目覚めた辺り、沼久保駅、この辺りで変なメールが来た。
「今どの辺ですか?今度は寝ちゃダメですよ」(草の者13号)
寝ないよ。ここで寝てまた富士宮駅を寝過ごしたらアホだぜ。
西富士宮駅、この駅はあまり記憶に残らない駅ですね。富士方面から来た電車の殆どがこの駅で折り返しになるらしい。
西富士宮駅リターンズ.jpg
富士宮駅着は13:33、下りたら脱兎の如くダッシュしてタクシーに乗り込んだので富士宮駅の写真は無しです。
現場、支店に着いたのが14時前、
「お帰りなさ~い」の合唱で迎えられた。
処理済~待ってた仲間たち.jpg処理済~遅いけどランチ.jpg

「お昼は?」(A子)
「来る途中、駅でサンドイッチだけ買ってあったの」
「それだけで足ります?マイサイズ(大塚食品)がありますよ。カレーと麻婆豆腐と」
「カレーにする。でもどうやって喰えばいいんだ?」
姐さんA子は若い子に指示を出した。
「ホラ、〇〇さん(私のこと)のカレー電子レンジで温めてあげてっ」
甲斐甲斐しく世話を焼いて貰ったが、13号はやや白い目で私を凝視している。「このドジ」と言った視線である。
せっかく最寄駅まで行ったので、船山温泉のT館長に事の次第をメールした。
館長の返信は以下のようなものであった。
「ヘマしましたね。身延線の乗り過ごしはきついですよ。人によってはタクシーで戻るって話も聞きます。でも少しは睡眠を取れたのと・・・」
「ネタが出来て良かったですね」
コメント(6) 

コメント 6

モノノフ

あらまぁジャンさんらしくも無い失敗をやらかしましたね、あぁでも私も2年前に似たような事が有りましたよ(^_^;)
新年に新世界で遊んでスパワールドで仮眠して新今宮駅か帰路についたのですが、紀州路快速は途中の日根野駅で関空行きと和歌山行きに分かれるんです、爆睡かましてた私はそのまま関空まで行っちゃいました(^_^;)
by モノノフ (2019-12-28 11:52) 

船山史家

モノノフさんこんにちは。
実は首都圏の在来線でもよく寝過ごします。本数が多いので取って返すのは容易いですが、地方のローカル線(失礼)でやらかしてしまいました。
関空ですか。前は国内便で和歌山へ出張に行ってましたね。関空から市街地までは連絡バスでした。そのうち大阪出張と和歌山をセットで組んだので、南海サザンで和歌山へ。途中の分岐駅は泉佐野駅でしたかね。
「今、関空にいる。これから搭乗するから」
「カンクーン?メキシコにいるんですか?」
そう返したのは当時の天然・女性部下でした。
by 船山史家 (2019-12-28 12:36) 

くまねこ

こんにちは。

大冒険(?)でしたね。
しかし、失敗した後の行動は、さすがです。
旅慣れている人は、違いますね (^-^)
by くまねこ (2019-12-28 17:45) 

みー

乗り過ごしたって気づいた時って、一瞬この状況を否定したくなりますね。それにしてもナイスなフォローでした!
テレビで乗り過ごした人を取材してるのを見たことあります。
今は色々と路線が乗り入れてるので、とんでもない所に連れて行かれるようですよ。
by みー (2019-12-28 18:29) 

船山史家

くまねこさんこんにちは。
身延線は西富士宮駅を過ぎたらマニアでいうところの「秘境駅」みたいな駅が続きます。何処で折り返すか考えましたが、特急なので止まる駅が決まっているわけで、他に折り返す駅の選択肢がなかったのもあります。
協議する相手(車掌さん)が後方車両にいたので助かりました。これが普通電車だったらワンマン運転なので、自身で考えて結論出したと思います。工場のある芝川駅なら何とかなったかな。
それにしても心地よい眠りでした。
by 船山史家 (2019-12-29 08:16) 

船山史家

みーさんこんにちは。
「まさか!!」
「ホントだ!!」
「あ~あ、やっちゃった」
「じゃぁどうやって返す?」
私の思考はこんな回転具合でした。
進行方向斜め左後方の富士山&富士宮市街の風景がどんどん遠ざかっていくんですよ。
滅多に乗らない電車とはいえ、内船までなら対岸の道路を走っているので馴染みがあったのが幸いでした。
今日の記事はホントに電車で行った船山温泉、年末年始ぐらいはBlogの冠たる宿の記事で行きます。
by 船山史家 (2019-12-29 08:53) 

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