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ナレ死の現場 [隠れ郷土史]

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前夜、ホテルコンコルドを出て貴田乃瀬へ向かう際、ホテル前の交差点、横断歩道の向こうにある丘が気になった。あれも浜松城の曲輪のひとつではないかと。そこには葵の幟がパタパタはためいてたのである。
浜松城の前身である曳馬城の主郭跡です。そこには小さいながらも東照宮と謳ったお社がある。
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貴田乃瀬の翌朝、100%ではないけど7割方満足したモーニングバイキングを済ませてチェックアウト、では駅に戻る前、腹ごなしに散策を。
「あっちじゃないの?」(ジャン妻)
ジャン妻が指さした方角には浜松城の再建天守閣があった。
「あっちは興味ないんだ」
前の丘を指した。
私は天守閣、白亜の楼閣、石垣、そういうものに全く興味がないのです。(会津鶴ヶ城は別だが)
10数年前は姫路市内にも支店があったのですが(管理が行き届かず現在は他社へ譲渡)その頃ですら国宝の姫路城に行ってません。何故かと言われても、興味がないからとしか言いようがないなぁ。
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アヤしい丘を見上げる。
「何処から登るんだろ?」(ジャン妻)
ぐるっと廻ってみる。途中を左折した。この道は堀の跡だね。
気になる丘4登り口は何処だ?.jpg
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また左折する。向きは浜松城を向いてる筈だ。これも堀の跡だろ。
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気になる丘6案内板があった1.jpg
あ、案内板があった。元城町東照宮(引間城跡)とある。元城町とはもともと城があった町か。浜松城の前身である地域を裏付ける命名である。
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ゆるい坂を上って。これが山城だったらジャン妻はブゥブゥ言いよって絶対についてこない。町内の平城だからつきあってくれてるのです。
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小さいながらも東照宮の入口、鳥居があった。その右に曳馬城跡の碑とイワレを記した解説板、位置関係を示すものが。
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ミニ東照宮3案内板.jpg
ミニ東照宮4解説板と碑1.jpg
ミニ東照宮5曳馬城.jpg
私らだけかと思ったら境内に4組ほど観光客がいたんですよ。いわゆる歴女と思しき方も。いるんですねぇそういうのに興味ある方が。
「お参りする?」
「する。ここまでキタんだから」
小銭、バス代を残して他を投げ込んだ。コロナ禍が収束しますようにって。
ミニ東照宮21.jpg
ミニ東照宮22.jpg
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曳馬城は引馬城ともいう。引馬といえば、高崎駅から群馬バスで剣崎の託児居酒屋へ行く途中に引馬っていうバス停、地名があったな。馬でも引いたのだろうか。
いや、この地のイワレだと、ここから現在の浜松城天守の位置まで城を引いた?推測ですが。
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4月7日からCS銀河で「おんな城主直虎」全話再放送中です。録画して観てます。
4年前に初回観たときは大河って感じがしなかった。ホームドラマかよって。井伊谷という狭い世界、足を伸ばしても駿府辺りまで。小さい家中の騒動の繰り返しでスケールが小さい。入れ込む登場人物は一人もいなかったですね。中野直之は生意気だし、奥山六左は使えないし、龍雲丸はチンピラのボスでしかない。井伊谷三人衆も何だかなぁって。じゃぁ何で再放送見てるかというと、大河として観なければいいのですよ。小さい内容でも要所要所に光るところがたくさんある。検地とか徳政令とか今川仮名目録とか。井伊家を次から次へとイジメる過酷な運命展開には一掬の涙泣きを得ない。
ドラマ前半で前田吟さんが演じた井伊直平、この人は直虎や直政の曾祖父ですが。何であんなトシまで頑張っているかというと。嫡男が登場しません。杉本哲太さん演じた直盛(直虎の父)は直平の嫡男、直宗が三河国田原城攻めで討ち死したので家督を継いだ。
直平の次男、直満(演、宇梶剛士さん)は第1話のとおり横死している。だいたい井伊谷の位置関係で相州小田原の北条氏と誼を通じるのはかなり無理があると思うが。
登場しないが、この時に四男、直義も討たれている。
五男、直元は病死、
三男は小林薫さんが演じた南渓和尚らしいがよくわからない。で、お爺ちゃん直平についてですが、第12話(おんな城主直虎)の途中で奇妙なナレ死を遂げている。
井伊直親を掛川街道で殺害し、2歳の虎松(直政)の首まで差し出せと、今川氏真の井伊家への怒りは収束しないかにみえたが、新野左馬助の掛け合いでどうにか虎松は助命された。
だがそれには条件があった。
小林薫さん演じる南渓和尚が言う「オオジジ様が戦いに行くことが決まった」
70歳を超えた高齢の直平に戦場へ出向けというのである。
「オオジジ様は70を過ぎたご高齢ではないですか。何故、戦になど・・・」(柴崎コウさん演じる直虎、この時は次郎法師だったかな。)
直虎(次郎法師)が館へ行くと、直平と新野左馬助、中野直由が酒盛り中で、
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「我々が今後、今川の戦の手伝いに出ることが虎松の命を助けるための条件だったのだ。我々は必ず戻ってくる。仮にその、もしも、が起こったとしても、それはもはや宿命である。」
息子たちを失いながら、このトシまで生きながらえ、悟ったように言う直平だが。戻っては来なかった。
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『直平は、今川に叛旗を翻した粟野氏を責める為出陣、その陣中において不思議な死を遂げた。』
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『新野左馬之助と中野直由は、反乱を起こした曳馬城の飯尾連竜討伐で討死を遂げた。』
ナレ死です。不思議な死を遂げた?その現場がここ曳馬城の可能性があるのだ。
今川氏真に従って出陣した井伊直平は、ここから西、白須賀に在陣中、陣中から不審な出火があり、白須賀集落が焼き払われ、氏真は直平が直親殺害を遺恨に思ったうえでの意趣返しと勘繰った。
直平は不慮の事故であると弁明するが、この出火過失を埋め合わせる為、甲斐武田に通じた天野左衛門尉討伐の際、曳馬城内で毒殺されたというもの。(他にも諸説アリ)
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新野左馬之助と中野直由は、今いる曳馬城の飯尾連竜攻めで討死とあった。
飯尾氏については説明版に家康前の歴代城主として簡単な説明があった程度だった。井伊直平、新谷、中野については全く触れられていなかった。
直虎の再放送CSで観なおして、直平、新野、中野の最終シーンで、ナレ死と照らし合わせて、
「貴田乃瀬の翌朝、行ったあの小さい東照宮で3人とも死んだんだ」
「???」(ジャン妻)
その辺り、曳馬城のくだりを後日、ジャン妻に得意満面で解説した私ですが。通じたかどうか。

境内の裏にある土塁痕?いや、これは後世の壊変であろうね。
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土塁かな2.jpg
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右に昨夜泊ったコンコルド、左遠方に浜松城、
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浜松城が見える1.jpg
浜松城が見える2.jpg
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「いやぁ、観光したなぁ」
「???」(ジャン妻)
では境内にある二公像の間で記念撮影をして帰りましょう。
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二公像1.jpg
二公像とジャン-1.jpg
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浜松駅に向かうバス車内、運転手は昨年、給料が不満で退職したウチのエリア長にクリソツだった。その運転手のアナウンス「両替のお客様は最後尾にお並びください」に失笑した。思わず口に出てしまった。
「そんなこと言ったって、全員が両替だったらどうすんだよなぁ」
「シッ!」(ジャン妻)
コメント(4) 

コメント 4

くまねこ

こんにちは。

それ、1回ありましたよ。
並んでいた客5人が全員両替希望で。
途中から運転手が
「どなたか1万円を両替できるお客様はいらっしゃいませんかー」
って。
困っていましたね (^^;)
by くまねこ (2021-05-07 17:43) 

船山史家

くまねこさんこんにちは。
地方(失礼)の路線バスはスイカやパスモが使えなかったりしますからね。あらかじめ現金、小銭を用意しとかないと。
私ひとりだったら浜松駅まで歩いた距離でした。
でもくまねこさん、本文にはリアクションなしで、バスのオチ場面にりあかを?笑
あ、そっか、歴ネタ苦手でしたっけ。たまに書きたくなるのですよ。非常事態宣言延長で夜の居酒屋ネタもしばらくなさそうだし、飲み食いに頼らないネタも書かないとね。
異動先で人間ドラマあるあるですよ。
by 船山史家 (2021-05-07 19:05) 

峠おやじ

ははあ、これがおっしゃられていた白須賀出火の話ですね。
直平をはじめ井伊一族はあのドラマのなかでも謀殺される方が多く、
弱小領主の悲哀を感じさせるものですね。

ところで浜松の「曳馬」ですが、万葉集にも出てきた地名らしく
写真にもある「引間」の字が使ってありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B3%E9%A6%AC%E7%94%BA

日本の地名は漢字から考えると意味不明なことがあります。
表音語に音の似た漢字を当て字したからです。万葉仮名も一緒です。

しかし音から考えても今回はちと辛いです。
「ひきま」と読むなら「ヒキガエル」。意味不明。
「ひくま」なら「くま(隈)」で隅っことか日陰とかが考えられます。
しかし温暖そうな土地のイメージと相容れないので難しいです。


by 峠おやじ (2021-05-07 20:47) 

船山史家

ナワさんこんにちは。
そうですそうです。ナワさんが散策された白須賀在陣中に出火延焼の話です。失火だとしても領民迷惑このうえないこと。
録画して観なおしてますが、小さい世界で細かいネタを詳しく取り上げてるとはいえどうも大河という感じがしません。メロドラマかも。共感できる登場人物がいないのです。
柴崎コウさんは台詞より経を詠まれる方がお上手だし。(笑)
曳馬、馬を曳くに通じますが、旧本郭から天守のある今の本郭に城を曳いた(引いた)とありました。
東京都に曳舟があります。舟を牽引した、引いたんですね。
高崎に引間が2つありました。ひとつはバス停、もうひちつは町名、引馬じゃなかったです。このイワレはわかりません。
水の多い地域だからヒキガエルがたくさんいたのかも。隈、隅っこ?浜松は平城なので日陰はそんなにないようです。
熊を引いたとか。まさか。
by 船山史家 (2021-05-08 07:33) 

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