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私も行きますっ! [人間ドラマ]

前の上長であるディクソンのデスクは私の左の管理者席で、廊下と事務フロアを結ぶ入口近くにある。「〇〇さん!」
ディクソンが自分の名を呼ばれてギョッとして振り向いた。
そこにBOSSがヌオッと立っていた。
「自分、今から買い出しに行ってきますっ!」
「・・・」
「何時には戻りますっ!」
「あ、そうですか。わかりました」
BOSSは風のように立ち去った。

「何です今のは?」
「さぁ、ああ言われちゃうと、ハイそうですかとしか言えなかった」(ディクソン)
「何を買い出しに行くんでしょうね。」
「う~ん。。。」
「家から電話が架かってきて、奥さんからトイレットペーパーを買ってきてとでも頼まれたのかな」
「苦笑」
まだお中元の時期じゃないが、何か客先への手土産でも買いにいったのかな。BOSSは自分の懐が痛まない贈り物を選別、選定するのが大好きで、よくネットでオーダーしてますよ。
だけど前の席にソリ合わないがいなかったのは幸いだった。今、この場にソリがいようものなら、
「買い出しって何ですかね」、
「仕事ですかね。プライベートですかね」、
「それってBOSSの仕事ですかね」、
ディクソンに向かってうるさくまくし立てるだろう。ディクソンは聞いてるのがイヤになってWCに立つか、珈琲を煎れに立つか、他部署へ雑談しに行くかして席を外す。
すると私が残る。ソリは残った私に向かって話の続きを繰り返すだろう。
私に話すのに飽きたら在宅勤務中のDON子にでも電話して、「BOSSが買い出しに行くって言って出かけたんだよ」そう吹きまくるに決まっているさ。
何やら難しいいカオをしているディクソンと2人でいたら気詰まりになってきたので、港区方面へ外出した。

さて、今日も居酒屋ランチです。都営三田線で港区に向かう途中下車ですよ。
店11.jpg
非常事態宣言の延長で、夜の外飲みが全くできなくなった。ネタストックもなくなり、枯渇してきているんです。
改めて思うのですが、自分って、結構な頻度、回数で外飲みしてたんですね。
お世話になった居酒屋たちが心配だが、営ってないんじゃぁしょうがないしなぁ。
メ11.jpg
また夜にこの席に座れるのはいつかな。
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豚ロース塩焼定食、肉厚だがアッサリした塩焼きだった。焼き立てじゃぁないなこれは。
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刻みネギの主張の方が強い気がするな。冷めた肉、冷えた刻みネギ、この店は夜と昼じゃぁ随分と差があるなぁ。夜のメニューでランチできないのかな。
豚ロースランチ2.jpg

ジャンは既に異動しています。もうすぐ席替え予定です。
ソリ合わないの前かた離れることになる。やっと、やっとですよ。ついに!
もうさきほどみたいに、BOSSがいきなりオフィスに入ってきても、私自身の名前が呼ばれない限りは知らん顔していいんだ。

ところが。。。
席替えは延期になった。。。
この件は別記事にします。

今日はいなかったソリは、BOSSと表面上は上手く付き合っているが、実は嫌いなのです。
ソリに聞いたことがある。
「何でBOSSが嫌いなのさ。何かあったのか?」
「それはですねぇ」
ソリから返ってきた話だと、私が群馬に飛ばされる2年前かな。BOSSはまだ総務部長で、ソリはBOSSの直属の部下だったのです。その頃の私は支店勤務の応援要員だったので本社に殆どいなかったのですが。
BOSSが関連他社へ副社長で転籍することになった。今思えばウチのBOSSになる為の試金石だったようだが、赴任する前、ソリ合わないが当時のBOSSに業務の引継ぎをお願いしたら、
「必要ありません」
拒否られたというんだな。
「今度、交替で来る部長さんに自分から引き継いでおきます」
ところが交替でやってきた後任の部長さん、人はいいけど総務や経理のズブの素人で、赴任早々ソリにこう言ったそうです。
「自分、全くわからないので任せます」
「???」
「彼(BOSS)が言うには、業務は〇〇さん(ソリ)に全て引き継いだって言ってましたけど」

(―“―;;;) ← ソリのカオ、想像、

「あの時、BOSSはアタシに『引き継ぎは必要ないこっちでやっておきます』って言ったんです。でも交替で来た部長さんは全く存じあげてなくて『自分まったくわからないんで任せます』だったんですよ。だから自分でイチから、いや、ゼロから始めたんです。関連他社の担当者に聞いたりして。」
へぇ、真相はそうだったんだ。任せて貰えたんでしょ。
私はソリがやや傲岸になったのはこの一件が原因だと思うんだな。

私が群馬に飛ばされてそこで水と魚みたいに遊んでたら、BOSSになって戻ってきたんですよ。
「まさかウチのBOSSになって戻ってくるとは思いませんでしたよっ」(ソリ)
根に持ったというか、BOSSに心中深く含むものがあるんだと。今でも多分。

「確かにそういうことをされたらねぇ。信用されてないんだなってなるし。こっちも信用したくないようねぇ」(ジャン妻)

豚ロースランチ3.jpg
豚ロースランチ4.jpg
やっぱり塩味だとご飯がすすまないよ。サイドで生卵をオーダーしといてよかったぜ。
生卵.jpg
また別の日、その日はソリが在宅勤務でDON子がいた。外線が鳴った。出たのはディクソン、昨年晩秋に他社からウチの会社に吸収された新店からだった。
「ハイ、ハイ、エッ?」
ディクソンの口から驚いたような、素っ頓狂な声が出た。
「今から行きますっ」
受話器を置いて、私とDON子に言うには、
「〇〇店のWCが壊れて水が漏れだしたそうです。店内が水浸しなので行ってきます」
「業者を呼べばいいじゃないですか」で済むところだが、ディクソンはそれとは別に珍しく現地に行く気満々だったのである。
ディクソンは既存店舗にはよほどの用事が無い限り行かないのです。行くと後で必ずその支店長から、
「なんなんだアイツは?」、
「偉そうに」、
「現場を知らないクセに」、
小さいけれど火種を残してくるのだ。言ってる内容は正論なんだが、言い方が官僚的で上から目線だというんだな。

「アナタ支店の不満に便乗して、一緒になってディクソンの悪口を言ったりしてないでしょうね」(ジャン妻)
「言ってない。仮にも自分とこの上長だからね。下手に迎合すると、〇〇さん(私のこと)もこう言っていたってなりかねないからな」
「じゃぁ何て応えたのよ」
「ディクソンは上から来た人だから現場を知らなくていいんだよ。だからああいう言い方ができるんだ。むしろ感心するよ。誉めちゃいねぇけどなって言った」
「・・・」(ジャン妻)
異動前の話ですよ。異動した今は悪口言ってるかも。いや、言ってません多分。

そのディクソンが他所から移って来た新店にスッ飛んでったのは、既存店には馴染みがなくても、その新店にはウチに来るまでの他社の頃から待遇面談とか従業員説明とかでマメに足を運んでたので、彼なりに情が湧いたんだろうと思う。
WCから水漏れて何しに行ったかというと、業者さんが来るまでの間、溢れた水を雑巾で拭いてバケツに絞って、雑巾を取り換え引っ換えしてたんだと。
「あの人は体育会系らしいよ。だからそういう汚れ仕事に抵抗ないのよ」(ジャン妻)
私は少し悪意に満ちたジョークを放った。
「いい意味での点数稼ぎにはなるわな。」
「・・・」
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付け合わせ12厚揚.jpg
味噌汁11.jpg
ディクソンはスッとんでった。他社からきた支店へ。
そこの従業員は、ウチのシステム、帳票類、社風や文化に慣れるのに時間を要する。不安なのです。だから本社の者がカオを出すのはいいことだと思う。
何かあれば来てくれる、対応してくれる、信頼を得るうえでも最初の頃はそういうのが必要だ。WCの水漏れ、現地ではまだ誰に相談連絡していいかわからないから、ディクソンを選んだんだろう。

これは現場にスッ飛んでったディクソンを持ち上げる記事ではないです。ディクソンが出てって数分後、BOSSがヌッと現れて、
「〇〇さん(ディクソン)は?」
「〇〇店でWCの水が漏れて水浸しだそうです。それに対応しに行かれました」
「〇〇店で水が?」
何かイヤな予感がした。
「だったら私も行きますっ」
「えっ?」
BOSSは強い口調で宣言するように言い放つと、行先ボードにズカズカと歩み寄り、ディクソンの名前の上にある自分の行先欄に「〇〇店」水漏れした支店名を記した。
「いやいや、もう彼(ディクソン)が行ってますから」
「でも自分も行きますっ」
脱兎の如く出てってしまったのである。

「WCの水漏れにBOSS自ら行くなんて」(DON子)
「・・・」
「上長(ディクソン)も行ってるってのに。BOSSは行って何するんですかね」
「さぁな。水汲むとも思えんしな。見舞いかな」
「TOPですよ。ウチってそんな軽い会社なのかと思われますよ」
「確かにそうだな。任せておけばいいのにな」
3.11東日本大震災、K首相自ら福島第二原発に飛んだでしょう。あれじゃないけど、TOPは軽々に飛び出さずとも、ディクソンに任せて本社にデンとしてればいいんだよ。
さすがに本人には言ってない。言えないし。出てっちゃったし。
前にBOSSが支店の従業員から現地でお願いされたことをその場で安請け合いしてOKしてしまったことがあり、店舗営業部はBOSSが支店にカオをだすのをあまり喜ばない。
「できれば店舗に行かないで欲しいってハッキリ言ってますよ」(ソリ合わない)
「それは私も聞いたことがある。でもウチのBOSSなんだから、支店にカオを出して悪い訳はないんだがなぁ」

だけどDON子はソリみたいにBOSSを嫌ってない。まだ途中入社して3年になるかどうかだし、長くいるが為の因縁話もない。
よかったよDON子で。ソリがいなくて・・・

・・・って思ったんですけどっ!

やっぱりDON子もDON子です。在宅勤務で不在なソリに電話してやがる。話のとっかかりは業務上の確認事項だったが、途中から「〇〇店で水が・・・」の話になり「・・・出てっちゃったんですよ~」「ですよねぇ、」「笑、アハハハハ、でも凄い勢いでしたよ」「オホホホホ(笑)」、
妙に長電話になった。どうせ電話の向こうのソリが「なぁんでTOPが自ら行くのぉ」「何をしにぃ。何もできないじゃなぁい」その場にいないクセにいろいろ言ってるんだろ。
私は聞き苦しくなってその場を離れた。
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休業3.jpg
翌日、ディクソンに言いましたよ。
「昨日はお疲れでした」
「ああどうも。業者が来るまで雑巾とモップでずーっと拭きましたよ」
「下水?」
「いや、下水じゃないですけど、ビルの屋上で雨水を溜めてそれを再利用して流すんですけどそれが破損したみたい。でもまさか後からBOSSが来るとは思わなかった」(ディクソン)

BOSSは自分でも言ってたが「自分はTOPの器じゃないんです」
「だったら下りなよ、下が迷惑するから」とは言わないよ。でもそれを聞かされるこっちは困惑するだけだよ。BOSSはBOSSなんだからさ。BOSSらしくカッコよく振る舞って欲しいものだ。
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くまねこ

こんにちは。

このブログを読むと、自分が働いていた頃を思い出します。
人間関係って、ホント、ややこしくて面倒ですよね。

そして、今回のランチも作り置きですか (^^;)
by くまねこ (2021-05-28 16:35) 

船山史家

くまねこさんこんにちは。
店の紹介よりも、写真の合間にジャンの日常、人間ドラマを挿入します。その時の会話や情景です。ジャンもまだ現役なので、日々身の回りで起こってる出来事となると会社勤めのネタになっちゃいますね。
くまねこさんの会社員時代「こんなこともあったな」を思い出すこともあるかと思いますが、なるべく喜怒哀楽の楽か、笑えるネタを取り上げたいです。
笑いと嘲笑いは違いますが、今回のネタは後者に近くなっちゃいましたね。
私はBOSSとの関係は至って良好です。カッコよくあって欲しいのです。
by 船山史家 (2021-05-28 17:30) 

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