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川村屋 [グルメ]

桜木町駅の改札近くに駅蕎麦があって、他の何処かで食べてからここに上がってきて「おや?」と気付くのだが、既にお腹は朽ちているから素通りするのを長年繰り返していた。
その駅蕎麦は改札外にあってスタンド蕎麦のような安っぽい作りではない。駅カフェかレストランが似合う。
店1カフェみたいだ-1.jpg
コロナ禍の前、天気のいい日は、外に置いてある白い椅子テーブルで、爺さんや労働者が蕎麦やうどんをずるずるすすっていたものです。昨日も書いたが、私は混んでるからって店の外で飲食するのはあまり好きじゃないので。スルーしてたのもある。
店2外にも椅子テーブルが.jpg
店内にある新聞紙の切り抜きによると、この駅蕎麦はかつてあった東急東横線の横浜~桜木町間が廃止になり、桜木町駅が数十メートルズレて現在の場所に移転したと。
店の歩み.jpg
創業120年、19世紀、20世紀、そして21世紀、明治、大正、昭和、平成、そして令和、大戦と震災とコロナ禍を生き抜いてきた。JR東日本の関連子会社が展開する何処も同じ味の駅蕎麦スタンド会社に吸収されなかったのは、駅郊外にあってJRの権限が及ばないからだろう。
店4複合飲食店街?.jpg
メニューは絞ってあってカレーや丼はない。たぬきそばすらない。コロッケそばなんてのもない。かき揚げ蕎麦とは呼ばずに昔ながらの天ぷら蕎麦と謳っている。
期待できそうです。
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店6お品書き.jpg
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店8この爺さんが遅い-1.jpg
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入り口は改札側と産業道路側と2ヶ所ある。これは改札側、ひとりの爺さん客が考え考えしながら食券を購入しているところ。
この爺さんが券を厨房に出したら店長らしき男性スタッフが、茹でて汁を入れて天ぷら(かき揚げ)を載せて生卵を落とした。天玉蕎麦だった。
私は天ぷら蕎麦と稲荷2個セットの券をつまんで、天玉蕎麦の爺さんと若干距離を空けて並んで立っていた。
爺さんの天玉蕎麦が出たところで、店長の視線は次の客である私の指先に摘まんだ券に向いたのだが、爺さんがハガハガした声で自分の天玉蕎麦を指して、
「これ、天ぷら蕎麦だよね?」
「天玉蕎麦です」
「天ぷら蕎麦だよね?」
「天玉蕎麦です。天ぷらと玉子です」
「蕎麦だよね?」
「天ぷら、玉子、蕎麦です。よろしいですか?大丈夫ですか?」
ようやく納得したのかしてないのか、問答が終わって爺さんは天玉蕎麦を細い枯れた両手で持ち上げようとしたが手先が心許ない。
「席までお持ちします」
あぶないとばかりに洗い場からベテラン女性スタッフが駆け寄り、爺さんの天玉蕎麦を抱えて、
「こちらのお席でよろしいですか?」
介護ではないが介助した。案内した先を見たら、この店、立ち食いじゃなかったのである。壁際にあるカウンター席だけだった。
爺さんの危なっかしい手元からうっかり落下したら大惨事になるは必定だからな。危なかった。女性スタッフのファインプレイに救われた。
店内1.jpg店内2.jpg
店内3.jpg店内4-1.jpg
店内5.jpg店内6-1.jpg
だけどこれが若い客で体育会系の荒っぽい家系の店だったら「お客さぁん、ご自身で購入されたんだから間違いないか確認してからお出し下さい」叱責されるのではないか。
別に私のオーダーが妨害されたわけではない。すぐ提供された天ぷら蕎麦がこれ。
そば1いなり1.jpg
そば2いなり2.jpg
そば3.jpg
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天ぷら、かき揚げは揚げ置き、冷めて乾いている。湿っているより乾いている方がマシである。箸で摘まんでリフトアップ、意外と大きいかき揚げ、
そば5かき揚げリフトアップ1.jpg
そば7かき揚げリフトアップ3.jpg
伸びるのは承知で蕎麦をリフトアップ、モサモサ感もブニュブニュ感も無くて安堵しました。
そば8そばをリフトアップ1箸を突っ込む.jpg
そば9そばをリフトアップ2.jpg
そば10そばをリフトアップ3.jpg
築地の天花さんほどではないが汁も旨味やコクがある、これに間違っても生卵なんか入れたら余計に冷えて味薄くなるんじゃないのかな。
そば11かき揚げが崩れてくる.jpg
中盤から後半にかけて天ぷら、かき揚げがボロボロに崩れ、蕎麦の残り屑と天ぷら粉が溶け合った蕎麦粥、蕎麦雑炊の様相を呈してきます。丼の縁に口を持ってズルズルすするんですよ。我ながら美しい食べ方であります。
そば12終盤戦1.jpg
そば13終盤戦2.jpg
蕎麦の屑1本の欠片も残さず摘まんで平らげてから、サイドの2個稲荷に食らいつく。
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前歯で半分にカットしてみる。中身のご飯は胡麻入りで味は沁みていたが、蕎麦汁より塩気が強かったな。
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ごちそう様でした。さっきの危なっかしい天玉爺さんはまだ悠々と天玉蕎麦をすすっている。空いた器を下げるのは大丈夫かな。また先程のファインプレイ女性スタッフの2回目の出番になるだろうか。
店を出て思った。天ぷら、かき揚げの印象が残ってないのである。玉ねぎ?春菊?ゴボウ?思い出せない。赤い小エビは確かに入っていたが。写真をUpしてわかった。ベースはタマネギですね。
店3.jpg
コメント(2) 

コメント 2

くまねこ

こんにちは。

そのおじいさん、想像していたのと違ってたから
訊いてたのでしょうか。
どういうのを食べたかったのでしょう。
・・・海老天がのったお蕎麦とか? (笑

かき揚げが印象に残らなかったのは、
可もなく不可もなく、だったからかな。
by くまねこ (2021-07-24 14:40) 

船山史家

くまねこさんこんにちは。
確かにその辺りは気になりました。でもモノ(天ぷら)は出てるので見ればわかりますよね。
この店は外のディスプレイにもあるように、かき揚げの天ぷらよりも鳥肉そばがメインらしいのです。かき揚げ以外にも、キス天、アジ天、イカ天といった海産物系もあります。お爺さんは納得して食べてたように見えました。おそらくは私みたいな一見さんじゃないから、海老天を期待してたってことはないと思います。
お爺さんとお店スタッフのナイスな介助プレイにアタマがいってしまい、肝心のかき揚げがうろ覚えになってしまいました。そこで起こった人間ドラマ重視なので。
by 船山史家 (2021-07-24 15:04) 

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