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草を育てる。。。 [人間ドラマ]

今から教育場所に出発.jpg
上州玄関口である高崎駅西口からレンタカーで走り出したとこです。
停車中に撮ったのよ。走行中じゃないからね。
今から草の者たちの中で最若年の草15号に教育を兼ねた打ち合わせに行くのです。上州の全部じゃないけど、半分近くを15号に引き継ぐことになったのだ。
ってことは、自分が上州に来ることも早々なくなるってことなのだが。

2021年の自分の社内目標設定に「後継者を育成する」というのがあって、それについて上長と相談した。
自分みたいな立場の者を置いて教えるのではなく「作成できる者の数を順に増やして欲しい」のように言われた。
育成対象者は主任(草の者)だが、エリア長でもいいという。
昨年は草の者1号、3号、5号を教えて私の門下から卒業させた。この3人は優秀なので教えるのは楽だったな。
2号もいい線までいったのだが、主任から一般社員に降りることになった。もったいないな。
今は15号(上州)16号(都内)17号(都内)18号(湘南)ナンバリング2桁の草たちを育成しています。
入院中だった12号から「退院したらアタシにも教えてくださいっ」声が挙がってきた。

だが、教えるのってタイヘン、
相手の資質、レベルに個人差があって。
マンツーマンで仕込んでるのだが自分でやった方が楽だね。相手のスケジュールを考慮しながら期日までにやらせないといけないし。自分でやった方が早いよ。
「今後はそれじゃぁダメよ」(ジャン妻)

新宿区内の某所に草の者16号がいる。
ナンバリングが2桁後半だから若手なのです。よく登場する子飼いで強気な1号、3号、5号たちと比べてメンタル的に弱い気がした。
草16号1-1.jpg
行ったら16号の直の上司のエリア長(女性)もいた。このエリア長と私はよく連絡を取っている。彼女は女性社員のケアが上手なのか、14あるエリアの中で最も退職者が少ない。
私は16号に「この子大丈夫かなぁ」と懸念するところが多々あったが、傍らに彼女をサポートするエリア長がいて協力を得たので、意外とスムーズにいったのである。
「やってみます。」(16号)
「ウン」
「いつまでですか?」
「いついつまでに出さないと」
「えっ、あまり時間がないですね」
「そうなんだよ。できそうか?」
「何とかやってみます」

ここで「できないんだったらいいよこっちでやるから」って言っちゃぁダメなのです。それを言ったら1号は涙ぐんだからね。
でも苦痛ですよ教えるのって。この程度のことが理解できんのか、だったら自分でやった方が早い、その気持ちを抑えるのが自分でもタイヘン苦痛でしてね。イライラするんですよ。

次は草の者18号、
この子は事務作成能力があるにはあるのですが、落ち着いた環境でないとできない子なのです。忙しいとダメ。複数業務の並行、マルチタスクが苦手な子だと思っている。
18号が打ち合わせな所を指定した支店に向かった。約束の時間は14時、そしたら連絡があって、
「立て混んでお昼がまだなので、15時からでもいいですか?」
「・・・」

でも私は18号が指定した場所、14時に合わすべく東海道線で向かっているんだぜ。
「先に食べるだけ食べなさい」
返信はなかったが、1時間休憩を半分に分けて、最初の30分で何か食べて、私の打ち合わせ後にもう30分で一服しなさいってことですよ。そっちが指定してきた時間をそっちの都合で1時間も延ばすんじゃぁないって。

実は18号にはここ数か月業務委託をしていません。自分で仕上げて片付けてた。
忙しいのはわかるが業務携帯に出ない子なんです。これが困るのだ。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-11-25
この記事、本厚木で蔦が絡まった廃屋のようなラーメン店、「相楽」でランチをした記事で、

『ときおり携帯を見ると、待ちわびている草18号からの着信がない。
神奈川県南部を担当する草の者18号が私に折り返し電話を寄越さず自分勝手に動いて、猪武者みたいに暴走中で気が気でない。』

この時は18号に託した申請書に追記というか、訂正指示があったのですが、それを指示したい電話に出ないで自分勝手に動いていたのです。

『午後3時頃になってから18号から電話が来た。受理されましたって喜んでたが、詳細を聞いたら、動いてる過程でこっちの予想とおりズッコけていた・・・』

・・・18号は先方とアポを取らずに出向くクセがあるんですよ。アポ取らないで出向いたら対象者が公休日だったとか、担当者が不在だったとかね。
事前に相手の在不在を確認しないでおいて、日頃の業務が忙しいから「外出できる日はこの日しかないっ」と焦って出てっちゃうのです。
「お疲れよくやった」って労った後で「私の着信残ってるだろ。何で途中で折り返さないんだよ」って注意したのですがその後も改まらない。
依頼するとこっちがストレスたまるので、しばらく依頼しないで自分でやってたのです。
草の者18号2-1.jpg
だが彼女(18号)の育成も、私の年間目標に入っている。
私は18号の直の上司である某エリア長(男性)と話をした。
「彼女(18号)は電話に出ないんですよ」
個人携帯ではなく会社から支給された業務携帯ですよ。勤務時間中は出る義務、出れなくても履歴をチェックする義務があるんです。
「すぐ出れなくても折り返せばいいのにそれもない。あっても遅いんです。既に依頼した書類に加筆訂正があってもその指示ができない。依頼したこっちが疲れるので、お役御免にしようかと」
そしたらエリア長は、
「すみません。でも今後もお願いします。彼女がやるべき立場なんで」
アタマを下げられちゃってさ。
「でもいつもアセアセ(焦汗、造語です)して忙しそうだし。本来の主任業務が多忙なのですかね?」
「いやぁ、そんなにしてない筈です」
「じゃぁ何で出ないんだろ」
「支店業務や欠員の穴埋めで忙しいんだと思います。そういうシフトを組んだ自分の責任です」
そうアタマを下げられたからにはやらせないといけないな。現場に着いて、休憩室というかバックヤードで打ち合わせをした。

18号にまず言ったのが、
「電話に出て欲しい。出ないと指示ができない」
「・・・」
「こないだみたいに途中で訂正があったのにそれも伝わらないじゃないか。指示したこっちも気が気でないよ」
「すみません・・・」
「すぐに出れなくてもいい。午前と夕方2回でいいから必ずチェックすること。これは業務の一環なんだから。」
「わかりました」
「LINEやCメールでもいい。ただ、こっちから送信した場合は必ず要返信だよ」

「ここはこういう風に作成するんだよ」みたいにススメていったら、何だか18号がソワソワと落ち着かなくなった。心ここにあらずといった感である。
「どうした?」
少し目が泳いでいる。カオが強張っている。
「まだ昼を食べてないのか?」
「いや、そうじゃないんですけど」
「じゃぁ何さ?」
そしたら18号は店のフロアの方をチラチラ見ながら私にこう言ったんです。
「お店の仕事が・・・」
私はカ-ッとなった。怒鳴りつけたくなった。心ここにあらずの感がアリアリである。
「忙しいのはわかるが、今日この場所で14時と指定してきたのは君だろっ」
「・・・」
「私は君の都合に合わせてきてるんだぜ」
「ハイ・・・」

コイツめ、言いたくなったよ。
「やる気が無いんだったらいい。もうこっちでやるから。もう君には頼まない」
言うのを抑えに抑えた。ああ、苦しい、自分でやった方が早い。自分のペースでできるのに。

18号は我に返った。
「やります。いつまででいいですか?」
「月末じゃないか。それでは遅い」
「・・・」
「2件ある。1件めは今月の第2週末までだよ。これは前半、こっちは後半でいが。2回に分けてやって欲しい。できるか?」
できないって言われたらどっちかを取り上げるつもりでいた。
18号は頷いた。
「勝手にひとりで行かないこと。出来上がったら自分にPDFで送ってくれ。チェックするから。追加事項は変更事項がある可能性もあるから、さっきも言ったように日に2回、午前と午後、必ず着信とメールチェックをすること。いいねっ」
個人携帯にプライベートな話をしてるんじゃない。勤務時間内に指示内容の携帯着信やメールをチェックするのは業務だからと言い含めました。

18号は、主任(草の者)になる前は私とフレンドリーな関係で冗談も言い合ってたのですが、草になって私からの指示業務が間に入り、以前のように仲良しではなくなった。
それは仕方がないことでもある。立場が変わったからである。それは他の草にもいえる。1号や3号ともギクシャクすることはある。

草の者17号1-1.jpg
17号、AYAKA、
この女性は全く手がかからなかった。アタマがいいし、理解力のある女性で手堅い。
事前相談、事前連絡、チェック機構、アポイントメント、電話ではなく業務メールでやり取りしてほぼ完璧に期日まで遂行できた。一翼を担えそうである。
ただ、真面目なんですよ。
オモシロくないヤツなの。何か私が毒舌を吐き出しても、
「そんなこと言ったら怒られますよっ」
マジで返してきやがる。少しは私に忖度、迎合しろっての。

問題は上州の15号、
草たちの中で最若年である。
上州を担当していたもと草の者6号が都内に転居、主任を下りる時に後任を物色したのだが、私が平成24年に赴任した頃から在職している古参連中たちが誰も受けないので、当時いちばん若かった15号が抜擢されたのである。
最初は「この子で大丈夫かなぁ」疑問視した。経験値が足りないし「何であの子に指導されなきゃならないの」そういう声は私のもとにも入ってきた。
「あの子で大丈夫でしょうか?」(もと草6号)
「何を言ってやがる。下りたお前さんのせいだろっ」
「ひぇぇぇっ、すみません」
だけど上長のフォローが効いて(周囲のやっかみもあったが)年数を経て成長してきた。では何が問題かというと、私自身のことなのですよ。
教育を兼ねて15号に業務を委託してしまうと自分の出番が無くなり、上州に行けなくなるじゃないですか。
「そーいう理由なの」(ジャン妻)
通町、田町、中央銀座アーケード、椿町、ちょこっと離れて群馬八幡とかにね。公私混同のキライがあるけど、現地の者も私の気持ちを何となくわかっているフシはあった。それに甘えてたのは私なのです。

15号は上長に言ったそうです。
「何で〇〇さん(私のこと)は自分に任せようとしてくれないんだろう・・・」
「・・・って言ってましたよ」(現地のエリア長)
「で、何て応えたんだ?」
「〇〇さんはこっちが好きだから自分でやりたいんでしょうって」
「まぁそうなんだけどね」
でも年間目標に「後継者育成」を掲げて1号2号3号5号を仮卒させて、次のステップとして他の2桁ナンバーたちにも教えているからには15号にも教えないといけない。現地に出向いて教えた。それが冒頭の運転席からの証拠写真です。
教えてみたら意外と賢かったって言ったら失礼だが、まぁアタマがやわらかそうなので何とかなりそうだ。でもまだ全部は渡していない。

「人を教えるのってタイヘンだ。こっちは複数だし。個別にマンツーマンだし」
「それは今までアナタがそういうことをしたことが無いからでしょ」(ジャン妻)

教えた後、自分で書類作成している15号、
草の者15号1-1.jpg草の者15号2-1.jpg
とある日、11:00に本社にカオを出したら、私の斜め前の席にいる生意気な女性課長(ソリが合わないオンナではない)がいて、その隣に、私らの会社を統括する上の会社の某氏が打ち合わせをしていた。
その某氏はもとはウチの14あるエリア長のひとりだったが、上の会社に引き抜かれたのです。
私は12:00には出なくてはならないので、周囲の雑音をシャットアウトして画面に見入ってキーをカタカタ打っていた。
雑音とはいっても、以前のようにソリ合わないオンナやDON子のような直接的なうるさい騒音雑音ではないく、席替え部署替えしたことで周囲の雑音の質が変わったともいえる。あまり気にならなくなった。
そしたら突然、その某氏から話を振られた。
「〇〇さん」〇〇は私のことね。
「・・・」
「あの・・・」
「・・・」
「〇〇さんってばっ」
「あ、何っ?私か!私に用?ゴメン、画面に集中して聞いてなかった」
「聞いてくださいよっ」
某氏は私にガン無視されたのもあってやや苛立たし気にこう言った。
「あのっ、御社の事務リーダー(主任、草たち)の上司って〇〇さん(私のこと)なんですか?」
???

「いや、上司は自分ではないけど」
「でもしょっちゅう業務指示を出されていますよね」
「ある特定の業務だけだよ。指示する側ではあるけどね」
「それってどんな内容でしたっけ」
説明してあげた。私が作成している支店運営に絶対必要な申請書他を出しに行くお役目で、今まではお使いだったのだが、昨年から一部の主任(草たち)に作成もさせてますと。それは私の後継者育成の一環でもあると。
「へぇ、今は作成もやらせてるんですか」
「その特定業務だけだよ。何人かに順繰りにね。いずれは全員に行きわたるように教えるんだ」
「それやってOKなんですよね」
「もちろん運営部長の承認を得て展開していますよ。そのうえでひとりひとりマンツーマンで教えてるんだ。今日もこの後で教えに出るんだから」
私の後任候補を育成するだけのジャン塾みたいなものです。
でも草=主任たちの本来の業務は、所属している支店勤務、エリア内の欠員の穴埋め、シフトの差配、各支店の従業員の指導・教育、悩める社員との面談、監査の準備やら多岐に渡っている。
それに私が委託する特定業務がプラスされるのだが、それがシフトの都合や他業務で無理そうなら、私んトコに戻せばいいだけのことだが、育成自体は急務なのです。

その某氏が言うには、
「事務リーダー(主任、草)たちに負担がかかり過ぎているようなんで」
「私の業務のせいで?」
「いや、そうじゃないみたいなんです。何でも聞いた話だと、事務リーダーたちって、休日にも店舗から問い合わせが来るんですって?」
「そりゃ支店は(日)(祝)は定休日だとしても(そうでない年中無休の店舗もある)最低でも土曜は営っている。だから週6日営ってれば週休2日のうち1日はそういう問い合わせ電話も架かって来るだろうな」
独立した支店だけではない。ショッピングセンター内にある支店は年中無休です。
私だってかかって来る。でも私はこれでも長年管理職だからな。
公休日にかかってきても電話に出なければいいのだろうけど、着信があれば「何事がおこったか」と心配して電話に出てしまう真面目な事務リーダーもいるからね。
問い合わせ電話する側もシフトを見て、事務リーダーたちがいつ休みなのかを確認する、架ける前にこの問い合わせ内容が緊急か不急か考えればいいのだが「電話で聞く方が早い」になってしまうんだろうな。

「私は彼女たちの、もちろん上役ではあるけど、直接のラインでは繋がってるような繋がってないような」
組織図を見せた。

組織図1.jpg

エリア別に各支店を束ねるエリア長が14人いて、主任である草たちはエリア長の部下なので、組織上では私と直接ラインでは繋がっていないが、私はエリア長の上位に名前があるので繋がっているともいえる。
「〇〇さん(私のこと)から各支店に、事務リーダーの休日に電話するな、負担をかけるな、そう言えませんかねぇ」
「う~ん、でもそういうのって、あまり建設的な意見じゃないよなぁ(苦笑)」
「まぁ、そうですけどねぇ。〇〇さん(私のこと)なら言えると思ったんですけど」
そりゃ言うだけなら言えるよ。それ也の貫目はあるからね私は。
「でも、言える言えないとか、言っていいかどうかは違うよ。各支店に強く言うとしたら、今は本社にいる彼だろうな」
「ええぇ、あの人ですかぁ?」
誰かというと、2年前の政変で店舗統括部のTOPを解任された某取締役が今もいます。組織図の「取締役5」です。代行順位が5番めに下がったの。
その人に「何かさせなきゃもったいない」ということで、その者を主任たちを束ねる締めの直属上司に据えたのですよ。

ウチって甘いところがあって、仕事ってのは、本来は「業務の為に人が要る」なんだけど、それとは別に「人がいるなら何かやらせないと」甘い風潮があるのです。仕事の為ではなく人の為なのです。
もちろんその某取締役が、これまで特定業務をやらせてた主任、草たちを私が使うことについて文句は言わせないよ。おそらく私に文句を言ってくる度胸はないだろうけど、何か言って来ようものなら、後継者候補育成をジャマしようとしてきたら、
「だったら自分はマニュアルだけ残していきなりいなくなるだけだ。あとはそっちでやるんだな」って脅すだけです。

この某役員、見てると仕事をしてる風に見えない。いや、してるんだろうけど、紙媒体を必要としない業務らしく印刷物が全くない。
統括部のTOPにいた頃も、エリア長たちに丸投げで自分は何もしてなかったからね。
私と20年以上の盟友で、社内で最も気難しくて誰からも畏怖されてる毅はこの某役員と仲が悪い。「何かあったの?」って聞いたら頷ける内容だった。
毅に言ったのは、
「彼は見てると仕事をしてるように見えないんだよなぁ」
「いや、見えないんじゃなくて、していません!」
私の観察眼が甘いと言わんばかりであった。
その「していません!」某取締役が、草たちを束ねる上司になったのですよ。

私に言ってきた某氏の懸念の裏付けがある。
冒頭に書いたように、古参の2号が体調が悪くなって「主任を下りたい」そうエリア長に申し出て受理されて降格になった。
これは2号が最後に本社に来て、引継ぎを行っているところです。
この日を境に草ではなくなった。
引退する草の者2号-1.jpg
優秀でバイタリティーある12号が長期入院になった。今は退院していますが無理はさせられない。
病室から、遅れを取り戻さんと私宛に「アタシにも教えてください」ってCメールが来ています。
左がもと6号、右が入院前の12号、
もと6号(左)と12号(右)-1.jpg
大手他社からの転勤で、もっとも事務ワークに長けている14号も1ヶ月半入院することになったのだが、病院内でクラスターが発生して入院延期になったとか。
更には、私が1号5号と並んで頼りにしている古参の3号までもが。
こっちは3号に急ぎの依頼事項があったのだが。シフト見たら後半がずーっと休みになっていた。
「シフトを見たが、あの休みは何だ?どっか遊びにでも行くのか?」
「違いますよぉ。入院するんでぇ」
「なにぃ?」
「・・・」
「お前まで・・・」
「・・・までって?ああ、そっか、〇〇さん(12号)も〇〇さん(14号)も入院でしたっけ。」
「〇〇(2号)は下りちゃたし」
「下りれるものなんですかね。だったらアタシもぉ・・・」
「コラッ」
「いやいや、冗談ですけど。アタシは続けますよ」
「お前まで入院かよ」
「お前までって。しょうがないじゃないですかぁ。アタシもトシなんで見つかっちゃったんですよぉ」
「そ、そうか。。。」
「その前にやっちゃわないとですね」
「いい、私がやっから」
「いえいえ、大丈夫ですよっ。これだけ仕上げますからその先は退院してからでいいですか?」
「もちろんだが。あの、」
「???」
「俺ってさぁ、君に・・・」
「何です?」
「体調壊すほど負担かけてっかなぁ」
「あ、あ、いえ、そんなことないです。だって、だって、あの、〇〇さん(私のこと)は、こっちの状況をわかっていて、厳しいことを言ってくるので平気です」
???
これは入院前、3号と打ち合わせしている光景、
草の者3号1-1.jpg草の者3号2-1.jpg
現在、草3号は退院して復職しています。だが復職日に私に連絡をよこさなかったので、プチッときた私は3号に直接ではなく、彼女がその日いた支店の長に電話しています。
「ヤツ(3号)は復職したんか?」
「ええ、してますよ。至って元気で」
「だったら連絡ぐらいよこさんかいって言っとけ」
「えっ!アタシが言うんですか?今、本人いますけど」
「後でいいから」
ブチッって切ったんだけど、3号から電話があったのがそれから3時間後で、
「遅いっ!」
「あ、いやっ、あのっ、あのっ、無事その元気な声をお聞かせしようとは思ってたのですが、忙しくって」
「フンっ、人の気も知らないで。じゃぁ退院後の宿題だが。。。」
「ハイっ」

では今回の群像劇の纏めに入ります。
草たちの悩む本質は、私の業務負荷や、休日に問い合わせがある云々ではなく、別にあるのだ。
草の者の正規の職位は主任ですが、主任ってのはあくまで業務の熟練者であって管理職じゃないのです。
その彼女たちが、エリア内の各支店を廻って、指導だの教育だのってやってると、中には「何であの子に言われなきゃならないんだ」っていうアレルギーが出るんですよ。草たちの言うことは会社の指示で絶対的だっていうのがないのです。
そして支店勤務も兼ねてるので、店側(やらされる側)と会社側(させる側)の板挟みになっちゃってるんだな。

草の者3号と5号-1.jpg
この写真、手前が気の強い草5号、向こうに3号がいます。
5号は口をとがらせて私に言うには、
「結局アタシたちって、会社から各支店に、やれ、やらせろって言われたことをやっているだけで、各支店に対して強く言う権限はないですからねっ」

最後に私に振ってきた某氏に話を戻す。氏は私にこう言ったんです。
「〇〇さん(私のこと)が事務リーダーたちの上司になればいいんですよ」
「そういうことかい。」
確かにそう思う。だって特定業務だけとはいえ、草たちの元締めでもあるのだから。
「でも、ちょっと遅かったなぁ」
彼女(草の者)たちの正規の上司になるには、もう2年か3年遅かったね。
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うるさい子 [人間ドラマ]

今は解禁になっていますが、令和4年に入ってすぐは、県を跨いでの出張に行けませんでした。
自粛しているのもありましたが、自分が出向く案件も無かったからです。
嬉しいことに地方の社員から「最近、お見えにならないですね」「〇〇さん(私のこと)ロスです」メッセージをいただいたことがある。ホントですよ。本社の管理職で私だけじゃないかなそうやって言われるのって。(自画自賛)
出張じゃないんだけど、午後に有休で、さる地方の支店に日帰りで行ってきた。自費です。
その新幹線車中です。
会いに行く新幹線車窓.jpg
何をしに行ったかというと。。。

2月初旬、地方の支店を幾つか束ねるエリア長から私宛に連絡があった。私はそのエリア長とそんなに親しくないのですが。
「岸本さんが〇〇日でラスト勤務です。最後に〇〇さん(私のこと)に会いたいって言ってましたよ」
岸本?
ああ、あいつか。
会いたいって、私に会いに来いってことか。
上役の私を呼びつけるのかよ。相変わらずだなぁ。
行くのを渋ってたらまたエリア長から連絡がきて、
「遠いですよね。電話してあげたら喜ぶんじゃないですかね。お世話になった元気づけられたて言ってました。さすが〇〇さんだって思いました」
エリア長は私を持ち上げにかかった。
でも肝心の岸本からはそういう挨拶や連絡は来てないんですよ。「アタシが言っても多忙を理由に来ないだろうから、エリア長から言っていただけませんか」とでも言ったんじゃないかな。アイツ、岸本はそういうことを平気で言うキャラなんですよ。図々しいとこがあるのだ。

シンパ4-1.jpg

実は、岸本は過去に一度だけ登場しています。名無しで。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2018-04-03
このときのは都内の2エリアの合同宴会だったのですが、店がヒド過ぎでね。自分の宴会経験で記憶にあるなかでは最低最悪の店だった。料理内容と接客接遇が悪過ぎだったのです。
場所は錦糸町の駅チカでしたね。その店のHPにはチーズフォンデュがウリとあったが、出されたのは単なる鍋、それもテーブル毎に違った鍋が2種類出て、鍋が2種あるのに取り分ける箸もスープをすくうお玉も出なかったのだ。コロナ禍の前とはいえ、初めて接する連中と直箸ですよ。
当時の店のHPからです。
イメージ1.jpg
イメージ2.jpg
イメージ3.jpg
結果はこれ。イメージと差があり過ぎである。
都内某店.jpg
この店は今はないようです。この過去記事で私は、
『店は狭く、店のコンセプトから外れた料理は〇〇く、店員の応対も鈍く、ドリンクオーダーが滞り、それでいて座は乱れ、1年生女性社員が同期の若手男性の膝上に乗っかったり、皆のいる前でエリア長に異動を直訴嘆願したりと目を覆い耳を塞ぎたくなる光景が展開された。狭い上がり座敷だったのも良くなかった。
駅前チェーン居酒屋の宴会、若者向けでチーズをメインに謳う店、チェーン店は私に合わないと改めて思った。参加しなきゃよかった。提供する側も参加した連中もレベルが低過ぎた。こんなんUpできるかと思ったのでお蔵入りしました。』、
散々に書いてますが、この本文中の「1年生女性社員が同期の若手男性の膝上に乗っかったり、皆のいる前でエリア長に異動を直訴嘆願したり、目を覆い耳を塞ぎたくなる光景が展開された・・・」この女性社員1年生が岸本なんです。声のデカい子で、ひときわ目立ってた。

この宴会時に、私の右に「女王蜂」というキャラがいた。女王蜂は酒が強く、かつての統括部長だった伊東甲子太郎ともうひとりの男性取締役を、あろうことか夜中の2時まで引っ張りまわして飲み歩いたことがある酒豪ですが、当時の本社の男性管理者が女王蜂をチヤホヤするところがあって、本人もいい気になってるところがある。
それでいて同年代の女性社員からの評判はあまりよくないのだ。その「女王蜂」ですら岸本のはちゃけ振りに眉をしかめてた。不味そうに飲み食いしてましたね。
「うるさいなぁあの子は」
「あの子(岸本)今度、来週だったかな。ウチにもHELPに来るんですよね」(女王蜂)
「へぇ、そうなんだ」
ところが、女王蜂のヤツ、その岸本が自分とこに応援勤務に来た後で、
「岸本さん、まぁまぁしっかりした子でしたよ」
「見どころは?」
「今どきの子の中ではマシな方じゃないですかね。あの子だったらまたお願いするかもです」
ホウ、それはよかった。女王蜂のお眼鏡に叶ったともいえる。そこは安堵したが、それならそれで、こないだの宴会での放言や弾けっぷりを注意しなくてはいけないな。

女王蜂はコロナ禍になってから、私に向かって、
「いいですねぇ本社は在宅できて」、
「会社経費であちこち行けてポイント貯まるでしょ」
「今日はもうここで直帰されるのですか?」
嫌味タラタラで閉口したものです。最近は会ってないけど。

シンパ1-1.jpg

話を戻そう。この乱痴気騒ぎの週明けの平日、自分は岸本のいる支店に寄って「話がある」岸本と待合椅子に2人で横座りして、お説教じゃないけど叱ったのです。「こないだの宴会のあの態度はマズいぞ」から始まって、
「酒の席で異動を直訴するヤツがあるかよ」
岸本は目を丸くした。希望を言ってはいけないのかと思ったフシがある。
「ああいう場で言うもんじゃない。今いる支店の連中の耳に入ったら「あ、そう、岸本はウチじゃイヤなのね」ってなるだろーが。1年生の分際で生意気だって」
岸本は青ざめたけど本人の今後にとって大事なポイントですからね。
私は話を続けた。
「異動したい店の連中だって「あんな子がウチに来るの」って思うヤツもいるかもしれない。それにああいう席では、私や君と違って酒を飲めない、飲まないヤツだっているんだから、アナタが言ったことを覚えてるのもいるだろう。」
こないだの弾けっぷりが嘘のように神妙になっている。
「異動希望を出すのはいいし、誰でもいつかは異動するよ。でも異動するからには誰かが岸本君が抜けた穴を補充する為に異動してくるわけで、相手の環境によっては、アタシは今の配属で良かったのに岸本のせいで異動させられたって禍根を残すだろう。岸本君の希望を叶えるよりも、代わりに異動してくる者が納得する前向きな理由が必要なんだよ」
「ど、どうすればいいんですか?」
「言ってしまったものはしょうがないが、異動ってのは水面下での交渉が先にあって、上長を通して正規のラインでエリア長を通して上申するんだよ、飲み会で言うもんじゃない」
岸本はしおらしくきいていた。ウンウン頷いていた。泣きはしなかったが、何て愚かしいことをしたのかと猛省してたようです。
「まぁこないだの席で、異動したい旨はエリア長に伝わったとは思うがね」

私は岸本が所属している支店長とエリア長に「これこれこういう風に注意しといたから」と報告しています。
生意気な万年女性課長(ソリ合わないではない)が私のとこに来て、
「岸本さんを叱ってくれたんですって?ありがとぅ~」
「アイツ(岸本)から聞いたの?」
「ウン、聞いた。〇〇さん(私のこと)に叱られたって言ってた。」
「フゥ~ん」

ところが岸本の「何々店へ異動したぁい」これは2年後に叶ったのです。岸本が1年生社員の分際で飲み会の席で出した異動願いが通ったというのではなく、他の複合要素が絡まって叶ったのだ。退職者の穴埋め玉突きで決まったんじゃなかったかなぁ。
「望みが叶ったってか」
「ハイ、よかったですっ」
「あの席上で口に出したからそれが叶ったわけじゃないぞ」

岸本とはそれから親しくなった。私がカオを出すと尻尾振って寄って来るようになった。まぁ私自身を自画自賛するようですが、私が岸本の将来を本気で心配して叱ったのが通じたってことにしておきます。
ただ、うるさい子でした。声が大き過ぎるのです。待合に体調の悪い人間が聞いたら不快になりかねない。
子供が好きらしく、子供の相手をするのはいいけど、一緒になって騒いでるのです。ウチは託児所じゃないんだからと思った。
そこは私から言わないで、支店長やエリア長から注意して貰った。

シンパ2-1.jpg

何年か経って岸本は名前が変わった。入籍したのです。資格の書き替えと、支店登録の書き換えに出向いて、これこれこういう風にしなさいと説明したのですが、こっちの話の途中で質問をしてくるのですよ。
「それって・・・」
「話の腰を折るな」
「・・・」
いますよねそういう子って。
「今、それを説明するとこだよ。段階を踏んで話してるんだからまずは聞いてなさい」
そう言っても、すぐ話の途中で枝葉の質問を挟むもんだから、
「だから聞いてろって」
「・・・」
「最後まで人の話を聞けっての。質問は受けるから」
その質問の声がデカいのだ。若いクセに犬が吠えるような声を出すのです。話した後で耳鳴りがする。左耳がキーンって鳴るのです。
私は思った。コイツよく結婚できたなぁ。あんな騒がしい動物がひとつ屋根の下にいるなんて。デカい声と異動を直訴嘆願する勢いでもって相手の男性を脅したというか、土俵際で寄り倒したんだろって、岸本と仲がいい草の者12号に悪態を放った。
「よく結婚できたよな。物好きな男性もいるもんだ。あんなうるさいのを」
「いやいや、そんなこともないですよ
「アイツは相手の男性をいつものあの調子で迫ったんだろ。恫喝したんじゃないのか」
「でも旦那さんと仲いいみたいですよ」
「そりゃ新婚だからそうだろ」
「毎晩、晩酌して、岸本さんは話し役、旦那さんは聞き役なんですって」
「そりゃ片方があんな調子でベラベラ喋ってたら相手は聞いてるしかないさ。旦那さんも耳栓して聞いてるんじゃないのか?」
シンパ3草19号-1.jpg

昨年の春、岸本は旦那さんの転勤で急遽、首都圏から離れて地方に転勤になったのです。赴任してから電話で話したとき、
「来ないんですかぁこっちへ」
「そっち方面はねぇ」
岸本のいる支店は草の者で唯一の男性である19号が切り盛りしている。19号は几帳面で優秀で、私が電話で指示しなくても自分で必要事項を判断して動くのです。私が出向くまでのことはないのだ。
(19号を後継者候補筆頭に据えたいのだが、都内へは出て来れないみたいで。)
行けない、行かないのは、遠いからなんだけど。
「コロナが蔓延してるからなぁ」
そう言って煙にまいた。
そして1年経って、岸本は旦那さんの再度の転勤で、異動した地方からもまた離れて更に遠方に転居することになった。残念ながらそこにはウチの支店はない。泣く泣く退職することになり、冒頭に書いたように、私に会いたいとエリア長を通して言ってきたのです。
そこには草19号がいる。19号に内々に聞いた。
「最終出勤日、岸本はラストまでいるかな?」
「います。来られます?」
「今、調整してる。確約はまだできないが、行けなくても電話ぐらいはするよ」
忙しかったけど午後休にして出向いたのよ。花束は止めてお酒を持ってった。閑散とする時間帯の17時に着いた。
「あ、キタ!」
あ、キタじゃないよ。そっちが呼んだんだろうが。それもお前さん本人でなくエリア長を。
19号は傍らで吹き出すのを堪えている。別室で話した。他の社員の手前もあるんだよな。この子だけ贔屓なのかって。
別室には岸本が「お世話になりました」と付箋を貼った菓子が置いてあった。
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これは私が持参した岸本への送別贈答品、
手土産-1.jpg
「もう会いにきてくれないのかと思ってました。えっ?半休?有休使って来たんですか?」
「来たんですかじゃなくって」
「あ、ハイ、会いに来てくださったんですか?」

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いろいろ話してたら、あの時はこうだったとか、真相がボロボロ出てきた。異動願を出していながら、その後、異動拒否もしてたそうである。
「あの支店に異動なら辞めますって言いました。あそこの支店長って性格悪いらしいじゃないですか」
「それは噂だろ」
「噂で充分です」
かもしれない。今の子たちはLINEですぎそういうマイナス情報を拡散させるからね。
「〇〇店にも異動って話があったのですが、拒否りました」
「えっ」
初めて聞いた話だ。〇〇店は女王蜂のサロンじゃないか。
「〇〇さん(女王蜂)は君のことを誉めてたぞ」
「えぇ~、そうなんですかぁ、アタシ、何回か行きましたが、何だかイヤぁな雰囲気でぇ」
デカい声でまくし立てた。好き嫌いの多い子なのが改めてわかったよ。
滞在1時間ほど、携帯番号、メールアドレス、等を交換して御暇した。
岸本は無言でアタマを下げてた。私が視界から消えるまで。
往復の移動費が8000円、岸本に渡す餞別、支店に持ってった手土産、タクシー代、そして夜、黒板メニューの店でひとりで飲み食いした金額を合算したら、この日の総額は安くはない金額になったね。

錦糸町5-1.jpg

錦糸町です。岸本が弾けまくっていた錦糸町のしょーもない店は何処だったかなぁ。
このアーケードの先だった筈だが。
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錦糸町2.jpg
ついぞ見つからなかった。あれから5年も経ってるから撤退したに違いない。
岸本と、草12号、私、3人で飲み会する話もあったのですが、コロナ禍に突入してしまい、流れたままになっています。
岸本に感謝していることがある。
私の記憶だと、彼女は初回配属の後で3回異動しているのですが、計4回の配属のうち3回めと4回めの支店は、私がそこの人間関係にイマイチ深入りできなかったというか、私対支店の関係が薄かったのです。固かったのだ。
だが岸本が異動してからは、その2支店と私との関係は各段にスムーズにいくようになった。
察するに岸本めが「あの人(私のこと)はこれこれこういう人で・・・」デカい声でお喋りしながら吹聴したのが功を奏したと勝手に思っています。
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がさつな美女 [人間ドラマ]

「U美っ!」
「ハイ?」
「膝を閉じなさい」
「あ・・・」
「あ、じゃないっての」
「お行儀が悪いですかね」
「よかぁない。いいと思ってんのか」
「アハハハハ(笑)」
そしたらU美は両手を上下に叩いて笑った。クセなんですよ。そういう笑い方が。両手にシンバル持ったお猿の人形がシャンシャン叩いて笑うあれみたいです。

別にそこまで笑うほどオカしいネタでもないぞ。
デスクワークはいいが45度も開脚すんなよって。美貌に似合わず行儀の悪いオンナだなぁ。
ところが膝を閉じたU美は、片足を床の上に置いてある無停電電源装置(バッテリー)に載せたんです。パワーメタルのリードギタリストが、ステージにあるPAモニターに足を乗っけてるみたいだ。
「足を下ろしなさい」
「??」
「バッテリーを足蹴にするな。蹴っ飛ばしたらスイッチがイカれるぞ」
「ハイ」
「俺のことうるさいなぁって思っただろ」
「いえ、あ、別に、そうは」
「思っただろっ」
「アーハハハッ(笑)」
またシンバルを叩くお猿みたいに笑いだした。

U美は支店長です。小さい支店だけど営業所の責任者、管理者です。
春の新卒で入社してきてもう何年になるんだろ。私が群馬から戻った翌年の新人だからキャリア8年か。長く在職してる方です。同期の女性は皆嫁いで名前が代わってるのに、U美だけ実家のままです。美人過ぎて彼氏いると思われてるのかな。
「そういう予定(入籍)は全くありまっせっんっ」って宣言しとったからね。このときはね。
管理者は通算で3年経験してます。今は2か所めです。
だから箸にも棒にも掛からぬ子じゃない。存在感や価値は充分過ぎ、しかもプロパーだから、会社としても本人にしても新卒から育成した成功者といっていい。
だけどタイトルにあるようにガサツなんですよ。
「あの子はいいけど、雑よねぇ」って誰もが言います。人と合うか合わないかもハッキリしていますね。

U美は入社して最初の半年、己の重要書類を水道流しの脇に置いて水浸しにしたことがある。
用類でも何でもその辺にポイポイ置いて気にしないのです。置き場を気にしない。記憶力のいい子なので「あれは何処にある?」って聞くと「ここにあります」ちゃんと返ってくるので起き場所は把握してはいる。
だが、こんなとこに置くか普通は?ってところがあってですね。そんな高いとこに置いて、落ちてきたらアブないだろってのを高所に置いたりする。
空き箱、といっても段ボール箱とかをね。
「またこんな高いとこに置いてるのか」
「???」
「ここに移る前の支店であったよね。私の頭上にドカドカ落下したじゃないか」
「ああ、覚えてますよ、アハハハ(笑)」
また両手を叩いて笑ってる。猿かおまえは。

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U美が初めて責任者、管理者になった最初の支店で、私と2人で梱包してたときのこと。
ひとつひとつを古紙で丁寧にくるんだ。ではこれらを入れる大き目の箱、できれば厚手の箱、ダンボール箱がいいのだが。
「どっかにそういうのストックしてる?」
「あ、あそこにあります」
U美は指さしたのはロッカーの上だった。幾枚かのダンボールが折り畳んで何かに挟まってた。
「何であんな高いところに段ボールを置くかな・・・」
「他に置き場所ないんで」
置き場所が無いってか。床面積が狭いからとか言ってたが、要は後のことを考えようとしてないだけだろ。
折り畳んだダンボールを高所に置いたら取り出すときにアブないじゃないか。U美は背が高いので、足場要らずで背と長い腕を伸ばして置けちゃうんです。でも自分では取ろうとしない。高い場所に自分が置いたクセに。
私は両の腕を伸ばした。
「届きます?」
「届くけどさ」
背の高さや腕の長さをバカにされたとは思ってないが、仮にも私は上役だぞ。
私はさして長くもない腕を伸ばして取ったんですよそのゴツいダンボールを。1枚だけ引き出したつもりだが、それを挟んでたダンボール数枚がドドドッと私のアタマに落下してきたんです。
「アーハッハッハッ(笑)」
またU美は猿の人形がシンバル叩くように、両手を叩いて笑いだした。

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「何を笑っとるかコラっ」
「あ、その、いえ」
こっちはダンボールの角っこや縁がアタマに、頭皮を直撃したんだぞ。埃まみれになったし。
「だ、大丈夫ですか?」
「笑う前にそれを言えっての」
「アーハッハッハッ(笑)」
「!!!」
「あ、すみません」
先に散々笑っといて大丈夫ですかも何もないもんだ。目の前の大惨事を笑うか普通。ドリフのコントじゃねぇんだ。
私はアタマや肩の埃を払って態勢を立て直し、落下した複数のダンボール箱の中から適当な大きさのを選んだ。
そしたらU美は使わなかった残りのダンボールをまたロッカー上に置き始めたんですよ。

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「だからぁ」
「???」
「今、俺がどういう目に遭ったか見ただろ」
「???」
「またそこに置くのか」
「他に場所が」
「もういい。ガムテープを持ってきてくれ」
折り畳んであるダンボールを箱に復元した。

それにひとつひとつ梱包したモノを入れて、隙間にビニールのプチプチ、あれの工場と自販機が高崎市の郊外にあるらしいね。そういうクッション材や丸めた新聞紙で隙間を塞いでたら、隙間を全部埋めるのに少し足りなかった。
「どうしようか」
「あ、いいアイデアが」
どんないいアイデアを思い付いたのかというと、U美はレジ袋の小さいのを何枚か持ってきて、その場でフゥフゥ息を入れて膨らませて縛ったんです。
私は唖然とした。
そんなことしたって、縛っても隙間から空気が洩れるに決まってんジャンか。風船じゃないんだぞ。
でもU美はさっきまでのバカ笑いが嘘のように真剣なのでやらせておいた。

この梱包した荷物を、社内で最もうるさ型の完璧主義者である毅に送ったんです。毅とたまたま本社にいた私も割れたり破損してないか立ち会ったのですが、開封したらU美がフゥフゥ息を入れた筈のレジ袋が空気が抜けた状態でヘタっていて(アタリマエだが)それが10枚ほと入っていた。
「何ですかこれは?」(毅)
「ああ、それはねぇ」
毅に説明した。U美のヤツがクッションにしようと、レジ袋にフゥフゥ息を吹き込んで膨らませたつもりなんだよと。
「グワッハハハハハ(笑)」
気難しい毅が大口を開けて哄笑したものです。ソリ合わない、DON子、生意気な女性課長が目を見張った。経理の連中も、何あれ?毅さんが笑ってるよ、と驚いてたね。

別の日に行ったらU美がいない。草の者8号がいた。
「U美は?」
「お昼食べに行ってます。すぐ近くです」(草8号)
「近くに飲食店なんてあったか?」
「住宅と併設してるCafeができたんですよ」
草8号はU美を好ましく思っている。8号はU美より一回り以上年長者だが「ガサツだけど一生懸命頑張ってますよ。あの明るいキャラ的に好きですね」
そりゃ私だって嫌いなわけないよ。支店長と草たちがツーカーなのはいいことだ。この日は8号に用事があって、U美には直接の用事はなかったのだが。用事を済ませてでは次のラウンドに向かおうとした。
「駅まで戻る道の途中にあります。彼女とご一緒にお昼でもされたら如何ですか?」(草8法)
「私はもう済ませたよ」
来る時は気が付かなかったのだが、駅までの路でその新しい家庭兼Cafeを見つけた。デカいガラス張りで、利用客が座った状態で肩から下はスモークしてあったが、その上からU美の怒り肩と首とアタマがネス湖の怪獣みたいにニュッと出ていた。
窓越しに声をかけた。「オイ」って。
U美は左手にご飯茶碗、というか丼でしたね。右手に箸を持ってご飯の塊をのっけて、今にも口に入れようという状態で私を振り向いたんです。大口開けてアングリ。
喰いながら振り向くなよって。食事中に声かけた私もいけないんだけど、箸と茶碗をテーブルに置いてから振り向けっての。
後で「あの時、何を食べてたんだ?」聞いたら生姜焼き定食だか焼肉定食だって。U美は図体が特別デカいわけではないが、高身長のうえに肩幅があるので、ガッツリよう喰うんです。

大女のせいか、U美が歩いて風圧が起きたかと思ったことがある。デスクや台の間の狭い通路をU美が先頭を歩いて私が後からついていくと、そこらに置いてある帳票類やコピー紙が舞い上がって床に落ちたのです。ポルターガイスト?超常現象みたいだが実は風圧・・・もあるんだろうけど、U美の着衣の裾や袖が触れて落ちるんだけどね。エアコンの風が強かったりしてね。
問題なのは、落ちた書類を自分で落としたと思ってないのか気が付かないのかわざとなのか、その場で拾わないのです。サッサと前に歩いてってしまう。
後から付いてった私が拾ったんですよ。そりゃU美も故意に落としたわけじゃないし、U美も自分が闊歩した後の風圧で落ちたなんて思ってないだろうけど。(風圧というより、着衣の裾です。ケーシーじゃないロングタイプ)

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そのU美の美貌というか、表情に陰りが出てきた。会う度に、めんどいなぁ、やりたくないなぁ、そんな表情が露骨に出るようになったのです。
返事も暗い声で「アァィ」「ハァィ」「エェ」「ワカリマシタ」わかってるのかわかってないのか生返事になった。
私はU美を監督するエリア長に言った。
「なんなんだアイツの最近の態度は?」
「ハイ」
「アァィ、エェ、めんどくさそうに受け答えしやがって。前はあんなんじゃなかったぞ。何が不満なんだアイツは」
「そ、それがですねぇ」
エリア長は声を極端に落として、私に耳打ちした。
「ええっ!」
「・・・なんですよ」
「そうだったのかアイツ」
「ハイ・・・」
「だってアイツ、前には、自分そんな予定全然ありませんって豪語してたんだぜ」
「相手は年下だそうです」
「年下・・・、どんな手ぇ使ったんだアイツ」
「いやいや(笑)なのでまた雇用証明や名変の件で、お世話かけると思います」

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その後、U美に言ったのは、
「聞いたよ」
「何をですか?」
「ゴニョゴニョゴニョ」
「・・・(頷く)・・・」
「そうか。そうだったんだ。それならもうよかろ。あっちこっち異動も転勤もしたし、支店長も2回受けたんだから。これからは自分の身体のことを優先しなさい」
「アリガトウゴザイマス」
「どうも最近になって暗い声で、アァィ、ハァィ、エェ、ワカリマシタ、ブスくれた返事ばっかり返ってくるから、何を不貞腐っとんだと思ってたんだ」
「そ、そんなこともないです。疲れてたのはありますけど。至って上機嫌なんでぇ」
「あれでか。あの生返事でか」
「自分、心で思ってないことが表に出るんですよ」
「そんなヤツはいねぇって!!」
「ガハハハハッ(笑)」
またU美はお猿の人形のように、手を叩いてデカい口を開けて哄笑した。
現在、U美は産休、育休中です。
「アタシ、なるべく早く戻ります。それまでいてください」
「・・・」
コメント(2) 

要注意「また来てくださいね」。。。 [人間ドラマ]

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H美(仮名、3年生社員)がバタバタと入ってきたところ。
「お、お、お、お呼びでしょうか」
「うん、ちょっとな」
相変わらず目力が強い子だな。
でも以前のような目じゃない。目の光に余裕がある。
私は軽くドアを閉めさせた。鍵はかけさせない。
簡易テーブルの上にH美が関わる業務上の手続きについて簡単に説明した。
説明しながら思った。この子はもう大丈夫だなって。
説明し終わったら、
「ふぅ~、何か怒られるのかと思った」
「俺に怒られるようなネタでもあるのか?」
「いえっ」

H美は3年前の新卒入社です。
毎春、新卒が入社します。最初に新人研修があって、それが済んだら初回の研修配属、そして半年後の正式な辞令配属、それ以降は各支店の状況によって異動が度々あるのですが。
私はそのタイミングで対象者全員と関わるんですよ。相手が私を怖がっても嫌がっても避けたがっても必ず関わります。年齢差30歳以上でマンツーマンで関わるんですよ。
中途採用と違って新卒は初回配属と正式辞令の場所が異なるケースもありますが、今、ドアを慌ただしく開けて入室した3年生社員のH美は初回配属と正式配属が同じのまま。今でもずーっとその支店にいます。今日まで異動していません。
ウチみたいな会社で異動経験無しってのは稀有なケースです。

私がH美と関わるようになったのは、彼女の同期社員全員の中のひとりに過ぎない。
最初は入社時の初回配属の手続きだったと思います。緊張してたようだが、事務的に淡々と対応したつもりです。
第一印象は、目が強い子だなって。
私は相手の目をまず見ます。そして目を逸らすか俯くか、ちゃんと私に目を合わせるか、です。
H美は目つき、というか目力が強い子だった。目つきが悪いとかではなく強いのですよ。瞳の奥底から強い光を放っていた。印象に残った。

後で思えば何か思い詰めたような目力だったのですが。

H美と仲がいい同期の子が2人います。2人のうち、私がH美より先にフランクに話せるようになった子に、
「H美と仲いいの?」
「ハイ、こないだも会いました。同期で仲いい子3人で」
女子会かね。この頃はコロナ禍じゃなかったですからね。
「H美はいい目をしてるな」
「???」
「獲物を狙う猛禽のような目をしてる。格闘家の目みたいだ」
私は単にそう思ったから言っただけですが、女性によっては失礼だったかもしれない。でも別にけなしたりクサしたわけじゃないですよ。期待度を込めて言っただけです。
でもこういうのは危険をはらんでいる。いまどきの子(こう言うと私が年寄りみたいだが)ってLINEなんかのSNSで相手に「〇〇さん(私のこと)がこう言ってたわよ」とか伝わりかねないんですよね。
「いい目をしている」ぐらいなら伝わってもいいけど「獲物を狙う猛禽みたい」という表現、比喩はzちょっとね。

だが、私の見立ては間違っていたらしい。「アイツはいい目をしてるな」と言った同期のその子が言うには、
「H美はメンタル弱いです」
「???」
「そういう目に見えたのは、強気ではなくて、弱気だったのではないかと思います」
「そうなのか?」
私はこれでも人を見る目は磨いたつもりだと自負してたのですが、その同期の子が言うのが正しかったとしたら。
いや、正しいと見た方がいいね。その子は私よりH美を知ってるわけですから。私の見立てはトンでもない勘違いをしてたことになる。
その仲いい同期3人で会食でもした時に何か不安材料をこぼしたのかもしれないね。

「H美は弱いです」と私に情報をくれたその子です。実は過去に一度か二度、登場してるんだけど。

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「そうか。君がそう言うならそうなのかもしれないな」
「こないだ集まった時に元気がなかったようでした」
「その要因は?」
「お、そ、ら、く、今いる支店の人間関係とか。自分の立ち位置とか。」
そういうのは誰でも向き合わなきゃならない壁ですな。
「H美のとこに顔を出される機会あります?」
「う~ん、そうだなぁ、何か彼女の支店で異動とか変化があれば行くんだが」
「機会があれば声をかけてあげてくださいね」
えぇ~、この私がかぁ、とは口に出さないで、その場では「わかった」と答えた。

同期の子が言う「弱いと思います」を裏付けるデータがあった。勤務シフトと実績です。それを見てわかったのは、H美は他の同期の子に比べて非常時の他店応援勤務が殆どない子だったのです。
いつもいる支店から遠方とかの支援勤務が決まれば、各エリア長から私を含めた各関係者に連絡が来るのですが、H美はそういう実績がない。
なるほど同期の子が言いようにH美はメンタルが弱いようだ。異動することや他店で勤務することで、自身の環境の変化を厭うのではないかと。

弱い子らしいと知ってしまった以上は気に留めはするが、H美だけに声かけするには周囲の目を多少は意識しなくてはいけないのだよ。
H美がいる支店は従業員数が多いので私が訪れる回数は少なくないのですが、人数が多い分だけその中からH美だけ声かけするのって逆に目立つのね。
別室へ連れ出したら更に目立つし。周囲は「何かあったのか?」「あの子だけ?」「H美だけ何で?」ってなるじゃないですか。
こういうケアは人事部や教育部は個別に話しやすいそうです。私はそういう立場じゃないからね。
でも長話をしなくても、短い会話でも声掛けでも、こっちが相手に気にかけてるのが相手に伝わるだけでもいいだろう。
顔を出す機会を待った。狙った。

先述の「H美と仲いい同期2人」と言いました。2人だからもうひとりいて、それがこの写真の右にいる子なんだけど。(※)

同期の子2-1.jpg

この子はズ太いところもある困ったちゃんで、とある手続きを怠り「同期の中でお前だけだぞやってないのは!」ってのがあったんですよ。お前って言っちゃいけないんだけどね。
50人も同期がいるとひとりか二人はおろそかでちゃらんぽらんなのがいるのです。
どんな大事な手続きを怠ったか見せてやるから同行させることにした。とある場所へ強引に引っ張ってたのですよ。
この子の上長と指導員の許可を得て同行させたのですが、
「怠ったんで連れてっていいか」
指導員は「いいです。お願いします」と私に言った後で、
「ったくもう、あの大戯けめぇっ!」
絶叫調に及んだものです。大うつけではなく大戯けだった。戯けものなんて昔言葉をよく知ってたものだ。

手続きは済んで、その後でお茶したカフェがこの写真ですが、さいたま新都心の駅カフェです。
この大戯けと言われた子も、
「H美はちょっとメンタル的に弱いかもですね」

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「あの大戯けめぇ」と叫んだ子はこないだ辞めました。5年生だったかな。トテモいい子だったのに。誰もが退職を惜しんだ。私もロスになったからね。
「大うつけとは言わなかったのね」(ジャン妻)

さて、ようやくH美がいる支店に公用ができたので出向いた。H美ではなくそこにいる草の者9号に業務委託があったのです。
9号には「もういい、コイツは使わない」と失格の烙印を押していますが、この時はそうなる前だった。
だが現れた私を見て9号はを見てイヤ~なカオをした。
この記事は9号が主役じゃないんだけどついでに書きます。9号はあまり登場しないのは、いつもそうなのですが、委託した時の態度があまりよくなくてね。
私に対して「ゲェ~、来ちゃったよこの人」って露骨にイヤそうなカオするのと、自分にどんな難題を振られるかと警戒心がアリアリなんですよ。
話が進むと何とか落ち着いて笑顔もまぁまぁ出て緊張もほぐれていくのですが、少なくとも本社の上役である私に対するカオ、表情じゃなかったね。
この時も私はムッとする気持ちを抑えて、
「例の件だが、君が対応できるならやって欲しいのだが」とか言ったのかな。この頃は異動前で草たちとは組織上の縦ラインで繋がってなかったので「お願いできないかなぁ」みたいな口調でした。
でも9号は、今はこれこれどうこうであーだこーだ、あれもこれもあるしぃ、だからぁすぐにはどうこうって、できなさそうな理由、予防線、保険みたいな言い訳をグズグズ言い出した。自分が今抱えている負担を吐き出したいというかね。
それでいてハッキリ「できません」とも言わないのです。できないならできないでいいんだよ。こっちでやるから。いや、できる者を他に探してやらせるから。

9号は前回会った時より痩せていた。体調がイマイチよくないようだ。
「食欲がないんです」
「胃の調子?」
「いや、メンタルです」
自分で言うかぁ。ストレスで食欲減っってか。
私は9号に言うだけ言わせて、
「そっちが今、抱えてる業務が大変そうなのはわかったが」
「・・・」
「食欲がないってのは何だ。今日の昼は?」
「カロリーメイト1個です」
「カロリーメイト・・・(絶句)・・・食欲ないのは私の業務のせいか?」
「そ、それは違いますっ。〇〇さん(私のこと)の業務は外に出るので逆に気晴らしになるくらいです」
気晴らしね。
私の業務は気晴らしかよ。
だったらやれよっって怒鳴りつけたくなったけど。
「なのでぇ」
「無理せん方がよさそうだな。今回はこっちでやる」
「いえっ、急ぎでなければ」
「そうか、いついつまででいい」
期限に余裕を持たせて手渡した。

だが草9号は私が託した業務を自分でやらなかったのだ。
あろうことか9号の直接の上長であるエリア長が請け負ったのですよ。9号は上長であるエリア長に押し付けたんです。エリア長から「自分がやって無事に済みました」って報告が来たもの。
「エリア長たる君がやったの?」
「そうです。彼女ちょっと無理そうだったんで」
「私は彼女(9号)に委託したんだがな。」
「・・・」
「期日までに行ってくれたんだからいいけど」
9号め、できないなら何故その場で出来ないって言わなかったのかな。憮然としたが抑えた。どうもその辺のガバナンスがオカしいよな。

9号でもエリア長でも支店のいち事務員でも、こちらが提示した期限までにやってくれれば誰でもいいよって、そういう意味で納得したが、この一件から私は、9号は無理だな、主任から外した方がいいと思ってます。この件以降は9号に委託していません。草の者9号はこのBlogにあまり登場しないのはハッキリ言って使えないからなのです。

草9号自身も「主任下りたい」と言ってる。
後任をあたったらしい。だけどイヤイヤやってる9号がそこのエリア内の誰かに「私は下りるからアナタ代わりにやってくれない?」なんて言ったって誰も受けないですよ。
アンタがイヤイヤで下りたいのは勝手だけど、何で後任にならなきゃならないんだってなるでしょう。
やはりそれ相応の役職の者が候補者に打診しないと。前向きに説得しないと。

さて、先述の私と9号との言い合いというかしょーもない珍問答をH美が見てたんですよ。奥でじーっと立ってたの。あ、こっちを見てるってのがわかった。
何か言いたそうだったので声かけしてみた。今思えば、先述の仲いい同期2名から私のことが伝わってたのではないか。目を見てどうこう言ってたのがね。
H美を見て、目で差し招いて話しかけましたよ。
「キツそうだな」
「ハイ、キツイです」
「1日に何人ぐらい受け持っている?」
「多いときで50何人くらい」
この業界では原則ひとり辺り40人が妥当です。H美が言う50何人ってのは最大瞬間風速的な数値で、カレンダーでいうところの連休明け、あるいは飛び石連休の間の平日だった。昨年の9月のカレンダーだと21日、22日、24日とかですよ。
「いやいや、そこは混むさ」
「ハイ、それはわかります」
だけどH美がいるこの事業所は年中無休なのです。年末年始は休業しますが普段の(土)(日)(祭)も普通に営っています。
土曜日はまだしも、同期で自分だけ(日)(祭)営業の支店に配属されたのがキツいのかな。

「今言った50何人って数字だが」
「ハイ」
「そこだけ見ると確かに少なくないが(日)(祭)営ってるから50人か60人で済んでるんであって、これが(日)(祭)閉めたとしたらもっと増えるぞ。底辺が狭まるから」
「??」
「(日)(祭)休業してる他の支店は平日の数値が圧縮されて跳ね上がるんだ。分母が小さくなるってこと」
この程度の分数計算が即わからんのかね。しばし沈黙、考えたようだ。
「なるほどそれはわかります」
「だからその瞬間的なマックス数値だけで判断しない方がいい。まずワンシーズンここにいて頑張ってみなさい」
「ハイ・・・」

他へ出ようとした私にH美は囁くように言った。
「また来てくださいね・・・」
伏し目がちにそう言ったのです。

また来てくださいって?
私はハンマーでアタマ殴られたみたいに衝撃を受けた。
年齢差もあり過ぎで私みたいなのに「また来てください」なんて言うからには、こりゃこの子は病んでるって思い直したのだよ。同期の子が言ってたのが正しかった。
「また来てくださいね・・・」若い子にそう言われたからって舞い上がってるようじゃダメなんだ。
私は人事部に話を持ってくことにした。

人事部は入社前の学生さんの就職活動の窓口です。でも入社してからは研修中のある期間までの関係で、正式に配属されたら店舗運営部に殆ど一任する。そうなったら人事部は新人たちに直接関わり難い部署でもあるんだな。
運営部が人事部の容喙を好まないのもある。入社して配属されてからは「こっちでやるから」「こっちの管轄だから」ってね。
確かにそうなんですけどね。採用するまでは人事部の管轄だが、各支店に配属したら人事権は店舗運営部に移るので、人事部の目はなかなか届かないのだ。

ただ、新卒で入って来た子が3年未満に何らかの理由で残念ながら退職してしまった場合、運営部から人事部に報告義務のようなルートがあるにはあるようです。なので人事部は入社後も3年間は関与するともいえる。
人事部は学生の就職課との繋がりを大事にするし、教授の推薦とかもある。せっかく紹介推薦されたのに僅か1年や2年で辞めてしまったら大学側から「あの会社は止めた方がいい」になりかねない。すると次年度からの採用に繋がらない。
人事部も就職活動に来た学生さんに夢を持たせるように如何にいい会社かいい雰囲気かをアピールしがちな傾向にあり、それ也に雰囲気のいい支店を選んで見学させるきらいはある。
だが実際は現実との乖離があるんですよね。
理想と現実の差は厳しい。H美が沈んでたのはまさにそれだったのですが。

私は「辞めた理由」報告を見たこともあるけど、大概は「自己都合」だけでしたね。
自己都合で辞めるに至った事由が問題なのだがそこまでは記載されていない。辞めた原因が人間関係とかっていうケースもあるからね。
自己都合=本人の弱さ、ともいえるのですが、それだけで片付けちゃっていいものだろうか。誰だって最初から強くないですよ。

学生対応の人事部、入社して配属されたら店舗運営部、今はこれに加えてもと草の者4号が所属する教育部が絡むようになって更にヤヤコシくなったのですが、私はこの時は店舗運営部を無視して人事部に直に話を振った。運営部に異動した今そんなことをしたらマズイが、この時は異動前だったのと、当時の運営部長を認めてなかったのもある。
話を持ってった相手は、学生時代のH美を担当したO(オー)という男性、その者にそのままを伝えた。Oはイケメンで細身で背が高く、紳士服チラシのモデルのような野郎である。
私は上州某所へ出張してそこで思い出したようにOに電話した。すぐ出なくて小田から折り返し架かってきたのがこの田んぼの辺りで、

電話の場所1.jpg
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田んぼの畦道、じゃないけど、広い道幅の農道にレンタカーを停めて話した。
何でこんな場所で電話したのか。人気が無いからかも。たまたまH美のことを思い出したんです。

「私なんかに気弱そうに、また来てください、なんて言うのはオカシイ。アイツ(H美)は病んでるよ」
「ハイ」
「普通は若い子が向こうから私なんかに近づいてこないもの。ド新人の一年生社員がね。そこだけいい度胸してらぁ」
「そうですね」
「何がそうですねだっ?」
「あ、いや、えっと、すみません、ええっと、彼女(H美)のいる支店ってそんなにキツいんですかね」
そうでもないのだ。それ也に人数、頭数いるし。
「そうですか。ではH美さんは今でも自分の担当でもあるので面談してみます。このことあっち(運営部)は?」
「言ってない」
「そうですか」
「アイツ(当時の運営部長で丸投げ管理職)に言ってもしょーがないからな」
「自分が対応しますから。情報提供ありがとうございます。」
そう、これは情報提供だ、告げ口ではないぞと。
「〇〇さん(私のこと)の名前出してもいいですか?」
「いいよ」
Oは社員面談に他部署が異を差し挟もうとしたら、人事部としての定期面談で押し通すって言ってた。そういう文句を言ってくるとしたら店舗運営部長だが、当時の運営部長は日頃から口癖のように「個々の対応はエリア長に任せている」のうようなスタンス、要は丸投げなので波風は立たなかったようである。

人事部男性のOは女性上司と2人でH美に対応した。彼が聞き出したのは人間関係とかよりも、配属されたら自分が思ったより厳しい世界だったのでそれについていけてないからだとか。
「自分が思ったよりって?」
「ハイ」
「そりゃ自分の思い込みが甘かっただけか」
「まぁそうなんですけど」
そういうのに対処する引き出しは私も私也に持ってますが、私はその後もOに一任した。そして半年ぐらいしてH美は何とか持ち直したらしく、私と会う度に気持ちが上向いてきたようで明るくなってきた。人事部は「〇〇さん(私のこと)から聞いた」そう言ったそうです。
やはり初動は大事だなと。

かなり上向いた頃、H美に言ったので覚えているのは、
「誰々と何々と仲いいって?」
誰々と何々は前述のH美の同期2人ですよ。「あの子(H美)は弱いですね」って教えてくれた2名、
「ハイ、あの2人とは時々話してます。あ、そうえば何々とお茶されたんですよね」
前述のネタとカフェの写真ですよ。今思えばいつかネタになると思って撮ったんだろうね私は。
「50人いる同期んなかで私がやれって言った事をアイツだけ忘れたんだ。お茶したのはその後の手続きの打ち合わせだよ」
お茶ったって駅カフェですよ。「〇〇さん(私のこと)とお茶した」とでもLINEで配信したのかね。私は依怙贔屓と見られかねないから言うなって口止めしたつもりだが。この時は口止めしなかったかな。これがLINEのコワイところだ。

それから2年経ってその間もH美と会ってますが、各段心配することはなくなった。
心配懸念したのは同じ支店にいる草の者9号、依頼しても途中経過の報告もなく、やってるのかやってないのか、どこまで進んでいるのかわからない。こっちがストレレス感じるので私自身の異動を機に全く使わなくなった。草の者失格の烙印を押した。もう外す!
まぁそれはいいや。で、昨年の梅雨前頃、H美のいる支店に配属された今年春入社の新人(男性)に業務上で連絡しなきゃならないことがあってね。
でも私がいきなり新人と直に話すと電話口で委縮するだろうと思ってさ。支店に電話したの。
「誰々(新人)に用があるんだが、彼の教育係と話せないかな。誰です教育担当は?」
電話に出た者は、
「〇〇(H美の姓)さんです」
「えっ!」
「???」
「H美かよっ?」←声がデカかったかも。
「そ、そうです。い、今、代わります」
H美が電話口に出た。
「そっちの新人の教育係ってまさか君か?」
「そ、そうです。あの、あの、もしかして、やっぱり、アタシなんかが教育担当じゃぁ不安ですよね」
もしかして不安どころか大いに不安だよ。でもそうは言わない。
「いや、さような意味では。いい意味で驚いただけだよ。そうか、大丈夫だちゃんとやってくれ。で、その新人に伝えて欲しいのだが・・・」
H美は今年春の新卒で入社した後輩新人の教育担当だったのです。自分が抱えてる通常業務と並行して教育を行うので、日々の負担は2倍とは言わないが1.5倍ぐらいにはなるだろう。
それに教育担当って操作方法といったオペレーション業務だけじゃないからね。挨拶とか言葉使いとか、電話応対とか、基礎的な社会人としての立ち振る舞いとか。私なんかはそういう研修や教育ってただの一度も受けたことないまま今日まできてしまったのだが。
新人を、後輩を教える気になったということは3年前よりは随分と改善されたのだろう。自分が過去に悩んだのも糧になったに違いない。
先述の人事部男性、Oに伝えた。
「ってことは、彼女持ち直したんですかね。よかったです」
「教える側になったってことでね。」

カコ2-1.jpg

もう大丈夫だね。冒頭に戻ろう。私に呼ばれたH美は、私が説明する内容をフムフムと頷きながら聞いていた。
その説明が済んで、私は思い出したように言った。
「同期で誰か辞めそうな、危なそうなヤツいるか?」
2年前のおまえさんみたいにアブなそうなのはいるかってこと。
「辞めそうな子・・・。う~ん、今のところはいなさそうですね」
「そうか。隠してないだろうな」
「か、隠してなんかいませんっ
「・・・」
「多分・・・」
「たぶん?」

自分は支店の外線、代表電話にはなるべく電話をかけないで、各支店に配布されている業務携帯に架けるようにしている。
その携帯には着信相手の名前が表示される。営業中だから出れない時もあるし、着信に気がついた者が、出れる者が出るか、折り返せばいいのですが、H美は必ず出ますね。
「あ、〇〇さんからだっ」って声が聞こえてきそうです。

今日のこの話はたまたま仲いい同期が他に2人いて、私は先にそっちからSOS情報を仕入れたお陰です。
それはコロナ禍の前だったからでもある。2020年と2021年の新卒たちはコロナのせいで懇親会も同期会も無く、誰が自分の同期なのかもわからない者ばかり。
「同期で辞めそうなヤツいるか?」と話を振っても「同期が誰なのかわかりません」と返ってくるんだな。
同期同士の横の繋がりは殆どないようである。
ちなみに「大戯けな子」も昨年春入社した新人の教育係になっている。
「その新人は2年前のお前さんみたいなチョンボしてないだろうな」
「あ、あ、ありましたねアタシん時は。でも今年の新人さんは2年前のアタシなんかより、ずっとずっとずーっと、しっかりしてるから大丈夫です」
(ー”ー;)
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草1号がMVP受賞! [人間ドラマ]

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昨年のネタです。前にソリが合わないオンナのデカい背中とそれよりひとまわり小さいDON子の背中があります。今日は日曜日ですが、年に1回開催される全支店長会議の日なのです。
全支店町会議は前はホテル会場を借り切って開催してたのですが、コロナ禍の今は集合会議ではなくWEB会議で開催されています。
WEB会議参加者はエリア長14人、全支店長100人、事務リーダー(主任、草の者)たち14人、そして本社メンバーですが、本社の運営部門と総務部門のメンバーは本社一室に距離を空けて集まり、そこから発信します。
スクリーンにO美(草の者1号)が映った。彼女が本年度の優秀社員賞を受賞したのだ。
やったな1号!

開催に先立って開催1ヶ月前、本年度の優秀社員表彰と優秀支店表彰を決めることになり、ノミネートされたデータが私にも配信された。
私はノミネート権は無いが、ノミネートされた社員と支店からひとつずつ選んで投票する権限を与えられたのだ。
表彰される優秀支店のノミネートポイントは、売上、利益、経費節減、積極的な地域活動、少数精鋭支店、応援に協力的な基幹支店、などなど。
それらは老舗やプロパー支店、近年にOPENした新店、他社から吸収合併された支店、それらのバランスを重んじるところもある。私は支店ノミネートに関しては意見を挟まず各エリア長の評価に委ね
た。
私が気になるのは誰が優秀社員にノミネートされているかです。誰かに一票を投じなくてはならない。
各エリア長が推挙した社員とノミネート理由を見た。14人いるノミネート者で私にとって馴染の者が数人いた。
その中に、O美、草の者1号がノミネートされていたのです。
ノミネート理由は、

『総社店閉鎖、上泉店新規OPEN、沼田店→沼田本町店への名称変更、国分町店の〇〇新規許認可取得など、通常業務と別に複数の支店閉鎖や新規申請を抱え、時系列での難しいポイント毎で書類作成、行政窓口との折衝に携わったこと。
根小屋店と山名店のレイアウト変更など。(支店名は架空ね。)
〇〇部のサポートのもとで対応ができたことを高く評価します。
多忙な中でも事務リーダー(主任)として、エリア内の支店ラウンドを欠かさず、従業員面談を定期的に行い、問題点を小さいうちに拾い上げ、スタッフの精神的支えに・・・』
いつ何をやらせて何ができたかが具体的に示されていた。
で、この評価文でいうところの「〇〇部のサポートのもとで」とありますが、これは私のことなんですよ。

https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-02-11
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-02-10-1

この過去記事で私は草1号に、ノミネート理由にも挙がっていためんどい業務をマンツーマンで教え、初めての業務内容に不慣れでゲンナリしてるところを無理やりやらせた。
この頃の私は異動前で組織上では草たちと直結してなかったので、支店社員の人事考課を査定する権限が無かったのですが、別様式に「こういうことをやらせました」「完結できました」結果報告も兼ねてメモ程度のメールを1号直属の上長である廣川(仮名)というエリア長に送信しています。
廣川は私にこう言いました。
「正直言って、私はO美さん(草1号)の業務はよく知らないし、彼女をどうやって評価していいかわからなかったんですよ。だから〇〇さん(私のこと)から送られてきたメールをそのまま選考様式に転記しちゃったんですけど。いいですよね」
裏ではこういう流れがあったのです。1号本人は知りません。

私は10何年前に自分が面接採用した草1号がMVPにノミネートされたことをトテモ嬉しく思ったが、彼女だけに入れ込みそうになるところをグッとこらえて、他のノミネート者にも公平に目を通した。
次に目に留まったノミネート者は草の者14号、14号の評価評価内容を見たら、

『とても頼りになるリーダーです。支店での通常業務は完ぺきで的確です。
教育部の依頼を受けてスタッフ教育の資料作成も行っています。他支店のサポートも申し分ありません。
相談すると的確な意見が帰ってきます。主任たちを束ねる存在だと思います。』

評価した上長は社に長く在籍しているけど頼りない男性です。
過去に登場しています。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2017-11-28
この過去記事で、当時は紙だった給与明細を封を切らずにゴミ箱にポイ捨てした私をたしなめた人です。その彼がUpしてきたのですが、こんな抽象的文章、観念的な内容じゃダメです。いついつ具体的に何をやったか、どういう風に完遂したかが何も記載されてない。
「できるスタッフです」これだけでしかない。これでは上の者はどれだけできる社員なのかが全くわからない。この程度の文才しかないのかと呆れた。
14号です。
14号-1.jpg

草14号はウチの純粋培養社員ではありません。妙に仕事ができる人だと思ったら同業社大手からの転職者だった。前職でも本社部門の主任クラスだったのです。
こないだ14号と支店の休憩室で話したのですが、前職の大手では地方都市への転勤経験もあり、お子さんの理由で泣く泣く退職せざるを得なかったと言ってましたね。手が離れたのでウチに応募、採用されたんだって。
前職で新規出店、教育関連も手掛けたことのある実践者なので「できて当然」なのですよ。確かに上長の言うとおり、草たち、主任たちを束ねる存在かもしれない。だが、前職でも相応の経験者である14号を会社内で面白からず思っている生意気な女性課長がいましてね。
その女性課長が言うには、会議で14号が発言すると他の主任(草)たちが遠慮して黙ってしまうというのです。それは他の草たち(主任たち)が14号の実力を認めていながら「どうせ彼女(14号)が何か言うでしょう」なんですよ。
(生意気な女性課長はソリ合わないオンナじゃないですよ。別キャラです。ソリはそういう人じゃない。)
生意気な女性課長は14号をできる者と認めていながらもあまり良く言わない。女性課長は、草1号、2号、3号といったウチの生え抜きを可愛がる傾向にある。半面、他から来た14号に対してはオモシロからず思っている。
だけどそういう背景を無視しても、14号は前職での履歴、職歴込みでそれ相応の給与、待遇、職位で入社しているのです。前々から評価を得ているわけですよ。なので今更MVPで表彰することはないのだ。
「14号よ、お前さんは既に高い評価なんだよ。それと今の上長に恵まれてないな」そう思いながら、日頃何かと頼りにしておきながら、彼女のノミネート欄から目を外した。

その次に目に留まったのは誰かというと。
意外な者がノミネートされていた。
上州の「笑ふ女」
「ぶふふっ(笑)」って笑うあのオンナです。
何でこのオンナがノミネートされてるんだ。
久々に登場、笑ふオンナ、
笑ふオンナ1-1.jpg
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群馬の担当だったもと草の者6号が都内に嫁いで職制から引いて、後任にイヤイヤ15号(主任でいちばん若い子)が決まったのですが、決まるまでは上州は主任、草が不在だったのです。
私は笑ふ女に「アナタが何故やらないんだよっ」って詰め寄ったことがあります。
「ぶふふっ(笑)」
「・・・」
笑ってごまかされました。結局は15号が就くのですが、15号は私が上州を去って数年経ってから入社した後発なので、私としては上州にトバされた10年前?もっとか?その頃からいる笑ふ女、聖なる酔っ払いオンナ、今日まで在職している者にやって欲しかったんだけどね。
で、笑ふ女の現在の上長からのノミネート理由はというと、

「中途入社指導員として指導に尽力されたこと。
部下の面倒見も良く、他の職員からの信頼も厚い。
彼女のいる支店は接遇強化店舗であり、各職員の接遇スキルが非常に高まったこと。先導する立場として云々。
それも絶対人数減で工数的に厳しい中での活躍とか何とかかんとか・・・」

部下の面倒見も良くって?
そうかなぁ。私の知る笑ふ女は、私が上州に赴任するまでそれまでのTOPから嫌われて苦労したのもあって、自身のこれからのことしか考えてない感があったがね。
他の職員からの信頼も厚いって?
確かに見た目はブ厚くなってきたけど。いや失礼、信頼厚いのは否定しないけど、彼女の場合は長く在職してるからではの信頼なんですよね。
接客接遇レベルが特別に高いとか、そういう感じはしないなぁ。

笑ふ女のノミネート理由には、これは理由にならないだろうってのが最後の1文に入っている。
「今後更に貢献していただけることを期待している。」
これはダメです。期待度はノミネート理由にならない。褒章の前払いになってしまう。手当じゃないんだから。
期待度ではなく実績でなくてはならない。何かをやらせて結果を出した、期待に応えたからこそのMVPだからね。期待度に先行投資して受賞させるってのはノミネート主旨から逸脱しています。

次に気になったのは草13号がノミネートされていた。東海エリアの子です。
13号の上長評価文はどの草たちもやってることを列挙したに過ぎなかった。「スタッフ教育のみならず、従業員相談事、積極的な声掛け等、精神的な支えになっている」とかね。そんなん誰でもそうですよ。
13号は飲み会ネタ他で何回も登場しているし、個人的にはかわいいから情が湧きますが。ノミネート理由としては弱かった。外した。
13号、最近会ってない、
処理済~13号.jpg

どうも非評価者よりも評価者(評価する側)が甘過ぎなのと、評価する文体が脆弱過ぎる。これは作文や表現力に長けてないからだろうか。
ダラダラ文章で書くのもよくない。箇条書きで、いつ何をどこまで完遂した、これだけでいんです。だって選考する上層部はノミネートされた者たちを全員は知らないわけでさ。知らない上層部がノミネート理由を見て納得して一票を投じる内容でなくてはならないのだからね。
私は口幅ったいようだが、支店を廻る職掌上、1200人いる従業員全員は知らないにしても、こうしてノミネートされたアタマひとつ以上抜きんでた社員は知ってますよ。

(ここで余談です。数年前、当時ジャン妻の直属の上司だった人が、ノミネートする選考委員に何故私が入ってないのかとブチ挙げたそうです。私が本社の誰よりも各支店をラウンドしてるから、従業員を知ってるだろうという理由だって。
嬉しい気持ちもあったが私は固辞した。確かに私は本社の人間ではいちばん支店にカオを出さなくてはならない職掌ですが、支店従業員に支持命令を出すラインではなかったからです。ただ相手を知ってる、相手も私を知ってるだけなんですね。
それに私は一部の社員にだけ偏った思い入れが強い傾向にあるのを皆、知ってるので、公平な評価ができないだろうという意見もあったらしいです。それは図星です。)

さて、誰に一票を投ずるか。
次点は無いのである。ひとりしか選べない。
草1号しかいないよな。
14号はできて当然だし、笑ふオンナや13号にも情はあるが、MVPではない。
私は1号に票を投じた。〇印をつけた。
自分が面接採用した子で生え抜きなのもあるけど、ノミネート内容にある「〇〇部のサポート」これは100%私のことなのだからね。

その後、今の部門長から配信されたインフォメーションで、めでたく1号が当確したことを知った。だが本人には伏せておくようにとのことでした。
何でだろ?WEBとはいえサプライズを狙ったのかな。

冒頭に戻ります。WEB会議はとある日曜日の10時~12時半に開催され、本社メンバーはBOSS、私の今の上長、前の上長だったディクソン他、限られたメンバーしか出席してていない。
私と20年来の盟友である気難し屋さんの毅は支店の工事の合間にWEBでカオだけ出していた。支店にいる毅は別人のように柔和で穏やかなので顔色はよかったな。
他、事前準備やセッティング等で、ソリ合わない、DON子、もうひとりが駆り出されていた。当初、彼らの上司であるディクソンはソリ合わないオンナ他に全員出勤!と言ったらしいがソリが猛反発
「この時勢で日曜に2時間半だけの為に全員は不要です。アタシは出ますから他の子たちは」
そうねじ込んだそうである。ソリが合わないながらさすがと思った。日曜は平日と違って普段外に出ない一般人が電車に乗車するから逆に危険なのです。平日の通勤者は喋らず黙ってますから。
ソリは子分のDON子にも「出なくていいわよ」と言ったそうだが、DON子は自分の意思で「出させてください」だったそうである。

会議2DON子とディクソン-1.jpg

WEB会議は定刻にスタート、後ろ姿左はDON子、右が私の前上長だったディクソン。。。
BOSSの口から前年度の実績、来年度の予算達成に向けてどうこう長話です。私はどうも数字、数値がアタマに残らない。左耳から入って右耳から抜けていくようだった。
上長から今年度の取り組みについての話に移る。これも長話です。話し方は上手だけど聞いてて退屈っちゃぁ退屈ですよ。
次が取締役の紹介挨拶、これがいちばんくだらない。私は前にBOSSに「あの全体会議は取締役全員の自己紹介、挨拶は不要です。ソリ合わない他、支店に直結する担当者に自己紹介させるべきです」と傲岸不遜な進言をしているがそれは殆ど履行されず。どうしても上の者たちの自己満足的な催し物になってしまいがちだね。支店の連中には誰が取締役かなんて関係ないんですよ。

会議4DON子-1.jpg

スクリーンに映ってる参加者、エリア長や支店長たちは、支店から、あるいは各人の自室から参加しています。
彼ら彼女らのカオを写したり切り替えたりはDON子が操作しています。なるべく多くのカオを交替で写すようにしてますね。
スクリーンを分割して小さいサイズで映るのでメイクしてるのかしてないのかはわからないのと、こう言っちゃ失礼だけど白い壁紙の部屋から参加していると、窓から外の光が入ってきてカオが白っぽく写ってます。解像度が粗いせいか、人によっては現物より可愛いのが何人かいましたね。
各人は背景が写ってます。家の自室だと、ドア、白い壁、鴨井、書棚、クローゼットが映ってるのがいる。同居人がいたら家族に丸聞こえですよ。
子供が入ってきたりするのはまだいい方で、陽射しの入らない薄暗い部屋だったり、生活感丸出しの部屋だったり、せめて干してある洗濯ものぐらい片付けろよ言いたくなるヤツもいたね。
背景は画像で隠すこともできる。誰だ?海辺の砂浜や棕櫚の木を背景にしてるヤツは。

会議3ディクソン-1.jpg

まだ右にディクソンがいます。彼は支店長たちに遵守させる大事なコメントが2分ほどあった。その次の出番があろうことか私でさ。
「新しい本社社員の紹介のひとりとしてお願いします」って事前に言われてたのです。
新しいだと?何処がだよ。役員以外で正社員最古参は私ですからちっとも新しくないし、ずっとずっとず~っと本社の所属なのにさ。
所属部署が移ったからそれについて何か喋れっていうから喋ったんですよ。話が進むにつれて画面に映ってるエリア長、支店長たちが騒めいて、中には笑ってるヤツもいたな。
会議が終わって翌週明けにある方面から「挨拶であの言い方はよくないんじゃない?」と余計なヒンシュクを買うのですが、それは本題ではないので今日は割愛します。

本年度MVP社員のコーナーになって草1号の本名が呼び上げられた。1号のカオが映った。見慣れたカオだがボーイッシュな美形ではあるよ。
心なしかやや緊張している。何かひとことお願いしますと振られて動揺してる。解像度がイマイチなのが幸いだな。
1号はモゴモゴ話し出した。
「本日は、自分なんかをMVPに選んでいただいて・・・その・・・」
1号のカオがスクリーンに映し出されてるとこ。
会議5草1号がMVP-1.jpg

彼女を10何年前に面接採用したのは私ですが、支店の受付嬢と接客事務員として採用したのです。
1号を採用した理由は、単にその、カオが良かったから。。。なんですよ。
こういうことを放言すると他の女性社員からヒンシュクを買うんだけど、私がカオがいい、ルックスがいいって言ってうのは美人だとかそういうんじゃなくて・・・(・・・1号は美人は美人ですよ・・・)・・・支店に来た客が最初に見る、接するのは受付嬢なのですよ。そういうのに適しているということです。私の趣味、嗜好じゃありません。

1号を採用時に配置した支店は閉鎖して今はありません。閉鎖後、1号はZ女史の支店に異動して女史の片腕になるのですがその支店もクローズしました。1号は閉店を2回経験しているのです。今は西東京の某支店にいます。
Z女史といた頃、態度や物言いが不遜で叱責したことがあります。Z女史と1号がいた支店に出向いたら女史が不在で、その頃は草でも何でもなかった1号が私のカオを見て、つっけんどんに、
「Zさん(Z女史のこと)いませんよ」
私はムッとした。
「そうかい。いるときにカオを洗って出直せってことかっ。その物言いはなんだっ」
叱責したのよ。私に対してそういう態度に出るってことは「日々他のスタッフに対しても出とるんじゃないかっ」
言い捨てて踵を返したらZ女史から電話があって、上長としての謝罪の後、1号本人に替り「すみませんでした・・・」
それからは私に従順になった。長年の関係と慣れもあって時折タメ口みたいな時もあるけど、こっちがギロッって目をすると「シマッタ」って感じで改まります。

私はたどたどしい1号がマイクを振られて何を喋ってたのかよく覚えてない。不覚にも目に涙が溜まってきたので俯いて下を向いていた。こういう時はマスクしてるとごまかせますね。
脳裏に今回の受賞につながった業務を、最初に振った時の反応が走馬灯のように思い出された。

「今回は君が書類作成してみなさい」
「あ、あたしが作るんですか?」
「そう、いい機会だからやってごらん」
「やったことないです」
「だろうな。今までやらせてなかったからね。教えるよ。そんなに難しくはないよ。めんどいけど」
「えぇ~っ」
「私だっていつまでもいるわけじゃないんだぞ」
「えぇ~っ」
「できなきゃしょーがない。自分がやるけど」
「や、やりますっ。やるから教えてくださいっ」

うんざり-1.jpg げんなり-1.jpg

やってよかった、やらせてよかった。自身の娘が受賞したかのように喜んだ私はその夜、ジャン妻と乾杯した。ジャン妻ももちろん1号のことは知っています。

後日、1号から電話があった。
「〇〇さん(私のこと)ゴメンなさい」
「どうした?」
「アタシがMVP頂いた理由って、〇〇さんに教わってやった一連のあれですよね。」
「そうだね。確かにあの一連の業務が評価ベースになってるよ。」
「それなのに、会議でコメント求められた時にアタシ、〇〇さんのことに全く触れなかったじゃないですか。細かい受賞理由を廣川エリア長から聞いたんですよ。推薦して下さったそうで。それを知ってたら。ゴメンなさい・・・」
「別にいいんだよ。私の名前は出さない方がいいんだ。」
「どうしてですか?」
「評価者は今の上長である廣川さんなんだから、そっちを立てればいいの。私に連絡をくれただけで充分さ」

実は1号には言わなかったが、発表の席で私の名前なんかを出して感謝されたらマズイのですよ。
他の草たちの手前がある。私の1号への依怙贔屓と見られかねないからね。
それと、1号には言ってないですが、1号が私の教えで業務を完遂した後、殆ど同じような業務を草5号と草18号にもやらせているのです。

https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-08-07

この記事で5号とその業務について打ち合わせしたのですが、内用は1号とほぼ同じだった。もちろん5号は完遂しましたよ。最初だけ腰が引ける1号より手がかからなかったもの。
1号と5号は仲がいいのですが、5号だってMVPを獲った1号へのライバル心もあるだろう。だが5号はノミネート者に入ってなかった。5号は気が強く、よく上と衝突するのでそういう部分でウケがよくないのだ。
同じことをさせた17号は残念ながらダメでした。1号と5号と同様な業務を複数やらせたのですが、幾つかが期日までにできなかったのです。
17号は点(ポイント)だけの作業ならできるが、点と点を結んでラインにするとできなかった。時系列を横軸にした全体の流れを理解できていなかったのです。
性格がいい子なので完遂したらと期するものはあったのですが、17号はいい子なんだけど私はダメ印を押した。今は簡単な業務しか委託していません。
こうやって業務を振りながら、私は草たちの中で誰が私の後継者になるのかを見極めないとな。

草たちには悪いが、草たちの正式職位は主任です。主任は業務の熟練者です。だから抜擢されてるので、その主任を更にMVP候補にする必要はないと今はそう思っています。
今回ノミネートされた者で受賞に至らなかった者たちは、来年以降はよほどのことが無い限り再度ノミネートはされません。
過去にノミネートされた・・・それだけで終わるのです。

燃えるサンセット.jpg

実は昨年の秋頃だったかな。私は草の者1号との業務関係があまり上手くいかない時期があった。泣かせちゃったんですよ。
MVPなんか受賞するとこっちから見る目も厳しくなってしまう。受賞前と違ってね。
年が明けて少し関係修復しました。昨日も電話がありましたけどね。
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草の者=主任とは? [人間ドラマ]

この写真、左はジャンの影の部下だった草の者6号、右は草の者12号です。
部下だった?もう同じ部署なので影ではなくなったかな。
もと6号(左)と12号(右)-1.jpg
草6号は群馬某所の名士の末娘、かなりいいとこのお嬢様だったのですが、平成後期に都内に嫁いできて群馬の事務リーダーから引いた。主任じゃなくなった。もう職制から引いたので会議にもミーティングにも出ない。
事務リーダーの正式な職域は主任ですが、その職機も引いて都内いち支店の事務職に落ち着いた。
引いたときはもったいないなぁと思ったが、本人が申し出るには、それまで群馬県から一歩も出なかったので、上京したら人は多いワ物価は高いワ、都心に張り巡らされた地下鉄も含めた在来通勤線のヤヤコシさ、渋滞混雑する道路状況などに辟易、都内の新生活に慣れるのがタイヘンそうなので仕事に自信が無いとかそんな取って付けたような理由だったらしい。
野菜が高いって言ってたが、物価がどうこうってのは職域を引く正統な理由になるのかな。
群馬は代行がハバを利かせているので、信じられないことにタクシーにひとりで乗ったことがないとか、ひとりで外食したこともなかったという。そういう人もいるんです。

6号の後任草15号ですが、草たち(主任たち)の中で最若年の小娘だったので、
「あの子(15号)で大丈夫でしょうか」
「大丈夫かって?上手くいかなかったら嫁いだお前のせいだぞっ」
「ヒエ~っ」
「いやいや〇〇さん(私のこと)それ言ったらアウトですよ」と傍らから某役員に注意される始末。大丈夫も何も、15号は若いだけに最初は危ぶまれましたが今はよくやってます。

草6号は現在はいち事務職に引いたが、主任時代に培った実力は持ってるので、今でも他店、新店の応援とか、他社から新たにウチの傘下に入った支店にときどき出向いて指導したりしているようです。
性格はいいし優しく丁寧にサポートするし。何てったって田舎(失礼)のお嬢さんですからね。

そんでもって最初の写真は令和になって開業したウチの新店に草6号と12号が揃っていた珍しい写真です。そこの社員に新システム導入の立ち会い、スタッフ教育、そして通常の営業、それらのサポートをしています。新システム導入時は操作を習得させるのですが、それは通常営業しながら行うので慣れた者が必要なのです。単純に言って普段の倍の人数が要りますね。

私はこの支店に昼過ぎ、12時半頃だったかなぁ。そこの店長に面談があって出向いたのですが、もと草6号と草12号が2人揃って雁首揃えていたので眉間が険しくなった。
「何やってんだおまえら?」
このおまえら、そのまんま書きましたが今の社内ではNGです。この場にディクソンンでもいたら厳重でもないけど注意さてますね。どうも私自身、異動して彼女ら(草たち)のラインで上に位置づけられてるので、前みたいにお願いします口調でなく横柄、傲岸になってます。
「そんなの前から変わってませんよっ」(草3号)

6号は私を見てややギョッとした。
「あ、あ、〇〇さん」
6号はギョッとすると僅かに吃音になるときがあるのです。
「どうされたんですか?」(12号)
「どうされたも何も、ここの店長に面談があってきたんだが・・・」
「???」
「何で2人してここにいるんだ?」
「あの、新しいシステムの導入で」
「それは知ってるが、何で事務リーダーの主任クラスが2人して雁首揃えてるんだ」
私は熟練者である主任はこの現場にひとりで充分じゃないかと言いたいわけですよ。2人いる必要ない。どっちかひとりはどっか他の支店に出向いてそっちの欠員対応とかしてればいいんだってこと。
そう言われて6号はハッとした。天然だが私が何を言わんとしてることに思い当たった。アタシの過去を言ってるのねって気がついた。
でも12号は私が何を言いたいか気がつかない。
「このオンナ(6号)はもと群馬の主任、事務リーダー(危うく草6号と言いかけた)だったんだぜ。でも都内に嫁いでその職位から引いたんだよ」
(このオンナもNGです。名前を言わなきゃダメです。わかってるんだけどね。)
12号は仰天した。
「ええっ!」

やはり知らなかったか。
「そうだったんですか?」
「ハイ・・・実は・・・そうだったんです・・・」
素性がバレた草6号はシュンと俯いた。私がバラしたんだけど。

「もったいない」
「・・・」
「主任クラス、熟練者が2人揃ってここにいるなんて」
「アタシはもう主任じゃありません・・・」(6号)
「知ってるよ。昔取った杵柄で関わっているのか」
「シフトで組まれたんです」
「前は群馬で組む側だったよな」
12号は前はそうだったのかと驚きのマナコである。
「もしかしてお互い初対面か?」
「ハイ、お名前は存じあげてましたが」(12号)
私も驚いたのはこの2人は今日が初対面で、6号は12号が事務リーダーなのを知ってるけど「自分も前は群馬でそうだったの」とは言えず、12号も傍らにいる6号がかつては群馬で自分と同格だったのを知らなかったというのである。全く意識しなかったと。
後で12号は先輩格の筈の6号を「どうもできる人、慣れた人だなぁとは思いました」と言ってましたがね。
今の〇〇(6号)の所属する支店は〇〇〇(草2号)のエリアだが、天然の草2号は番号が近いから6号がかつて同格だったのを知っている。12号は6号が都内に転居して主任から引いた後に主任に抜擢されたので、今日まで素性を知らなかったのだ。
双方知らないかったとはいえ何でこんなもったいない業務シフトを組んだのかと。主任ひとりと一般職員のタッグでいいんだ。

私は草たち稼働し始めた数年前の最初の頃、委託した業務内容を草同士で話さないように仕向けたことがある。
草たちに委託する内容には人事異動情報が含まれているからです。
草の者たちは私と1対1の関係で完結できてたので、それこそ昔の御庭番や公儀隠密、間者みたいにお互いが何を請け負っているのか知らないし、各人は無関心だったといっていい。自分の業務だけです。だから私も6号が職制から引いたのを他の草に話してないし、話す必要もなかった。
6号は群馬1県をひとりで廻ってたので他のエリアと接しなかったからなのもある。ましてや首都圏のメンバーと親しいわけはない。

6号は自分よりナンバリングが若い1号、2号、3号、もと4号(U紀)5号、退職した7号、8号ぐらいまでは見知っているそうですが、それより後半の2桁台の草たち、今日ここで初めて会った12号とか、近年に事務リーダーに就任した者たちは、群馬で自分が後を引き継いだ15号以外は知らないという。
興味津々の12号は、職制から引いたとはいえかつての番付では自分より先輩格の6号に、
「群馬ではどうだったんですか?」
「都内と違ってひと県全部?」
「タイヘンだったでしょう」
「ひとりでくるまで廻ってたんですか?」
矢継ぎ早に質問を浴びせる始末である。

正体というか、素性がバレたもと6号に、
「いっそもとの職位に戻るか?」
「・・・」
「前より手当が上がったぞ」
「幾らですか?」
戻る気なんかサラサラないクセに、そういうネタ振りをするとそれに喰いつきやがって。
金額を言ったら、
「やっぱいいです」、
「いいって?戻ってもいいってか」
「違います。戻りませぇん。今でも都会の暮らしにアップアップなんですからっ」
「田舎者め。力の出し惜しみだ」
「!!!」
でも戻るにしても空きは無いしな。1度引い者はそこまでなんですよ。

後日、もと6号は12号のことを、
「明るくて人柄もいいし、何てできる人なんだと思いました。」
ふぅ~ん、
何言ってんだ。自分は下りやがってからに。
お互いが「いい人」誉め合ってると虫唾が走るんですよ私は。
「他県のエリアにも出向いてるんですって」
そう、12号は都内某エリアを受け持っているが、他県の新規案件にも率先して手を挙げるバイタリティーを持っている。
今年になって12号は神奈川県の某エリアに進出、そこには草の者9号がいるのに9号のお株を奪って名を上げ9号を喰ってしまった。
9号はだらしがない。私が何か大事な必須業務を委託しようとしても、できない理由をダラダラと並べ立てるので私は委託するのがイヤになった。9号自身の体調もあってね。
委託してもこっちがストレスになるのだ。私はもう時間がないのでできない者は使わないことにしています。今後の草たちからひとりか2人は落伍者が出そうです。

https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
草になる前の12号の上長が退職後に亡くなり、私と12号は葬儀に出席した。12号は斎場で大泣きしていた。私と業務上の信頼ができたのはこの記事のときから。
私はその亡くなった上長が引き合わせてくれたと思っているけど。
12号は最近マンションを買って引っ越したらしいが、引っ越す前は荒川区の例のドカ盛りの店から半径数百m以内にいたんですよ。
都内、某支店にて12号。地元で家から近いとどうしてこんなラフなカッコしてくんのかな。

12号-1.jpg

このドリルは草6号がまだ上州にいた頃、私が彼女に「〇〇店の〇〇室の面積を内径で計算しといてくれ」と宿題、難題を出したら「そんなん中学時代のドリル持ってこないとできません」って言われて。。。
こういうドリルですよ。これがないと計算できないんだって。
ドリル.jpg
「中学校のドリル?」(ジャン妻)
「って言ってたな」
「中学だったかな。小学校のような」
「いずれにせよ義務教育のレベルだよ。」
面積計算しろって言われて目がまん丸くなってる群馬時代の草6号です。
くるま通勤なので服装がラフなのです。近所のコンビニや町内会のゴミ出し場に「ちょっと行ってきます」ってカッコですよ。
今は都内通勤なのでそれ也のカッコしてますけどね。洋服代もかかるとか言ってたな。
草の者6号-1.jpg

この日の作業はもと6号と12号の実力者2人が揃い踏みしたおかげでスムーズに終了して着地したそうです。そりゃそうだよ。社員の中から選ばれた熟練者が2人揃ったんだから。
この2人が一期一会になるのかまたタッグを組むのかどうかはわからないが、私はもと6号と12号、双方に話してないことがある。
この2人は酒が異常に強いのです。2人が同席したことはないと思うが、6号は上州にいた頃から大酒飲み、12号は「二日酔いを知らないです。なったことないんじゃないかな」と豪語するくらいアルコール分解度が強いオンナなのだ。私なんかより遥かに強いんじゃないかな。
まだ上州にいた頃、飲み会で私に前にいた6号、
6号-1.jpg
これは宣言の合間、サササッと何かの打ち上げをした時の12号、
バカ笑いの12号-1.jpg
2人とも酒強かったが、育ちがいい6号は大人しい酒、いや、普通に酔う酒だったが、12号はデカい口を開けて「ギャハギャハ」「ダァ~ッ」って豪快にうるさく笑うキャラだった。今だったら飛沫しまくりで問題になる。
でももうコロナ禍でこういった機会はないだろう。
ちなみに12号も既婚者です。
「既婚者には見えんワ」
「何でですか?酒飲んで遊んでばっかいるからですか?」
「わかってんじゃないか」
「・・・」
この既婚者云々も言っちゃいけないらしい。やり難い時勢になったものである。

別の日、また草の者がダブル勤務になっている場に出くわした。この写真は草17号(AYAKA)と、もと草の者11号。
17号ともと11号-2.jpg
11号は家庭の事情(ご家族の病気)で主任から引いた。草じゃなくなった。
引く際に自ら後任を物色して17号に声をかけた。「これこれこういう事情で自分は任に堪えられなくなったので、悪いけど後任を受けてくれませんか?」って。
こういう後任人事は当事者が自ら動くのではなく、しかるべく上の者が動いて打診するものなのですが、11号が引く決心をした頃、支店数が増えたのと社内で政変があってエリアを区切り直した時期だた。上は動いていません。
17号は話があったときは「考える時間を下さい」でしたが結局は受けた。
「よく受けたね」
「もうアタシ、トシもトシなんでぇ。子供の手も離れたんでぇ。やってみようかなぁって」
17号に引き継いで自らは引いた11号は、しばらく時短勤務になって家族の看護を優先したのだが、手術が上手くいったので今は40時間勤務に復職しています。
でもかつての要職、主任に復帰することなくいち社員としてそのままいます。当事者同士で決めて上申した稀なケースです。

この時も私は口悪く言い放った。
「何で現職の主任と、もと主任が雁首揃えてやがるか」
「え、ええっと、アハハハ(笑)」(11号)
「もったいないシフト組みやがって」
「エヘヘヘ。たまたま一緒になっちゃいました」(17号)
11号は群馬にトバされる前に私が最後に面接採用したので私にアタマがあがらないところがあるが、大手他社からの転職である17号は、チビにクセに頭が高いところがあって私の毒舌に動じない。
私の毒舌に辟易したか、また何か言われるのを怖れたか、11号は17号をひとり置いて出てっちゃった。施設へのお届けへ行ったらしい。

17号-1.jpg

こないだ11号から電話があって、
「ウチの店の更新案内が来たのですが。これって〇〇さん(私のこと)にご郵送すればよろしかったでしたっけ?」
確かにこれまでは私の業務だったのだが、私は前上長のディクソンや現上長からも「業務の属人化を避けて、極力自分で動くのではなく後任を育成して欲しい」と常々言われている。
なのでそれを逆手に取って、
「今回は君がやってくれ」
「ええっ」
11号はもと草(主任)だし、レベル的にはできる社員なのですが、もう一般社員なので請け負いたくない声音だった。
でもそこは無理してやらせた。期日が迫っていたのもある。11号のいる支店と私との書簡往復は無駄だと思った。オミクロン感染拡大で郵便配達職員も人出不足で、遅配が生じていたのもある。
「やり方は教えるからまず書いてみなさいよ」
河野もと大臣が頑張ったのもあって会社の代表印が不要になったのもある。といういことは捺印の為に本社の私宛に郵送する必要はない。支店で記入すれば本社に送らないでそのまま投函できるから。
11号にやらせた書類をPDFで送らせてチェックしたら、さすがはもと草(主任)なのでに丁寧に書かれてあった。一部だけどうしても本社にいる私でしか記入できない箇所があったのでそこは私が記載した。
「今までは私がやってたのに、今回は何でアタシがやらなきゃならないんだって思っただろ」
「ええ、ハイ。。。」
「あのな。。。理由があってな」
「???」
その理由を話したら、
「ええっ!」
滅多に大きい声を出さない彼女の声が裏返った。
「そ、そうなんですかぁ」
「そうだよ。だから今後のことを考えてやって貰ったの。私みたいに全店分やれとは言わないさ。自分とこのだけだよ」
「じゃぁ、その後はどうなるんですか?」
「さぁな・・・その後は・・・」

私が何を言って驚かせたは推察してください。・・・から先も説明しましたよ。

以下、Wikiから転載、

主任(シュニン)とは、官公庁、企業などの組織において、従業員の中での熟練者をさす職責、役職、肩書であり、一般には管理職にはには該当しない。
従って殆どの企業では労働組合に加入できる役職である。
「彼女たちは管理職じゃないからね」
「会社からやれって言われたことを指導して、させられているだけです」(毅)

ウチの場合は中途採用も多いので(以下、また転載)
「単に年功序列にだけで職責を与えず昇任試験により従業員を選抜する企業も存在するが・・・」
ウチもここ数年、昇給や昇進、等級UPに繋がる試験制度を設けている。その前に幾つもの研修を受講させられ、それをクリアして試験に臨むのです。
だが。。。
「この試験の合格で即主任・管理職になれるとは限らず、中には最後まで任命されず定年を迎えることもあるなど、あくまで「候補者」扱いとするところも多い。

1号。。。
処理済~黒い1号.jpg
2号。。。
処理済~休憩中の2号.jpg
3号。。。
処理済~神経質な3号.jpg
もと4号。。。
処理済~歩いて来る長身のもと4号.jpg
5号。。。
処理済~草5号1.jpg
もと6号。。。
今は引いた6号.jpg
8号。。。
処理済~2号と8号.jpg
9号。。。
処理済~計測中の9号.jpg
11号と15号。。。
処理済~草11号と15号.jpg
12号。。。
処理済~12号が写っている.jpg
13号。。。
処理済~13号.jpg
16号。。。
処理済~草16号2.jpg
17号。。。
草の者17号-1.jpg
18号。。。
草の者18号-1.jpg
19号。。。
唯一の男性19号-1.jpg
あと何年かしたら、彼女たち草の者の誰かひとりか2人くらいは管理職になるだろうか。
それともそうならずに候補者のままで終わるのだろうか。
せめてひとりくらいは。。。
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ショート記事 [人間ドラマ]

おはようございます。
緊急事態宣言下で夜の居酒飲みネタ、出張ネタが皆無なのでオモシロくない。今日もショート記事です。
草の者5号がいる某支店に向かってるのですが。

髪がジャマだな-1.jpg

私はドアサイドのシートに座っています。ドアに左肩を押し付けて突っ立っている女性の長い後ろ髪が、座っている私の左肩と左側頭部に触れてくすぐったいんだけど。
あまり後ろにフン反りかえらないでくれないかなぁ。反り返るほどに私に髪が触れるのに気づかないんかなこの女性は。
冬場だったらフードを被るんですがねぇ。
立上がって「貴女の長い御髪(オグシ)が私のアタマに触れるのですが」とでも言うかい?
でも逆ギレされたりヘンなトラブルになったりするのもメンドいしなぁ。
髪で感染しないだろうか。大丈夫でしたけど。何かイヤなものですよ。

さて、某市の支店、休憩室にて。
草の者5号が私にコーヒーを入れてくれてるとこ。
5号1-1.jpg
5号2-1.jpg
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5号4-1.jpg
5号は目の前の椅子にドカッと座った。華奢な体格だがドスンと落ちる凄い音がした。所作がガサツなのです。
男勝りながら怪我の多い女性で、通勤途中でバイクでコケたり、階段でコケたり、2回か3回か労災を適用されています。
これから打ち合わせなのですが。
「お久しぶりですねぇ」
「そうだなぁ」
5号はよく登場しますが会うのは実は会うのは数か月ぶりでして。
しばらく会ってなかったのは今年になってから陽性反応が出ましてね。入院はしていません。ひとり暮らし?なので自宅待機2週間で2月には復職しました。
5号が勤務していた事業所は急遽、夜間に業者を入れて消毒しました。関係者も全員自宅待機になったので、そこを監督するエリア長他、その現場を知ってる者、数人が入って廻した。
感染経路は敢えて聞かなかったが、気になるのは私の職務であちこちを出歩いて感染したのだろうか。そうだとしたら申し訳ないことだ。
幸い基礎疾患もなく、若いので軽症で済んだのは何より。
「あれから平気?」
「全然、平気っス」

自宅待機中、私は5号にLINEしています。LINEというか、Cメールです。
「食い物はあるのか?」
しばらく間が合って、
「昨日は全然食欲が無かったのですが、今日は冷蔵庫にあるもので何とかなります。お気遣いありがとうございます」

その3日か5日ぐらい後、私は5号に託した内容を自ら動いて完遂させたのですが、途中で5号が住むマンションに向かう坂の途中で、
「今、そっちのマンション近くにいるんだけど。近隣のコンビニで何か食い物でも買ってこうか」
すぐ返事は無かった。しばらく待ってたら、
「ありがとうございます。でも昨日、妹が食べ物を持ってきてくれたので大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

「アイツ断りやがったんだよ」
「そりゃ断るというか、遠慮するでしょ」(ジャン妻)
私はオモシロくなかった。
「買ってってどうやって渡そうとしたの?」
マンションの管理人に託すか、(管理人さんもヤバくなるだろ。)
ドアノブに巻き付けるか、(部屋番号までは知らない、)
マンション外の入口付近の地面に置いとくか、(食べ物を地面に置くもんじゃない、犬猫じゃあるまいし、)、
長い棒の先にひっかけて渡すか、(木の枝でも折るつもり?、)
ジャン妻は呆れた。
「断りやがってからに」
「彼女(5号)の方がよっぽど常識的だわ」

お惣菜.jpg

「あの時、何を買ってきて、くだ、くだ、くださろうとしたんですか?」
「コンビニに売ってる惣菜だよ。パッケージしてあるヤツ」
「ああ、そういうの」
「バーグ、モツ煮、筑前煮、肉ジャガとか。セブンでもローソンでもファミマでも」
「でも今言われたのって〇〇さん(私のこと)がお好き食べ物ばかりなんじゃ(笑)」
「まぁそうだよな。自分が嫌いなものを買ってったりしないよ」
「笑、自分料理するんで。結構好きなんスよ」
「ああ、そうなんだ。じゃぁ材料さえあれば」
だけど誰か共に食べてくれる人はいるのかな。
おっといけねぇ、私は草たちのプライベートはミステリアスにしておきたいのだ。そうすることでネタが膨らむからね。

「休んでる間に、エリア長から様子伺いの電話とかあった?」
「ありませんよ。最初だけですね」
プンと言い切った。相変わらず上との関係があまり上手くいってないようだな。
「心配して連絡してくれたの〇〇さん(私のこと)だけですよ」
またスタンドプレイをしてしまったかな私は。

強気な5号だが、陽性反応が出たことで今の職責から引こうとしたフシがある。
それをLINEだかCメールだかで上長であるエリア長に申し出たんだと。「引きたいです。後任をお探しください」みたいに。
ところがその返信がですね。
「おっけぇでぇすって言われたんですよっ」
「おっけぇですって?」
それ、脚色してない?そんな嬉しそうに言わないでしょうよ。「OKです」この程度のニュアンスだと思ってますけどね。
でも復調した5号は今もこうして前の役職(主任だから役職とも言い難い)のままです。後継者が見つからなかったんだと。そりゃそうですよ。会社の命で(それには私も含まれるけど)あちこち動かし回されてその過程で感染したとしたら誰も後任なんてやりたがらないでしょう。
誰かが後任に手を挙げてもその者が5号より若いというか経験値が浅いと、前任者の5号がいることでやり難いんじゃないかな。
「まだ当面は続けたら?」
「そうっスねぇ」
5号は「全然OKっス」と言いながらも、陽性反応が出たことで仕事の糸が切れかかったところがあり「前よりはアタマが廻らなくなったかなぁ」「これって後遺症なのかなぁ」私はそれに答える術を持ってない。しばらく様子を見たらどうだと言いました。

「そういえば異動されてどうですか」
「うん、願が叶ってやりやすくなった」
「じゃぁあの人の下に?」
「そう」
「ふぅ~ん」
5号は前の店舗運営部長に喧嘩を吹っ掛けたことがあり、始末書じゃないけど口頭で注意され謝罪しています。今の運営部長にも若干含むところがあるんだな。
彼女にとって理想の上司は誰なんだろう。どういう上司がいいんだろうか。いや、逆だな。自分は彼女の為にどういう上役でなきゃいけないかな。そう考えよう。

大事な業務の打ち合わせに入った。5号の理解力は1号とおっつかっつだが、説明するのは楽でしたね。
その打ち合わせも含めて1時間ほど滞在したが、ついぞ5号の口から「感染したのアタシだけですか?他にもいるんですかね?」そういう他人を巻き込むような言葉は出なかった。唯我独尊というか、他の者には我関せずなところがあるのです。
5号からハッキリ言われたことがあって、
「仕事って自分の為ですよね」
う~ん、否定はしないが100%賛同もしかねる。
自分の為とはスキルUpの為?それとも収入の為だろうか?

5号から「復職しました。ご迷惑、ご心配をおかけしました」これがBOSS、取締役たち、エリア長、そして私に送信されてきたとき、ひとりの取締役が、
「アイツがねぇ。」
アイツとは5号のことね。
感無量というか、何だか感嘆してたので、彼女に思い入れでもあるのかなと思ったら、
「いちばん罹りそうもないヤツが罹りましたね」
!!!
あのねぇ、K子(5号)は男勝りなだけで、ターミネーター5に出て来るような強化人間じゃないんだからさ。

グレース.jpg

グレース2.jpg

私は真っ先に衝動的な返信をしたBOSSに続いて、こんな心無い返信をしています。
「復帰できてよかった」
ここまでにしておけばよかったのですが。
「抗体を得てこれまで以上にパワーアップ、コワイもの無しだな」
レスはなかった。

5号は復帰してバリバリ働いている。そこそこ優秀なので電話やメール指示で充分なのです。会うまでもないというかね。
私が同じ部署に異動したこともあってか、前よりも積極的になったな。1号もそうだが、業務を振らないでこっちでやろうとするとムクれるし。
打ち合わせた業務内容は5号がひとりで完璧にやり遂げましたよ。
「無事に済みました。ちょっとタイヘンでしたけど」
「できたでしょ。ようやった。エライエライ」
「ヘヘヘッ」
満更でもなさそうだな。比較して悪いが、別エリアで草17号が5号と同じ業務を同時進行していたのですが。。。
そっちは「こりゃダメだ」ってなった。
17号は期日が差し迫った業務は委託できないのがわかった。ひとつのポイント業務はできるのですが、複数あるポイントを時系列に繋げるとアップアップになっちゃうのです。ひとつしかできない。複数同時にできなかったのです。う〜ん。。。

初夏の頃、今の緊急事態宣言が出される前、5号から、
「相談したいことがありまっス。電話していいですか」
いいけど。架かってきて、
「あの、あの、その、ええっと、・・・何から言えばいいのかなぁ」
「どうした?」
「ええっと、ア、ア、アタシ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んですけどぉ」
「エッ!」

夜景.jpg

「そうなの?」(ジャン妻)
「ウン」
「あの子がアナタの?」
「・・・」
5号は私に何を告白してきたか。ヘンな内容じゃないですよ。でもちょっと今は明かせません。いいオチになったらUpします。
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セミナー [人間ドラマ]

草の者14号-2.jpg
主役としては初登場の草の者14号、
14号が常勤している支店はJR某駅前にあって、支店とは別に倉庫と休憩室を兼ねた事務室がある。私はそこの部屋の鍵を借りて一服することがある。
すると14号が事務室に入ってくる。なのでよくお喋りするのです。
14号はウチの純粋培養社員ではない。妙に仕事ができる人だと思ったら前職が同業社大手で、そこの本社部門の主任クラスだったという。
新規出店とか教育関係も手掛けたらしい。
「図面も見れるし、面積計算や単位換算ができるってさ」
「ホゥ、だったらこっちに引っ張りたいですね」
あまり人を誉めたことない毅がそう言ったからね。

14号はキーをカタカタ打っている。
「何をされてますんで?」
「明日のセミナーで配布する資料です。あっ、〇〇さん(私のこと)も出るんですよね」
「うん、出る」
草14号がそのセミナーの講師をするのです。対人スキルセミナーだって。誰でも苦手なタイプ、合う合わないってあるでしょう。苦手なタイプと接する時の、その、何というか、ポイントのようなものだろうか。
「前職でもやったし、この支店でもやりました」
「ふぅ~ん」
他の草たちはそこまでやらないからね。やれって言われたことしかやらないです。セミナーの講師ができる草なんて他にいないね。

私が珍しくセミナーに出る気になったのは、やはり1000人も従業員がいると苦手なタイプがいるのですよ。
ウチの会社って圧倒的に女性が多いので、私が苦手な人もいれば私を苦手としてる人もいるだろうしね。圧倒的に女性が多いのもあるし。
このトシでそんなセミナーなんか出てもなぁって思ったけど、今回は出ることにした。
「どういうタイプの人が苦手なんですか?」(14号)
「どういうタイプって、その・・・」
幾つか挙げたら14号はケラケラ笑いだした。
「それって皆、普通の人じゃないですか」

店舗運営部に女性課長がいます。
この記事に登場した子です。
https://funayama-shika.blog.ss-blog.jp/2012-04-14-1
2012年にはしおらしかったのが、今は鼻が高くなって天狗になった。今の職位は課長ですが、14号を良く思ってない。
14号もその女性課長をよく思ってない。
「U紀さん(もと草4号)に『本社においでよ』って言われたんですが」
「何て返事したん?」
「〇〇課長(その女性課長)と合わないからって辞退しました。仕事と割り切ってても、いつもあの物言いをさせられるとねぇ」
その女性課長いわく、
「会議で意見を言うのは彼女(14号)だけで、彼女が発言すると他の主任たち(草の者たち)が引いて意見を言わなくなるのよ。彼女が発言してくれるだろうって雰囲気になってるんだよね。」
そこで言うのを止めればいいのに、
「それが気に入らない!」
ハッキリ言ってました。ああ、要は嫌いなんだね。
はて?これってどうなんでしょうねぇ。できる人を嫌って悪い面をあげつらってそれで課長職が勤まるのかね。他の草たちが発言できるように廻していけばいいだけだろ。会議の座長(進行役)が下手なだけじゃないかなぁ。
でも他の草たちも情けないよね。会議で意見を言わないってのは所詮は店舗の販売員、受付嬢、接客業の域を出てないってことですよ。(バカにしてるんじゃないよ。)

「彼女がセミナーの講師?対人スキル?彼女だって店舗社員への口の利き方がなってないわよ」(女性課長)
実際14号は私に対する態度と、他の社員への口の利き方に差が、違いがあるらしいんだな。
近隣エリアの草3号が、
「〇〇さん(草14号)がキツイ言い方してトラブったんですよ。あ~ぁ、言っちゃったぁって」
3号も14号に対してあまりよく思ってないけど、どうも己への脅威になっているってことらしいね。女性課長もそうだ。小さいヤツだどいつもこいつも。

14号は2年前、男勝りで気が強い草5号とあわや衝突しかけたことがある。私も危ぶんだが、草5号が怪我して動けなくなった時に代行したのでそこで関係修復した。
「〇〇さん(14号)っていい人っスねぇ」(草5号)
って言ってたのが前述の女性課長に伝わって「よかった」と安堵してるのを小耳に挟んだが、どっちに対して「よかった」んだろうね。
ウチの会社って、ゼロから入社して成長した子の方に目が向きがちなフシはある。私なんかもそういうところはある。プロパー社員への贔屓目ともいうが、14号は他社から来て、それまでいた草たちより最初からアタマひとつ抜きん出ている。仕事ができて当然なので誰も誉めない。出来る人が他社から来たとしか見られていない。
草1号、2号、3号は前述の女性課長の引きもあるのでよく本社に来るのですが(5号は引きというか心配のタネ)14号は「仕事ができる人」と言われているけど本社には主任会議以外は来ない。そしたらコロナ禍でその会議自体もWEB主体になったから本社に来る理由なんてなくなったのが、明日のセミナーで久々に本社に現れる。
「今は殆どがWEB会議だから。久しぶりですよ」
「明日何人参加するの?」
「本社に12人、WEB研修で15人くらい」
私はWEBができる環境を作っていない。ノートPCも持ってないし。会議室にいるしかないのだ。
「終わるの何時になるんだろ」
「20時スタートで、21時半には」
ゲンナリである。参加表明したのを後悔した。
「腹が減るな」
「笑、疲れますよね」
「U紀(もと草4号)に『夜食でないのか?』って聞いたら『出ませんよ、開催前に食べるかお昼たくさん食べればいいじゃないですか』って冷たく言われた」
「笑、アタシも何か軽く食べてから行こうと思ってます。だって家に帰ったら23時ですよ。それから食べる気にはちょっとならないし。」

そして当日、都内を廻って18時過ぎに夜食を摂ることに。午後のエリア巡回を都内にしたのは、神奈川県内を廻ってたら家に帰りたくなるに決まってるから。夜20時に東京本社に行くのがイヤになるからね。
さすがに夜、スタンド蕎麦は避けて肉と野菜の栄養バランスを考えて。
店4.jpg店1.jpg
例のボロ券売機は布袋が被っていた。口頭オーダーらしい。緊急事態宣言前はアルコールも出してたし居酒屋バージョンだから券売機では意味ない。でも今はアルコールは出してない。出す目途もたっていない。
自販機は布を被ってる.jpg弟さん-1.jpg
昼は姉ママと2人で営ってるが夜の姉ママは旦那さんが営っている新御徒町の店(くまぼっこ)にいるそうです。なので弟さんひとりで営っている。
昼は姉ママが愛想いいけど、弟さんひとりだから超不愛想、愛想が悪いのではなく愛想が無いのである。姉ママのBlogを見たら「シャイな弟は」ってあったけど、シャイどころかこれでよく客商売営ってるなぁって思うよ。ニコリともしないからね。

メ1.jpgメ2.jpg
客回転を重視する昼は出してないメニューが幾つかあるじゃないか。餃子5個、麻婆麺、ニラそば、麻婆丼、麻婆豆腐、塩マーボー、カニ玉、とか。
麻婆系は辛いからパスして、餃子か。でもセミナーだからなぁ。
結局、昼に食べてるのと同じ路線にした。回鍋肉、
ホイコ1.jpgホイコ2.jpg
ホイコ3.jpgホイコ4.jpg

濃いタレに馴染んだ豚バラ肉、細かく切った野菜たち、野菜を先に食べます。
スライスしていないニンジンが混ざっていた。
ホイコ6ニンジン.jpgホイコ7キャベツ.jpg
ホイコ8野菜を先に食べる.jpgホイコ9.jpg
キャベツの芯も。テラテラ光っている。キャベツ、白い部分、青い外側の部分は見たことないなぁ。
ホイコ10キャベツの芯.jpgホイコ11肉を摘まむ1.jpg
野菜を殆ど食べ尽くして残りが肉だけになって、焼肉定食の様相を呈してくる。
ホイコ13肉を摘まむ2.jpgホイコ14肉を摘まむ3.jpg
ご飯がススムけどお替りしないでガマンする。お腹一杯いなると眠くなる。この後のセミナーで寝るわけにいかないしな。
本社に帰社して定刻20時までデスクエワーク、セミナー講師でやってきた14号と、セミナー参加者の12号から書類を受け取り、さぁセミナー開始の時間になった。
司会進行はU紀(もと草の者4号)
講師は草14号、傍らに立ってるのは草12号

セミナー1-1.jpgセミナー2-1.jpg

まず自己紹介、その中に、
「自分の好きなものをひとつあげてください」(草14号)
「何々が好きな〇〇です」って言うのです。
お酒が好き、犬猫が好き、唐揚げ、ラーメン、こんな食べ物が好き、掃除が好きなんてのもいたね。ジャン妻に爪の垢を煎じて飲ませたいね。
参加者でいちばん年長者の私はトリにさせられた。カッコつけて「ウチで働いてる人たちが好きな〇〇です」って言った。別にいいよな。少しだけどよめいた。

次に己の分析である。自分を知ること。
こういうことを書かされた。

①こう見えて自分は。。。
②やる気スイッチは。。。
③自分の地雷はこれです。。。

私が書いたのは、

こう見えて自分は。。。
①「温厚、」
(温厚ですよ私)

②やる気スイッチは。。。「誰かの為に「しょーがねぇなぁ」って思う時、」
(私は自分の為というより、人の為なんですよ。)

③地雷はこれです。。。には、真っ先に、いの一番に、あのオンナのカオが浮かんだよ。
「関係ないヤツが横合いから口を出してくること、」
(具体的に名前を書いちゃった。ディクソン、ソリ合わないオンナ。前述の生意気女性課長)
「け、消した方が」(前にいた女性)
「構うもんか。そのままにしておけ」

次がソーシャルスタイル診断、QRコードを読み込むんでからアプリを使って入力するのですが。恥ずかしいことに今日までQRコードの読み取り方を知らなかったのですよ私。
マゴマゴしてたら草14号が司会壇上からこっちに来て「スマホでカメラを起ち上げてぇ。あ、これこで。読み取ってぇ、こうやって指でもってってぇ。できたできたぁ」
介護される始末である。これが会場にいる参加者、WEB参加者、全員に伝わって私は笑いものになった。

QRコードを読み込むんでアプリ(Safari)に入った。14項目の質問に自分が該当する方をタッチするんです。

No.1 他のひとたちの意見が自分と違っている時には?
その場の雰囲気を考えて合わせる、
自分の意見をハッキリ言う、

No.2 自分は次のどちらのタイプか?(この質問が多かった)
あまり感情が表に出ない。ポーカーフェイスと言われる、
喜怒哀楽がはっきりカオに出る、感情がわかりやすいと言われる、

No.3 グループ内で何か発言を求められた場合は、
まず、周りの意見を聞いてから口を開く、
自分から率先して意見を出す、

No.4 自分は次のどちらのタイプか?、
淡々とクールな話し方をする方だと思う、
抑揚をつけ、感情を込めた話し方をする方だと思う、

No.5 人に何か注意される場合には、
あっまりストレートな言い方より、ソフトな言い方がいい、
まわりくどい言い方より、単刀直入に言われた方がいい、

No.6 自分は次のどちらのタイプか?
事実的側面を重視するタイプ、
人の意見を重視するタイプ、

No.7 勝負事などの場合には、
争い事はあまり好きではないと思う、
ライバルが登場すると張り切る、

No.8 自分は次のどちらのタイプか?
黙っていると、何を考えているかのかよくわからないと言われる、
黙っていても、カオを見てるだけで何を考えてるかすぐわかると言われる、

No.9 興味があることでリスクを伴う場合には、
リスクを計算して慎重に行動する、
多少のリスクは厭わず、行動を起こす、

No.10 自分の第一印象はどちらか?
きちんと礼儀正しい人と見られている、
カジュアルで親しみやすい人よ見られている、

No.11 相手が話すのを聞いててどう思うか?
落ち着いたペースの話の方が心地よく感じる、
速いテンポで進む話の方が心地よく感じる、

No.12 自分は次のどちらのタイプか?
人から見てビジネスライクでクール雰囲気だと思う、
人から見てアットホームであたたかい雰囲気だと思う、

No.13 何か結果を出さなければならない時には、
丁寧に手順をたどって、結果を出すことが得意、
ともかく早く結果を出すことが得意、

No.14 自分は次のどちらのタイプか?
仕事は仕事と割り切って、黙々と仕事を進めていくタイプ、
皆とのコミュニケーションを楽しみながら、賑やかに仕事をするタイプ、

私みたいな直情径行な人間はどちらをタッチしたかすぐにわかるでしょうけど。No.10だけ困った。
「困った。No.10がワカラン」
「何でわかんないんですか?」(U紀)
「自分で自分の第一印象を見たことがないからだ」
唸りながら考え込んでいたら、アサミという都内の社員がこっちに寄ってきた。アサミは10数年前に私が面接、採用した子でして、このセミナー開催前に12号をとおして、
「アサミさん、こう言ってましたよっ。『〇〇さん(私のこと)も参加するんですよね。最近お会いしてないから参加します』って言ってました」(草12号)
で、私のシンパらしいそのアサミに聞いてみたの。
「俺ってどっちなんだ?」
アサミは微笑みながら、
「第一印象はきちんと礼儀正しい人でしたよ。第二印象がカジュアルで親しみやすい人かな」
「第二印象!」
そして診断結果をONすると、縦の矢印で感情表現度、横の矢印で思考表現度、どちらもMAX100点なのですが、自分の点数がついて4つのスタイルに分けられるのです。

4つのスタイル.jpg

アナリティカル(思考派)
論理派、堅実派、
穏やかに意見や考えを述べ、感情を抑えて冷静に行動を起こす、

ドライバー(行動派)
感情が強く出さないが主張は強く出る、現実派と呼ばれる、
行動を重視し主張をハッキリするので、周囲を目的に向けて動かす、

エミアブル(協調派)
感情を実現するが主張は控えめ、友好派などと呼ばれている、
人間関係を大事にして皆で協力して事を進めようとする、

エクスプレッシブ(感覚派)
主張、感情ともオープン、社交派とも呼ばれる、
チャレンジ精神旺盛で、意見も思いも感情も忌憚なく表す、歯に衣着せぬタイプ、

何語なんだろうねこの造語は。知らない造語ばかり。初めて知ったよ。ドライバーは別の意味(運転手、ねじ回し)しか思いつかないよ。
エクスプレッシブなんて「エクスプレッソ?コーヒーかよ?」ってなもんです。
他にも細かい特徴がゴチャゴチャあるのだが打つのめんどいので割愛します。
ちなにに歴史上の人物を当てはめると、
アナリティカル(思考派)、明智光秀、
ドライバー(行動派)、織田信長、
エミアブル(協調派)、徳川家康、
エクスプレッシブ(感覚派)、豊臣秀吉、
日本の歴史に疎い人でも知ってる名前が出たよ。長尾景虎や井伊直虎はどのタイプだろうかね。

4つのスタイルを自分たちに当てはめてグループ別に分かれた。草の者12号はこの場ではひとりだけだったので、WEBで参加している同じスタイルとWEBで会話し合っていた。

セミナー4-1.jpg

グループ別に、冒頭の、①こう見えて自分は。。。、②やる気スイッチは。。。、③地雷はこれです。。。を模造紙に書いて発表します。

セミナー3-1.jpg
①地雷はこれです。。。で、WEB参加者の中に私と同じ内容「関係ないヤツが横合いから口を出してくること」がもうひとりいた。これは親しくなれるなって思った。
同じスタイル、チームの誰かが模造紙にこんな穏やかでないことを書いたヤツがいる。

「普段は温厚だが、喧嘩を売られると買ってしまう」

「これ誰ですか?〇〇さん?」
司会の草14号は私に振ってきた。この会話はマイクを通してWEB参加者にも伝わるのですが、私ではない。私はエミアブルなので競争を好まないんだよ。
「これは私じゃない、っていうか、誰だこれ書いたの?」
「・・・」
「アサミ、お前か!」
「ハイ・・・」
ここだけドッと受けた。
でも次から聞いてて眠くなってきた。内容的には身に着かなかったのである。私は「自分の苦手なタイプを克服するには」を期待したのだが、そういう枝葉の話ではなかったのだ。大分類を4つ示されて自分がどのタイプかわかっただけで、内容的に得るものはあまり無かったのである。
どのタイプと合う合わないか、そのタイプとどう向き合えばいいのか結局はわからなかった。疲れが先に立って、苦手なタイプがあってもいいやって思ってしまった。

散会、撤収は21時半、帰りは草14号と途中まで一緒に帰った。
「アタシはドライバーだってよくわかりましたね」
「そりゃわかるさ」
草14号はドライバーだった。感情表現度のマイナス値と思考表現度のプラス値が異常に高くて、矢印と矢印の中間をベクトルみたいにピョーンと長く飛び出していた。殆ど端っこに近かった。
「アタシみたいなのが多過ぎると会社はタイヘンです」そう自分で言ってたね。だから他の草たちや女性課長と合わないときがあるんだって。
「帰りは最寄駅から歩き?」
「迎えに来させます(笑)、歩けますけど夜道が。」
14号にはお嬢さんがいるらしいが、亭主がいるのかどうかは謎です。私は草たちのプライベートには無関心を装っています。

ひとつ後日譚があって。
ジャン妻もQRコードを読み込んで診断したんですよ。
「やっぱり。。。」
「何だった?」
「アタシはドライバーだった」
「!!!」

どの辺り?-1.PNG

赤丸がジャン妻と草14号、青丸がジャン、私です。
かなりトンでますね。ジャン妻は感情表現度-70、思考表現度+70、バリバリのドライバーだったのである。
「14号と一緒か。さもあろうな」
「何よっ!」

「そうでしたか。何だか親近感湧きますねぇ」(草14号)
2人を引き合わせて1席設けようかと思ったが、コロナ禍で伸び伸びになっています。
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縦社会 縦の構図 [人間ドラマ]

夜の飲みネタがないのでネタが不足しています。
こんな人間模様も書いてみる。

縦社会.jpg

もう8月ですが、私は異動したのにデスクが変わっていません。
まだソリ合わないオンナの前にいるのです。今日もうるさいなぁ。早く席替えしてくれないかなぁ。異動先のシマ(部署)引っ越したいんだけど。

総務の男性が、
「〇〇さん(私のこと)のデスクなんですけど、毅さんの隣でいいですか?」
毅とは私とは20年来の僚友ですが、他、全社員から畏怖されてるうるさ型の取締役です。言ってきた若手男性は東京本社フロアのいろんなものを管理しています。賃貸契約書、リース物件、社用車、本社や各支店のスペアキー、セキュリティー関連、ゼロックスコピー機、インターネット配線関連、ビル清掃、宅急便、管理会社の窓口、多岐に渡っている。デスク配置とかも。
で、今回、私の異動で、デスクを異動先のシマ(部署)に移すことになって、社内イチうるさ型の毅の隣でいいですかってか。
「別に構わないよ」
「よかった」
「???」
「他にいないんで」
またそれかい。「他にできる人がいないので」の延長みたいじゃないか。
「アイツ(ソリ)の前から離れたいんだ」
「まぁまぁ」
そうなるだろうと私は前からそのつもりでいた。
だが、それが頓挫した。弊害というか、私のデスク云々ではなく全く関係ない別の問題で物言いがついたのであります。

うちの本社のデスクは基本的には島型配置になっています。

島型.jpg

現在、このような配置になっている。
私はソリ合わないの前にいます。20年近くもですよ。ウチの会社は20年で4回ほど移転してるのですが、3回めの移転からずーっと一緒です。

現在のデスク.jpg

組織上では取締役2が店舗運営部のTOPで、支店数120、従業員1200人の上にいます。
では取締役2が何で他の3名の取締役とシマが離れているかというと、取締役2は昨年春の政変でエリア長(エリア毎に複数の支店を束ねる)から抜擢されて本社に来た人なのです。
それまでは取締役5が店舗運営部のTOPだったのですが、ウチのBOSSは取締役5が支店を管轄するポジションだったのを取締役2とすげ替えたのです。
でも取締役としての肩書は外さなかった。温情かもしれない。
私の背後の4人、取締役3、4、5、もうひとりはそれ以前からその席にいたので、後から来た取締役2を無理くり押し込んで入れることなく、取り合えず空いていた隣のシマに席を置いて1年以上も経っている。

私の席の引っ越し先を考えたディクソン(以前の上長)はこういう席の配置を考えた。

デスク変更案1.jpg

取締役2が店舗運営部長の肩書で、他取締役の上席にきています。
私は取締役3である毅の隣になっている。そこにいた者はジャン妻も所属する上の組織に引っ張られてもうすぐいなくなるのが決まっています。
取締役でもない私が上席たちの中に押し込まれているのも奇異なのだが、マジメな話、冒頭の若手男性が言うところの「毅さんの隣でいですか?」まぁ一匹狼で難しい男なのですよ。取締役2は全支店を管轄する上にいるので、上席というかエンドの席に持ってっていいし、こういう席配置で決まるかと思ったのですが。

また冒頭の若手男性が言うには、
「席替え、いったん白紙になりました」
「何でさ?」
席では言い難そうなので小会議室で聞いたのですが、ディクソンが若手男性に提示したこの席配置に取締役4が異議を唱えた。
若手男性が取締役4に案として「こういう配置を考えております」と持ってったか伺いを立てた。だがこの配置を見た取締役4が言うには、
「取締役は誰もアイツ(取締役2)の部下じゃないぞ。同格だ!」
ゴネたのかな。若手男性は困った。
「でしたら上長(ディクソン)と話して貰えますか」
「ああいよ。話すよ」
そういう遣り取りがあったそうです。
私は所属は異動したけど席はまだディクソンの隣、ソリ合わないの前にいるので、取締役4がブゥたれたカオをしてディクソンの隣に椅子を持ってきてデンと座り、それについてブツブツと文句を言ってるのを見た。代行順位がどうこうとか、我々は全員フラットな平取だとか。
私やソリが傍にいて聞いてたのでディクソンはさすがに「ちょっと場所を変えましょう」取締役4と連れ立って小会議室に入っていった。

偉い人-1.jpg

ディクソンは折れた。
出てきて、くだんの若手男性に「あの席替え案、白紙になったから」だけ言ったそうです。
「そう言われて、こっちの2日か3日の作業がおじゃんになったんですよ~」
席替えって単にデスクと椅子を動かすだけではなく、PC電源の数、ハブ(ネットワークの接続機器)、ゼロックス複合機(プリンター、FAX、SCAN)といった周辺機器が絡んでくるのですな。
「レイアウト図を作って、業者さん交えて打ち合わせしたのにその作業時間分がボツになりまして。工事も延期です。ガックリです」
「ああそうなんだ。でもあれは白紙にしてよかったんじゃないか」
「まぁそうですね。これは絶対にモメると思って。取締役4が図面を覗いたってことにしましたが、実は」
「リークしたのか」
「ハイ・・・」
そんなこんなで、その時に動かす筈だった私の引っ越しも保留になっちゃったんですよ。
ディクソンはそこまで序列に拘る者がいるってことまで考えがいかなかったみたいですね。彼はソリ合わない他、部下の長なので、自らは当然のようにエンドの位置にデスクをデンと置いてる人です。根っからの上から来た人、上にいる人なので、何か変革プランがあってもそれを実行することで周囲や相手がどう思うか、その想像力というか副作用というかそういう観念が欠如していたんだね。
別ネタで、何か副作用反応があると、
「何でそういうこと言うのかな」
「何でそうなるのかな」
この「何で」がわからない人なのですな。
私も幾つか彼から迷惑を被ったけどそれは割愛します今回は。で、となると、デスクの折衷案としてはこうなる予定だったのですが。。。

デスク変更案2.jpg

今回の揉める一因は何なのか。
私は組織図に問題があると思ってます。

組織図1.jpg

「アイツの下じゃない」アイツ呼ばわりされた取締役2は店舗運営部長として四角い枠内に名前があります。その下からラインが伸びてエリア長を通して各支店長や支店に勤務する社員と直結していますね。
だけど他の3人の取締役たちはライン外に名前があって「〇〇〇〇担当取締役」のように名前があるだけなのです。ラインで繋がっていない。
〇〇〇〇担当ってのは個々にいろいろ担当しているのですが、取締役だけど担当者?みたいなところがある。店舗運営部付きなんだけど取締役2とは確かに上下関係になってないでしょう。枠外というかライン外にはみ出していますよね。
気難しい毅が一匹狼になったのもこの組織上のラインの外に名前があるからですよ。

このヘンな組織図、取締役以外でも、ライン外に名前がある役職者が5人いますよね。私も含めて。
A部長、ジャン、B、C、Dの副部長が3人、

組織図2.jpg

私も含めてこの連中は組織図上では部下のいない役職者なのですが、A部長とC、Dは支店にいるのですよ。
A部長は地方支店の有力な拠点をドサ廻りして、行く先々で支店長の顧問というか相談役みたいになってる。前はエリア長だったのですが、当時の店舗運営部長だった伊東甲子太郎の逆鱗に触れて外されたの。
だが伊東は等級をそのままにして、会社が使いやすいようにこの位置に据え置いた。
部下は付けられない。何もしなけりゃトテモいい人で私も好きな方なんだけど、部下がいる役職者に据えると傲岸になるんだよね。

次が私です。異動前はディクソンとソリ合わない他を結ぶライン上に私の名前があったのですが、今の場所に移った。
私を抜いたので、ディクソンとソリ合わないを結ぶ線が長く伸びていますよね。いつかソリ合わないが昇格してその位置に来るのかなぁ。名前を四角く囲って。

次のB副部長は4月まで湘南エリアの支店群を監督していたエリア長で本社に引っ張られた。
(T也というHNで登場しています。)
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-05-26
彼は実質は取締役2の片腕でもあります。私も別のプロジェクトで組んでます。B副部長は私の意外な細かさに目を見張ってますよ。

その下にC、D、2人の副部長がいます。Cは都内某所で支店長を兼務している。その支店は他と違って特別な位置づけで、支店というより工場みたいになっていてそこの監督者でもあるんだな。
このCは業務はできる人なのですが尊大で横柄で態度が大きく、各方面で嫌われてエリア長も手を焼いている孤独な人ですが私とは利害関係、接点は殆どない。
最後のD副部長は他社から来た人で、単に年収が高いからそれ也の役職等級に据え置いただけみたいだ。

異動した私が副部長の筆頭になってるでしょう。
長く在職しているからですよ。年齢や勤続年数でいうと私が筆頭なのよ。上下関係を重んじる縦の会社はこういう組織図上で名前を明記する順番とかをトテモ重んじるのです。本社の行先ボードもいつの間に誰が張り替えたのか、私の名前はディクソンの下から外されて店舗運営部長の下に移ってましたからね。ボードに貼ってある名前は大相撲で言うところの番付といっていいです。
私も昭和から平成の縦社会を生きてきたので、プライドという部分で取締役4がデスク配置でディクソンに文句を言ったのも理解できないこともないのだ。
そんな高いプライドを表明する以上、それだけの仕事をしてるかってことですよね。社員が上を見る目は厳しいです。

私も含めた5人がラインにくっついているようでライン外なのです。私の名前の位置を群馬の社員が誤解した。女性社員から電話が架かって来たのです。その子は船山史家呟きⅠに登場したかな。あの頃は短大出の20代小娘だったが、今は嫁いでいます。
ああ、あった、この記事で私に叱られた子だ。

https://funayama-shika-2.blog.ss-blog.jp/2013-02-23-2

その子といっても今は嫁いでますが、問い合わせの電話がかかってきたの。
「5月1日付の業務連絡を見たのですが。それについてちょっと」
「業務連絡?」
そんなのが配信されたのか?
「あれはどういう意味、内容なのですか?」

会社内の掲示板を見たら、

『人事異動及び、組織図変更のお知らせ
5月1日付の人事異動及び組織図変更をお知らせいたします。別紙(組織図)をご確認ください。
今回の組織図で下記の事項を追記及び変更を致しました。』

【 人事異動 】
発令日
氏名
異動前 総務部副部長
異動後 店舗運営部副部長

【 組織図変更 追記 】

こんなのが配信されてたのか。
たかが自分ひとりの異動で。
組織図が添付されていた。私がこの記事用に造ったマンガの基になったちゃんとした図です。
群馬の子が誤解したのは、
質問①「異動して何をされるんですか?」
質問②「今までやってきた業務は誰がやるんですか?」
極めつけが次の質問で、質問③「もう群馬に来ないのですか?」
この業務連絡、人事発令だけだと私が異動することしかわからない。異動先で何をするのかには触れていない。発令だけだからそういうものかも知れないが、それを見た人は私が何をするのかわからないのである。
エリア長の数人から質問①と②について聞かれた。「異動されたんですよね。ということは〇〇さん(私のこと)がやっていた業務は誰に引き継いだのですか?」

私は自分の業務をより一層効率化する為に(自分の為に?)異動しています。なので、今までの業務を持って抱えて異動していますが、こういう異動は極めて異例だそうで、
「普通は異動ってなったら業務が変わるわよ」(ジャン妻)
変わるから異動なのですが、私の場合は業務は変わらず所属部署が移るだけなので異動というよりは移動なんですね。
他社から転職してきてエリア長に収まった者は「異動してこれまでと同じ業務ってのは聞いたことがないですねぇ」って笑ってた。
私は異動先の取締役2、現在の上長の了承を得たうえで「業務はこれまでと同様だよ」説明する内容をエリア長に配信した。連中は安堵したと思う。そういう反応が返ってきた。
だがエリア長は、自分たちが安堵しただけで、自分らの管轄する各支店長には伝えなかったので、長年懇意にしている支店長からも直接問い合わせがあって説明するハメになった。
「またいつかみたいにいきなり群馬に行っていなくなっちゃうんじゃないでしょうねぇ」なんて言ってきた支店長が数人いましたよ。いやぁ異動してよかったなぁ、上役冥利に尽きるってものですよと自画自賛、いいでしょたまには。
「今回はそうならないよ。こっち(首都圏)にいるから。」って言って安心させました。

組織図4.jpg

(この組織図だと、取締役2は全支店を監督する位置にいますよね。
他取締役は各支店に指示できるラインについてるだけなのです。やはりデスクの配置は、取締役2を上座に持ってきてもオカシくないと私は思います。
これが代表取締役であるBOSSが不在になった場合の代行順位だと、また序列が違ってくるそうです。)

で、電話してきた群馬の子に、質問①と②を説明した後、質問③ですが、
「だから今後も群馬に行きますよ」
「そうですか。ヨカッタ・・・」
「そっちで前からいる連中がそう思ってるのか?」
「ハイ、誰々さんとか、何々さんとか」
平成24年に群馬にトバされた頃から今日まで在職している当時は小娘だった数人の名前が出たよ。他、笑ふ女、聖なる酔っ払いオンナたち。
自分で言うのも何ですが、こういう心配をされたことで私は舞い上がったのですが、その舞い上がりに冷や水をぶっかけたオンナがいます。ソリ合わないじゃないです。ジャン妻です。彼女は私にこう言ったんです。
「この組織図だと、アナタは店舗運営部長(取締役2)に付いてるように見えるよね」(ジャン妻)
「うん、実際そうだし」
「何かやらかして更迭されたと思われたんじゃないの?」
「えっ!」

組織図3.jpg

何かっていうと、ときどきマスコミを賑わしている不祥事、官僚でも民間でも「〇月〇日付で人事部長付になった。事実上の更迭である」というあれですよ。
そういう人事って、何かやらかしてほとぼりが冷めるまで待つか、何もすることがないので次を探しなさいとかっていうんでしょ。
「まさかそんな風に思うわけ?」
「見ようによっては」
「だけど店舗運営部長(取締役2)付が私以外にもいるだろ。A部長、ジャン、B、C、Dの副部長が4人、私とB、Cは、やる者がいないと会社が潰れるレベルの業務を抱えてるんだぜ。」
「アナタとBさんCさんはそうだけど、皆、A部長の下に名前があるじゃない?」
「A部長?」
先に書いたように、A部長はエリア長時代、当時の運営部長だった伊東甲子太郎と衝突してエリア長を外されて現在の位置にいる。それは知らない人から見たら更迭に見えたそうです。
「だけどA部長はエリア長の上にいるんだぜ」
伊東はA部長を敢えて名誉職みたいに据え置いて直属の部下をつけなかったのです。店舗運営部付で運営部長から特命が行くだけです。本人に単独での命令権はない。
そのA部長の下に名前を持ってこられたから、
「群馬の子の電話もそうだけど。アナタも何かやらかしたんじゃないかって心配してるのよ。日頃の態度がどうこう、言いたい放題でどうこう、ウンヌン・・・」
せっかく群馬の子からの電話で嬉々としてたのに。冷や水をブッかけられた気分になった。

A部長と会った時、彼はニコニコしながら、
「〇〇さん(私のこと)は私の部下になりましたねぇ」
「そうですねぇ。よろしくお願いします」って言うしかなかったですよ。「そう言われました」って今の上長(店舗運営部長取締役2)に告げ口したら呆れたカオして、
「そうじゃないんだけどなぁっ」
悪い人では決してない方だし、私も気を悪くしたわけではないが、こういう誤解、勘違いを生む辺り、組織図だけの怖さというか。「あの人は何をしたんだろう」「今後は何をするんだろう」組織図や発令を見た者が疑問に思わないようにちゃんと作成して、組織図とは別に上から「この者には何々を担当して貰います」名分化しないといけないのですな。

でも異動したことでやりやすくなったことの方が遥かに多いです。
草の者たちと同じ部署になったことで、それまで別部署からの依頼、委託だったのが指示命令に転化しやすくなった。
異動前に私がずーっと受けてた依頼事項があって、その継続案件を草の者候補(男性)から「これまで同様に〇〇さん(私のこと)にお願いしてもよろしいでしょうか」と言ってきた。
私はニヤニヤしながら、
「異動前だったらな」
「???」
「その案件は異動前は私が受けてたけどさ。もう異動(移動)してそっちと同じ部署になっただろ。大きく言えばさ」
「ハイ、異動された業務連絡見ました」
「ってことはだよ。組織図に私の名前は何処にある?」
「あっ、そうか」
私の言わんとしてることはその者にすぐにわかった。〇〇さん(私のこと)はもう他部署じゃなくて、同じ部署で自分の上にいるって。
「前は他部署だったから依頼されたら私は受けてたけど、もう君と同じ部署で名前が上にあるだろ。だからもう依頼される筋合いじゃない。言ってきた君に「やれ」と命令してもおかしくないだろ」
「ハ、ハイ・・・」
「いや、命令はしないよ。やり方、書き方を教えるから、アナタがやりなさい」
「わ、わかりました。なるほど。そういうことなんですね」
「だから異動したのよ!笑」
「ハ、ハイッ」
これと同じことを主任(草の者)たちにも言いました。
上長からも「主任たちにやらせてくだい」と言われてるのを逆手にとって、
「異動前は他部署だったから君たちに『依頼』してたが、同じ部署になったからにはもう少し強く言うかもよ。実質は命令だね」
草の者3号は、
「前もそうだったじゃないですかっ。命令口調だったですよっ」
「そうかな。そういうつもりはなかったが」
「前と変わってませんよっ」

でも私はまだソリ合わないオンナの前にいるんですよ。
今日もお喋りが長くて。私語でもないんよね。業務上の話なんだけどいつまでも批評みたいなのが続いてるのです。
異動前は同じ部署だったから許してた部分もあるが、異動して所属が変わると前に増してうるさく感じるよ。
早く席替えして引っ越したいんだけど。うるさいアンタの前から離れたいんだけど。

私語.jpg

そしたらまた例の総務若手男性が言ってきた。
「あの、席替えの件ですけど」
「おう、いつになった」
「それが、また延期になりました」
「なっ!延期!」
「ハイ、上からのお達しで、ちょっと待てって」

上からのお達しって、BOSSが強権発動したのだろうか。
いや、ウチのBOSSはそういう人じゃない。
ウチの本社フロアは我々の会社だけでなく、伊東甲子太郎がTOPになった別会社他、関連会社数社が同居していて、それらを全部仕切るBIGーBOSSがいるのです。そのスジからSTOPがかかった。
事務所が移転するか、フロア内で統合されるか。
最悪、会社が潰れるか、それはないだろうけど。いずれにせよ配線工事等を請け負う業者への発注も停止になった。
私はゲンナリした。前でくっ喋っているソリ合わないを指して、
「またしばらくこのオンナの前にいなきゃならないのか。うるさい。カオ見飽きた。」
「笑、いつかは席替えすると思いますよ」
「まさかこのオンナ(ソリ)が俺を手離したくなくて席替えSTOPかけたんじゃねぇだろうな」
「それ!ナイスですっ!」

そのうちソリ合わないは言ってくるだろう。
「いつまでそこにいるんですか」
「席移らないんですか」って。
もう夏ですが、私だけ異動先の飛び地みたいになってるのです。
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私も行きますっ! [人間ドラマ]

前の上長であるディクソンのデスクは私の左の管理者席で、廊下と事務フロアを結ぶ入口近くにある。「〇〇さん!」
ディクソンが自分の名を呼ばれてギョッとして振り向いた。
そこにBOSSがヌオッと立っていた。
「自分、今から買い出しに行ってきますっ!」
「・・・」
「何時には戻りますっ!」
「あ、そうですか。わかりました」
BOSSは風のように立ち去った。

「何です今のは?」
「さぁ、ああ言われちゃうと、ハイそうですかとしか言えなかった」(ディクソン)
「何を買い出しに行くんでしょうね。」
「う~ん。。。」
「家から電話が架かってきて、奥さんからトイレットペーパーを買ってきてとでも頼まれたのかな」
「苦笑」
まだお中元の時期じゃないが、何か客先への手土産でも買いにいったのかな。BOSSは自分の懐が痛まない贈り物を選別、選定するのが大好きで、よくネットでオーダーしてますよ。
だけど前の席にソリ合わないがいなかったのは幸いだった。今、この場にソリがいようものなら、
「買い出しって何ですかね」、
「仕事ですかね。プライベートですかね」、
「それってBOSSの仕事ですかね」、
ディクソンに向かってうるさくまくし立てるだろう。ディクソンは聞いてるのがイヤになってWCに立つか、珈琲を煎れに立つか、他部署へ雑談しに行くかして席を外す。
すると私が残る。ソリは残った私に向かって話の続きを繰り返すだろう。
私に話すのに飽きたら在宅勤務中のDON子にでも電話して、「BOSSが買い出しに行くって言って出かけたんだよ」そう吹きまくるに決まっているさ。
何やら難しいいカオをしているディクソンと2人でいたら気詰まりになってきたので、港区方面へ外出した。

さて、今日も居酒屋ランチです。都営三田線で港区に向かう途中下車ですよ。
店11.jpg
非常事態宣言の延長で、夜の外飲みが全くできなくなった。ネタストックもなくなり、枯渇してきているんです。
改めて思うのですが、自分って、結構な頻度、回数で外飲みしてたんですね。
お世話になった居酒屋たちが心配だが、営ってないんじゃぁしょうがないしなぁ。
メ11.jpg
また夜にこの席に座れるのはいつかな。
いつもの席.jpg
豚ロース塩焼定食、肉厚だがアッサリした塩焼きだった。焼き立てじゃぁないなこれは。
豚ロースランチ1.jpg
刻みネギの主張の方が強い気がするな。冷めた肉、冷えた刻みネギ、この店は夜と昼じゃぁ随分と差があるなぁ。夜のメニューでランチできないのかな。
豚ロースランチ2.jpg

ジャンは既に異動しています。もうすぐ席替え予定です。
ソリ合わないの前かた離れることになる。やっと、やっとですよ。ついに!
もうさきほどみたいに、BOSSがいきなりオフィスに入ってきても、私自身の名前が呼ばれない限りは知らん顔していいんだ。

ところが。。。
席替えは延期になった。。。
この件は別記事にします。

今日はいなかったソリは、BOSSと表面上は上手く付き合っているが、実は嫌いなのです。
ソリに聞いたことがある。
「何でBOSSが嫌いなのさ。何かあったのか?」
「それはですねぇ」
ソリから返ってきた話だと、私が群馬に飛ばされる2年前かな。BOSSはまだ総務部長で、ソリはBOSSの直属の部下だったのです。その頃の私は支店勤務の応援要員だったので本社に殆どいなかったのですが。
BOSSが関連他社へ副社長で転籍することになった。今思えばウチのBOSSになる為の試金石だったようだが、赴任する前、ソリ合わないが当時のBOSSに業務の引継ぎをお願いしたら、
「必要ありません」
拒否られたというんだな。
「今度、交替で来る部長さんに自分から引き継いでおきます」
ところが交替でやってきた後任の部長さん、人はいいけど総務や経理のズブの素人で、赴任早々ソリにこう言ったそうです。
「自分、全くわからないので任せます」
「???」
「彼(BOSS)が言うには、業務は〇〇さん(ソリ)に全て引き継いだって言ってましたけど」

(―“―;;;) ← ソリのカオ、想像、

「あの時、BOSSはアタシに『引き継ぎは必要ないこっちでやっておきます』って言ったんです。でも交替で来た部長さんは全く存じあげてなくて『自分まったくわからないんで任せます』だったんですよ。だから自分でイチから、いや、ゼロから始めたんです。関連他社の担当者に聞いたりして。」
へぇ、真相はそうだったんだ。任せて貰えたんでしょ。
私はソリがやや傲岸になったのはこの一件が原因だと思うんだな。

私が群馬に飛ばされてそこで水と魚みたいに遊んでたら、BOSSになって戻ってきたんですよ。
「まさかウチのBOSSになって戻ってくるとは思いませんでしたよっ」(ソリ)
根に持ったというか、BOSSに心中深く含むものがあるんだと。今でも多分。

「確かにそういうことをされたらねぇ。信用されてないんだなってなるし。こっちも信用したくないよねぇ」(ジャン妻)

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やっぱり塩味だとご飯がすすまないよ。サイドで生卵をオーダーしといてよかったぜ。
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また別の日、その日はソリが在宅勤務でDON子がいた。外線が鳴った。出たのはディクソン、昨年晩秋に他社からウチの会社に吸収された新店からだった。
「ハイ、ハイ、エッ?」
ディクソンの口から驚いたような、素っ頓狂な声が出た。
「今から行きますっ」
受話器を置いて、私とDON子に言うには、
「〇〇店のWCが壊れて水が漏れだしたそうです。店内が水浸しなので行ってきます」
「業者を呼べばいいじゃないですか」で済むところだが、ディクソンはそれとは別に珍しく現地に行く気満々だったのである。
ディクソンは既存店舗にはよほどの用事が無い限り行かないのです。行くと後で必ずその支店長から、
「なんなんだアイツは?」、
「偉そうに」、
「現場を知らないクセに」、
小さいけれど火種を残してくるのだ。言ってる内容は正論なんだが、言い方が官僚的で上から目線だというんだな。

「アナタ支店の不満に便乗して、一緒になってディクソンの悪口を言ったりしてないでしょうね」(ジャン妻)
「言ってない。仮にも自分とこの上長だからね。下手に迎合すると、〇〇さん(私のこと)もこう言っていたってなりかねないからな」
「じゃぁ何て応えたのよ」
「ディクソンは上から来た人だから現場を知らなくていいんだよ。だからああいう言い方ができるんだ。むしろ感心するよ。誉めちゃいねぇけどなって言った」
「・・・」(ジャン妻)
異動前の話ですよ。異動した今は悪口言ってるかも。いや、言ってません多分。

そのディクソンが他所から移って来た新店にスッ飛んでったのは、既存店には馴染みがなくても、その新店にはウチに来るまでの他社の頃から待遇面談とか従業員説明とかでマメに足を運んでたので、彼なりに情が湧いたんだろうと思う。
WCから水漏れて何しに行ったかというと、業者さんが来るまでの間、溢れた水を雑巾で拭いてバケツに絞って、雑巾を取り換え引っ換えしてたんだと。
「あの人は体育会系らしいよ。だからそういう汚れ仕事に抵抗ないのよ」(ジャン妻)
私は少し悪意に満ちたジョークを放った。
「いい意味での点数稼ぎにはなるわな。」
「・・・」
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ディクソンはスッとんでった。他社からきた支店へ。
そこの従業員は、ウチのシステム、帳票類、社風や文化に慣れるのに時間を要する。不安なのです。だから本社の者がカオを出すのはいいことだと思う。
何かあれば来てくれる、対応してくれる、信頼を得るうえでも最初の頃はそういうのが必要だ。WCの水漏れ、現地ではまだ誰に相談連絡していいかわからないから、ディクソンを選んだんだろう。

これは現場にスッ飛んでったディクソンを持ち上げる記事ではないです。ディクソンが出てって数分後、BOSSがヌッと現れて、
「〇〇さん(ディクソン)は?」
「〇〇店でWCの水が漏れて水浸しだそうです。それに対応しに行かれました」
「〇〇店で水が?」
何かイヤな予感がした。
「だったら私も行きますっ」
「えっ?」
BOSSは強い口調で宣言するように言い放つと、行先ボードにズカズカと歩み寄り、ディクソンの名前の上にある自分の行先欄に「〇〇店」水漏れした支店名を記した。
「いやいや、もう彼(ディクソン)が行ってますから」
「でも自分も行きますっ」
脱兎の如く出てってしまったのである。

「WCの水漏れにBOSS自ら行くなんて」(DON子)
「・・・」
「上長(ディクソン)も行ってるってのに。BOSSは行って何するんですかね」
「さぁな。水汲むとも思えんしな。見舞いかな」
「TOPですよ。ウチってそんな軽い会社なのかと思われますよ」
「確かにそうだな。任せておけばいいのにな」
3.11東日本大震災、K首相自ら福島第二原発に飛んだでしょう。あれじゃないけど、TOPは軽々に飛び出さずとも、ディクソンに任せて本社にデンとしてればいいんだよ。
さすがに本人には言ってない。言えないし。出てっちゃったし。
前にBOSSが支店の従業員から現地でお願いされたことをその場で安請け合いしてOKしてしまったことがあり、店舗営業部はBOSSが支店にカオをだすのをあまり喜ばない。
「できれば店舗に行かないで欲しいってハッキリ言ってますよ」(ソリ合わない)
「それは私も聞いたことがある。でもウチのBOSSなんだから、支店にカオを出して悪い訳はないんだがなぁ」

だけどDON子はソリみたいにBOSSを嫌ってない。まだ途中入社して3年になるかどうかだし、長くいるが為の因縁話もない。
よかったよDON子で。ソリがいなくて・・・

・・・って思ったんですけどっ!

やっぱりDON子もDON子です。在宅勤務で不在なソリに電話してやがる。話のとっかかりは業務上の確認事項だったが、途中から「〇〇店で水が・・・」の話になり「・・・出てっちゃったんですよ~」「ですよねぇ、」「笑、アハハハハ、でも凄い勢いでしたよ」「オホホホホ(笑)」、
妙に長電話になった。どうせ電話の向こうのソリが「なぁんでTOPが自ら行くのぉ」「何をしにぃ。何もできないじゃなぁい」その場にいないクセにいろいろ言ってるんだろ。
私は聞き苦しくなってその場を離れた。
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翌日、ディクソンに言いましたよ。
「昨日はお疲れでした」
「ああどうも。業者が来るまで雑巾とモップでずーっと拭きましたよ」
「下水?」
「いや、下水じゃないですけど、ビルの屋上で雨水を溜めてそれを再利用して流すんですけどそれが破損したみたい。でもまさか後からBOSSが来るとは思わなかった」(ディクソン)

BOSSは自分でも言ってたが「自分はTOPの器じゃないんです」
「だったら下りなよ、下が迷惑するから」とは言わないよ。でもそれを聞かされるこっちは困惑するだけだよ。BOSSはBOSSなんだからさ。BOSSらしくカッコよく振る舞って欲しいものだ。
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電話が繋がらない [人間ドラマ]

5月6日、11時~、T也(仮名)という人と小会議室で打ち合わせをしていた。
11:30になった。
「じゃぁT也さん、〇〇区に申請に行く事前アポを取ってくださいよ」
T也さんなんて名前で呼んでないですよ。苗字で呼んでます。
T也は都内某区役所窓口に電話をかけた。
だが、つながらなかった。
プーッ、プーッ、プーッ、
「話し中ですね」(T也)
「話し中?」
「もうちょっとしたらかけなおしてみます」
それから打ち合わせ中に、11:40、11:50、12:00前、と度々かけてもずーっと話し中なのです。
「番号が間違ってるのかな?」
確認したら合っている。間違いない。
「オカシイですね」
「つながらない?」
「ずっと話し中です。ヘンですねぇ」
受話器が浮いてるのかな。
T也は私みたいにカーッとならないのはいいが、見てると歯痒い。異動前までは何だかノラリクラリしてる人だなぁと遠巻きに見ていたが、異動先で同じ部署内になったらいいところよりもアラの方が如実に見えてきた。コイツ大丈夫かなと思う時がある。
12時過ぎたのでそこで一旦、止めた。
「では今から2時間ほど外出しますが、事前のアポ取っといてください」
「ハイわかりました」
そう言い置いて一旦外出した。12時半頃だったかな。緊急事態宣言下でそこらじゅうの店が閉まっていて、途中、都営三田線の内幸町で下車して、前によく来た店での居酒屋ランチ、
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日替わり、鯖の竜田揚げ定食、
タレカツ丼、タレでなかったら、卵とじだったらいいのに、
地鶏の親子煮、前に食べたことあるけど鶏の胸肉だったんだよな、
おやき重、重なってなくて別皿だったらな、
焼き魚はイワシ明太焼き定食、普通の塩焼きなら。でも焼き魚のイワシって生臭みが口中に残る。今はマスクしてるから尚更ね。
鯖灰干し焼定食、これは日本酒でしょう。
鮭ハラス焼、夜に何回か食べてますが凄いアブラのノリです。
お刺身定食、前に食べたら凍ってたことがあって。
日替わりにしました。
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今は昼だけで夜は営ってない。酒を出せなくなったら酒房じゃなくなるからね。
「お野菜いっぱいありますよ」
女将が満面の造り笑顔でそう言った。
サッと出された鯖の竜田揚げランチ、骨もなくいいサバだけど齧ってみてすぐに気づいた。こりゃ揚げ置きだな。それも幾らか時間が経ってるね。
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2時間くらいして帰社したらT也は自分のデスクにいて、マイペースで作業に勤しんでいる。彼は昨年暮れまではエリア長のひとりだったが、本社中枢にある店舗営業部に抜擢され、ある特定業務についてエリア全体を統括することになった。私もいずれその特定業務のサポートをすることになるのだが、その前に、新規店舗申請が6件あって、2件をうるさ型の取締役である毅が担当、私は残り4件をひとりでやろうとしたら、異動先の店舗運営部長さん(いずれ仮名を、HNを考えます)から、
「T也さんに教えがてらやって貰えますか?」
「いいですよ」
T也はそういう申請をやったことがないので、私がT也に教えるのを兼ねて2人で組むことになった。残り4件を2件ずつね。
部署内の他の連中も「T也さんを毅さんにつけるよりは、〇〇さん(私のこと)の方がマシだろう」と思ったみたいだね。毅はひとりでやってしまって人に教えようとしないが、私は嫌がる草の者たちに少なからず教えてる実績があるからです。意外と私って教え方がソフトなんですよ。
「またそうやってアナタは毅さんを悪役にして、自分はいい役になるんだから」(ジャン妻)
「そんなつもりはない。でも教えるって面倒だな。ひとりで4件全部やった方がいい」
「その為に異動したんでしょ」
異動前は毅と2にで「あっちの部署は自分らでやろうとしない。教えようとしない」ってブゥ垂れていたが、そっちに異動したことでブゥ垂れられなくなったのもある。
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鯖は悪くないけど結局は冷めた魚の揚げものだからねぇ。
二度揚げすると固くなるからねぇ。
最初の1枚はそのまま食べて、次から味変、タレに浸して食べました。それほど酸っぱくないポン酢、刻みネギ入りだった。
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コシヒカリが美味しい。固めに炊いてあってぬくぬくです。熱々じゃない。私は炊き立ての熱々ご飯を好まないヘンな人でもあります。
だからといっていつ炊いたかわかんないメシは御免だけどね。
付け合わせの小鉢は明太マヨのパスタみたいなの、里芋と厚揚、
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味噌汁は。。。
具が麩じゃぁなぁ。業務用の出汁味噌汁ではなさそうだが。
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先に挿話を進めます。食べてから三田線で春日駅まで行き、そこの文京区の窓口ともう1か所、カオを出してから帰社したんだった。
Tはがデスクにいて、書類作成に勤しんでるのはいいが。アポは取れたのかな。
「〇〇区、アポ取れましたか?」
「あ、それがですね」
未だ取れてないという。繋がらないままだと。
「午後になってからも架けてるんですが。ずーっとプーッ、プーッ、プーッ、なんですよ」
T也はノラリクラリ口調でそう応えた。私も架けてみたら確かに話し中で、プーッ、プーッ、がずーっと鳴っている。
このままだとずーっと話し中で終わってしまう。業を煮やした私は窓口の下4桁の番号、0055が話し中なので、0056、0057、0058、0059と当てずっぽうで連番に架けまくった。個人宅に繋がったら謝ればいいやって思った。
0059までかけて繋がらないので、では番号を戻して0051に架けたらつながったんですよ。相手が出たのです。「〇〇区役所、〇〇〇〇課です」って。
捕まえたぞとばかりに私は自分の会社名と名前を名乗って、
「申請に来られる際は事前にアポイントメントを取るようそちらに言われていたのですが、午前11時半から今まで何回も電話をかけてるのにずっと話中で繋がりませんよ」
「え、そうですか?そんなことが」
「でも実際そうなんですよ。だから下4桁の番号に片っ端から架けてたらこの番号で繋がった次第です。担当の誰々さんお席にいますか?」
「今は窓口対応中でして。済み次第折り返し電話します」
私は隣で別の作業をしているT也に目配せして、彼の会社携帯を聞き出して相手に教えた。いったん切った。
「つながりましたよ。折り返しT也さんの携帯にかかって来ます」
「ど、どうやったんですか?」
「下4桁を片っ端から架けまくっても繋がらないから、振り出しの0051に架けたらつながったの」
「ええっ!」
T也は目を剥いた。
「す、すごいですね。そこまで・・・」
T也はそこまでやるのってカオだったが。そしたら前の上長だったディクソンがスッ飛んできて、
「今日から新型コロナワクチン接種受付がスタートしているんで、電話がつながり難くなっているんですよ」
知ったかぶりとは言わないが、訳知り顔で言ってきた。おおかた声の大きい私が「電話が繋がらないぞ」ってクレームでも入れたと心配したんでしょうな。
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後でネット記事を見たら、この日6日、NTT東日本の都内の固定電話への着信が一時的に制限され、利用者がつながり難くなる現象が起きたという。複数自治体が新型コロナウイルスのワクチン接種の電話予約受付を開始したことで、固定電話への着信が制限されたからである。
処理能力を超える電話が集中して通信網が渋滞、パンク状態になるのを輻輳(フクソウ)というんだね。そんな難しい単語初めて知ったよ。読めないし書けないよ。
消防や警察への緊急通報はどうするのかと思ったらそれは対象外らしい。それ以外の多くの固定電話がつながり難くなったのである。
ネット記事には「家庭や企業だけでなく、コロナ対応をしている保健所や病院なども影響を受けた可能性がある。」
「ネットに不慣れな高齢者がいっせいに受け付け電話にかけたことが想定される。」
「つながり難いときに何度もかけ直すと、通信網の渋滞状況が悪化する。」
まさにこれです。だから繋がらなかった。たまたま私の電話を受けた人もその時は知らなかったようだね。
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「でもディクソンが『今日は繋がり難い日です』なぁんて言ってきてもなぁ。こっちは相手に繋げてアポを取るのが目的だからさぁ」
「相手に忖度してもしょうがないのに。そんなのでしかアピールできないんだね。こっちは仕事なのにさ」(ジャン妻)
ディクソンを認めていないジャン妻は冷たく言い放った。
そして都と大阪で大規模接種が始まろうとしている。また今日辺りから電話が繋がり難くなるのかなぁ。
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アタシとだって! [人間ドラマ]

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「毅さん、今度いつ本社に来ます?」
「週明け月曜には行きますよ。朝からいます」(毅)
「ちょっと相談が。一身上のことで。声かけます」
この会話はCメールです。社内いち気難しい毅は滅多に本社に来ない。支店の施工、改装、新機種導入、看板設置や設備の修繕を担当しているので、壊れた箇所を抱えた支店をいつも廻っている。
週明け、毅は朝からいた。関係各部署のMTGの後で声かけて、空いてる小会議室に連れ立って入った。
「一身上って?」
「あ、いや、辞めるとかそういうんじゃないですよ。もうすぐ上期の目標シートを上長(ディクソン)に出すんだけど、そのタイミングで異動願を出そうと思って」
「異動ですか?何処へ?」
「店舗運営部ですよ」
毅は目を見開いた。

私の通常業務は、支店の許認可更新と、医療従事者たちの届が主です。それらは店舗運営部内のエリア長、支店長、あるいは医療従事する資格者個人から依頼されることが多い。
「ディクソンの下で、給与担当のソリ合わないオンナ、DON子、庶務担当のW美たちのシマ(部署)にいる意味ないですよ。あっち(店舗運営部)に移った方がやりやすいんです。」
毅は大きく頷いた。
異動希望先の店舗運営部長(取締役ナンバー2)にも内々に話をしてあります。そっちに移りたいって。
「その方が絶対にいいですよ」って言われた。
(もっともそこの部長さんは私が移ることで、ある思惑があるのですが。)

またしても「毅さんと〇〇さん(私のこと)しかできる人がいないので」の業務がきてるんです。それは新規出店と他社からウチに吸収されるM&A、前に担当していた大和田(仮名)の病気療養が続いているので、会社は前回同様に毅と私に振って来るだろう。
座ってるのが毅、立っているのが大和田です。

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何で毅を巻き込んだかというと。毅が手掛ける新規出店の営業許認可申請と、私が担当するM&Aの営業許認可申請は同じ書式なのです。提出する窓口も同じです。
毅はゼロからテナント内を工事施工して新規に起ち上げる。私は既にある他社を廃止して、自社の支店として新規に起ち上げる。これは前にも書いたね。
私がやるM&Aは、既にモノがあるから毅のようにゼロから施行工事する必要はない。そこに他社とはいえ従業員もいるからね。
立ち入り検査も含めて手続き上で一緒なだけです。
他社→自社になるので、先方にかなり気を遣いますけどね。これも前に書いたな。
だから私と毅は対行政、対会社という部分で共同戦線を張ることがこれまでにも多々あったのよ。

「毅さんとこには都内の新店、私も都内のM&Aが幾つか来てる。でもまだ大和田さん無理みたいだしねぇ」
「ですね。無理なのわかっててアイツら(店舗運営部)はちっとも自分らでやろうとしない。人を抱えてるのに育成しようとしない」
「でしょう。今回も私らにきますよ。だったら自分があっち(店舗運営部)に異動すればいいやって。さすれば新規出店だって、毅さんがハード面(工事施工)して、自分がソフト面、レイアウト図さえあえば申請書作れるし、通常業務のラウンド過程で新店に異動する社員の免許証もかき集められるし、まとめて窓口に出しに行けますワ。」
いつもしかめっ面している毅の愁眉が明るくなった。
「ああ、その方が絶対にいいです。自分も助かります」
「〇〇(ソリ合わない)のカオも見飽きたしなぁ」
珍しく毅は哄笑した。

https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-03-26
この過去記事で、ジャン妻から、
「もう残り何年もないんだから異動願い出したら?」
「アタシはもうディクソンの下で燻っているアナタを見るのイヤ」
「店舗運営部に異動願出して、店舗運営部で終わりましょう」
これで心中に灯がついた私は毅の同意も得て勢いづいたが、このトシまで異動願なんて書いたことない。ウチの会社で異動願書いた経験あるヤツなんているのだろうか。

口の堅い後輩社員に聞いてみよう。もと草の者4号、今は本社中枢にいるU紀(仮名)に聞いてみた。U紀に「聞きたいことがある」って廊下に呼び出したの。彼女が支店から本社に来るにあたってそういうの書いたのかって。
「書いてないです」
「書かなかったんだ。ではどうやって?」
「〇〇さん(人事、教育部長)が、アタシに声かけて本社に引っ張ったんですよ。不本意ながら」
不本意どうこうってのは、ホントは自分はかなりの人見知りなので、本社に来て社員全員が対象になる今の部署に来たくなかったんだと。
「そうか。君はそういうの書いて異動したのかと思ってた」
「違うんです。書くんですか?」
「ウン、でも書いたことないし。書き方はネットで調べりゃいいんだけどね。この会社ってそういうのが叶う会社なのかどうかもわかんないから聞いてみたのさ」
「異動願を書いた人がいるのは知ってますけど。でもそれって殆どが支店間の異動で、誰々と合わないとかそういう理由ばかりでしたね」
私はそういう理由じゃない。
「何処へ異動希望してるんですか?」
「店舗運営部」
「ええっ!」
U紀は眉をしかめた。あんな部署に?ってカオだった。

異動願は2通書きました。上長のディクソン宛とBOSS宛にね。
2通別々に書いたのは、ディクソンが自分とこから異動願が出たことを不名誉に思って握り潰すんじゃないかと懸念したのです。
これまでの会社人生で初めて異動願を書いたのだ。ツボ、ポイントは心得ています。「自分を異動させることでこういうメリットがありますよ」をちゃんと書いたよ。稟議と一緒です。

理由①、現在の通常業務は100%店舗運営部内からの依頼で、そこへ異動することで情報が早く得られ作業効率が上がります。
(でもこれだけだと弱い。自分のことしか考えてないからね。)

理由②、M&Aの対応が可能です。
異動することで、自分は楽するどころか業務が増えるのです。
異動希望先の部長さんは別の目的でこれに喰いついた。毅が手掛ける新規出店作業にも私を加えようとしたのです。社内いち気難し屋の毅の窓口というか、担当にしようとしたフシがあるね。

理由③、後進への引継ぎです。
現在の部署にいたら引継ぎができない。自分も正社員として残り年数を考えると後進への引継ぎを考えなくてはならないが、今の部署にいたらマニュアルだけ作ってハイサヨナラになりかねないと。
まさか引き継ぐ相手が給与担当のソリ合わないオンナやDON子ってわけにいかない。異動希望先には14人か16人いるエリア長や、主任(草の者)たち、1200人近い従業員がいるからね。そこの誰かに落とし込むしかないのです。

それらを纏めて、私はこのトシで初めての異動願をディクソンとBOSSに出しました。
ディクソンには「よろしくお願いします」と言って事務的に渡した。BOSSには理由の①②③を口頭説明したうえで頭を下げて手渡した。
BOSSはこんなことを言った。
「新店の申請はできますか?」
それは毅の担当でしょ。
「毅さんがやってる新店は開発部が絡むのと、業者の工事施工があるので厳しいです。でも図面が上がってレイアウトが決まればそこから先の申請はできます。」
「わかりました」
後で思えば、①は私個人のことだからどうでもいい、③は会社として今後の為に絶対必要、それとは別に②「毅さん対応をお願いします」なんですよ。③と②なんですね。
如何に毅が周囲から畏怖されてるか、腫れもの扱いだってことです。彼と話や仕事ができるのは20年来の僚友の私しかいないのです。
でも私は工事施工は担当できないので、書類面だけ引き受けることになる。でもBOSSも私に、難し屋の毅の対応をお願いしますと暗に言ってるんですよ。
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だがそこからどうなったのか。動きが、発表が無いんですよ。
まさかディクソンが「〇〇さん(私のこと)はウチにいてくれなければ困る人材です」なんて心にもないことを言い張って止めてるとも思えんしなぁ。
焦れた私は異動先の部長(取締役ナンバー2)やBOSSに直談判してしまった。「その後、何も言われてないですが、どうなったんですかね」って。
異動先の部長(取締役ナンバー2)は、
「自分とBOSSの間の話では、その方向でいいんじゃないかってなってます。〇〇さん(ディクソンの本名)は、こちらで面談してからになりますねって言ってました」
杓子定規なディクソンめ。何だか知らんが形式段階を踏まないと進まないらしい。黙って今日にでも明日にでも放出すればいいんだ。

また別の男性職員から内々に呼ばれて、
「5月1日付で進めています」、
何でその男性職員から言われたかというと、その者は本社フロアの管理責任者で、電話回線、FAX回線、消火器や防災避難ルート、蛍光灯、自販機、ゴミ出し、コロナ感染防止対策などなどやってる人で、席替えやデスク配置も担当しているのですよ。いよいよ異動となったら私のデスクは異動先へ引っ越すからね。
私は群馬に飛ばされてた1年以外、ずっとずっとずーっと前にいるソリ合わないオンナとようやく離れることができる。早く離れたいんだけど。正式決定して発表して私を動かして欲しいんだけど。
私がいきなり辞めても困るのは店舗運営部にブラ下がってる支店の従業員であって、ソリ合わないやドン子に迷惑は全くかからないんだ。早く出してくれないかなぁ。
異動する気満々です。

また業を煮やした私は実績作ってやろうと、異動先の部長さん(取締役ナンバー2)の承認を得て、異動先の週イチMTG(ミィーティング)に出ることにした。
ちっとも動きが見えないディクソンに、
「自分、店舗運営部のMTGに出ます。もう例の案件がきてるので」
「ああそうですか」
ディクソンは「アナタはまだこっちの人間なんですよ」とでも言うかと思ったが、急いでいるのは今言ったように新店とM&Aが店舗運営部からの依頼で毅と私に来てるんです。ディクソンもそれは承知してるので黙認した。

異動先である店舗運営部のMTGに出ても、私はまだ異動前なので意見は言わない。全体の情報共有について聞いてるだけです。でも出て驚いたのが、どんな議題でも必ず毅が絡んでいること。
でも毅はその場にいないのです。いるメンバーが口を揃えて、
「それは毅さんでないと」
「毅さんが何ていうか」
「毅さんからまだ何も聞いていないです」
彼らは毅が手掛けている工事中の新店に、何処かのタイミングで引き継ぐというか立ち入るのですが、店舗運営部の誰もがその新店の合鍵を持ってないのがわかった。マスターキーを毅が持っていて、合鍵を作ったかどうかすら誰も毅に聞いてないのです。
私は聞いてるだけですが、合鍵ネタになった時、そこにいたメンバー全員が私のカオを見たものだよ。え?私がどうにかしろってこと?合鍵できたかどうか毅さんに聞いてくださいってこと?
誰かが毅に言わなきゃ手に入らないが、この時点では私はまだ前の部署だからねぇ。
小会議室を出て縦列にゾロゾロと歩いてオフィスに戻るのですが、部長がボヤくんですよ。
「ああイヤだなぁ。でも(毅さんに)言わなきゃならないしなぁ」
「気持ちはわかりますが」
「いいですよ、わかってますよ、自分がまとめて言うしかないでしょ」
そういう会話をしながら自席に戻る私を見て、ソリ合わないが訝しい表情をしていた。ソリは、何で他部署のMTGに出ているんだろう、アヤしい、そう思ったそうです。
ディクソンは無言だったが、もう彼(私のこと)はあっち(異動先)の人間なんだという表情だったよ。

だがまだ動きがない。焦れまくっていたら4月の後半になって、BOSSに呼ばれた。
「異動の件聞きましたか?」
「いや、聞いてないですよ」
「早く言うように〇〇部長と〇〇部長に言ったんですが・・・」
前者は異動先である店舗運営部の部長で、後者は今の上長であるディクソン、
「いえ、ぜんぜん」
BOSSは立ち上がりかけた。ディクソンの席へ行って「まだ言ってないんですか?」とでも言おうとしたらしだが、この日、ディクソンはいなかった。在宅勤務だった。
「彼、遅いです。忘れっぽいし。」
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-04-26

後でBOSSは、私がアイツ呼ばわりしたディクソンに異動の件を早く進めるように言ったらしい。
そしたら在宅勤務中のディクソンから私に携帯メールが届いて、週明けの月曜朝、人事面談がありますと連絡があり、そこで正式に決まった旨、話をされた。
多少ネチネチと言われましたね。
「異動したいが為に先方に先走ったりするところが心配です」
自分だって忘れてたクセに。遅いクセに。
でもディクソンはこうも言った。
「自分も向こうに異動した方がいいと思ってました」
ああそう、だったら早く放出してくださいよ。
「機密保持の面で心配です」
あの件だな。前回のM&A、OPENにしちゃいけない段階でエリア長会議で「今から行ってくっからよ」って捨て台詞を吐いて出たら、エリア長たちざわついて会議にならなくなったというアレか。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-04-01-1

私は異動したくてしょうがないので抗弁しないで黙ってました。そしたらディクソンはこんなことも言ったんです。
「毅さんと話せる人って〇〇さん(私のこと)だけですからね。その辺りは今までのノウハウを活かして」
ディクソンも毅の対応に苦慮しているのである。口では毅のことを「取締役なのにああいう態度は如何なものですかねぇ」とか批判してたが、その後で「私がこう言ってたってことは毅さんには言わないでくださいね」って保身に走ったのには内心で失笑した。
「もちろん毅さんとも一緒にやりますが、上の誰かが毅さんに日頃の態度を注意しないんですか?」
「誰かがしてると思います」
誰かがねって誰がよ。誰も注意してないってことだよ。私をクサしてるのか認めてるのかようワカラン面談だったが、ディクソンにしてみれば、私がBOSSや異動先の上長に「自分の異動まだですか?早くしてくださいよ」と急っついたから、私が早く出ていきたいようでオモシロくないんだろうね。
面談が済んで、ディクソンと2人で小会議室から戻ったら、ソリ合わないオンナがまた訝し気にこっちを見た。

私の前の席、ソリ合わないのアタマが写っています。
フンっ、もうすぐお前さんの前からもオサラバだよっ、
向こうにソリがいる-1.jpg

私はBOSSと異動先の部長に「ディクソンから正式に話がありました」と伝えました。
異動先の部長さんは、
「ウチに来たら毅さんのフォローをお願いしますね」
今まで腫物扱いで誰も接してなかったらしいんだな。そりゃ新規案件は毅と一緒にやるけどさ。でも連中が毅の態度を注意してくださいってのは等級からいってお門違いだよ。それはBOSSが言わないとね。

その日の翌日、支店廻って2人の親しいエリア長に、内々に「異動になります」と言った。
ひとりはhttps://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-09-29後半に登場した女性エリア長で、草の者5号の直接の上司でもあります。
「今までは何処の部署だったんですか?」
私は口あんぐりになった。自分たちと同じ部署(店舗運営部)だとずーっと思ってたらしい。
過去記事に続いてまたマイカーの助手席に乗せて別支店に移動したのですが、相変わらず汚い車内だったね。
次に行った支店には草の者18号がいて彼女と打ち合わせ、そこに男性のエリア長がいて、何故か私の異動を喜んでくれたのだが、
「最近、毅さんが無茶ぶりで。あそこまで細かくやらなきゃならないんですかねぇ」
そうやってボヤくんですよ。エリア長が私の異動を喜んでくれてるのは毅との間になってくれって意味も含んでるんです。
嫌われてはいないけどそこまで畏怖される毅にヘンな意味で感心したよ。凄いヤツだなと思った。

その後も外回りしてたら業務携帯が振動した。PCからメッセージが転送されてきたのです。送信者はディクソンで、配信先は私、ソリ合わない、DON子、W美、そして前述の席替え男(フロア全体を管理する責任者)です。
定型挨拶文の後に、
「5月1日の人事異動についてお知らせいたします。
〇〇さん(私のこと)ですが、5月1日から店舗運営部へ異動することになりました。
席はレイアウト変更があるまでは今のままとなりますのでよろしくお願いします。」

これだけかよって。
しかもメールですよ。全員を集めて口頭で言わなかったのです。
前は週1日MTGをやって各人のスケジュール確認とかをしてたのだが、ソリ、DON子たちは在宅勤務の方が多くなったので、全員集まってのMTGはしなくなった。だからディクソンはメッセンジャーだけで通達したのだろうけど、これだと異動決定事項だけで、異動の理由や異動先で何をするのかについては全く触れていませんよね。
そういうのは私抜きでもいいから皆に口頭で言って欲しかったのだがなぁ。後でソリ合わないはこの件でちょっとした権幕で私を詰るのですよ。
結局ディクソンにとって私なんかはこの程度なんだよなって。箸にも棒にも掛からぬ存在だったんだなと思った。いや、そんなこともないかな。
でも別にいいやって。私は出ていく人間だからね。

ディクソンが配信した週の後半、月イチで開催される異動先での全体会議というのがあります。方針とか今すすめていることとか、情報共有をするのです。それに自分も初めて出席することになった。
「自分も出ることになりました」
「ああ、そうですか」(ディクソン)
ディクソンは無表情に頷いた。
その会議はエリア長全員が出席します。取締役ナンバー2、ナンバー4、ナンバー5、東京本社で出席するエリア長と、コロナ禍もあってWEBで参加する遠方のエリア長、他、特定業務担当で部下のいない役職者数名が出席します。
ディクソンもいた。取締役ナンバー3の毅は新店の工事現場からWEBで参加だった。
私は群馬から戻ってからはずーっとひとりで決裁できる職掌が続いていたので、全体で決める会議なんて出たことないのです。こういうの久々です。
会議1-1.jpg

会議2-1.jpg

会議3-1.jpg

会議4-1.jpg
眠くなるかと思ったがそうでもなかった。へぇ、こういうことをやってるんだ、こういうプランを進めてるんだ、数値目標や人の動かし方に厳しいなぁ、感嘆しながら聞いてました。

途中、こんなことがあったのよ。顧客獲得の為の新プランが提起され、概ね賛同して「じゃぁ進めましょうか、いつから?」ってなった時、スクリーンに毅からのメッセンジャーが入った。
「それは如何なものですかね」
物言いなんだけど、これだけで会議出席者全員が凍り付いた。それまで割と和やかだったのが満座、シーンとなった。誰もその場で応えようとしないのです。
座長も兼ねていた店舗運営部長は音声を切って「やっぱり毅さんは反対ってきたかぁ」困り果てた表情で腕を組んだ。
エリア長たちも一言も発しない。店舗運営部長は昨年まではエリア長だった。政変があって大抜擢されたのですが、今いるエリア長たちにしてみればオモシロくないんですよ。昨年まで自分たちと同格だったのにっていう感情ですね。だから毅が物言いつけてきても「アンタ取締役になったんだから自分で決めなさいよ」なんです。援護射撃がなかったです。
毅の物言いでいったん保留になったが、提起するプランを毅に事前根回しないでやっちゃったということですね。他にも事前に根回ししないでいきなり提起した案件があってやや紛糾したけど、久々に刺激のある会議であったよ。おもしれぇなって。(笑)

会議終了前に、異動先の部長さん(ナンバー2)が、
「最後に人事面での発表があります。〇〇部の〇〇さん(私のこと)が、5月1日付で・・・」
私の異動が正式に発表になりました。私も消毒した専用マイクで簡単な挨拶をしました。
その場にいた数人のエリア長は目をひん向いたりギョッとしたり「だからこの席にいるんですね」ってなったり「何で急に?どうしたんスか?」って聞いてくる者もいた。
この場にいないWEB参加者の表情は全員はわからないが、https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-04-25-1に登場したM子が大口を開けてアングリ。この日の夜になって「今までより近くなりますね」っていう微妙なメッセージが来た。

異動先の全体会議でも発表されたからにはもう全社的にOPENなのですが、私はそソリ合わない、DON子、経理の連中、人事部、教育部、営業や開発部門には自分の口から言ってません。何事もなかったように知らん顔してました。
何となくソリ合わないオンナの態度がよそよそしくなった。目を逸らすんですよ。伏し目がちになるのです。???

そして4月後半のとある日、私は本社を出たり入ったりしてた。4月29日やGWの休日の分を4月中に片付けようと忙しなかったので直行直帰が続いた。この春に入社した新人研修もあったしね。外から帰社してもすぐ追加の書類を作って外出する慌ただしさ。稀に朝から本社にカオを出すと、ソリやDON子が在宅だったりして彼女らとはすれ違いが生じた。
そしたらある日、在宅勤務してたDON子からメッセージがきたんですよ。
「聞きました。でも異動の理由って何ですか?」
私はこう返事しています。
「アイツ(ソリ)のカオを毎日毎日見てるのに飽きたんだよ。」
まだ言い足りなくて、
「日に日に老けてくアイツと一緒にトシをとっていくのがイヤになったのもあるな」
DON子は私のシンパだが、こんな心無い返信を送られたことでさすがに色をなした。
「そんなこと言わないであげてくださいっ」
言わないでください、ではなく、言わないであげてください、これがミソで、ソリ合わないがかわいそうだからそういうこと言わないであげてください??
「本人メチャメチャショック受けてましたよっ」
「それはディクソンがメッセンジャーで発表したからだろ。」
「それもあるけど、ずっと長年一緒にいたのにって寂しいのもあるみたいですよ」
???

右、デカい背中がソリ合わない、
向こう奥にいるのがもと草4号のU紀、
左にいるのがDON子、
左からドン子U紀ソリ-1.jpg

新人研修が終了して、社内の空気が少し落ち着いた感のある日の午後のこと。
私は珍しく自席にいて次の書類を作ってた。いたのはディクソン、ソリ合わない、DON子は在宅、W美は有休、もうひとりいる有望株の男性は外出していなかった。
ディクソンは、毅には及ばないにせよ、私という難物を追い出すのが決まったのでサッパリしたカオしてやがるな。
時刻は14時50分だった。まずいな、ディクソンは15時から管理部門の会議に入る。就業規則改訂や給与改定の最終決定だって。そしたらソリ合わないと2人きりになっちまう。
ディクソンが会議に入る前に席を外してやろうと、その場を逃げ出そうとしたのだが、ディクソンがBOSSに呼ばれた隙にソリ合わないがヌオッと立ち上がってゴジラのように私を見下ろし、ランランと睨むような目で、
「上長(ディクソン)が会議に入られたら話があります」
「・・・」
やれやれ、そうきたか。
「いいけど。例の件か」
「そうですっ」
「この席ではちょっとなぁ」
「じゃぁ場所を変えてでも」
逃げられない。わーったよ。ディクソンが会議に入ったのを見て、空いてた小会議室に2人で入った。

会議室のドアを閉めて向かい会ったらまぁ凄い剣幕で切りだしやがって。
「事前に聞いてないですっ」
だってお前さんには事前に言ってねぇし。何でお前さんに事前に言わなきゃならないんだっての。
「どういうことですかっ?」
「異動願を出したんだよ。」
「えっ!」
ソリは仰天した。
「異動願い出したんですか?」
「そう。このトシでね。自分でもまさかと思うけどな」
「なんでっ、上長(ディクソン)と合わないからですかっ?」
「合わないぃ?」
「DON子さんもそう言ってますっ」
私は噴き出してしまった。
「会わないって?それじゃぁ私のワガママじゃないか。そんな小さいことじゃないよ。まぁそれもちったぁあるけどな。そんなことよりも」
「じゃぁどうしてですかっ」
私はこの記事冒頭で毅に説明したのと同じ理由をソリに説明するハメになった。少しアレンジを変えて。

理由①、
「今自分がやってる通常業務は100%店舗運営部内からの依頼で支店に直結する内容だろ。お前さんやDON子がやってる給与とか保険とかと俺は関係ないもん。ディクソンは機密保持主義だから正式に決まってからでないと情報をOPENにしないし、向こうの部署にいれば腹案の段階で話してくれるからね」
「確かに上長は事前に言ってくれません。いきなり『いついつから決まったからやって』って言うだけです」(ソリ)
「だろ、機密保持の面で仕方がないんだろうけど私はそれじゃぁ困るんだ。いつ頃になると新規案件が始まりそうですとか、誰々が支店長に抜擢されます、その後は誰々を異動して補充する予定ですとか、そういうヒソヒソ話が大事なんだよ」

理由②、
「理由①だけだったら異動しないで今の部署でもできるけど、昨年から大和田が長期病欠で、新規案件は毅が怖ぇカオしてひとりでやってるだろ。M&Aが俺んとこに立て続けにきてさ。M&Aの書式は毅がやってるのと同じ書式、同じ窓口なんだよ。だから異動すれば新規出店とかで毅をフォローすることも可能なんだ」
「それだと今より仕事が増えるじゃないですか」
「構わないよ。昨年から『他にできる人がいませんのでお願いします』って私や毅に振ってきてるから結局は同じだよ。どうせ残り2年だしな」
「残り2年って言わないでください」
「(フンッ)毅と2人で、向こうの部署は自分らでやろうとしない、育てようとしないってブツクサ言ってる自分がイヤになったってのもあるんだよね。」
「じゃぁ毅さんの仕事も!」
「そうだよ。毅には事前に相談して彼も私の異動を望んでるんだ。次回の出店から一緒にやることになるな。異動先の連中にも言われたよ。毅さんのフォローお願いします窓口になってくださいって」
「確かに毅さんは気難しいし、お話ができるのは20年来の〇〇さん(私のこと)しかいないと思いますけど。でも、ア、アタシだって!」
「ああ、ちょっと待ってくれ。まだ理由があるんだ」
「何ですかっ」

理由③、
「後進への引継ぎだよ。自分も正社員として残りの年数だと後進への引継ぎを考えなくちゃならない。今の部署にいたらマニュアルだけ作ってハイサヨナラだぜ。まさか引き継ぐ相手が給与担当の君(ソリ)やDON子ってわけにいかないだろ。異動先には14人か16人いるエリア長や主任(草の者)たち、その下には1200人近い従業員がいるからね。その中の誰かに託すしかないんだ。」

異動後組織図(改訂).jpg

この理由③でソリは大人しくなった。少しは納得したみたい。
「今言われた理由を異動願に書いたんですか?」
「そう、異動願ってのは願いをかなえる為に書くんだから稟議と一緒なんだ。でも私は今の等級役職のまま異動するから余計な出費や経費が増えるわけじゃない。今やってる業務を持って異動するだけだから誰にも迷惑はかからない筈だ」
「・・・」
「普通は異動したら業務内容が変わるジャン。私の場合は変わらないんだ。だから異動は異動なんだけど、異なる異動ではなく移る移動だね。」
「・・・」
まだオモシロくなさそうなカオしてるからもう少し肚を割って話してやるか。
「もうひとつ、願に書けない理由があってさ」
「何ですか?」
「それはな」
少し深呼吸した。

仕事を評価できるのは、その仕事を依頼した者だけだろ。」
「ハイ」
「仕事の、業務の依頼者だよな。では私に業務を依頼してるのは誰かっていうと、さっきも言ったが各支店で勤務している従事者に繋がる向こうの部署なんだよ。」
「確かにそうです」
「だから私の評価者はディクソンじゃない。彼からは日々依頼されてない」
「・・・」
「私は向こうの部署、エリア長、支店長、主任(アブなく草の者と言いかけた。)社員たちに評価されたいね。ディクソンに評価されたくないんだ。店舗の社員から低い評価されたら仕方がないが、今のままだとずっとディクソンから平均的で無難な評価をされるだけだろ。彼は私の業務知らないもの」
「・・・」
「ディクソンに不当な低い評価をされたとかそういうんじゃないよ。でも彼の下で終わりたくないんだ」
「わかりました。」
「・・・」
「そういうことでしたら納得します。でも私だって彼から高い評価をされてると思ってませんよ」
「でも上がったんだろ?」
「いち等級あがりましたけど」
日々の私語、長いお喋り、立ち話や文句、そういうのが無くならない限り今より上は無理だよって言いたいけどね。
でもソリはわかってない。私は評価の高い低いを言ってるんじゃない。評価者に値するかしないかを言ってるんだがな。

「でもっ、でもっ、」
「なんだ?」
まだ何かあるのか。何か蒸し返すのか?
「毅さんには事前に相談したんですよねっ。」
「事前に相談した。だって次からは2人でやろうぜってのが発端でもあるしな。BOSSにも向こうの部長さんにも」
「アタシとだって、ずっとずっと、長年、一緒にいたのに・・・」
「・・・」
「水臭いじゃないですかっ」(涙)

「・・・」
「逆の立場で私が同じようなことをしたら怒りますよねっ」
「まぁ、そうだな。」

しばし沈黙、言うだけ言わせて目が潤んだソリも、やっと表情が和らいだ。
その後はディクソンの悪口じゃないけど、アタシは誰が上にきても受けるしかないし、フライングできる私のことを羨ましいって。
ディクソンと合わないからってそんなんが理由じゃないんだけどな。
「異動か。まさかこのトシでな」
「トシって言わないでください」
最初に会ったときはソリは20代後半、私は30代後半だった。それから20年、ソリはこないだも私の前で、老眼がどうのこうの、背中に肉がついたの、髪が白くなったとか、耳を覆いたくなるようなことを。そういうのを聞かされると私はこっちの老いまで指摘されてるようでイヤなんだよ。「トシって言わないでください」ってか。それはこっちがお前さんに言いたいね。

まだ若い頃、20代後半のソリ、
二の腕も細かった。
若い頃のソリ-1.jpg

「DON子さんも心配してましたよ。上長と合わないから異動するのかなって。個別にお話された方がいいですよ」
「へぇ、皆そう思ってるのかな。誤解を解く意味でも話すよ。」
「席はいずれ向こうに移るんですよね」
「決まればね。席はおそらく」
「毅さんの隣?」
「かもしれねぇなぁ」
「他にいませんよね、笑」

「水臭いってよ」
「彼女がそんなこと言ったのっ?衝撃だワ」(ジャン妻)
「人間ソリ合わないを見た思いであったよ」
それから4月30日の定時までの数日、私とソリは合わないまでも今まででイチバン穏やかな関係だったんですよ。
ところがですね。。。
お酒-11.jpg
退勤時間になって私は出かけたらソリに呼ばれて上写真の酒を渡された。これはもしかして異動する私への餞別か?餞かい?
だがソリはこう言ったんです。
「ハイこれ、今生のお別れね」
なにっ!
今生の別れだとっ?
私は呆気にとられてしまい、不覚にもその場で言い返せなかった。
それだけで収まらずあろうことか私の肩を叩いて、
「飲み過ぎちゃダメですよっ。身体の調子がちょっとでも悪かったら検査するんですよっ」
持ち帰って「こう言われた」話したらジャン妻は呆れた。
「それってさぁ、日本語の使い方わかってないんじゃないのぉ?」
(ー”ー;)
コメント(4) 

それは演技だよ! [人間ドラマ]

今日は入社式、私も2分ほど喋らなくてはならないので、東京本社に朝からいないと。
なのでビジネスネタにします。
ウチの会社は売上を増やす戦略が2つあります。
ひとつは新規出店。
弊社の開発部が不動産物件を開拓して賃貸契約、その後、工事業者を手配、施工して医療機器メーカーから設備を購入、在庫を仕入れ、既存の支店から人員を割いて、新規OPENにこぎつける。
もうひとつはM&Aというケース。
M&Aは、Mergers and Acquisitionといって、Mergersは合併、Acquisitionは買収です。既にある他社の店をウチの会社が買収して傘下に取り込み、そこの売上、利益、在庫、負債、人員、その他諸々を引き継ぐのです。
それは開発部ではなく営業部から廻ってきます。アメリア(仮名)という女性です。

この2つの手段は会社の業績を伸ばすのに必須ですが、新規出店は中期計画に載るので、期初から予算に組み込まれています。なので全社的にはOPENになっています。
ところがM&Aは、他社が売却、他社を買収という性格上、アメリアと先方の経営者と、ウチの上層部の連中といった限られた者だけで密かに水面下で進められ、いざ締結となったら担当者に振って沸いたように突然振りかぶってくるものなのです。期日も差し迫った場合が多い。

イメージ.jpg

新規出店は最初からウチの従業員で占められますが、M&Aの場合、先方はウチが買収するまでは他社です。←ここが大事です。最高責任者同士で締結にこぎつけたら先方(買収される側)の従業員面談を行ない、現時点での給与データや待遇等を引き継ぎ「今まではこうでしたが次からこうなりますが、待遇面で全く変更はございませんのでご安心を」「会社が変わっても変わりませんよ」と安心させる。それでも不安は残るし、締結後に不満が出ることもある。「こんな風になるなんて聞いてません」とかね。
支店の管理者さんは残っていただかないといけない。もしお辞めになると都道府県に提出する申請書の締め切りの関係で、1ヶ月保険請求ができなくなるからです。
従業員さんが全員揃って弊社に移動してくれるのが理想ですが、何人かは残念な結果になることもありますね。

新規出店もM&Aも営業許認可を所轄の行政に申請します。その一連の業務を昨年春までは店舗運営部に所属していた大和田(仮名)というプロ社員がいて、うるさ型の取締役である毅の協力を得てやってたのですが、大和田が昨年夏から病欠になってしまった。
その状態で昨年秋に新規出店が2件、これは予算に含まれているので当初の計画通りなのですが、これの工事関係と営業許認可申請を毅が担当することになった。
毅は一匹狼の気質があり、あまり人を使わないで自分で何でもやってしまう人です。かなりの難し屋ですが私とは20年来の僚友でもあります。幕末から一緒の会社にいるといっていい。
毅は私にボヤいた。
「自分がやることになりましたよ」
ウンザリする口調で言っていた。
「ああ、大和田さんがいないからね」
「他にできる人がいないって。だったらそっち(店舗運営部)で人を立ててやればいいものを。そしたら教えるのに。あの部署はいつもそうです」
その通りだと思う。私から見たら本来やるべき部署である店舗運営部は毅に押し付けていながら毅を避けてますね。
毅は周囲にも上にも下にも忖度しない人なので、畏怖されるけど摩擦も多いのです。
ところが、毅に振られた新規出店とは別に、アメリアがどっからかM&Aを2件引っ張ってきたのですよ。
アメリアは誰もが認める美女ですが、私はこのオンナが嫌いというか、このオンナがウロチョロしてるとロクなことがないんだよな。急な業務がこっちに予定外で飛び火してくるからです。
私は昨年夏、アメリアがBOSS室を頻繁に出入りしているのを廊下でフン捕まえ、
「また何かM&Aの新規案件かい?」
ズケリと言った。
「ハイ・・・」
「何処よ場所は?」
「いえ、あの、まだ極秘ですけど、神奈川県の・・・なんです」
「数は?時期は?」
「2店舗で、11月かな」
「そうか。わかった」
11月のXデーが毅の手掛ける新規出店と重なったのです。この時私は、こりゃ絶対M&Aの営業許認可は自分とこに振られるなぁって思った。私は群馬転勤が解けて帰還してから神奈川で1件、群馬で1件、これもアメリアがどっかから拾ってきたのですが、それらのM&A関連の営業許認可申請をやったことがある。
でも営業許認可の申請窓口は、普段、私がドサ廻ってる窓口と同じなのです。だからできないことはないのだ。
群馬は何で受けたんだったかな?東京本社で誰よりも土地勘があるという理由で私に振られたのかな。
私も「群馬なら」というヨコシマな理由で喜んで引き受けましたね。

私はアメリアが出てきたBOSS室をノックして、BOSS室に入って中から鍵をかけて、
「またM&Aですか?」
いきなりズケッと言った。
「・・・」
BOSSは固まった。
「な、何で知ってるんですか?」
「最近、アメリアがこの部屋を出たり入ったりしてますよね。今、本人に聞き出しました」
アメリアなんて言ってないですよ。本名で言ってます。
「今はまだ詳細は・・・」
M&Aは会社同士の合併なので、締結する日の午後3時にIRに載るまで発表しないのです。
「ええ、詳細はいいです。場所と数と時期だけ」
BOSSは、この男(私のこと)に嗅ぎつけられたかという苦々し気な表情で答えてくれましたが、こっちは絶対自分に振られると踏んでるし、BOSSはBOSSで、毅とは別にこの男(私のこと)しかいないんだよなと、仕方なくリークしてくれた。
「じゃぁ毅さんが手掛ける新規案件と同日付じゃないですか」
「ええ、まぁそうです」
「わかりました」
「まだ内密にお願いします」
お願いされたのをいいことに、私は余計なことを言った。
「だいたいアメリアがBOSS室をチョロチョロ出入りしているとこっちはロクなことないですからね」
そういう不遜極まりない捨て台詞を吐いて室を出ました。後でジャン妻に「アメリアさんやBOSSにそんな口の利き方をしたの」と呆れられたけどね。

(アメリアの名誉の為に言いますが。他社が手放そうとする案件を引っ張ってくる人間は、会社にとっては功労者なのです。予算外で売上が増えるんだからね。
先方にとってもそうです。ホワイトナイトではないが、働く場所や雇用が継続するんだから。
それと、売る側は高く売りたい、買うこっちはできるだけ抑えたい、プラス、ヘンな条件をクリアしてから受けたい、いろいろ交渉事があるらしいですよ。)

だが私は降って湧いたこのM&A案件のキックオフ会議に呼ばれなかった。私のいないところで開催されたその会議に出た連中の誰もが「大和田さんが長期療養中だし、毅さんは新規出店で忙しいし、となると他にできる人は〇〇さん(私のこと)しかいないね」となって満場一致!
だろうね。アタリマエだよな他にできるヤツいないんだから。上長のディクソンから降って湧いたように「他にできる人がいないのでお願いします」だったのです。でも私は組織図上では総務のシマなので、前任者大和田の部署(店舗運営部)じゃないのですよ。

組織図.jpg

この件を今度は私が毅に連絡した。
「そっちの新規出店とは別に、M&Aの件、私んとこに来たですよ」
「えっ、そっちにですか」
「他にできる人がいないって」
「ああ、自分が言われたのと同じですね。」
毅は取締役会でアメリアが持ってきたM&A案件は薄々知ってはいたそうです。毅もアメリアが嫌いで、
「あのオンナ、バカですよ」(毅)
「ポイント押さえてないからな。こっちが質問しても要領を得ないし」(私)
アメリアは私から必要な細部を問い合わせても通じないところがあって。これは営業と現場の温度差かも知れない。

毅の新規出店の営業許認可申請と、私に振りかぶさったM&Aの営業許認可申請は同じ窓口です。書式も同じです。
毅はゼロから工事して新規に起ち上げて、私は既にある他社を廃止して新規の申請になる。
ただ、私がやるM&Aは既にモノがあるから施行工事の必要はないです。そこに他社とはいえ従業員もいる。
手続き上で一緒なだけです。だから私と毅は対行政、対会社という部分で共同戦線を張ることがこれまでにも多々あったね。
「会社でいちばん気難しい毅さんと、毅さんほどじゃないけど皆に気を遣わせているアナタの2人が会社の営業根幹を握ってるんだからねぇ」(ジャン妻)

さて、私がやることになったM&A案件の営業許認可ですが、相手が何の営業許可を取得しているか、有資格者の氏名、生年月日、住所、資格登録番号、登録年月日、そしてそこの店の図面が要るのです。
つまり、先方に出向かなくてはならない。
上長のディクソンは私を小会議室に呼んで、
「今回の案件についてですが、くれぐれも先方は現時点では他社なので、普段のようにコワイカオしないで、優しく、穏やかに、相手の皆さんと接してください」
失礼だなぁ。
カオなんか直しようがねぇって。
このトシでこんなことを注意される私もどうかと思いますが。(笑)
そのうえでディクソンは先方に出向いて主要な人に「申請関連について〇〇(私のこと)という者が担当します。この者は見た目はコワイですが・・・」とか何とか言ったんだと。
まっこと失礼な話だが私にも問題があるんだろうね。そんなに心配なら私に振るなよって思った。

この案件は私が抱えている通常業務の中で優先度がTOPになった。私はそれに縛られて他のは極力、陰の部下である草の者たちに振った。
それでもタイヘンなことが3つあって。
その①
M&Aは締結する日(買収契約に至る日)の株式市場が閉まる3時以降にならないとOPENにできません。(株取引の時間帯には出さない。)
それまでに公にすると、よく言われるインサイダー取引がどうこうに抵触しかねない。だから当日まで関係者以外は完全秘匿です。
なので、私はこの案件は草たちの誰にも振れなかったのです。今は成宮(草の者3号)が担当していますが、彼女にも振れなかった。ひとりでやりました。

その②
私に振られた案件を行政に申請する窓口は、私が日頃からドサ廻っている行政窓口と同じ窓口です。衛生課とか、医療総務課とかね。
会社が私に振ったのは私が日頃そのスジに慣れてるからですが、今回の案件は、私が日頃カオを出している窓口やルートと被らなかったのです。
初めて出向く場所、窓口だった。
日頃、カオを出している窓口と重なればそこの担当者とも顔なじみで慣れているので、通常業務と併せてスムーズにいきますよ。だけど初めて出向く場所なので、通常ルートとは別にそれだけの為に足を向けなくてはならなかった。そこだけ単独ルートが増えたのです。

(だから市営地下鉄沿線で、岸根公園で途中下車して華やさんを知ることになったのですが。)

その③
ディクソンから注意されたように、相手は他社なので、言葉使い、物言い、態度、挨拶、身なり、一挙手一投足、気を遣いまくりました。これがいちばん疲れましたね。
命令できないのです。草の者たちに「寸法を測れ」「面積をザッと計算しろ」「〇薬保管庫の写真を撮って送れ」なんて横柄な指示、命令はできません。依頼、お願いしかできない。
だから口調、言葉使い、態度がタイヘンだった。「です」「ます」口調ですよ。
そんなんアタリマエだって?
そうかもしれないが私は別人格を演じたのです。演技したのです。
自分でも自分じゃないみたいだった。別人みたいだった。普通に喋ればいいだけなんだけどね。
これがこの記事のオチで、今でも私を苦しませるモトになっているのだが。

その①とその②による体力の消耗、その③による気疲れ、これに日頃抱えてる通常業務が減るわけじゃないので、私にしては珍しく疲弊しました。

ジャンの仕事がタイヘンなイメージ-1.jpg

M&Aのような飛び込み案件は、期日が決まってるし優先度が高いのは仕方がないが、それのせいで通常業務をやらなくていいってわけじゃないですからね。通常の申請書は草たちに振りまくりましたが、草たちから問い合わせや指示を仰ぐ電話が架かってくる。1号や3号、5号から「いついつラウンドで外に出るのでそれまでに送ってください」私は指示する側でありながら複数の部下たちからケツを叩かれる始末です。
「ちょっと待ってくれないか。今こっちは新規の案件で手が回らないんだ」
なんてボヤくわけにいかない。前述のように締結日までは草の連中にも言えないのです。案件の場所自体は地図を見たら、どうも草の者3号(成宮、仮名)のテリトリーになると踏んだが、ギリギリまで言えませんでしたね。
「〇〇さん(私のこと)何をやられてます?毅さんがやってる新店ですか?」
「いや、それじゃないんだが」
そう言ってごまかすのがやっとで、それ以上は明かせない。
毅が抱えている内容は新規出店なので社内で堂々とOPENにしてるし、こちらの既存社員を複数使っています。毅は厳しいので、彼の下で現場作業に携わるとタイヘンらしいがね。
私は締結時までは言えないのです。

私は失敗もしています。
本社に8人のエリア長たちが集まって会議してた。私はエリア長のひとりに渡すものがあったので、適当な時間にノックして、座長に目配せして、
「ハナシの途中で悪いが、これを渡したいのだが」
「あ、じゃぁちょうと今、キリがいいので」
渡すだけでその場を去ればよかったのですが、私は要らん余計な捨て台詞を吐いたのです。
「今から△△へ行ってくるからよ」
△△とは私がやってるそのM&Aの場所です。捨て台詞を吐いてバタンを扉閉めて出たんだけど、私が出てった後、エリア長たちはざわめいたんだって。
「何その△△って?」
「聞いてる?」
「知らない。初めて聞いた」
「誰のエリアになるんだろう」
エリア長たちは戦々恐々になったそうです。彼らは地域別に各支店を複数受け持っていて、私が動いている案件△△もいずれエリア長の誰かが担当することになる。すると彼らの業務、負担が増えるのですよ。
「誰がそこを担当するんだろう」って、皆、穏やかじゃなくなって会議どころじゃなくなったそうです。
これが後でちょっとした問題になった。
前述のように、M&Aは締結日の3時までは公にできないのに、私の捨て台詞で事前にエリア長にバレてしまったわけですよ。エリア長の誰かが上にチクったんだね。「それっていつ?何処の?誰が担当するんですか?」と聞いたらしく、私は上長のディクソンから注意を受けた。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-11-22

「エリア長たちがざわついたんだってよ。自分とこのエリアに振られたらどうしようって。」
「そりゃそうよ。新店やM&Aで支店が増えると、結局は彼らの誰かの負担になるんだからね」(ジャン妻)
「情けねぇ連中だ。自分とこで受けますよって気概のあるヤツはいないのか」
「アナタ反省してる?」
全く反省していません。

(ジャン妻は私を注意した上長、ディクソンを今でも快く思っていません。「あの人は仕事ができる人とは思えない」と常々言っている。
「あんな人に隙を見せて注意されないで」とも。)

業務が佳境に入ったある日、Z女史の支店に別件でカオを出したのですが、私はそこの控室の椅子にヘタリ込んでしまった。
「ど、どうしたの?」(Z女史)
「いや、ちょっと休ませてくれ。疲れた」
後で女史から、
「あの時はホントに心配した。すっごい疲れたカオしてたし。〇〇さん(私のこと)って疲れてもそういうのを表に出す人じゃなかったじゃない」
そう言われました。私をそういう風に見てくれてたのかと嬉しかったけどね。

握手1.jpg

握手2-1.jpg

一連の業務は通しで50日を要した。無事に期日というか会社の指定日に完了、社内で正式発表された。でも記者会見を開くほとのスケールではないです。小さい小さいものです。
記者会見-1.jpg
そこの事業所職員は誰も辞めなかった。ウチに吸収合併されたその事業所の従業員はその日からもうウチの社員です。
店舗運営部長からはアタマを下げるように礼を言われましたが、私に振ったディクソンは「お疲れ様でした」だけでしたよ。
ディクソンやソリ合わないオンナが人事面談に入って問題なく終わり、成宮(草の者3号)が事務や帳票関係の店舗指導に入っています。

ところで、華やさんのこの記事で、
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-01-29-2
支店を出る前、3号から私を困惑させ赤面させる報告があった。
「それってマジかよ」
「言ってましたよ~(笑)」
3号はニコニコ笑ってやがる。何で私は困惑赤面したか。これはネタ的に別項にします。

これにゲストのくまねこさんが、
「ジャンさんを赤面させた言葉とは、どんなものでしょう。気になりますねえ」

会社指定日に完了させた私は、それまで他社だったけどその日からウチの社員になった皆の前で、
「今日までご協力ありがとうございました。これで私はお役御免で、次にお会いする時は、誰かがこちらに異動になったときですかね」
そう挨拶しています。でもそれから何だか行き難くなった。
何かヘマをやらかしたとかじゃないですよ。そこに週に4日入っている草の者3号・成宮が余計なことを訊いて私に提供、赤面させたからです。

「君が担当してるんだ」
「ハイ、まぁエリア的にね。仕方がないかと」(3号・成宮)
3号・成宮も私と同じく業務が増えたわけですよ。でも3号は、他社から弊社に移ってきて今後が不安な事務員さんたちのケアが得意です。不安というのは会社が変わったことで、今までの慣れたやり方やシステムがガラッと変わる。それら新しいやり方をマスターして会社内でついていけるだろうかの不安が大なのです。そういう新システムの教育を兼ねてケアするのが3号です。

これが不得手なのが男勝りの草の者5号で。
そういう社員が質問でもしようものなら、
「それはこれこれこうだからこうやって!」
「前のは忘れて!」
バッサリ斬り捨てるような口調で一刀両断です。
彼女、5号の言い分は、
「M&Aで他社からウチに来た社員さんは、つまるところ前の社長さんに捨てられたんだよね」
そう言い捨てるのを傍らで聞いていた3号は後で私に、
「そりゃそうなんだけどさぁ。それを皆の前で言っちゃぁねぇ」
5号は「早く目を覚ませ!昔を懐かしむな!ウチでアタシらとやっていくならやるっきゃないよ!」なのですが、5号の直属の上司である女性のエリア長は「あの子(5号)は言い方がねぇ。他から来た社員への対応は不向きじゃないかなぁ」って私にボヤいたことがありますよ。
3号は今回のようなケースを3回ぐらい担当していますね。エリア長の評価、信頼も高いです。3号も5号も他社から来たのですが、3号は円満移籍、5号は前職で会社が倒産してウチに来たんだと。その差があっての物言いなんだな。
2人とも苦労したらしいですが、5号が言う「捨てられた」っての間違いではないよな。

(そういう過去があるので、5号は「仕事は自分の為にやる」3号は「皆が困っているから行かなきゃ」なんですよね。)

フロアで右手前が3号、右奥が5号、

フロアで3号と5号.jpg

ハナシを戻します。3号・成宮は、私が一旦、任務を離れたその新しいM&Aされた事業所を担当しています。
「週に何日シフトで入ってるんだ?」
「4日です。なのですみません、最近は〇〇さん(私のこと)の業務を請けられなくて。4月には抜けれそうです」
問題はその後です。
「そこの事務さんで、溝呂木さんや八代さんと、〇〇さん(私のこと)のことを話したんですよ」
「私のネタを?」
「ハイ」
何かイヤ~な予感がした。
「どうせ陰口か悪口でも言ったんだろ。いいけどさ別に何言っても」
「違いますよっ。あれ?最初はそうかな?(笑)アタシが彼女らに『そういえば最初の頃、〇〇さん(私のこと)ていうオッカナそうな人が出入りしてたでしょ』って言ったら彼女たち何て言ったと思います?(笑)」
またそういうネタかよ。聞かなくてもわかってる。
だがニヤニヤ笑ってる3号の口から返ってきたのは、私の想像とは真逆の内容だったのです。

「〇〇さんって・・・
いい人で!
優しくて!
穏やかで!
腰の低い方ですねぇ!
って言ってましたよっ、笑」

「それってマジかよ。年寄りをからかうもんじゃない」
「からかってなんかないです」
「ホントにそう言ってたのか」
「ホントですよ」
「話作ってなんだろっ」
「作ってないですよ」
「・・・」
「・・・」

私は自分のカオが赤くなるのを感じた。

「ちょっと来いっ」
「あ、何ですか?アタシ何かマズいこと言いました?」

私は3号・成宮を外に連れ出したんです。その場にいる社員に聞かれたくなかったから。

「あのな、連中が言うところの、私が穏やかだとか腰が低いとか、あれは私の演技なんだよ」
「演技?」
「あの案件に入る前にディクソンから『くれぐれも先方は現時点では他社なので、コワイカオしないで優しく穏やかに相手側の皆さんと接してください』ってこんこんと注意されたんだ。その通りにやっただけなんだ」
「・・・」
「そしたら本当の自分をコロして演技するしかないだろう。騙したようなものだよ」
「そうですかねぇ」
「腰が低い?何処が!お前さんだって私が本当はどんな人間で、日頃どんな口の利き方をしてるかよく知ってるじゃねぇか」
「ええ、まぁね、笑」
ニコニコ笑ってやがる。私から1本とったようなカオしてる。
「でも結果的にいいじゃないですか」
「会社的にはな。だが連中はまだ私に騙されたままになってるんだぞ。本当の私の地を知らないままなんだぞ」
「あ、そういうことね、でもアタシの口から〇〇さん(私のこと)の正体というか、本性を言うわけにいかないじゃないですかぁ」
「お前さんの言う私の正体とか本性とかってなんだ?」
「あ、いえっ」
私はアタマの天辺まで更に赤くなるのを感じた。
「ってことは、私はこれからずっとあの連中の前では違う人格者を演じなくちゃいけないのか。未来永劫、いや、辞めるまで」
「(笑)まぁそのうち他店から人の出入りもあるから、徐々に地を曝け出していけばいいんじゃないですか(笑)」
「もう行きたくねぇ」
「アタシたちの前でもそうやって接してください、あ、まぁ、別にいいか今のまんまでも(笑)」

「よかったじゃない」(ジャン妻)
「よくねぇ」
「何で?」
「あれは演技だ。ディクソンに注意されたから最後までいい人を演じただけでさ。結果、あの支店の連中を騙してしまったし、今でも騙したままになってる」
「あのね。営業はそういうものよ」
「私は営業じゃない」
「でも人と会うのが仕事でしょ。そうやって何処の会社の営業さんも苦労してるのよ。それ、普通だから!」
「ったく成宮め。余計なことを訊き出して私の耳に入れやがって。
「まぁ確かに成宮さんはアナタをからかってるよね」

この記事をUpしている時点でも、まだ私はそのM&Aされた新規支店に殆どカオを出さない状態です。
大分、今の会社に馴染んできたようだ。誰も辞めてないし。
でも、私にはわだかまりがある。自分自身へのわだかまりです。
腰が低くていい人を演じた、(自分で自分を否定したような)、
相手を騙した、(相手に対しての申し訳なさ)、
そこの支店だけ今後も、いい人、腰の低い人を演じなくてはならない、(プレッシャーがある、疲れる)、
他の既存支店では地を出しまくりなのに。S総理大臣が答弁されたのとは違うが、そこだけ別人格なのである。

大都会.jpg

これから私は同じような案件に取り掛かる予定です。アメリアがまた拾ってきたのです。
今度は都内某所かな。そこでも「いい人、優しい人、腰の低い人」を演じなくてはならないのだ。
このタイミングで、アタマに来た私は、毅と2人で悪しざまに言っている部署「あの部署はやろうとしない」店舗運営部に異動願を出しています。毅と2人で「本来やるべきあの部署はやろうとしない」ブツクサ言う自分がイヤになったのです。「やってやっからそっちに異動させろ」って。
4月1日にはさすがに間に合わなかったようだがね。毅は喜んでたよ。他だって反対する者はいない筈だ。他にできる者がいないんだから。
16人いるエリア長と同列か、ちょびっとだけ上になる予定なのです。

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草を育てる [人間ドラマ]

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草の者17号-1.jpg草の者18号-1.jpg唯一の男性19号-1.jpg
草を育てるか。。。

大事な申請書類を最終チェックしている草の者1号です。
昨日の続きですが、不慣れな業務を頑張ってくれてます。
今日が提出する日です。
1号3-1-1.jpg
行く日の前日の電話、
「じゃぁ行く日の待ち合わせ場所は池袋駅でいいですかね」(草1号)
「窓口が池袋駅から徒歩だったのが、東池袋に移転したからな」
池袋駅は大きいから待ち合わせ難いんだよな。私ひとりだったら迷わないが待ち合わせるとなると、ひとつ駅をズラすことにしました。JR大塚駅の高架下にある荒川線停車場にしました。
「そうだ。当日、申請手数料持ってきてね」
「申請手数料?お金かかるんですか?」
「かかるよ」
「幾らですかね」
「安くはないな。都道府県によって違うし。HP見てごらん?」
1号が検索して出た金額は?
「ええっ!」
また絶叫調になった。よくはしたないくらいに大声をあげるのです。前に直属の上司だったZ女史いわく「彼女は兄がいるからあんなんじゃないかしら」なんてことを言ってたな。
で、幾らだったのさ?
「さ、さ、さんまんよんせんひゃくえん!」
「100円っていう端数は何だろな。それと〇〇の更新が12000円だから、両方合わせて5万円あれば・・・」
「そ、そんなお金持ってませんよぅ。」
言うと思ったよ。
「切り詰めて生活してるんだからぁ」
「何をアタフタしとるか。誰もそっち(草1号個人)の財布から出せなんて言ってないだろ。その支店の経費から出金処理しなさい」
今は昔みたいにレジから金を出して出金処理するのではなく、別途経費の財布、手提げ金庫みたいなのがあるのですよ。
「ああ、そうか。そうすればいいんだ。じゃぁお釣りないようにピッタシの金額の方がいいですよね」
「まぁできればね。相手は商店じゃないからね」
事前の経費出金を支店長に交渉させました。「申請するから承認してね」って。

そして当日、大塚駅の高架下、荒川線の停車場で待ち合わせて連れ立っておでかけしました。自分で言うのも何だが父親と娘みたいでしたね。婚期を過ぎつつあるか、嫁に行って出戻ってきた娘ということにしておこう。
ところが草1号は東京都民なのに荒川線に乗車したのが初めてだったのだ。東池袋四丁目まで一緒に来てそこから徒歩5分にある豊島区の行政へ同行するのですが、荒川線は乗客が車内の降車ボタンを押すのを知らなかったのです。
チンチン!!
「次は東池袋四丁目」
アナウンスが流れたのですが、1号は動きが無いので私がピンポン押しました。
「えっ?下りるのにピンポン押すんですか?」
「路線バスと一緒だよ」
「押さなきゃスルーされるんですか?」
「下りる方いませんか?ぐらいは言うかもな」
この世間知らずの質問が他の乗客に丸聞こえですよ。ここへ来るまでは「会話は慎みましょうね」って自分から言ってたのに、その車内ピンポンのQ&Aの部分だけ声高になった。どうもこの子は自分がこれまで未経験な事象や知らない世界に直面すると「ええっ」とか「げぇっ」とか叫び口調になるんだな。
東池袋四丁目停車場で下りた。そこから先へは私は普段、裏路地を歩いて向かうのですが、草1号に道を覚えさせる為に四角く曲がってわかりやすい道を選んだ。
「ああそうか。〇〇さん(私のこと)はいつも外に出てるから、こうやって電車に乗るのも慣れてるんですね」
「まぁね」
「地下鉄も得意ですか?」
「一度でも乗車すればね。でもまぁ出口がわからなかったり、間違えて地上に出たりってことはあるよ」
「〇〇さん(私のこと)と一緒でなかったらたどり着けませんでした」
私を今だけ仮の父親だと思っての甘えだろうか。この子が私の娘だったらなと思わないでもないがね。
で、歩きながら考えたのだが、この後は草1号は北区、王子方面へ向かうという。ということは今乗って来た荒川線で大塚方面へ戻り、そのまま乗ってれば王子駅前に着くわけだ。
東池袋四丁目停留所は今私らが下りた早稲田方面の停車場と、草1号が戻る大塚、王子方面の停車場は対面式になっていない。首都高5号池袋線が頭上を塞いで太陽の光を遮っている大きい通り、都道435号線を挟んで停車場が離れているのですよ。
それを教えなきゃいかんな。
また「ええっ!」って叫ぶだろうな。
それとも下にホームがあるメトロ有楽町線に乗せるか。
いや、それだと池袋駅でこの子は迷ってパニクるな。この子ったってもう四十路ちょいですけどね。細いし色白だし若く見えるけどね。
考え考えしてたら、草1号の質問で我に返った。
「本社は皆さんテレワークなんですか?」

何を唐突に言うか。
「私以外は」
「あ、そうですよね。すみません」
本社は在宅勤務ができていいですよねぇ、支店は在宅勤務なんてできませんからね、毎日普通に出てきてますから、そう言いたいのであろ。
でも私に言うなよ。私は基本は在宅勤務なんてできない職掌なんだから。だからこないだ抗原検査受けさせられたんだし。
それとね。支店の皆さんは毎日毎日現場でタイヘンだろうけど、支店の皆さんは本社に来て総務やら給与やら、経理なんかやれったってできないじゃないか。在宅勤務ができるできないだけで支店と本社を線引きしない方がいいんだよ。
とはいうものの、そう言いたい気持ちはわからないでもないがね。
「そういえば最近、会ってないけど、〇〇さん(ジャン妻)はテレワークなんですか?」
「そう。彼女は在宅でもできる業務だからね。でも言ってたよ。在宅勤務って家でずーっとPCに向かってなきゃならないから結構キツいって。出社すれば誰かしらいるから気が紛れるし世間話なんかもできるし。家だとそういうのが一切ないからそればっかりやってなきゃならない。捗るけど結構疲れるらしいんだな」
「お昼は家ですよね」
「そうそう、だってさ・・・」

・・・の先、私が言いたかったことは、

冷蔵庫の中の野菜は減るし。
キャベツや白菜はどんどん小さくなってくし。
長ネギは短くなってくし。
米も減るし。
いったい私に知らないところで昼に何を喰ってんだか。
トイレットペーパーも減るし。
帰りに「買ってきて」と言われるし。

・・・やっぱ言うの止めた。

「だけどウチの会社の場合、テレワークと在宅勤務は違うんだってさ」
「どう違うんですか?」
「在宅はあくまで自分の家から出ない。テレワークはホテルの一室とか、Cafeとか、空港のラウンジとか、そういう場所も含まれるんだって。でもウチの会社は自分の家しか認めないんだってよ」
「ふぅ~ん。じゃぁ本社の方が家から近い店舗で業務するのは?」
「それはリモートワークって言うんだってよ」
「ふぅ~ん」
何でもかんでもカタカナや英語で命名するんだね今の世の中は。

「そういえば、抗原検査キット、家に着いたの?」
「着きましたよ」
やったかどうかと検査結果は聞かなかったが。この時点ではやってないみたいだった。
「あんなのイヤですよぅ。あ、でも、〇〇さん(私のこと)やったんですよね」
「やりたくないけどやらされたの。〇〇(ソリ合わないの本名)が余計なことを言いやがったからさ」
「外出が多いから受けさせられたのですか?」
「そう。今だってこうして外出してるし」
「アタシだって会社やエリア長の指示であっちこっちラウンド行かされてるのに、会社の命令で抗原検査受けなきゃならないのって何だかイヤです。アタシなんかよりもいろんな支店に応援に入ってる人って結構いますよ。でもその人たちは抗原検査を受けろって言われてないんですよね」
「欠員補充で入るスタッフ?」
「そうです。会社がそういう使い方、廻し方をしてるのに。」
「検査を受けさせたら受けさせたで『応援行けっていうから行ってるのにぃ』ってなるかもな」
「そうですよ」
「フム」

しばし間を置いて、
「〇〇子の件、聞いてるよな」
「聞いてます」
私らの身近なところから陽性反応者が出たのです。

「〇〇子は復職したが、〇〇子みたいに俺らの知ってる人がコロナに罹患したりしてすぐ身近なとこまで迫ってきてる。いつ誰がなってもおかしくない。だから受けた方がいいとは思うけどね」
「・・・」
「自分の為ではなく、周囲に感染させない為」
「・・・」
「自分を安心させる為でもあるし」
「わかりました」

「こないだ今回の手数料の総額5万円弱で驚いてたけど、今住んでる家賃って幾らなのさ?」
「恥ずかしくって言えないです。何でですか?」
「こないだ恵美さん(草8号)から聞いたんだが。主任手当ってたったの1万円なんだって?」
「そうですよぅ」
「もうちょい出てるのかと。それぐらいじゃぁちょっとした贅沢もできないだろうしな」
「できないですよ贅沢なんて。毎日切り詰めて生活してるんですから」
膨れっ面になった。
でもすぐニコッと笑って、
「少ないって思ってくれます?笑」
「多くはないな。いや、少ない少ない。そんなはした手当で私の業務まで請け負ってるんだから割に合わないと思ってるんじゃないかって」
「そんなことないですっ」
「・・・」
「それは気にしないでくださいっ」

後日、1号は私に言いました。「○○さんの為にやってるんですっ。そこはわかってくださいっ」

「今住んでるところって家賃の相場が安いんです」
「ああ、そう」
「〇〇さん(今度はまた私のこと)は都内だったら何処に住みたいですか?」
「う~ん、都内ねぇ。考えたことないなぁ。強いて言えば23区外かなぁ。立川とか」
「た、たちかわ!」
「群馬に住みたいね」
「えぇ、群馬ですかぁ、また戻りたいんですかぁ」

なんてバカっ話をしてたら行政に着いたぞ。
「ここですか?前と場所が違います。移転したんですか?」
「そう。前はフクロウのいる公園の近くだった。だから待ち合わせ場所を池袋から大塚にしたんだよ」
移転前は池袋(いけふくろう)私は公園にあるフクロウの像のことを言ったのだが、
「あの辺りにそんなのがいるんですか?」
(@@;)??
移転した行政の建物脇に赤十字のシンボルを描いたテントが並んでいた。屋根だけで中は見えないが。
「あのテントは何ですかね?あの中でPCR検査を?」
「いや、そういう案内は聞いてないな」
入口で掌を消毒して2階へ上がった。キレイな建物である。
行政1.jpg
申請書を出した。私はそこにいる3人の担当官と顔見知りだが、今回は台詞を全部草1号に言わせた。私は口を挟まなかった。
いったん預かりになって、「内容を確認しますのでお待ちください」と言われた。
行政-1.jpg
それから何だか時間がかかった。
30分くらい待たされましたね。寝そうになったら隣にいる草1号との会話で、
「この場所へいつ頃移転したんですかね。初めて来ました」
「さぁいつだったかなぁ。前に担当した〇〇君(寿退職した草の者7号)から『移転しました、池袋駅から歩くと結構遠いです』って聞いたんだ」
「そっか、〇〇さん(7号)の担当だったんだ」
「その後いっとき、C子(仮名、草16号)が引き継いだが、今はそっち(草1号を見て)にお鉢が廻ってきたという」
草1号は軽くため息をついた。
「どうした?」
「あの」
「??」
「主任はC子さんみたいな若い子の方がいいと思いません?」
「若い子ぉ?」
「アタシみたいなのじゃ」
「いやいや、君だって若いじゃないか」
「無理して言わなくていいです」
「充分若いって」
1号は自分の年齢と比べて言っている。私が言った若いという意味は女性としてじゃないんだ。主任イコール熟練者なんだけど、中堅社員どころとしては誰もが皆、若いんだよ。
「群馬の子とか」
「ああ、あの子か」
群馬は過去に登場した笑ふ女、聖なる酔っ払いオンナ、ヤンママ、M子、S子、私と旧知の連中が皆、主任を辞退したもんだから、草たちではいちばん若い20代半ば過ぎの子が抜擢されて主任、草になっている。
だけど主任イコール草たちは、各支店を廻って指導、補正する立場でもある。あまり若い子だと年配者が「あんな小娘に指導、訂正させられるのか」という反駁心が芽生えるんだと。自分は主任を受けなかったクセによく言うよな。
「若い子か。でも各支店を指導するんだから、ある程度の貫目は必要かもな」
「カンメって?」
「う~ん(上手く説明できなかった。貫禄や年季ってことか。)若い若くないってのはあまり関係ないんじゃないかな。アナタも含めて主任たちは選ばれた人なんだから。後から主任になった子は君やK子(草の者5号)君のことを、『皆さん凄い人ばかりで』って言ってるのを聞いたことあるよ」
「・・・」
「今はそう言ってる子だって、いつかはそう言われるようになるんだからさ」
私は内心では、お前は草の者筆頭だろしっかりせんかいって焦れてたんですけどね。
待ち時間が長いのでいろいろ話したんですよ。マスクして静かに会話してます。横並びです。

「いつもこれくらい待ちます?」
「いや、今日は長いな」
何か不備でもあったかと草1号は心配そうである。
担当官が出てきた。
「マニュアルを見てるな」
「・・・」
「上の人に伺いを立ててる」
「・・・」
「あ、付箋を貼ってるな。付箋を貼ってるってことは、その頁に何か不備か疑問な箇所があって、訂正しなきゃならんかもな」
「大丈夫ですかね」
「小さいのを1枚か2枚ペタッと貼っただけのようだから、たいした訂正ではなさそうだ」
またしばらくしてから、
「あ、ホチキスで止めてる」
「???」
「ってことはもうすぐ終わりだ。OKなんだよ」
「見ててそんなこともわかるのですか?」
「わかるよ。相手の動き方とか、見ためでキャリアがどれくらいとか、デスクの位置なんかでもそう。こっちとの慣れ具合いとかでもね。横浜市のどっかの窓口の女性なんか昨年最後にお会いした時、それまで長かった髪をバッサリ切っちゃって指輪が無かったんだよ。それでいて明るい感じになったから、あ、こりゃ何かあったんだなって。」
「そ、そ、そんなことまで見てるんですかっ?」
「苦笑、声が大きいよ」
「ハッ」

そしたら呼ばれた。受付窓口に戻った。
「これで受理いたします。では立入検査の日取りですが、管理者さんと直接電話で決めてよろしいですか?」
「あ、あの、手数料は?」(草1号)
「あ、そうでしたね。では〇〇更新と、〇〇の新規取得と2件合わせまして・・・領収書は2件、一緒でよろしいでしょうか?」
「それでいいですか?」
私に聞く1号、私は頷いた。それでいいって。精算時に2件の内訳を書けばいい。
申請は無事に通りました。
「ヤッター、一発で通りましたねぇ、キャハッ」
来るまではオドオド、ビクビク、緊張しまくりだったのがヒャッハー状態である。今までも緊張が嘘のようだった。
「これからは?」
「北区へ行きます。どうやって行ったら楽ですかね」
「さっきの東池袋四丁目から大塚方面へ戻ったら、王子駅に出るからそこで乗り換えて東十条まで行けばいい」
そこへ戻る過程で、首都高の高架下、とあるCafeがあった。
高架下3.jpg
「このCafeで、さっき話したC子(仮名、草16号)とお茶飲んだことがある」
「???」
今行ってきた行政担当の前任者だった草16号はお喋りな子で、移動中の電車内でまぁよく喋る子だった。今のご時勢で電車内は、「マスク着用」、「換気の為に窓開け」、「会話は控えめに」、なのに控えめじゃなかった。
だからこのCafeでお茶したんじゃなかったかな。話でもあるのかと思って。
「あの時、C子からラインいかなかった?」
「C子さんから、今、〇〇さん(私のこと)と一緒にお茶してますってきたことがあります。それがこの店かぁ。いいですねCafeでお茶なんて。C子さん若いし可愛いし。アタシやK子さん(草の者5号、男勝り)の路線じゃぁトテモCafeなんて似合わないし」
「何故そこでK子が出てくるんだ」
カフェ店内.jpg
「それってアナタと一緒にお茶したかったんじゃないの?ランチは?」(後で言うジャン妻)
「ランチにはまだ早かった。11時になってなかった」

「さて、荒川線で王子方面へ向かうにはね。さっき下りたあの停留所じゃないよ」
「???」
高架下2東池袋四丁目2.jpg
「こっちだよ」
「ええっ!何でこんなに離れてるんですか?」
高架下1東池袋四丁目1.jpg
さっきも述べましたが、東池袋四丁目停留所は相対式ホームだが対面になっていません。4車線の都道435号線を挟んで、早稲田方面ホームと三ノ輪橋方面ホームが20mほど離れて設置されているのです。
電車の駅と違って上りホームと下りホームが構内で行き来できないのだ。
東池袋四丁目マップ.jpg
「何でこんなに離れてるんだろう」
「何でだろうね。対面で造るスペースが確保できなかったんじゃないかな」
「殆ど別の駅じゃないですか」
草1号は都道を挟んで離れた2つのホームを見てポカ~ンとしている。
「教えられなかったら私、さっきのホームで乗っちゃってました」
「そしたら早稲田に行っちゃうよ。そうだ、世田谷線で上町駅ってあるだろ」
「???」
草1号は世田谷区も担当している。世田谷区の最寄駅は世田谷線の松陰神社前だが上町はその2つ手前にある駅。草1号は確か小田急線か京王線の沿線のどっかに住んでるのでその辺りの大手私鉄の乗り換えパターンは理解しているが、上町駅も三軒茶屋方面と小田急線豪徳寺駅と連絡する山下駅方面のホームが踏切を挟んで斜め向かいに設置されている。
「上町も離れてるよね」
「下りたことはないですけど。あの駅はこんなに離れてないですよ」
今いるのは片側2車線、計4車線の距離だからね。
こういうのを社会見学というのだろうね。勉強になったでしょう。

「〇〇さん(私のこと)はこれから?」
「私は川口市とさいたま新都心に行くのだ。だから下にある東池袋駅で有楽町線だね」
「えっ、下に地下鉄の駅があるんですか?」
そういうのも社会見学だよ。今いる停留場の真下にあるのだが、都電では乗換駅として案内されているのに、メトロ構内では路面電車の名残の荒川線よりこっちが格上とでも思っているのか、正式な乗換アナウンスはされていない。案内表示だけです。
「有楽町線で池袋まで一緒に行くか?私は池袋で埼京線、君は山手線、田端で京浜東北に乗り換えれば」
私は1号に同行を促すように言ってますが、実は個人的には今いるこの界隈で行ってみたい店があるんだよなという目論見もあるのです。そうするには可哀そうだけど1号をここで撒かなきゃならないのか。
「いや、誘ってくださって悪いんですけど、さっき来た電車(荒川線)で行きます」
「そうか」
「下りる時ボタン押せばいいんですよね」
「そう。王子駅前なら誰かしら下りるけどな」
東池袋駅に下りる.jpg
メトロ有楽町線に下りる東池袋駅に下りるところ。
この写真の見えない向こう側には今別れた草1号がいる。
階段を下りながら見たら、1号は直立しながら私の姿が階段下に消えるまで右手を高く上げて手を振っていた。さらの木のMさんのように。

私はこの日、午前中半日一緒にいた草1号との短いデートが印象に残り、心に刻まれ、その日の18時過ぎに「お疲れ様よくできましたね」の労い文と併せて、「私も残り何年いるかわからないが、今日半日の厚情、厚誼は忘れないでしょう」と送信したら、1号の返信は、
「漢字が難しくて読めません。会社携帯の充電機を店に忘れてしまいました。電池なくなりそうなので今日は失礼します」
(―“―;)
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草を育てる [人間ドラマ]

処理済~黒い1号.jpg処理済~休憩中の2号.jpg処理済~神経質な3号.jpg

処理済~歩いて来る長身のもと4号.jpg処理済~草5号1.jpg今は引いた6号.jpg

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草の者17号-1.jpg草の者18号-1.jpg唯一の男性19号-1.jpg
草を育てるか。。。

私の正規ではない部下、草の者たちに変化が起きています。
草たちは発足時8人だった。現在は19号まで増殖していますが、7号と10号は途中で寿退社、6号と11号は家庭事情で退任(在職はしています)、4号は本社中枢に抜擢されたので、現在は14人が現役です。

2016年の晩秋、当時、全支店を束ねる責任者だった伊東甲子太郎、この方は現在、ジャン妻がいる会社取締役ですが、伊東が弊社を去る際、私に草たちを使えるよう権限をくれたのです。
「これから支店や社員の数が増えるので〇〇さん(私のこと)ひとりでは無理です。主任たちを使ってください」
そういう置き土産をしてくれた。この件では伊東に感謝しています。
それ以来、会社や支店の営業に絶対に必要な根幹である許認可や申請事項を私が元締めして、草たちに託し、草たちが走る、そういう関係になっています。
草たちは正規の組織図では店舗統括部に所属しています。会社内での正式な職位は主任です。主任は役職ではあるが、管理職ではなく、業務の熟練者ですね。数多い支店を幾つものエリアに分けて、そのエリア毎に事務員たちに上に据え置かれた職位です。
部の下にはエリア別に各支店を束ねるエリア長が14人いて、主任である草たちはエリア長の部下なのです。組織上では私と直接のラインでは繋がっていません。
組織上は部署が違うので、当初は私からの業務委託だったが、近年は草たちの正規のボスが、私の名前と業務内容を公に出すようになり、会議上でも取り上げられて議事録に載ったので、もう影や陰の部下でなくなってきたといっていい。

草に限らず誰でもそうなのですが、彼女らが入社した時も最初は支店に応募、採用された。例えば今回の主人公たる草1号は、12年前に私が面接、採用したのですが、その時は今は閉店した都内某所の店舗でした。そこの営業スタッフ、事務員だった。
支店の1日の業務は、営業開始時間から終了時間までだから、開店業務から閉店業務までが毎日続きます。
そして月末の締め業務を翌月の第5営業日までにやります。締め作業の集計結果を東京本社へ送信、郵送します。
半期毎に棚卸、決算業務の基礎テータを集計して、本社へ送信、郵送します。前月の締めには保険請求業務が含まれます。
これらが日々、毎月繰り返されます。よく飽きずに毎日毎日同じようなことばっかりやってるなって思う。

草たちはどんぐりの背比べの中から「この子はできそうだ」「アタマひとつ抜きんでていそうだ」誰かが白羽の矢を立て、選ばれて抜擢されるのだが、それまでは毎日毎日、雨が降ろうと雪が降ろうと槍が降ろうと同じ作業ばかりなので、イレギュラーな業務や他の業務をしたことがないといっていい。
だが主任、草に抜擢されると、店舗業務の他に本社業務の一翼を担うことになるので、それまでやってなかった業務が託され時がある。
わからなければ「わかりません」「やったことありません」で終わるのではなく、インターネット上で検索して調べるとか、結果を出すことが要求されます。
なので、最低限、PCやWindowsに通じている筈です。

私が彼女たちを「草の者」と呼ぶようになった2016年の晩秋から今日まで4年以上経過したのですが、これまでは「各支店の営業認可、有資格者が従事する届事項」他、申請書を私が作成して草たちが出しに行く、そういうパターンが続いていたのですが、私もそうそう何年も社籍にいるわけではないので、後進の育成を兼ねて草たちに「申請書を作成させる」、ステップに入った。
それを私が点検、捺印する、風に、流れを変えようとしています。

ところが。。。

一部の草を除いて、この書類作成にアレルギーを起こす輩がいましてね。
今までにやったことのない業務、作業にビビる、腰が引けるんですよ。
「そんなのやったことない」ってね。
今までやらせなかっただけだよ。
誰だって最初はやったことないんだけどね。

そして今回、草の者1号(O美、仮名)のエリアでの話です。
これまで彼女が手掛けたことのない重要な案件が4件発生して、最初の1件と2件の期日が1月31日、3件と4件期日が2月15日までだった。これらの案件はこれまでは私が作成して草1号が「届ける」だけの委託業務だったのだが、上のOKを取ったうえで4件とも書類作成からやらせることにした。
草1号は仰天した。
「ア、アタシが作るんですか」
「そう。上のOKは取ったから。いい機会だからやってごらん」
「やったことないです」
「だろうな。今までやらせてなかったから。教えるよ。そんなに難しくはない。めんどいけど」
「えぇ~っ」
他の草たちの前では先輩ツラして姐さんぶってるクセに半泣きみたいなカオになった。やれやれ、お前さんは草筆頭だろ。12年前に私が面接、採用した子飼いじゃないか。
「私だってそうそういつまでもいるわけじゃないんだからさ」
「えぇ~」
えぇ~の多いオンナだな。

だが、草1号は発奮する。そうさせる言い方がある。簡単です。
「できなきゃ自分がやるけど」
これだけ言えばいい。そしたら一瞬だけ間があって、
「やりますっ。やるから教えてくださいっ」
私はほくそ笑んだ。そういう子なんです。この子は慣れて来るとブイブイ言わせるところがあって、かつての上司だったZ女史や、当時の上長の男性がタジタジになるほど舌鋒鋭く突っ込むところがある。
気が強い子です。私に従順なのは、私が彼女を面接採用したのもあるが。
「単に私を好きなだけらしいぞ。」
(ヘンな意味ではない。)
「まぁ、そうなんでしょうね。それもあるけど、アナタ(私のこと)から振られた業務を「できない」って烙印押されたくないのよ。他の草たちに廻されたくないっていうプライドもあるんじゃないかな」(ジャン妻)

ではまず、申請書を都のHPからダウンロードさせるとこから始まった。電話の向こうにいる草1号をPC画面の前に座らせて、
「東京都のHPを開いてごらん、検索キーワードは・・・」
HPを開かせた。キーワードを打たせた。
「開いた?」
「開きました」
「申請書をダウンロードする場所があるでしょ」
「あるけど、WordとPdfとあります」
いきなり来た質問がこれですからね。
「WordはPCから打ち込める。Pdfは印刷して手書き。どっちがいい?」
「どっちがいいですかね?」
いやいや、作成するのは今回はそっちだよ。
「Wordにします。表紙だけでいいですか?」
「HPにはその他、添付書類ってあるだろ。それも全て必要だから」
「あります。それも必要ですか。あ、必要なんですよね」
表紙だけ作成すればいいってもんじゃないよ。添付書類こそめんどいものなのだ。
「全部印刷して、せめて表紙ぐらい練習のつもりで書いてごらん」
「急ぎですか?」
「まだ時間はあるが、それの期日はいつになってる?」
「1月末日です」
「カレンダー見てごらん。1月31日は日曜日だから、29日の金曜日まで、と、言いたいところだが、その申請書類が受理されたとして、立入検査があるから1月半ばには出した方がいいな」
「立入検査って何ですか?」
「行政の担当官が支店にチェックしに、見に来るわけよ」
「ええっ。それも私が立ち会うんですか」
「いや、それは現地の管理者が立ち会えばいい」
ホッ、安堵のため息が聞こえた。
だが、まだ続きがあって、
「疎明書ってありますけどなんですか?あれ?診断書のことですかね?」
「ああ、それか。それも要るんだ」
「誰の診断書ですかね?」
「いや、今回は診断書でなくて疎明書でいい。役員の疎明書だからこっちで用意するワ」
役員の疎明書とは、法人の業務を行う役員(取締役)が診断書に代えて疎明する際に提出するもので、「私〇〇は、精神機能の障害や、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者でないことを疎明します」という文書なのです。
この書類は、1都4県では役員自身が疎明するのですが、栃木県茨城県新潟県は法人の代表者が、「下記の者は精神機能の障害や、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者ではないことを疎明します」なんですよね。群馬県はどうだったかな。
ウチには総務、経理、財務の取締役を除いて必要なのが5人いるので、各人に一筆書いて貰うことになる。

(これが麻薬及び向精神薬取締法になると疎明書ではダメで医師の診断書になります。1通3300円程度が相場かな。それが5人いて、全支店だと結構な金額になりますよ。)
「組織図が必要ってありますけど」
「それは本社にあるよ。今言った疎明書が必要な役員が、本当に組織に名前が連なってるかを証明するんだよ」
「次に、会社履歴事項全部証明書って何ですか?」
「法務局で貰う会社の登記簿謄本みたいなヤツ」
「ほうむきょく?」
「それも本社にあるから」
疎明書が必要な役員がちゃんと会社に登記されてるかを見せるのです。
疎明書、組織図、履歴事項全部証明書(発行後3か月有効)はこっちで揃えるものだけど、1号は大事なものを見落としています。
店舗の図面です。
「図面って何処にあるんですか?」

田辺調剤薬局様のをお借りしました-1.jpg

本社のキャビネットで図面のありそうな場所を探したのだが、今回、草1号が担当する支店の図面が見つからなかった。今はいない別の者が6年前の初回申請時に添付して出した筈なのだが、それごと無くなっていたのである。
「毅さんが持ってるかな」
「毅さんって、あの・・・」
うるさ型の取締役です。毅は新店開発と工事や設備担当なので、全支店の図面を管理しています。私は支店の更新担当なので図面を含めて毅と書類内容が被るのでよく連携するのです。
私とは20年の盟友だが、毅は本社の管理者だけでなく、エリア長や草1号他、草たちからも畏怖されています。
「毅さんに聞いてみたら?」
「えぇ~っ」
「知らない仲じゃあるまい」
「そりゃ知ってますけど緊張しますよぉ~、あ、〇〇さん(私のこと)が緊張しないってんじゃないですよ」
私にはちっとも緊張してないだろうが。毅は工事や設備の担当で、彼のキャビをゴソゴソ探してたらその支店の建築図面だけ出てきた。
だが建築図面は、建物のフロア毎の躯体と各部屋の仕切り、寸法だけで、現状のレイアウトは記載されていない。各部屋は真っ白、空き部屋になっている。現状で納入されてる棚、台、機器、保管庫、PC類、プリンター等をそれに書き込まなくてはならない。
現地視察して寸法測って書き込むだけなのだが、この子(1号)はそういうのできるだろうか。

年が明けてからすぐ電話があって、
「いついつ支店に行くので、その前に本社に寄ります。見ていただけますか」
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2021-01-11
この過去記事でUpしましたが、私は西新宿くぼやんでランチして、急いで本社に戻ったが、1号は予定時刻より30分遅れてやってきた。

その草1号を久々に見たら髪が伸びていた。前は短髪で、蜘蛛の巣を散らすオンナ、みたいに男子っぽかったのですが。
こんな美人だったか?
目鼻立ちもクッキリしているし、もしかして外国人の血が混じっているってことない?
そんなん今まで意識しなかったが。

うんざり-1.jpg
このボカしまくった写真は小会議室で書類をチェックしながら打ち合わせ中で、前に草の者1号がいてうんざりしたカオをしている。すぐに感情が表に出るのでわかりやすい子だ。
前に申請書の下書きが散らばっているわけですよ。
さて、1号が頑張って書いてもってきた表紙はだいたいOKだった。別に悩むほど難しくないです。こっちは疎明書、組織図、履歴事項全部証明書を渡した。
問題は図面である。
「これしかなかった。建築図面だからこれに現状のレイアウトを書き込まなくちゃならんな」
「アタシが書くんですか?」
「・・・」
私は敢えて無言で、おまえさんがやらなきゃ私がやるけど、と圧をかけた。
しばしの間があってから「やりますけど。どうやって」
「現地に行く?」
「この後行きます」
「じゃぁそこにあるものを全部測って記入するんだよ」
「あるものって、什器とか棚とかですよね。それを測るんですか?」
「メジャーで測るの。」
ピタゴラスイッチでいうところの巻き尺のジャックだよ。
だいたい、医療什器の棚の長さや、商品を陳列する棚の長さは尺が基本になっていて3尺=90cmです。1尺=30cmっていう棚は無いが、3尺90cmか、2尺60cm、長いので4尺1.2mが基本になっている。

「なるほど。それをどうやって記入するんですか?」
どうやってだと?
図面には支店の各部屋の寸法がmmで表示されている。ある部屋の室内の幅が5mで、その寸法に定規を当てたら10cmだった。ではその部屋に入れる90cmの棚板は何cmで図面に書き込めばいいか。
「わかりません」
「じゃぁmmでもいい」
1mは1000mmだから部屋の奥行5mは5000mm、
定規で測ったら10cmは100mm、
入れる棚90cmは900mm、
定規で測ったら何mmで書けばいいか。
「5000mmが定規100mmだから、900mmの棚は定規だと何mm?」
100/5000×900=18mm
「そうやって比例計算するんだよ」
「えぇ~、それを全部、そうやって測ってくるんですか」
そんなのやったことないよぅ、って駄々をこねるから、やったことないからこれからやるんだよって。
「ひとつでも縮尺決まったら、後はだいた同じさ。それっぽく書けばいいよ」
「それってなるべく狂いなく書かなきゃならないんですよね。ああもう、何で図面ってmmで書いてあるんだろう。mじゃだめなんですか?」
「建築図面なんだから部材に狂いがあってはいけないからmmなんだよ。自分でmに換算すればいいじゃないか」
「換算?」
「mmをmに直すんなら、1000で割ればいいだけのことだろ。まぁいい。あきらかにオカしい形で書かなければ通るよ」
「棚と什器をそれっぽく四角で書けばいいんですよね」
「それでいい」
またウンザリしたカオになった。
げんなり-1.jpg

だがまだ難問があって。
今回申請する内容は、取り扱うもの、商品を保管する場所と、そのスペースを数字で書き込まなくてはならないのです。
「保管場所を決めて、そこに矢印を引っ張って、スペースがどれくらいかを・・・」
「ちょ、ちょ、ちょ」
「ちょ、がどーした?」
「ちょ、ちょっと待ってください。」

(この「ちょ、ちょ、」は草1号が動揺した時の口癖らしい。在宅勤務してた昨日も電話で業務質問したら「ちょ、ちょ、ちょっと待ってもらえますか。いったん電話切ります」ブチッ、だったからね。)

「保管する場所は矢印でここって書けますけど、スペースって何ですか?」
「棚だったら面積」
「ええっ!」
「棚だったらおそらく3尺90cm、幅は20cmくらいだから、90cm×20cm=1800㎠、これを㎡に換算すると0.18㎡かな」

「!・・・!・・・!・・・!」

草1号は目を見開いた。
私は畳みかけるように、
「今のは棚の場合ね。保管場所が鍵のついた引き出しだったらそれの容積だよ。(会議室に置いてあるキャビの引き出しを開けて)こういう引き出しの幅、奥行、高さを測って㎥で出すんだよ」
「・・・」
「平方メートルと立方メートルで・・・」・・・私は平米数と立米数で話してるのですが、途中で私は言葉を切った。草1号が着いてこれてないのがわかったからである。
「もしかして、そういうのって苦手なの?」
「アタシ、算数が苦手なんです」
算数が苦手ったって。ちょっと呆れた。小学生の義務教育のレベルなんだけど。長年やってないと忘れるんだろうか。
だが草1号は必死について来ようとはするのです。自分ができないことで他の号数に廻されるのがイヤなのです。
「ちょっと待ってください。ええっと、ええっと、と、と、と、取り合えず、現場を見に行って、測ってみます」
「そうしてくれ。まずはそれからだね」
でも「と、と、と、取り合えず」がクチに出るってことは、全部を理解しないてないってことですよ。
根を上げたかな。その辺も、上限も見極めなきゃな。

支店の申請には必ず図面が関わってくるので、寸法測って面積を計算、図面寸法から比例計算して記入するのって絶対に必要なんだ。支店の中には平行四辺形だったり、台形だったり、船山温泉の池に面した和室みたいに出っ張った半円とかもあるのだよ。
この面積や容積計算に関しては他の草の者たち何人か聞いたのだが「面積計算できるか?」「mmで面積計算して㎡に換算できるか」こんな質問すること自体が失礼なんだが、殆どの子はできないというか、遥か昔に忘れていた。
2号、3号、もと6号はダメだった。
東京都某所の支店で2号に「WCの面積を測ってくれ。内径だぞ内径」
2号は内径の意味がわからず「部屋の壁の内側で測るんだよ」
何でこんなことを訊いたかというと、車椅子の方がWCに入れるかを調べたの。できないっていうから私自らメジャー持って測りに行ったんですよ。
「算数が苦手で」(3号)
古参社員の草の中である部分は1号より手早く優秀な3号ですらこの体たらく。
「中学のドリルもってこないとできません」(もと6号)
「PCで検索すればできるかもです」(もと11号)

では子供がいる草の者はどうだろう。子供に算数教えることってあるだろと思って、面積・容積計算、比例計算、単位換算ができるかどうか、草3人に聞いてみた。
「もう何年もやってないから今すぐにはできないですね」(もと4号)
「う~ん、そういうのって、PCで検索すれば、計算式が出てきますかね」(もと11号)

面積計算、容積計算、単位換算、比例計算と案分、これらができない云々をうるさ型の取締役である毅に話したら呆れながらも、
「多分、皆、そうでしょうね。いつだったかS美(草9号)に、〇〇店の面積を内径で測って計算させたら、寸法はまぁだいたい合ってたんですが・・・」
下写真は毅がいうところのさる支店の内径を測っている草9号、9号は毅からの直命で計測に出向いたのですが、私に「やり方を教えてください」って泣きついてきたときのもので、私は出向いて草9号が測るメジャーの先っぽを押さえてあげたりしたのよ。
処理済~計測中の9号.jpg
「何でこんなめんどくさいことやらなきゃいけないのだろ」(草9号)
「その台詞、毅に言えるか?」
「そんなっ、怖くて言えるわけないじゃないですかぁ」
私は怖くないらしいね。結局この時は「各部屋の面積がデタラメで、結局計算しなおしになりました」って毅が言ってたな。毅は技術面で腕がたつのと指示要求がかなり厳しい人なので、対応できない草たちが私に泣きついて私が裏から面倒を見る、そういうことが時々あるのです。今回も1号に「毅さんに図面どこにあるか聞いてみたら?」と振っただけで1号が「えぇ~っ、緊張しますよぉ~」ビビってるじゃないですか。
「アナタだって毅さんと20年来の僚友なのに、毅さんを悪役にして自分はいいとこどりしてるよね」(ジャン妻)
「別にいいとこどりするつもりでやってんじゃない。結果そうなるだけだよ。で、どうも草たちはそういうのができないらしい」
「・・・」
「草たちの上司(女性課長)も、無理ですよ、皆、文系だもん、って言ってた」
「それは違うと思うけど」
「文系の前に、小学生の義務教育のレベルだと思うのだが」
「まぁね」
「要は店舗勤務が長過ぎて、同じ仕事しかしてきてないからだろうな」
「それはあるね。」
支店勤務時代の1号2-1.jpg
「で、誰もできないの?」
「できるのが2人だけいた」
14号と16号です。ナンバリングでは後輩とはいえ、この2名は前職が大手同業社で、同様の業務に携わっていたフシがある。
「できますよ私。案分すればいいんですよね」(14号)
案分、まさにその通りです。
「アタシ前職でやってました。そういう本社業務がイヤで転職したのもあるんですけど、結局この会社でも主任受けちゃったし。(笑)」(16号)
後から就任した草たちの方が優秀なのか。基礎ができてるということか。
「やったことないよぅ」みたいに自信なさげに言うのは、子飼いの、いや、プロパーというべきか、1号のようにウチの会社で純粋培養されて長年いた草に多いのです。

「指示するだけだったら14号の方が遥かに楽だよ」
「ああ、他社から来て仕事ができるっていう方たちね。でもアナタはO美さん(1号)がかわいいんでしょ」
「そりゃ10何年前に自分が面接、採用したんだしさ。業務を振らなきゃ振らないでムクれるし。やりたくなさそうだな、なんて言おうものなら、アタシは〇〇さん(私のこと)からの依頼をやりたくありませんなんて言ったこと一度もないですっってムキになるしさ」
「アナタに、できない人って烙印を押されたくないんでしょう。教えなきゃ」

年明け、1号から連絡がきて、
「できました。スキャンしてPdfにして送るから見てください。ちゃんと定規使って書きましたっ」
得意満面である。何を鼻息荒く言いよるか。「フリーハンドで書くなよ」って言ったが、定規使って書く方が簡単なんだぞ。
鼻息荒いだけに図面もそれなりに書けてはいた。各棚、台、機器類、冷所、〇〇保管庫、〇指導&第〇類の保管場所、それらが平面図に四角いカタチで書かれていた。初めて手掛けたにしてはポイントを押さえてあり、多少の修正は必要だが、これなら出せるかな程度はクリアしていた。
「で、あの、新しい保管場所なんですけど、鍵の付いてる引き出しのいちばん下の引き出しにするそうです。それはどうやって書けばいいですか?」
何を言ってるのかというと、2次元の平面図に3次元の位置(上中下)をどうやって書けばいいかというんだな。
正面から見た立体図をマンガみたいに書けばいいのだが、この子にこれ以上無理難題の基礎を要求してもかわいそうなので、
「保管する場所に矢印を引っ張って『保管庫、下段』って書けばいいよ」
表紙1.jpg
これで表紙に会社の印鑑を捺印できるかと思ったら、下の方に担当者と連絡先を書く欄があるのですが、そこが私の名前と私の会社携帯番号が記載されてるじゃないか。
「ダメだよこれ」
「えっ」
「今回は君の名前と連絡先を書かなきゃ」
「アタシの名前ですか?」
「・・・」
「〇〇さん(私のこと)じゃなくて?」
「これまでは私が作成したのを君らが持ってったから、書類の作成者、責任者という意味では私の名前で当然だが、今回のこの申請書を作成したのは君だろ。君の名前と会社携帯にしなさい。」
主任は各自、業務携帯とサーフェスが支給されるのです。
「わ、わかりました。。。」
「何か不備があったら、作成者に連絡がいくよ」
「えぇ~っ。何かオカシかったら、何処から連絡が来るんですか?」
「この申請書を出しに行く窓口はどこだい?豊島区だろ」
「えぇ~、わかりました。」
不承不承頷いた感がある。
相手側にアポをとって、持参、出向く日がやってきた。
コロナ禍の窓口-1.jpg
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去り行く惑星 [人間ドラマ]

この記事をUpした時点では、旅人の惑星、ショウ氏は故郷に還っているだろう。
まだ高崎市内で飲み歩いてたりして。

高崎は気温3度、寒い、群馬ってこんなに寒かったか。まだ12月なのに。
今日の高崎入は業務ではなく、旅人の惑星ショウ氏の壮行会、故郷への帰還祝、1軒めのロケ地は私が指定しました。Blogが公になってもまぁ大丈夫だろうの店、田町のフォンティーナへ、
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田町交差点で横断しようとしたら、向こう側の歩道を氏が歩いていったので急いで渡ってきた。
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事前にカウンター2席を予約済みです。私は電話で本名を名乗ったのだが、先に来てた氏が私に耳打ちするには、
「ママがジャンさん後からですかねって言ってましたよ」
バレバレである。ショウ氏のBlogのコメント経由でバレたか。
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飲む前に額で体温を測ったのですが、低くて測れなかった。それぐらい寒いのです。
「飲んで身体があったまったらもう1回測りますか?」
そう言ったら「いいです」って。ルートインで35.9度でしたよ。味覚嗅覚も問題ありません。
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本日のおつまみ三品、左からピリ辛いキンピラ、真ん中のはピーマンだったかな、これもピリ辛、右は牡蠣オイル、これもピリ辛、
でもショウ氏には牡蠣を避けてイカのフリッターが出されてたのである。それも揚げたて。
「私にもフリッターちょうだい」
ワガママ言ってこうなりました。おつまみ3品、プラス、イカのフリッターです。
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ピリ辛3種と揚げ物で生ビールを3杯飲んでしまい、ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ、我ながら私の喉が鳴る音って凄いなと思った。
ショウ氏は日本酒、私は白ワイン、
チーズの盛り合わせ、
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左隣にショウ氏がいます。氏は会社から「半年だけHELPに行ってくれる?」半年の筈だったが、気が付いたら21年も経っていた。(私は12年と勘違いしていた)異動願いは出していたそうだがズルズルと引き延ばされそれだけの歳月が流れたと。
会社が言うところの「半年だけHELP」なんてのを信じちゃダメだよな。私だって群馬に2年行ってくれって言われて1年で泣く泣く戻されたんだから。
その間に積み上げた絆が多々あるので、年内は飲食店の挨拶回りで忙しそうだ。内臓が丈夫そうだからいいけど。
「金が幾らあっても足りなくない?」
大丈夫だという。賞与も出たって。1日に3軒、1軒平均4000円として12000円、12月を30日としたら36万円、賞与を満額使わせてくれるんなら私もと言いたいところだがね。
果たして回り切れるだろうか。分母すなわち店の数が多い。1軒/300軒くらいじゃないか。さすがにランチ店は廻り切れ無さそうだが。
「いっそ上毛新聞の取材に応じるか広告出しちゃったらどう?その方が手っ取り早くない?」
「いや、そ、それ、意味わかんないス」
見出しは「旅人の惑星、故郷に還る、高崎の飲食店に大打撃!」
いい見出しだと思うがな。
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豚肉のカレー風味揚げ、ショウ氏が揚げ物好きな私の為にオーダーしてくれた。
「家で揚げ物が出なくてさぁ」
そんなしょうもないことをショウ氏に愚痴ってるなんてことがジャン妻に知れたら。
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他のお客さんが来ない。
マスターに最近の客入りを聞いてみたが、
「前を人が歩かないんですよ」
今だって私らしか客いないし。
「人がここまで来ないんです」
聞くだけ野暮だったかな。この店は複数の居酒屋が寄り添っている集合体敷地内いちばん奥にあるので公道に面していないのだ。
現在は21時でクローズするそうである。クローズした後は何処かへ飲みに行って、そこで2軒めか3軒めでホロ酔いのショウ氏と出くわしたりしてたのだろう。高崎の夜の飲食店が店も客も横の繋がりがあるのは都心に比べて店と人が少ないから。でもそれが高崎のいいところ。さっきまでその店で店主と客の関係だったのが、日と時間を改めて別の店へ行ったらそこでは店主と客同士になったりする。
店の去就とか、情報交換も少なくない。
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チキンのトマト煮、これは美味しかったな。やわらかくて味浸みて。白ワイに合いますよ。
パンがもっと欲しいな。安いパンでいいから。
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令和3年の正月はご実家でお迎えになる。年賀の祝と帰還祝を兼ねて盛大にひっそりと宴が催されるだろう。
だが寒波が来ている。冬将軍到来である。雪で引っ越せるのだろうか。実はジャン本家の発祥地は新潟で、氏の故郷の隣町なのですが、爺さんが亡くなった時、春の雪解けまで納骨ができなかったのを覚えている。
「雪大丈夫なの?」
「平野部は積もらないです。山沿いだけ。高崎と同じですね」
先んじて週末の金曜に日帰りで新潟出張だそうで。だがこの週末、大陸から寒波が南下、関越道でくるま1000台が豪雪に閉じ込められて自衛隊が出動することになるのだが、ショウ氏は関越道ではなく上信越道だった。
引越荷物の整理もあるそうだ。私は平成24年に購入した家電製品をタダ同然で売っ払って帰京した。売れなきゃ捨てるしかない。
私は今でも群馬に未練があるが。
「私みたいに逆ホームシックにならない?」
そう水を向けたら、そういう郷愁感は台湾で経験済みだそうである。今回は隣県だからね。
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帰り際にBlogの話になったので、この店ならいいかと、氏と私でキーワードをお教えしました。船山、フォンティーナ、であがってきますよ。
はっちゃけた文章を書いてますが、この店はヘンなこと書いてないと思うけど。
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そして氏の挨拶回り、2軒めへ、

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R30、不思議な店である。この店も公道に面していなかった。マンションの暗い1階スペースを潜ったら視界が開けてそこにあった。
外観はプレハブ、飯場みたいだ。仮店舗にしか見えない。
飯場みたいだから、ゲンバーマンを仕切っている恰幅のいい賄い主婦でもいるのかと、恐る恐る入ったら、デビル〇美さんを細くしたような美人ママが現れた。
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撮ってないけど意外と広くて。歌える装置もあるみたいだ。そういうミニステージがあったのである。この建屋の壁で音が外に漏れたりしないのだろうか。
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ショウ氏は煮込み、私はキャベツ他、野菜の浅漬け、
氏は冷や、私は熱燗、
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図らずも私の不器用さが露呈されてしまった。
箸置きですよ。
ショウ氏が箸袋を器用に折りたたんで箸置をこしらえたので、それってどうやるの?と教えて貰ったのだが、私の薩摩芋の尻尾みたいな指先では無理、こんなになってしまった。
見かねたママが箸置を出してくれた。
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薄暗くて広い店、暖房費がかかりそうだ。
ママに聞いてみたのよ。
「何でR30?30って何です?」
「それはですねぇ」
えっ、そういう意味なのか。
わかるような気もするが、今ここでは止めておきます。
いい店だと思うが、今回は使い勝手がようワカラン。いつかひとりで来てみるしかないか。
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そして私等のドラマを完結させるのはこのBARしかない。無理やり、強引に付き合わせてゴメンなさい。
ここへ来る直前、こんな狭い路地をって驚きながら白い暖簾の「とまや」さんの前を歩いています。ひとりで探しても絶対にわかんない場所にあった。
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ASLIは平日なのに混んでいたな。先客4人。マスターはカクテルを別々に作るので忙しそうだった。
カウンターに男性ひとり客、女性ひとり客、テーブル席に男女2人、私らを入れて計6人、別々だけど店内の空間を共有しました。
フロアをウロウロ歩き回るほろ酔いショートカット美人がいて、何が楽しいのかニコニコしていた。暑いのかドアを開けて涼もうとするから、こっちに冷気な流れてくるじゃないかい。
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1軒めか2軒めかここ3軒めか、どのタイミングで話題したか忘れたが、
「向こう(新潟)へ戻ったらマラソンどうするの?」
もちろん走るという。そういうイベントがあるんだって。でも雪で走れるのだろうか。クロスカントリーになったりしない?
そういえば群馬のニューイヤー駅伝は開催されるのかな。私は県外の人間だからあーだーこーだ言うつもりはあまりないが、ウチのフロアに東毛出身の社員がいて(別会社ですが)かなり懸念しとったよ。
でも箱根駅伝が開催されるんだからねぇ。
アス9.jpg
去りゆく惑星.jpg
去っていくショウ氏の後ろ姿、
氏はもう上州を去って故郷の越後に帰還した。惑星がホントの母星に戻ったのである。
今頃は吹雪いてるんじゃないかな。
私にとってショウ氏はあまり気を遣わない、遣わせない方でしたね。Blogger同士でリンクもしなかったし。利用する居酒屋の客同士で馴染んだというか、そんな関係でしたよ。
氏が去ることで高崎他、飲食店のダメージは小さくないに違いない。最大の広告塔が去ったのだから。
氏の今後が健勝であることを願う。
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大河ドラマ [人間ドラマ]

例年その年の半期が終了すると、半期の実績数字データをまとめて発表、下期にかけて目標を定める全支店長会議が盛大に開催されてました。ホテルの宴会場を借り切ってね。
でもさすがに令和2年は中止になったよ。
ホテル側も気の毒でさ。3か月前くらいから「どうですか?大丈夫ですか?」って確認の電話が何回か架かってくるんだもん。
そりゃそうだよな。ウチの社員だけで150人、来賓者入れたら200人に迫るからね。貸す側(ホテル)にしてみりゃ心配だろう。
開催予定日の前々月、前月とホテル側から確認の電話があったが、こちらも何処かのタイミングで開催するか中止かを決めなきゃならない。最終決定者はBOSSです。
BOSSの本音としては「できれば例年通り開催したい」だったが、結局は他取締役たちの具申もあって今年は全員集合は見送られた。WEB会議になったのです。

WEB開催時間はさる日曜の10時~11時半に決まった。各方面のエリア長、120人いる支店長、14人いる主任(草の者)たち、本社職員全員(運営部、開発営業部、総務、経理)WEBとはいえそれに参加することで1時間半だけ出勤扱いになるのです。
幾人かは会議時間の前後に準備や片付け等あるので3時間くらいの勤務時間になる。その分は平日に振り替えるのです。早く退勤するか、遅れて出勤するのです。そうすることで調整します。

今は何処の企業もそうだと思いますが、コロナ感染拡大が始まった2月か3月からWEB会議が頻繁にスタートしています。会議以外にも集合研修やセミナーもWEBになったので小会議室が予約で一杯、部屋が足りなくなり、いつまで経っても引退しない75歳の相談役が個室から追い出されたからね。
それでも平日は会議室が足りないらしい。
らしい?私の職掌は会議とか研修とか無縁なのです。なので会議室の予約状況を私は見たことがないのだ。

WEB全体会議で本社はそこから発信するだけです。各支店もそういうWEB環境が整っています。殆ど本社メッセージを見るだけだからね。
支店でなく自宅、自室でPCを起動してWEB会議に参加する者の方が多い。今はいち家庭に必ずオンラインが接続されてる時代ですからね。
どんなWEBアプリを導入しているかというと2種類あってTEEMとZOOMです。ZOOMはコロナ感染拡大の影響で世界中に一気に広まったが、中国製がどうこうとか、セキュリティの問題を指摘されたりしたね。ウチでもあまり推奨しない意見もあったが結局はZOOMでやったようです。よく知らないけどそこらじゅうでズームズーム言ってたね。
もうひとつ、TEEMSというのがあって、それはジャン妻が自室で会議に参加しているアプリらしい。
「Officeとセットになってるのよ」
???
私はさっぱりわからなかった。支店長クラスや主任たち(草の者)は業務でノートPCかサーフェスを支給されていますが私は支給されていません。私から「そういうのをください」って申請したこともないし、誰かが私にもそういうのを持たせた方がいいのでは?という話はあったのですが固辞したのです。私は河野大臣が思いっきり頑張って旧態依然としたやり方を廃止しない限りは100%ペーパーワーク&印鑑ワークなので、そういうのを持ち歩く必要性がないからです。会議や研修にも無縁なので日常は困らないが、そのせいでWEB会議を知らないし、そういうのをできる環境にないのです。だから開催日の日曜に本社に来るしかないんだな。

「本社に来ますよね?」(上長)
上長は私のことをWEB会議に対応できないガラパゴス野郎と決めつけたフシがある。でもまぁ間違いではない。
「来ますよ。その時間だけは」
「来ます?」(ソリ)
悪いかよ。来るんですか?みたいなトーンで言うなよ。ソリが合わないコイツも私をTV会議に対応できないダイナソー野郎と決めつけたな。
「私たちは準備とかあるので1時間前には来てますが、〇〇さん(私のこと)はスタート時間までに来ればいいですよ」(ソリ)
ああそう、誰が1時間前になんか行くかよ。ギリで行くさ。

ところがこのWEB会議の開催の仕方にエリア長や支店長の一部から多少のブーイングが出ましたね。開催日は大分前から告知されているのだが、どーせ今年の全体会議、集合会議は中止だろうとたかをくくっていた感がある。
ブーイングというのは、せっかくの日曜日、何でそのたった1時間半の為だけにPCの前にいなきゃならないのかという不満である。
女性管理職のM子は私にこう言いましたよ。
「YouTubeでやればいいのに」
「YouTubeでか」
「〇〇さん(私のこと)から上に言ってくださいよ」
M子は従業員の教育関連でYouTubeに登場、全社員に配信されたことがある。だがurlを入れたら誰でも見れてしまうのでシステム部からストップがかかった。そりゃそうだよね。だから会社業績を誰でも見れるYouTubeで配信するわけにいかないよ。
それとYouTubeだといつでも見れるじゃないですか。それだと会議に参加した、しない、が曖昧になり、出欠席が取れない、勤務時間扱いが曖昧になるという理由もあってね。決められたその時間帯だけ画面にくいついてなさいになったのです。
会議ったって意見交換の場じゃないですから。数字の発表、来期の戦略、表彰、そんなもんですよ。それだけだったらプレスリースだけで充分なんだけどね。

例年はホテル宴会場だから懇親会も兼ねていた。
今年はどーする?
やらなくていいと思ったよ。
「どうします?WEB飲み会とかやります?」(DON子)
それを聞いて露骨にイヤそうなカオをしたのがW美、彼女は殆ど下戸で、酒飲んで酔っ払って何が楽しいんだろうと公然と言い張る典型的な唯我独尊社員です。
(彼女の名誉の為に言うと、幹事はやったことあります。)
「やってもいいかもね」って言ったのはソリ合わないです。止めとけって。皆、集合するならともかく、日曜のWEBなんだし、終了したら自分らの日常に戻りたいんだよ。
「でもWEB飲み会だから、自分のPCにBOSSのカオがずーっと写ってたらヤですね」(DON子)
固い上長はたしなめた。
「そういう失礼なことを言っちゃダメですっ」
DON子の後ろ、薄い壁1枚隔てた向こうの部屋はBOSSの個室なんです。聞こえたらどーする。

「さっきの〇〇さん(DON子)の声、絶対壁越しにBOSSに聞こえましたよね」
「かもな。で、WEB懇親会なんてやるの?」
「いやぁ、やらないと思いますよ」
私はWEB飲み会、懇親会なんか興味ないし参加する気もない。日曜の昼前まで拘束されて開放された後はジャン母の買い出しに付き合うことになってるんだよ。そういう理由でくるまを取り上げたんだから。

開催日、
「あ、来たんですね」
そう言ってきたのは毅といって私とは20年来の僚友です。取締役ナンバー4、かなりの難し屋さんでもあります。でも私とは業務上で被る箇所が多いので共同戦線を張る時がよくあるのです。
「ウチはWEBで見れる環境にないし。表彰で拍手する人間も必要だろうと思って」
毅は少しだけ笑った。本社スタッフの中には「毅さんの笑顔を見たことがない」「冗談言ってるのを聞いたことがない」「でも〇〇さん(私のこと)とだけは楽しそうに喋ってるのを見たことがある」と言われてるんです。私の耳にも入ってきたからね。
「拍手の音要員ですか?」
「そう、音、ハンドクラッピングというか」
「笑」
ちょっと違うけどね。
毅は私とは違った立ち位置で現執行部に冷やかな人なので、この後のWEB会議で自分の出番のTALKでも僅か30秒で終わらせてしまった。え?もう終わり?って思ったもの。
会議2何故天を仰ぐ?.jpg
定刻通りWEB会議が始まった。支店長たちが自室でつないでスクリーンに映しだされるカオはピントが合わずボケているので、メイクなのかノーメイクなのかもわからない。
家着なのか外着なのかもわからない。
全員のカオが常時写っているのではないです。どういう操作をしているのかわからないが、スクリーン上にだいたたい5人から、多くて10人単位で代わる代わる映しだされている。
支店長たちも、中心にいるBOSSのカオや他の支店長たちのカオが見えている筈である。
後で上長が言っていたが、
「向こうかが見えないから、反応がわからないですね」
「その場にオーディエンスが不在だから、フィードバックが無いというか」
「???」
私の音楽業界用語は上長に上手く伝わらなかったようだ。

何人かは支店のPCをONして参加しているが他は殆ど自室からだね。中には薄暗い部屋で穴熊みたいにカオを映し出してたり、汚ねぇ部屋だったり、背後がブッ散らかってる部屋だったり。
そういうのが曝け出されてしまうのはWEB会議の弊害ともいえるが、ここまで普及したんだから、せめて背後を片付けるか、壁紙設定をすればいいんだよ。

私は会議室の隅っこ、角っこにひとりで鎮座していた。こんな位置です。
会議1隅っこから冷ややかに.jpg
左からドン子U紀ソリ-1.jpg
広い背中は写真初掲載のソリ合わないオンナ、
その向こうにはU紀(もと草の者4号)
左手にはDON子、DON子はパネルを切り替えたりしてる。
画面に映る支店長たちのフレームを変える役は別の席にいて、なるべく公平に全員を映し出すようにしている。
感染者ゼロだって.jpg
議事進行にのっとって淡々とツマんない会議が進行していく。
BOSSの挨拶、新型コロナ肺炎感染拡大の最中、ひとりの感染者も無く皆さまありがとうございますってなもんです。
そして前期の実績数値の説明と分析で、様々なカテゴリーで棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフが表示されている。感染拡大の影響は大きくて、通常ならあり得ない実績数値が出てる。売上がUpして利益が減ってるんです。
どういうことかというと、まず、利用者数が減った。小児系がガーンと落ちている。コワクて子供なんか連れて外に来れないからね。
そして長期で出されるようになった。例えば2週間処方だと月に2回来てたのが4週間で1回になったので、基本点数は同じ、〇剤使用料が上がっても、差益分が2回→1回になったからである。
だがウチらは恵まれている。世間一般では、特に飲食業界や旅行産業界、その他小売業は製造業のように厳しい状況には至ってない。解雇とか無いからね。
今年前半は退職者が格段に減った。(後半はそうでもないけど。)例年だと夏季賞与が付与されたタイミングでドドドッと辞めるのだが、今期は退職者がゼロとは言わないが少なかったですね。こんなご時勢で転職しようったって厳しいからです。
辞めるヤツが少ないのはいい傾向だが、コロナのお陰だ、とは言わないよ。会社に魅力があるんでもないよ。ただ、今は動けないというか、無理して他に転じない方がいいってことです。
会議3BOSSのTALKが続く.jpg
BOSSさん、アンタの話、長ぇな。退屈だな。
喋る者の自己満足だな。
早く終われよ。
不遜な気分でいました。斜めに座って肘ついて、さして長くもない脚を組んでふんぞりかえって構えてたら、前にいるU紀が目と仕草で、
「肘、肘、アゴ、膝」
私は肘をおろしてカオを向き直した。
こういう時のBOSSは話下手ではない。上手なんです。社員とのコミュニケーション能力はイマイチだが、こういう場でのTALKはオモシロくも何ともないけどわかりやすいというか。
数値という媒体があるからかもしれない。世間話が下手なんだ。
持ち時間内で収まった。

BOSSの長話が終わった。
そして何故か取締役の紹介と挨拶です。
私はこれがいちばん馬鹿馬鹿しいと思っている。支店から見たら、自分たちに関係ある取締役はBOSSと支店の運営部門長(ナンバー2、3、4の毅、5)だけで、他は関係ないのよ。
取締役順位と職掌の改編があったから挨拶も兼ねてやるのは仕方がないんだけど。
支店の社員は自分たちの問い合わせに対応してくれる人が誰なのか知りたいのです。給与ならソリ合わないオンナやDON子、賃貸関係や社用車といったリース関連なら誰々、支払い関係だったら経理の誰々とか、窓口が知りたいわけです。お偉いさんを紹介されても接点ないモン。
私ですか?
行政と支店の橋渡しでもある私のことを知らない支店の社員なんていませんよ。
会議7交替させられたナンバー2.jpg
で、この取締役の紹介の中で、こないだの政変で交替させられた取締役ナンバー5(2から5になった)が退任の挨拶と、新たにBOSSの片腕でナンバー2に就任したニュー取締役の挨拶があった。
ナンバー2はまだしも、ナンバー5の胸中如何ばかりだろうかと思って見てた。
ナンバー2が優秀社員を表彰したのですが、その中に何と!草の者3号が。。。
こういうのって事前に「表彰されるからね」と内示があるのですが、後で3号に聞いたら事前に知らされてなかったと。
「聞いてないですぅ」
「あ、そうなの」
サプライス効果を狙ったかというとさにあらず。単に忘れてただけらしい。
表彰された3号-2.jpg
表彰された3号です。
「でもよかったじゃねぇか」
「まぁ、その、そりゃ、嬉しいことはウレシイですけど。こういのを取ると後のプレッシャーと、また業務が増えるんだろうなぁ」
そりゃそーさ。

ひとり話の長いヤツがいてね。
いや、本人の責任じゃない。誰も持ち時間を伝えていなかったのである。
こっちは皆、腕時計を見ながら「まだかよ」「長いな」、
毅は30秒で自分の持ち時間をサッサと終えたのは「オーバーした時間を短縮して戻すには、自分しかないと思って」
毅は現場の人間なので、こういう本社部門の連中には同格とはいえ冷めてるんです。

社員教育担当のU紀の出番がきた。
優秀な支店の表彰だって。売上だけではなく、利用者アンケートを集計して、接客がいいとか、差別化の一環で他にないサービスに取り組んでるとか、そういう部門らしい。
U紀はもと草の者だが、その中からひとり抜擢され従業員の接客教育を担当している。となると、かつて同輩だった他の草たちも、今度はU紀からそういった教育を受ける立場になる。立ち位置が変わったというか、逆転したのです。
草たちの中にはそれをオモシロからぬ者もいる。立場が変わったんだから仕方がないよな。
表彰店舗が多いな。新しい支店、もとからある支店、大きい支店、小さい支店、吸収合併されたばかりの支店が表彰されたのは、Welcomeや慰撫といった政治的意味合いが強い。新旧気を遣うというか、バランスを取ってたくさん表彰されてた。
会議6U紀の出番.jpg
U紀はいつもと声音が違う。私には蓮っ葉な口調で話すクセにさ。
後で言いましたよ。
「声音が別人みてぇだ」
「緊張してたんですっ」
「緊張するタマか」
「何ですって!」
「あ、いや」
U紀が読み上げた支店の中には、私から見て疑問符??がつくのもあった。こんな支店のあんなヤツにってのがあったのです。でもそれはそれでやりやすいのね。表彰されたんだから悪い部分を修正しなさいって言いやすいじゃないですか。
会議5淡々と進行1.jpg
私はずーっとツマんなそうに聞いてた。そろそろ終盤になったら前にいるソリ合わないオンナが静かに歩み寄ってきて、小声で言うには、
「もうすぐ終わりですけど。最後に皆でカメラに向かって集合して、手を振るんですって」
私は目を見開いた。
「あんだって?」
そしたら私の声がやや大きかったらしい。またU紀が「メッ」っていう視線を送ってきた。
マスク越しに小さい声で、
「マジかよ」
誰がそんなん考えたんだ。やるなんて聞いてないし。
「お願いしますね」
「ヤダよ」
「大丈夫ですよっ」
何が大丈夫なんだ。向こうにいるU紀がクスッと笑った。

「ではこれで終了します皆さん日曜なのにお疲れさまでした」のタイミングで、その場にいた数人がカメラに向かって手を振るんです。
「さぁお願いします」
ソリは私の首根っこを掴むように強引に立たせた。首は掴まなかったが二の腕を掴んで持ち上げるように無理やり立たせたんですよ。
無理して立ち上がった私は、最初は腕を上に上げないで脇を締めた状態でイヤイヤ手を振っていたら、今度は背後からU紀が私の肘を掴んで無理やり腕を垂直に上げたんです。豪華客船が出航する時に波止場の見送りに手を振るでしょう。あんな状態に強引に持ってかれたの。
私は50肩が痛むので両腕とも垂直に上げると痛いんだけど。
取締役たちが「お疲れでしたぁ」見てるであろう各支店長に手を振ったのです。バッカみたいだね。
そう言ったのは私の上長、私は中央に立たされ仕方なくイヤイヤ手を振った。

散会した後で、私はソリ合わないに文句を言った。
「急に言うなよ。私のカオを知らない支店長なんかいないんだから、私なんかが出なくてもいいんだよ」
「だからですよ。知ってるカオが写れば皆、安心するじゃないですか」
そういうことか。ものは言いようだな。

会議室を片付けて、各人デスクに戻って一服、12時には散会しようとしたら、空気の読めないBOSSがやってきて、
「さぁ、打ち上げ行きましょうか」
「・・・」、
「・・・」、
「・・・」、
「・・・」、
「・・・」
その場にいた誰もが固まった。
私、上長、ナンバー4の毅、ソリ、DON子、男性社員他、数名いたのですが、主だった取締役は会議室に籠って今後の打ち合わせか何かをしてたらしく席にいなかったのです。
誰もすぐには反応しなかった。できなかった。だって日曜日ですよ。昼から飲める店もあるにはあるが限られているし、24時間営業の居酒屋、町中華、地下街でひっそり営ってるアングラ酒場かそんなのしかないだろう。言っちゃ悪いが地下の酒場なんてのは換気もよくないし、逃げ場が無いし、感染防止対策もアヤしいからね。
誰も行きたがらない。誰も反応しないので、ソリが、
「今日は日曜だし、また別の日にしませんか」
ソリにしては上出来である。
「今の時期はちょっと」(上長)
今いるメンバーだけなら行っても構わないと思うが、大人数で繰り出すのも憚られる。
「そうですか。ではまたにしますか」
BOSSは寂しそうに去っていった。そのすぐ後になって、会議室から他の取締役たちが出てきて、
「BOSSはもう帰りましたか?」
って言うもんだから、
「帰りましたよ。でも今からでも呼んだら来るんじゃないですか?」

「〇〇さん(私のこと)行けばよかったじゃないですか」(ソリ)
またそうやって私に振る。
「私だって行きたかないよ。それに上の連中(取締役)が誰も行かないのに私だけ付き合ったら僭越というものだ。アナタ(ソリ)やDON子が行く方が全然かまわないと思うよ」
「アタシですか?アタシだってイヤですよ」
自分がイヤなのを何故、私に振るかな。
「それに日曜は毎回、実家の買い出しがあるんだ。」

ダメダメですね。BOSSの口から「さぁ行きましょうか」なんて言わせちゃダメです。前もって側近の誰かがBOSSに『終わったらどうしますか?』って持ち掛けるか『今は自粛しましょう』って釘を刺さなきゃね。恥をかかせたに等しいよ。

その後日、ソリが合わないオンナから難題をふっかけられた。
「BOSSと飲みに行ってあげてください」
「???」

「何で俺が」
「だって・・・」
「君が行けばいいじゃないか」
「アタシはイヤです」
イヤですだと?何で自分がイヤなのを私に押し付けるかな。
「BOSSと2人で行かなくても、DON子や、W美は・・・行かないかアイツは。〇〇部長(ジャン妻のもど上司さんで私語が多い人)と行けばいい」
「〇〇さん(DON子の本名)だって行きたくないって言ってるし、〇〇部長さんは最近目の手術をしたのと数値が上がっちゃって、ドクターストップがかかってるんですよ」
「で、何で俺なの?」
「だってBOSSと飲みに行ける人、話ができる人って年齢的にも〇〇さん(私のこと)しかいないじゃないですか。」
年齢的にだと?
フンッ、悪かったな。私はBOSSの5歳か6歳下なんです。
「他の取締役連中は行かないし誘おうともしないし殆どが下戸だし。唯一飲む毅さんだってブスくれてるし。」
このオンナ、私に振っといて、その理由は、自分が手を汚さないで私に押し付けてやがる。こっちの気持ちを度外視して勝手なことを・・・。

でも、考え方を変えると、他の上の者ではダメ、〇〇さん(私のこと)しかいないと、私を認めてくれてるのかな。

ここでひと呼吸、置いた。

「私だって過去にBOSSに相談があって、一席設けたこともあるんだよ」
「知ってます」
大門の小料理屋で一席設けてBOSSに相談したの。でも全く頼りにならなかった。ついに伊東甲子太郎が動いて会社間の調整になり、ジャン妻は移籍したのです。
その時の過去記事がこれ。記事中では〇長となっています。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2018-01-18

「あの時は〇〇(ジャン妻)の今後の去就の相談があって『相談したいことがありますお時間つくってくれませんか』って私から持ち掛けたんだよ。そういう何かのテーマがあればいいけど、テーマ無しで単にBOSSと世間話で飲むのかよ」
「その世間話が下手なんですよBOSSは。でもお願いします。取締役たちは誰も誘おうとしないんで」
確かに会社内の番付順だと、この私なんかでも取締役、部長クラスの次席にはなるんですけどね。等級も職位も勤続年数も年齢も上の方だし。
「ちょっと考えさせてくれ」
「お願いします」

2~3日、考えたんです。
私がBOSSとサシで飲むってか。
ジャン妻は上の別会社だし巻き込む訳にはいかない。犠牲者を増やしたくないので私だけで行くしかない。
この件をジャン妻に相談したら露骨にイヤな顔をしやがった。
「それってアナタがやらなきゃいけないの?ソリが合わないさんに踊らされて、彼女の掌でいいようにさせられてるみたい。それだったらイヤだな」とか言ってましたね。
ジャン妻は過去のBOSSとの会食、相談を思い出して、
「あの人は全然頼りにならない。会食してもメリットないわよ」
それでいてこういうことを書いたら書いたで「アタシが狭量な女みたいじゃない」かとか言うしさ。
「行くの?」
「行くしかないだろ」
「止めといたら?アナタがイヤな思いをして欲しくないの」
「いや、行く」
「・・・」

BOSSをお誘いした。この店を予約した。
店11.jpg
行くにあたって最初の出だしが引っかかる。
私はソリをコーヒールームに呼んで、
「BOSSはおそらく最初に『今日はどうしたんですか?』って聞いてくる。その時にまさか、○○さん(ソリの本名)から、『BOSSと飲みに行ってあげてください上の者が誰も誘わないなんてかわいそうだけどアタシは行きたくありませんお願いします』って私に頼んだんんですよ、とは言えないよな」
「あ、アタリマエですっ。そういう言い方しないでくださいっ」
「だからしないって。私に任せろ。こう切り出そうと思ってる」
「???」

前にボスが1-1.jpg前にボスが2.jpg
そして前にBOSSがいます。結果から言うと終始和やかで楽しい飲み会ではあったのだよ。ちなみにシャツの袖を見て欲しいのですが、長袖とはいえこれは9月上旬です。第3波前ね。
席について案の定というか、最初に言われたのが、
「今日〇〇さん(ジャン妻)は?」
「来ませんよ。私だけ」
BOSSはちょっと驚いた顔をしてた。そりゃそうだろうね。ジャン妻でもいれば安心しただろうし。誰かもうひとり居れば薄まるというか、緩衝材になるというかね。
「だってもう彼女(ジャン妻)はウチらと立場が違うから話題が合わないです。で、今日お誘いしたのはですね。こないだのWEB会議の後、BOSSは皆と軽く打ち上げに行きたがってたでしょう。」
「ええ」
「前は行かれてたんですか?」
「役員会のあった日には行ってましたけどねぇ」
「今はこういうご時勢だから仕方がないのですが、あの場でBOSSに「軽くいきましょう」なんて、ああいうことを言わせちゃダメですよね。私も○○(ソリ)も見かねたのです」
ボスは黙っている。
「あの日は日曜だから、私は実家に戻ってジャン母の買い物に付き合わなきゃならなかったので黙ってましたが、後日に○○(ソリ)が見かねて私に相談してきたんです。」
BOSSは目を見開いた。
「○○(ソリ)が私に、上が誰も行かないなら○○さん(私のこと)しかいないじゃないですかって。私はだったら君(ソリ)が誘ったらと言ったのですが、幾ら何でもソリがBOSSと2人で飲むわけにはいきませんよ。上の方が誰も行かないのに彼女がBOSSと会食したら僭越だし、○部長は術後だし」
BOSSに、気の毒だと思ったイコール同情、こうなるとプライドが傷つくだろうとそこは気を遣った。
前にボスが3.jpg宴たけなわ1.jpg
で、こうして会食しています。他に人はいないし、せっかくのチャンスだからズケズケと突っ込んで聞いてみたのです。「各支店を廻ってどうですか?」、「気になることってありますか?」、そんな風に切り出してから、個人的な人事評や、BOSSが心配している支店長、エリア、社員て誰です?とかね。
もちろんこの場で言えない内容は、「それはちょっと言えないですね」なんだけど、ここだけの話も結構あったのです。
ボスはWCへ行った.jpg
私はどうしても聞きたいことがひとつ、こっちの言いたいことが2つあった。これはいい機会だ。そうそうないだろうからね。
聞きたかったことは、今年の春過ぎに起きた政変についてです。
「何で彼を外したんですか?」
「う~ん、それはですねぇ」

「えっ、そういう理由なのですか?」

「ああ、そんな話をしたんだ。政変の原因はアナタのせいでもあるの?」(ジャン妻)
「ていうか、○○さん(私のこと)が言った通りでしたって言われた」

私も途中からやや不遜になってしまい、
「こないだのWEB会議であんな取締役連中の紹介挨拶なんて不要です。BOSSとナンバー2だけでいい。毅だって顔と名前が知られています。開発部長や経理部長、総務部長なんか支店にとっては関係ないですから」
我ながら不遜だよね。
これだけだと全否定になるので、
「支店の社員が知りたいのは、給与、庶務、経理面での支払い、窓口や担当者は誰なのか?なんです。役職者でない担当者たちこそカオなんです。ソリ、DON子とか・・・(以下、担当者、窓口たちの名前)・・・」
取締役連中はあそこまで出しゃばらなくていいんです。後ろでふんぞり返ってればいいんだからと、まぁ我ながら言いたい放題になってしまった。
前にボスが4.jpg前にボスが5.jpg
もうひとつ、「BOSSなんだからさ。朝礼や会議で、『お願いします』、って言うの止めましょうよ。『こうしろ』、命令調でいいんです」とも言ったな。
ところがBOSSは、「それができないんですよねぇ自分は」
「できませんかね?」
「う~ん、性格的にそれは無理かも。そういう意味で自分はTOPの器じゃないのかなぁ」
「強い口調で命令長で言い放つBOSSが見たいですね」
「う~ん・・・」

後でそれを聞いたジャン妻は顔をしかめた。そこまで言ったのか、言わせたのかって。
去っていくボスの後ろ姿.jpg
去っていくBOSSの後ろ姿です。
BOSSはこの店を気に入って、翌週、定年になって顧問になったお友達と会食するのですが「気に入りましたこの店にしよう」と言って女将さんに話をつけてたんです。
「気にいったみたいだ。予約してたし。」
「そう、それはまぁよかった」(ジャン妻)
そう、私も傍らでBOSSと女将さんの会話を聞いてたが、確かにあれは予約だったと思うのだが。

「〇〇(ソリ)うるさく聞いてくるだろうな。どうでしたか?って」
「それに答えるの?」
「当たり障りない程度でな」
「・・・」
だが私は翌日、神奈川県の某現場へ直行、その後も終日行政廻りをしてたのでその日は帰社しなかった。ソリには報告していません。報告?何でアイツに報告せにゃならんのだって。
その間に私がBOSSと2人で飲みに行ったのは噂で広まっている。私とBOSSが連れ立って歩いてるのを若手の男性社員が目撃して、ジャン妻に聞いたのです。
「アタシは行ってないわよ。彼だけ」
「ホントに2人で行ったんですね」

ところが。。。

店1.jpg
店2.jpg
スパムステーキの店に入る10分前、ジャンの携帯が鳴った。
この店からだった。いつもの店のひとつであり、BOSSと一緒に行った店でもある。
イヤな予感がした。
店26.jpg
架けてきたのはフロア担当する年齢不詳の女性スタッフで、
「〇〇さん(私のこと)の携帯でよろしいでしょうか?」
「ええそうですが」
「先日お見えになったお連れさん、ご予約いただいているのですがまだお見えになってないので。その方のお電話番号をちょうだいしてもよろしいでしょうか」
「ええっ!」

BOSSはスッぽかしたか。ド忘れしたのか。
「彼、来てないんですか?」
「ハイ~」
「わかりました。では自分からかけてみます」
「ムムム・・・」
「BOSS行ってないって?」
「だってよ。アイツっ」
TOPのことをアイツもないもんだが、BOSSの携帯に電話した。

「先日ご一緒した店から電話がありましたよ。今夜そこに行かれてないんですか?」
BOSSは携帯の向こうで固まった。やや絶句していた。
何となく「シマッタ」感はあったが。
「あ、そうでした・・・か・・・。う~ん、ハッキリ予約したつもりは・・・」
「でも店はそのつもりですよ。今、何処にいるんです?」
「いや、もう全然違う別の店にいるんですよ」
既に始まっているのでこの奇禍に対処できないのがわかったよ。
「もう別の店に入っちゃったんですね」
「ハイ、申し訳ないですが、う~ん、ちょっと今からでは行けないですね。す、すみません」
「わかりました。ではこちらで善処しておきます」
ブチッ!
切ってやったよ。
「BOSSはもうお連れさんと別の店にいるんだとよ。今からは行けないって」
「まぁ。何で?」
「忘れたんじゃねぇの」
その店まではここから遠くない。
「仕方がない謝りに行こう」
私は踵を返してこっちの店に行ったんですよ。
店26.jpg
換気の為に扉は開いていた。女将さんが立っていて、私は女将さんに深々とコウベを垂れました。
ここで話を作りました。「BOSSから今日急な都合で行けなくなった。その連絡は私の携帯に来てたのですが私が着信に気づかず、こちらへ連絡が遅れたんです申し訳ありません」って庇いましたよっ。
「今日の埋め合わせは私らがしますので。」
「私もお名前とお電話番号を聞かなかったものですから」(女将さん)
でも私はBOSSが女将さんに「よろしくお願いします」と言ったのを見ています。店に対して申し訳ない気持ちと、俺らの行きつけの店をスッポかしてカオに泥を塗られたに憤慨した。
ウチも小売業の側面があるし、こういう世界では口約束が何より大事だろうよ。
申し訳ない気持ちを抱えたまま、スパムの店に戻ったのです。
ジャン妻も憮然.jpg
最初の膳ならぬ憮然.jpg
「今日のおとおしは、ホタテのヒモです」(マスター)
ホタテのヒモね。コリコリして美味しいけど、ビールがすっげぇ苦いのはドタキャン(というか、ド忘れ)をやらかしやがったBOSSのせいだな。
ホタテヒモ.jpg
メ1.jpg
メ2.jpg
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「ったく。ザケんなって。俺らのカオを潰しやがってからに」
ジャン妻は「さぁもう気分を変えて飲みなおしなさいよ」と言うが、つい今しがたのことなのでそうそう簡単に切り替わらないよ。
スパム、ポテ、水餃子、久々にオーダーしたつくね(おでんの具みたいだった。)稚鮎の唐揚げと続きます。
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スパム2.jpg
スパム3.jpg
スパム4.jpg
スパム5マヨ.jpg
ポテ1.jpg
ポテ2.jpg
「実はねぇ。今日、あの店にランチに行ったのよ」
「そうなのか。わざわざ。遠いのに」
「ママ喜んでたんだけどねぇ。来ていただいて、今日のご予約までいただいたって」
ムカ~ッ!
「もうアイツとは飲み行かねぇ。あの店へも出禁にする」
「まぁアタシたちのカオに泥を塗ったんだからねぇ。でも〇〇さん(ソリ合わないオンナ)には言っちゃダメよ」
「言わねぇよ」
その後もBOSSへの憤懣は延々続いたが、今いる店で、BOSSがスッポカした別の店のネタを引きずって飲み喰いしても全然味がしないね。砂を噛んでるようなものだ。
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「アナタこういうのいちばん嫌うパターンだからね」
私は時間と待ち合わせにはウルさいのです。財布の金は自分のものだが、時間は自分だけのものじゃないからな。
「もうBOSSとは飲みにいかねぇ」
「・・・」
「〇〇(ソリ合わないオンナ)にバラしてやる」
「ダメだって。それはやめなさい」
「何でだよ。発端はアイツ(ソリ)が『BOSSと飲みに行ってあげてください』って俺に頼んだんだから」
「でもソリさんとそういうネタで盛り上がってほしくない。何かアナタのレベルが彼女まで下がったようでイヤなの」
じゃぁ俺ひとりでグッと堪えて呑み込めってか。
ますます憮然とする私です。
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締めは白菜キムと韓国海苔、巻いて食べます。焼酎オンザロックに合います。合うけどやっぱり内心で屈託や憤懣を抱えてると何を食べても美味しくない・・・とは言わないが、味の余韻が残らないものだね。胸がつかえるんです。この店のせいじゃないけどね。あっちの店と今いる店、どちらに対しても申し訳ないというか。自分を責めるような酒だった。
一升瓶ボトルが無くなったので、新しいボトルを入れたんです。焼酎にしては結構いい値段してたよ。酒の金額が食い物の金額を上回った。
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「明日、話すればいいじゃん」
「明日は北関東ラウンドだから本社には行かない。会わない。そっちは?」
「アタシは在宅。じゃぁ明後日?」
「明後日も午前中は検診(胃カメラ)だから。午後から行くけど。でもこっちから話しに行く筋合いじゃねぇぞ」
少しやけ酒みたいになってしまった。

でも同じ会社内です。会わないわけにはいかない。
BOSSと再開したのは翌々日の午後です。私は午前半休、11時から胃カメラ、12時半に出勤、13時まで絶食絶飲、まだ胃癖が鈍い感があるので、外出しないでデスクワークしてたら視線を感じた。
BOSSが廊下から事務所を覗いて私を手招きしてるんです。

私は胸中に波風が立ったが、気持ちを抑えながら立ち上がった。
BOSS室に入ったんです。廊下で立ち話する内容じゃないから、私が招き入れたの。
「〇〇さん・・・」
「何をやってんですかぁ」
「いや、それがですね」
「私と行ったあの夜、予約されたじゃないですか」
「いやぁ、自分、そこまでの気はなかったつもりなんですが」
でも口約束って大事だろう。こういうご時勢だから店も喜んだんだからさ。アナタは台無しにしたんだよ。それも俺ら(私とジャン妻)のいきつけの店でさ。俺らのカオにも泥を塗ったんだよと言いたかったね。
「あの後すぐに店に行って謝っておきましたから」
「あ、それがですね」
それがですね、が2回続いた。それがどうしたんだい?
「行ったんですよ」
「???」
「あの後、行ってきたんです。2軒めで」
「行かれたんですか!!」
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で、その日の夜にこの店ですよ。「空いてますか?」の電話は入れてません。いきなり行ってみたの。こっちもバツが悪かったから。
「こないだはすみませんでした」
「でもあの後、あの方お店に来たんですよ」(女将さん)
それは知っている。BOSSから聞いたからね。
傍らにいたジャン妻は目を剥いた」
「来たの?来たんですか?」
「そうなの。お見えになったの」
「今日の午後ギュウギュウに絞っときましたから。出入り禁止だ、俺らのカオに泥を塗ったってね」
女将さんはやや慌てた。
「いえいえ、私もちゃんとお名前とご連絡先を聞かなかったし」
だがそれでも大事なのが口約束どいうものだ。ましてや飲食業ではコロナ禍のせいでタイヘンなんだから。どれだけ店にダメージを与えるか。
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おとおしは夏野菜のピクルス、酢っ気の弱いもの。(酢っ気なんて語あるのか?塩気にひっかけただけ)
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さて、胃カメラの後なので、何にしましょうかね。
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多くてズシッとくるものは避けた。ジャン妻の好きなクリームチーズ大葉包み揚げとか、
「今日は昼前に胃カメラたったから、揚げ物は無しな」
珍しく自分からそう言った。鼻から胃カメラ、苦しかったですよ。空気を注入されてガスが。。。おっと、止めとこう。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-09-28-1
胃カメラの後、2時間は「水も飲んじゃダメ」だったので喉が渇いている。生ビールが美味しいぞ。
過去気ににあるように昼はこの店近くにある「食券のいい加減な店」に行って、スープご飯っていう雑炊をサラッと食べたが、あれはご飯がチャーハンスープぐらいの量しかなくて、野菜と汁ばっかりなので腹持ちしない。
今宵オーダーしたものは、ポテサラ、辛味大根のジャコおろし、そんなに辛くないけど。玉こんにゃくの粉節煮、銀鱈味噌漬焼、和風クリーむチーズといった軽いものだけ。酒は八海山、あまりコクが無いので鶴齢も。2人で4合ほどで止めといた。
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ジャン妻は呆れてた。
「来たんだあの後」
「そう」
「今日、BOSSに手招きされてさ」
で、場面はBOSS室に戻ります。
「あの後、お店に行ったんですよ」
「行かれたんですか?」
「ええ、2軒めで。行ったら混んでたんですよぉ」
あのさぁ。そういう問題じゃねぇだろ、とは言わないし言えないよ。そりゃBOSSの予約席がキャンセルになったんだから、店側も頑張って客引いたんじゃないか。
「女将さん何か言ってましたか?」
「お待ちしていましたって言われました」
私は苦笑したが女将さんに感心もした。さすが大人の商売人だなって。
お酒や料理を持ってくるスタッフにも私は軽く謝罪したが、
「2軒めに来たそうですね。だったら最初っから1軒めっからここへくればいいじゃねぇかよなぁ」
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「行ったらお店、混んでたんですよぉには失笑したよ」
「ふぅん、混んでたんだ」
今日もそこそこ客がいる。後ろの4名グループ客は1席ずつ間隔を空けて、昨今の政治談議で怪気炎を上げていた。
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私はBOSSの失態を水に流しながらもこう言いました。
「今回はまだいいけど、そんなんで諸事万事大丈夫ですか?」
「・・・」
「この私が覚えてますから。確かに予約してましたもの」
「まぁその、やっぱり・・・」
「???」
「あの夜、飲み過ぎましたかねぇ」
(@“@;) ←そう言われた私のカオ
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「その遣り取りをしてる時って、周囲に誰かいたの?」
「BOSSに呼ばれた時は上長と〇〇(若手社員)だけだったな。ソリはいなかった。席や廊下で喋ったんじゃなくて、BOSS室の中でね。だから聞こえなかったと思うよ」
「〇〇に言われたのよ。こないだBOSSと3人で飲みに行ったんですか?って」
「私も言われた。ホントに2人で飲みに行ったんですねって」
ラッキーなことにソリ合わないオンナが傍にいなかったんです。いたら「どうしたんですか?何があったんですか?」ってうるさく聞いてくるからね。
私の左には上長がいるけど無神経な人で、他人への気配りもないし、私の動向を気にする人じゃない。DON子も在宅勤務だった。人が少なくてよかったねBOSSって言いたいよ。
軽いものばかりでお腹がクチくならないので、締めはジャコご飯とアオサ入りの味噌汁で。
揚げ物、油ものがない和食の肴って食べてて楽ですね。
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グビリッ!!
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「来たんならメールでもくれればいいのにねぇ」
「BOSSに限らずウチの上役連中は20時以降の業務メールは禁止されてるんだよ」
でも「あの後行ってきましたから」ぐらいはあってもいいかもね。
「謝りに来たあの夜は『自分とこにBOSSから都合悪くなったって着信があったのに、自分が気づかなかったゴメンなさい』って話を作ってるんだよね。それがBOSSを庇うが為の作り話だってのがバレちゃったかもな」
「いやぁ、それは気にしないでいいんじゃない」
ここんトコ大事、私は上役を庇って泥を被った(そんな大袈裟なことでもないけど)つもりだったのだよ。
それが無に帰してしまったけど。俺ってエライなぁって思う反面、下手な繕い事は後で意味を為さなくなるんだなって思った。
「でもまぁよかったじゃない」(ジャン妻)
「そうかな。ワカラン」
私は100%胸を撫でおろしたわけじゃない。BOSSのド忘れに一抹の不安があるのだ。単に飲み過ぎて忘れただけだと思いたいがね。
長々とありがとうございました。私とBOSSとの関係はまぁまぁ円満、潤滑にいってますのでご安心を。
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Vacant room [人間ドラマ]

支店は空き部屋になっていた。
私とZ女史がいた頃の盛況振りは夢の跡になっている。
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中にあったものは全て撤去され、全室とも現状快復工事を済ませて家主さんに引き渡した。

空き部屋になる前、ここにZ女史は16年勤務していた。最初は一般社員だったらしいが、私が初めて出会った時は責任者になってましたからね。
窓辺にキーホルダーが置いてあった。

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Z女史のキーホルダーだ。
このキーホルダーにはメインの自動トアの鍵、シャッター開閉ボックスの鍵、警備解除のタッチキー、裏口の鍵、各部屋の鍵、そんなのがホルダーされてたんだろうな。

立ち合いしたウチの若いのが言うには、
「Zさんに近日中に会われます?」
「会うよ」
会う用事なんてないんだけど気になるのでそう返したの。
「このキーホルダー・・・」
「ああ、俺から返しておくワ」

私と女史はここで最初に出逢った。責任者でブイブイ言わせてましたね。
それから10何年経って、厳しい経営上の理由でクローズに至ったのです。女史は長年いた思い入れあるこの地を離れて今は別の支店にいます。

「あの人(Z女史)って今まで異動したことないんですか?」
「ない。私の知る限りではない」
「珍しいですねそういうのって」
「稀有な存在だよ。ずーっとこの店のヌシだったからね」
ウチの会社は異動がやたらと多い会社だが、何故か女史だけは異動が無かった。クローズになったから初めて異動したのです。ずっとずっとずーっとひとつこの支店にいたので異動の経験が全く無いのです。そんな社員、普通はいないですから。
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クローズするにあたり女史は不安にさいなまれた。異動が無いまま10数年、他を知らないで今回提示された異動先の環境に受け入れられるか不安だったのだろう。
でもそんなん誰だってそうだよ。
「他を知らないのよ。ずーっとここだったモン。不安なのよ」(女史)
「異動が無かったってそんな社員は他にいないよ。よくずっとここにいられたね。稀有な存在だ」
「なんですってっ!」
女史は眦を釣り上げた。
「ウチはチェーン展開なんだから」
「わかってるわよっ」
他を知らないイコール井戸の中の蛙だよと言いかけたけどさすがに言うの止めた。油に火を注ぐようなものだからね。あっ、逆か、火に油か。

女史はこれを機会に退職も考えたらしい。
私は退職するフリをしただけだと思っていますけどね。閉鎖を決定した会社にちょっと逆らってみただけですよ。
私はもう昔のように女史の担当でも交渉窓口でも何でもないのだが、「辞めます」と言われたら、もう今回は引き止めないつもりだった。これから先の彼女の人生は会社が決めるのではなく、彼女自身が決めればいいと思った。
だが、コロナ流行と感染拡大、このご時勢もあって退職は思いとどまった。初めての異動を受け入れたのです。

実は私、女史の現場がクローズになることは半年前、春頃だったかな。薄々知ってはいました。ジャン妻が作った全社全支店の予算策定フォームに、女史の支店だけある時期から売り上げが空欄だったのでそれでわかったんです。
「Zさんの店、閉めるみたいよ」
「そうか」
来る時が来たか。数字に表れた以上は決定だろうな。
でも今のウチの上長は、私と女史の長年の関係を知らない。私にではなくソリの合わないオンナに先に話しやがったんですよ。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-03-08
この記事で、前にいる例のソリ合わないオンナN子が、女史の店をクローズするネタを上長とヒソヒソ話しています。当然、こっちにも聞こえたよ。人件費の振り分けがどうこう言ってたな。
ムカついたので外出途中からCメールしたのよ。
「さっき聞こえたぞ。女史の支店がどうしたって?」
後になってソリから着信があって出たら言い訳タラタラで、
「まだ極秘事項なので洩らさないでください」
「その極秘事項を俺に聞こえるように喋ってたのは誰だっ」
「ハイ・・・」
ソリさんよ、お前さんだって私と20年近くいるだろ。私とZ女史の関係は知ってるじゃないか。

クローズの話がOPENになってから私は女史は詰め寄られましたよ。
「前から知ってたんでしょっ!」
「まぁな・・・」
「何で先に言ってくれなかったのっ?」
先に?私の口から聞きたかったってこと?
「そういうのは正式決定する前に私の口からは言えないよ。正式に言うのは現場を統括する部門長だよ。彼、言いに来たんでしょ?」
「来たわよ。来た彼の表情を見て、あっ、とうとうそうなるんだってすぐ思ったもの。それまではろくすっぽ来もしなかったんだからさ。」
ということは、女史も日々の数字を見て先行きが厳しいとは感じてたんだと。覚悟はしてたんだとさ。
「部門長はここに来て何て言ったのさ?」
「決まったからって。それだけよ」
「それだけ?」
「そうよ。バカにしてるワ」
無機質な言い方だなぁ。「決まったから」、これだけかい。

「で、今後は?」
「異動先を2か所提示されたわ」
何処か聞いたらもちろん自分も知ってるし出入りしている支店だった。2つのうち1つは懇親会に3回呼ばれています。そこの支店長のT女史(仮名)ともいい関係(ヘンな意味ではない。)ではあります。
「異動先を提示されたのはいいんだけど、『Zさんもあと〇年だからウチにいた方がいいよ、退職金が満額出されてそれ以降も働けるからさ』って言われたわ。それにカチンときて」
ふぅ~ん、予想通りだ。
退職金満額云々って言っちゃったのね部門長は。
会社的に、立場的にはそう言うのもアリなんだろうけど。この女史に対しては敢えて言わない方が良かったんじゃないかな。
「お金の問題じゃないわよ」
ほうら、そう来たよ。
お金の問題って大事なんだけどね。会社側は女史の今後を会社也に心配して言ったけど、女史の年齢に照らし合わせて残り何年って算盤弾いたら逆鱗に触れたらしいな。
女史みたいに小さいプライドが高いベテラン女性にいきなりお金の、それも退職金の話なんかしたらアカンのですよ。そういうのは後から付いてくるんだし。
退職金云々だと、「どうせアタシはあと何年よ」ってなるじゃないですか。
前にもあったんだよ。別の部長さんが、「Zさん定年まで頑張ろう」ってね。「アタシは定年以降は要らないのね」ってアタマに来た女史は定年の無い会社を探したんだそうです。
でもウチの会社も、定年以降も再雇用で延長が義務になってるんですよ今は。

私だったら何て言うかな。
今日までを労ったうえで、
「これまでの経験を今後、他でも活かしてください」
だろうな。それだけでいいんですよ。

会社側のナンバー2が言ってしまったことに対して私はフォローしなくてはいけない。
「あのさ」
「なによっ」
「彼(ナンバー2)は口下手だから」
「それは知ってるワ」
「彼にしてみりゃお金の話とかを言うしかないさ。会社側はお金・・・って言うと生臭いけど、待遇云々を提示して社員を引き止めるしかないんだよ。Zさんに損がないようにね。それが会社だよ」
「・・・」
「彼の言ったことは間違ってないよ。むしろ彼の口から、『自分も会社もZさんを今後も必要としています』、な~んて言う方がウソくさいぜ」
「!!!」
フォローになってますかね。なってない気もするが。

「他、探したの?」
「探してはみたけど、アタシのこの年齢で・・・何よっ、あるわけないでしょうっ」
「だよね」
「ムッ!」
「Zさん」
「何さっ」
「残りましょう!」
「・・・」
「この話を知った時、自分は今後のZさんの人生を思うに、もし他をお探しになるなら無理して引き止めなくてもいいかなって思ってたんだが。」
「・・・」
「気が変わった!」
「!!!」

今まで何回か女史は、「だったら辞める」の繰り返しでしたが、その都度、「子供の教育費云々とかあるから辞めない方がいい」って何回も引き止めてます。
でももうお子さんたちも手が離れたから、今後は女史の好きにしていいのだが。
「残ろう会社に」
「・・・」
「こんなコロナのご時勢で冒険しない方が絶対にいい。まず異動してごらん。それからだよ」
「・・・」

少しだけ間が合って、
「異動は・・・受け入れるつもりよ・・・」
「うん」

会社は女史がいた支店をクローズするのではなく、他社へ売却の方向も検討したらしい。
だがそれには条件があって、売った相手(買った側)に最低でも1ヶ月、女史は出向しなくてはならないのです。これまでの管理者が残って次に引き継ぐ、これが保険の世界での条件なのだ。
ところがこの売却案が女史の知ることとなり、次に会った時、私は女史にこう言われた。
「買ってよっ!」
「???」
「〇〇さん(私のこと)がこの店を買ってよっ!アタシと一緒にっ!」
「!!!」
・・・

買ってくれってか。
無理言うなって。私は買う気なんてないし資金も無いし、今の会社に在職しながら別途経営するなんてことは副業を超えて社内規約に反する。
誰が女史に売却の方向性なんかを伝えたんだ。女史が買った他社へ移籍するなんてことにもなりかねないんだよ。それこそ人を捨てて売った金だけになるんだ。

でも、「アタシと一緒に買ってよ」ってか・・・
アタシと一緒、そう言われて、その、なんていうか、不思議な恍惚、感動を覚えた気もするんだな。そこまで自分のことをって。

でも感動してる場合じゃない。現実に立ち返って言った。
「無理だよ」
「・・・」
「そういう気はないな」
「・・・」
「私は会社側の人間だからね」
「そ、そうよね。・・・ゴメン無理言って・・・」
「異動は?」
「するわ。するしかないもの」

当初この記事のタイトルは、
「アタシを買ってよ!」
にしようかと思ったら、
「そんな誤解を招きかねない品の無いタイトルは止めなさい」
ジャン妻から制止がかかったものですよ。

売却案は流れました。大家さんの意向もあって、次のテナントが決まりかけていたのもある。
あとは最終営業日まで心にさざ波が立った穏やかならぬ状態で勤務を続けて、クローズした後は後片付けがある。これがタイヘンな作業なのだ。閉店による後始末作業は負のパワーが要るんですよ。
その後は異動先での勤務に慣れないといけないから、あまり長く閉店後の作業に携わっているわけにもいかないのです。
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モザイクだらけのこの写真は最終営業日の風景、私は営業廃止に関する様々な書類を持って女史に渡した。右端には女史に閉店を言い渡しに来た男性もいます。
写ってないけどスタッフの中にはO美(草の者1号、昨日の記事の傘ガール)もいて片付け作業をしてた。1号は正式な職制では女史の部下、右腕だったのです。
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「Eさんから電話があったわよ」
「Eから?」
Eとは自己都合で1年だけ女史の支店で勤務した群馬のママさん社員ですよ。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2018-11-07
私はEから「コロナ感染拡大のこの時期に東京から来ないでよ」と言われたのにカチンときて、Eとは疎遠というか、音信不通になってたんですが。
「私はEに喋ってないよ。誰がどういうルートでEに喋ったんだ?」
「誰々さんルートだって」
そういうお喋りなヤツがいるのですよ。
「Eさんたら、店閉めちゃうのぉ~、Zさんどうなっちゃうのぉ~、何処かへ異動になるのぉ~ってうるっさくってさぁ」
「Eのヤツは彼女也にZさんのことを心配はしてるんだよ。ただ、うるさいだけで」
「わかってるけどさ」
わかってるけど言わなきゃ気が済まないのが女史です。
こないだの群馬ネタの何処かで、私はEに会ったのですが、その時も、「異動先でZさん上手くやってるの?」とは言ってたね。
お喋りで地獄耳だから興味本位に取られかねないが、そんな性格悪いオンナじゃないです。やはり彼女也に心配はしとったですよ。

次に女史は私にこう言ってきた。
「〇〇さん(私のこと)も片付け手伝いに来てよ。〇〇さんだってこの店に思い入れあるでしょ」
今度はそうきたか。
思い入れはあるけど。ここで出会って一緒に勤務したんだから群馬に飛ばされる前まではね。
でも「思い入れあるでしょ」ってこういう辺りは女だなぁって思った。感情を共有したいんだね。

だが私は片付け作業に参加しなかった。政変があってナンバー2が交替になり、新なナンバー2はクローズ作業の手伝いを申し入れた私にこう言ったんです。
「大丈夫です。ウチの部署だけでやります。ご迷惑はおかけできません」
後でジャン妻は「それはアナタの言い方がマズかったのよ」と言う。私が新ナンバー2に「Zさんから頼まれているんだけど」と持ち掛けたら新ナンバー2は、Z女史が私を巻き込んで迷惑をかけたと思い込んだフシがある。
女史はムクれた。
「手伝いに来てくれないの?」
「う~ん、ストップがかかった。自分の言い方もマズったんだが、部門長からウチの部署だけでやりますって言われたから公には手伝いできないなぁ」
でも結果それでよかった気もする。私がいると女史は感情的になるからね。泣かれても困るし。
閉店後のいよいよ片付け最終日、女史が他スタッフたちとどういう別れ方をしたかも知らない。片腕だったO美(草の者1号)は後日になってからジワジワ寂寥感が沸いてきたそうです。
昨日の傘忘れネタは異動してからの話です。

1ヶ月くらい経ってから女史の異動先に冒頭のキーホルダーを返しに行ったのよ。私が持っててもしょうがないからね。要らなきゃ女史が捨てればいいんだ。
1ヶ月ぶりに会った女史はジト目で私を見た。
「来るのが遅いわよ」
「イヤイヤ、忙しくて」
「フン、そうよね。お忙しいですものね」
やれやれ。イヤミか。場所が変わっても本人は変わんないね。
私は女史と、いる支店の風景を見渡しながら、
「ふぅ~ん」
「何?」
「今までZさんはあの店(閉めた店)でしか会ったことがないから、他の場所で会うと何だか違和感があるけど、そのうち見慣れるんだろうな」
「何とかやってるわよっ」
「それは重畳」
キーホルダーを渡した。
「何これ?」
「あっちにあった」
「要らないわよ」
「また何か鍵でもホルダーしたら?この店の鍵とか」
女史は無言で受け取ったが、
「何で会社はああいう写真をアタシに送ってくるのよっ」
冒頭に載せた写真、工事終了して何もなくなった旧店舗の写真が女史の異動先の業務PCに送信されてきたんだと。郷愁を呼び覚ますようなことをしてからに。

女史が異動した先には古参の女性社員T女史がいて一応は私のシンパです。閉店した店で私と組んだこともあります。群馬に赴任する直前の休日当番で組んだんだった。
Z女史とT女史も旧知の仲ですが、T女史はジェラシーがね。私がT女史がいないときに出向くと、
「アタシがいなくてよかったですね。Zさんと2人で楽しくお話ができたでしょう」
T女史からこんなイヤミなメッセージが届くんですよ。
で、T女史がいる日に出向いてZ女史が不在だったりすると、今度は、
「Zさん今日お休みですよ。残念ですねぇ」
そんなイヤミを言われる。
じゃぁ2人揃っている日に出向くしかないのだが、2人いたらいたで2人交互にバランスよく話しかけなきゃならないのだ。
T女史は、Z女史がいた店を閉じたもとナンバー2が大嫌いなのだが、他にも嫌いな幹部が複数いるのです。
「誰か好きな人はいないの?」(ジャン)
「いますよ。〇〇さんかな」
私のことですよ。こっちも枯れてきてるし別に自画自賛してるつもりもないからね。ただ、そういうことをZ女史の前で言うもんだからさ。Z女史はそっぽを向いてたよ。
大丈夫かなぁ。第2幕は。
Z女史は「アタシがいる日に様子を見に来てよ」って言うしさ。まだ何か不安要素があるのかな。
「しばらく来ないよ」
「あ、そう。じゃぁお元気でね」
あのねぇ。。。

「キーホルダー返していただけましたか?」(冒頭の若いの)
「返したよ。現状復帰工事後の写真彼女に送っただろ。あんな写真送ってきて哀しくなるじゃないかって詰られたよ」
「ええっと・・・Zさん元気にやってましたか?」
「やってたけど・・・」
その話の流れで、私がZ女史とT女史の板挟みにあってる話をしてしまった。
「何であの2人をくっつけたんだろうな」
「それって。。。」(ソリ合わないオンナ)
「何だ?」
「いえ、何でもありません」(ソリ)
「男冥利に尽きるんじゃ・・・」(若いの)
(-“-;)
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傘を忘れた [人間ドラマ]

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傘が2本あります。
左が私の傘で、右は私の影の部下、草の者1号の傘です。
何で傘が2本あるかというお話です。
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とある平日、その日は文京区~足立区~そして何故か西東京にジャンプするという東西に長い移動ラインだった日のこと。
文京区役所は例の高層タワー、そこに直行しました。JR品川駅から都営三田線、春日駅に下りて、そこから地上に出たのです。
足立区の最寄り駅は梅島駅なので、路線を検索したら、

春日~都営大江戸線~上野御徒町駅~徒歩4分~仲御徒町駅~メトロ日比谷線~梅島駅と表示されて、料金は423円、値段を記載したのは私の業務経費出納帳と照らし合わせただけでたいした意味はありません。

御徒町駅~仲御徒町駅への乗り換え通路を延々と歩いて、日比谷線に乗って、北千住駅手前の墨田川橋梁を渡った辺りで気がついたのだが。

傘を忘れた。。。

春日駅ホームの後方端っこ、ホームの柵にひっかけたまま忘れてしまったのを思い出した。
しまった。今日は夕方から夜にかけて雨が降るって昨夜、NHKの舟木さんが言ってたな。
何で傘を柵に引っかけたのかよく覚えてないのだが、携帯に着信があって折り返したか、蒸し暑かったので上着を脱ぐ際に引っかけてそのまま忘れたか。
安いビニール傘ではなく長年使った馴染のある傘なので、三ノ輪駅で折り返して取りに戻ったのです。いったん改札から出ました。出てまた入りなおしました。何でかって私が傘を忘れたのはメトロ圏内ではなく都営大江戸線だからですよ。いち路線で完結できないからです。

長年使った傘を取りに戻る私は心中で臍を噛んだ。傘を駅に忘れたことの後悔と、所要時間をロスした悔しさと、自分の迂闊さに腹が立ったのと、人生で傘を失くすのは日常よくあることなので、わざわざ取りに戻る必要あるのかなとか、戻ることの費用対効果&時間対効果や、今日のスケジュールは無事に完結できるのかとか、考えてもしゃーないことをいろいろ考えたわけですよ。
自分のミスで来たルートを戻る電車のスピードが遅く感じられる。仲御徒町駅から上野御徒町駅の乗り換えルート距離が長く感じられる。
歩きながらまだ傘あるかどうか心配になってきた。徒労に終わるのではないかと。
でも他人の忘れた傘なんて普通の人はます拾って使ったり、駅員に届けたりしないよね。コロナ感染拡大の時勢なら余計に他人が使った傘なんか触りたくないよね。回収するのは駅員さんだろうな。
駅員さんが拾って遺失物に廻したかな、だとしたら身分証明が必要かな、ったく傘ごときに振り回されてからにと、イライラしながら考えてましたね。

イライラのモードが沸点に達したのが上野御徒町駅でしたが、そこで大江戸線に乗ったら、今度は気恥ずかしさが沸き上がってきた。
もし傘があっても、それをあったったとばかりに喜び勇んで手に取って、反対側の電車で戻ったら、ホームにいる誰かが私を見て、
「あ、アイツの傘だったのか。」
「アイツ忘れたのに気がついてわざわざ戻ってきたのか。どこまで行ったんだ?」
「たかが傘ごときで」
誰もそんなことを言ってないのにストーリーテラーになってしまったものである。

焦る私を乗せた大江戸線は春日駅に滑り込んだ。さっきはホーム後方に忘れたので私は先頭車両に乗っています。窓から見たら傘があったんですよ。柵にブラ下がってたの。
ホームに下りました。ズカズカ歩み寄って傘を手に取った。誰か見てたかどうかは知らない。
そしたら傘の声が聞こえた。「戻ってきてくださったんですね」って。女性の声にしておきましょう。
私は傘に詫びた。ゴメンな忘れて。無事でよかったと。回収した傘を、「お前を二度と離さないぞ」気分で愛おし気に抱きしめた。

私は春日駅でもまたいったん改札を出て入りなおしています。都営~メトロで2往復したことになりますがちゃんと運賃支払ってますから。
経費と時間をロスしたので、せめてこれはネタにならないかなと思ってこうして書いてますが、傘を忘れて取りに戻ったくらいではネタにならない。
こんなネタを書いてよく恥ずかしくないなって?
いや、恥ずかしいけどさ。この後、同日の午後から夕方にかけて、今度は第三者の傘ネタに巻き込まれたのです。

傘を持って足立区にとって返した私はそこの公用を終えて珍来総本店でランチを済ませました。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-09-28
そして西東京方面へ向かうのに東武線で北上、南越谷駅でJR武蔵野線に乗り換えています。
ぐるーっと西へ1/4の円を描くように大移動、西国分寺駅で中央線に乗り換えたのです。
武蔵野線車内では私は眠ってました。自分のオッチョコチョイに疲れたんだと思う。そしたら業務携帯のCメール着信で目が覚めた。
電車は新小平駅まで来てたので、目を覚ましてくれてよかったのですが、Cメールの相手はO美といって、草の者1号からだった。
「今いいですか?」

「武蔵野線の中だからちょい待て」
「これから〇〇店に行きます。13時半には着く予定です」
〇〇店?
「私もそっちに向かってるぞ」
そう返信して、西国分寺駅で乗り換える過程で折り返したら電話に出ないのです。私は中央線に乗り換えたのだが、その車中で草1号とCメールで簡単な業務指示と確認事項を交換することはできた。
それで終わったと思ったのだが、少し経ったらまた草1号からCメールが届いた。以下の「」は全て草1号とのCメールのやりとりなのですが。

「〇〇店に向かってるんですよね」
「そっちで会えるかな?」
「実はもう出てしまったんですが。ひとつお願いしたいことがあるんです」
もう出たってか。早いな。私はメールを打つのがめんどくなって再度、電話したのですがやっぱり出ないのです。
「すみません今電車です。〇〇店に着きましたか?」
「まだ。もうちょい。願い事って何?」
「〇〇さん(私のこと)今日は荷物たくさんありますか?」
何を言いたいんだコイツは?
「いつもと同じだよ。カバンひとつ」
「実は〇〇店に傘を忘れてしまったんです」

傘を忘れただと?

おまえもかよって。
私と草1号は直接の上司、部下の関係ではないのだが、午前と午後に上司と部下2人して何をやってるんだろってオカしくなってしまった。
「荷物がたくさんでなければ、私の傘を本社に運んでいただきたいと思ったのですが」
はぁ、私に傘を運べってか。
自分の傘と併せて2本持たなきゃならないじゃないか。仮にも私は上役だぞ。図々しいヤツめで済む話なのですが、私もこの記事の前半で書いたとおり、傘を春日駅に忘れて戻ってるわけですよ。今も手に抱きかかえて大事大事に持ってますから。その傘君が「もってきてあげたら?」と囁く声が聞こえたような・・・
・・・そんなわけないけど、傘を忘れた者同士で想いを共有しようじゃないかとオカシなスイッチが入ってしまった。今日は夕方から夜にかけて雨らしいからね。
私はCメールで、「いいけど。私も午前中に春日駅に傘を忘れて取りに戻ったんだよな」と要らぬ文句を添えて送信しています。
「〇〇さんもですか?気が合いますね」
可愛い部下だよな。
「取りに戻られたんですね。私は三鷹辺りで気が付きましたが時間がなくて戻る気になりませんでした。すみませんがよろしくお願いします」
何故、本社に持ってけばいいのかというと、今日の14時頃から本社で主任会議なんだって。それには19号を除く草たちが11人集まる正規の会議なのです。(地方の13号と15号はWEBで。)
「わかった。じゃぁ〇〇店の支店長に傘を私に渡すよう伝えといてくれないかな」

やれやれ、正規ではないけど可愛い部下の為に傘を搬送せにゃならなくなったか。傘を2本も運ぶって結構目立つんだよな。
だけどどんな傘だ?女物か?
まさか安いビニール傘じゃあるまいな。
私は〇〇支店に着いて公用を済ませるだけじゃなくて、草1号が忘れた傘を持って会議終了までに本社に立ち返らなきゃならないので直帰できなくなったじゃないかって思った。
まぁ草1号に貸しを作って、じゃないけど、いいカッコしてやろってイヤラしい目論見があったのは否定しないよ。

ところが〇〇支店に着いたら意外に滞在時間がかかったのである。そこの支店長は40代半ばで西東京一帯のエリアを束ねているエリア長なのだが「キツい」「タイヘン」「移動距離が」「アタシこのまんまだと」何だかアブない愚痴を聞かされるハメになった。
適当に励まして慰撫して話を流して、さて、草1号の忘れ傘は何処にあるんだ。
「アイツが忘れた傘は?」
ナンバー2の女性がアタフタしながら持ってきた。ニコニコ笑ってる。〇〇さん(私のこと)ってそんなこともするんですねお優しいですねというカオである。
「この傘か?」
「そうです」
しっかりした傘だった。安ものじゃない。
でも女性用ではなさそう。柄が太い。
「これはどう見ても女物じゃねぇな」
「O美さん(草1号)に似合います」
アイツはボーイッシュだからね。でもそういう問題じゃぁない。
「何で忘れるかな」
「こっちはもう雨降ってますから早く持ってってあげてください」
ホントだ。降り出したか。私は「早く持ってってあげてください」その言葉と、周囲の視線もあったので、「ったくアイツは俺を何だと思ってやがるんだ」、そう軽く悪態を吐いてから出ました。

で、電車内で傘を2本持ってるわけですよ。
こうやって架けてもいいんだけど。
傘搬送中1.jpg

傘搬送中2.jpg
これは2本の傘を抱きかかえて、曲がった柄の部分を自分の首後ろに引っかけてるんです。さすればズリおちないでしょう。
でもいい傘だな。最初は恥ずかしかったが、持ち主(草1号)に届ける使命感で途中から何だかいい気分になってきた。

中央線で三鷹を通過した時に思ったのは、草1号は三鷹で傘を忘れたのに気がついたって言ってた。午前中の私より気づくまでの時間がかかり過ぎだよ。私は春日~三ノ輪、文京区~荒川区の短い移動で気づいたぞって本社で会ったら言ってやるんだと、私は自分のド忘れを棚にあげてほくそ笑んだ。
急いで戻るったって中央線特快の速度で戻るしかないわけですよ。まぁいい。会議終了は18時だから余裕で間に合うだろうと踏んだのだが。
実は今日の会議、コロナのせいで時間短縮になったんだと。それは後で知ったのだが、18時終了のところを16時で終了、散会になってたのである。
本社に駆け込んだら会議は終了していたので、やや唖然として草たちを束ねる正規の女性課長と、会議のオブザーバーでもあるU紀(もと草の者4号)に詰め寄った。
「アイツは?」
「帰りましたよ」(女性課長)
「今日は会議16時までなんでぇ」(U紀)
「その傘は何?何で2本持ってるの?」(女性課長)
「アイツが〇〇店に傘忘れたから本社に持ってきてくれって言うから」
「ええっ!」

実は草1号は黙って出たのではなく以下のCメールが届いてました。私は急いでたので気が付かなかっただけ。
「今本社出ます。傘は今度本社行った時に受けとりますので本社に置いておいてください。すみません。よろしくお願いします。」
でも本社職員に私が自分の傘を持って駆けつけてることは言い忘れたそうである。

いつもナマばっかり言ってる女性課長がさすがに恐縮の表情で、
「う~ん、ゴメン、もういないの。せっかく持ってきてくれたそれ(傘)どうしようか」
「私が預かるしかないだろ」
で、こうやって置いといたら、余計な差し出口が入った。
傘3.jpg
「女子更衣室に置いといたらいいじゃないですか」
口を挟んできたのは例によってソリの合わないオンナですよ。
「そこに置いといたらジャマじゃないですか」
俺の席だぞ。お前さんのジャマをしているつもりはないが。お前さんはこの傘がジャマというか目障りなんだね。私は今日の午前中に起きた自分のオッチョコチョイと、傘を取り戻した安堵感と、部下の傘を搬送した労苦に冷や水を浴びせられた気になった。
でも私は日々自席にいるわけではないので、不在時に他人の傘を席に置きっ放しするのもどうかなという気らしいよ。
私が余計な嘴を挟んだソリに険しい視線を向けたので、さっきの女性課長が、
「その傘、女子更衣室に置いときます。名前書いてわかるようにしておきます」

「傘は本社の女性更衣室に置いてあるから」
「ありがとうございます。実は本社の人に傘の件を言わず急いで出てしまいました」(草1号)
オッチョコチョイめ。
「本社を出て何処に向かったんだ?」
「〇〇〇店です」
北区じゃねぇか。
「今終わってそこを出るのですが、店を出たら雨が降ってました。傘を買って帰ります。ご迷惑おかけしました」

傘を買うって?

「傘を買って帰るってさ」
「まぁ。待ってればよかったのにねぇ」(女性課長)

草1号が傘を取りに来たのは翌月の会議日だった。1ヶ月そのまま置きっ放しになっていたのである。
会議の中休みにこっちが指示した業務の報告を受けた際、
「傘を持って帰りなさい」
「あ、そうだ!」
こちが言うまで忘れてたのだ。
私自身もその日の午前中、傘でドジやらかしたことは本社では話してない。

草1号です。
1号-1.jpg
ジャン妻は「アナタはO美さん(草1号)に甘いよね」と言う。それは彼女を10何年前に面接、採用したのが私だからですけど。

実は、草1号はこれまで10年近くいた支店から異動しています。支店が閉鎖したからです。
その支店のリーダーだったZ女史、彼女はどうなったのかというと。。。
女史2.jpg
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桜川 [人間ドラマ]

平日は朝出る前にUpボタンをOnするのですが、どうも(土)(日)(祭)と休日はUpが遅れ気味になりますね。
今日の記事は常陸国です。土浦市の行政窓口にきたところ。
常磐線エリアの草の者19号は草たちの中で唯一の男性です。彼が担当するテリトリーなのですが、19号のシフトの都合もあって自らやってきた。
行政入口.jpg
だが、中に入れないんですよ。
ボタンを押してくださいと。係員が出て対応しますというんだな。ズカズカ入っちゃダメらしい。
扇風機が稼働している。不意の訪問ではなくちゃんとアポ取ってるますよ。アポ取ったことで逆に警戒されたかな。「東京から来られるんですよ」って噂になったのかも。
そういうこともあろうかと私はちゃんと朝、検温してきてます。36.4度だったんだから。
初老の男性職員さんが出てきた。
「株式会社何々の〇〇ですが、13時に〇〇課のAさんとお約束してあるのですが」
「あ、そうですか。ではこれをお願いします」
いきなり体温計を、脇に挟まないでこめかみにあてるやつを出して「検温にご協力をお願いします」、ご協力も何も有無を言わせずこめかみにあてられて測られたんです。
ピピピッ、
「あ、大丈夫ですね」
「何度です?」
見せてくれた。
「35.7度?」
???
「低いですね」
私は勝ち誇ったように、それ壊れてんじゃねぇかと言わんばかりに、無理やり測られた腹いせもあって、
「もう1回測ってくださいよ」
「いえいえ」
「家では36.4度だったんですがね」
「館内冷房が効いてますから低く出るんでしょうね」
???
何をオモシロいこと言ってるんだろ。冷房が効いた部屋だと体温計って低くなるんですか?それに私は館内に入ってませんよ。中に入って冷房にあたるどころか入口で止められてますから。
そしてアポを取ってあった担当官のAさんが出てきた。前回来た時は中の係で受けてくれたのだが、今回はこの場で薄いビニール越しでの対応です。今回の届と現場の状況説明と、今後のプランをお話して了承された。
大事な手続きを終えて安堵、暑いけど風が吹いてたので、帰りは土浦駅まで歩いて戻ることにした。
歩く1.jpg
駅まで戻る途中歩きながら19号に電話した。今日の届を今度は19号が引き継いで別件に対応して、その結果をベースにまた私が次回来ることになる。
無理やり体温計測の件を、まだ会ったことのない草19号に話したの。
「いきなり測りやがったぞ。それって俺だけか?そっちもやられてるのか?」
「ウチの県では5月から測ってますね。自分も毎回測らされています」
何だ、首都圏から来た者への警戒だけじゃなかったんだ。

土浦市に来たのは、茨城県内にある大型支店へ有資格の正社員たちが総勢25名、研修も含めて交替で代わる代わる赴任するのでその手続きの一環でもあります。
防人のように出向く25名はALL若手でバイタリティー溢れる連中ばかりだが、彼らが右も左もわからない土地で安心して業務に勤しむ為には、私の手続きが必要不可欠なのです。
こういう「誰かの為に」これに私は火が点くんです。自分の為ではないのだ。だからといってそれが即、自分の評価になんか繋がらないですよ。事務部門は「やってアタリマエ!」な感覚、風潮なのです。
歩く2.jpg
歩いてたら河っぺりに出た。一級河川、桜川、霞ケ浦に注ぎます。
ただ歩いてるのも何なので会社携帯で業務連絡をします。時間を有効に使うのだ。
今日の内容を支店長に連絡しなくてはならないのだが、新任の支店長なので私の会社携帯にアドレスが未登録だった。
誰に聞けばいいかな。DON子に聞こう。電話した。
「新しく支店長になった誰々の会社携帯番号が知りたいのだが」
「誰々って、同じ名前の人が2人いますけど」
DON子の声がオカしい。というか、エコーがかかっている。
「茨城の方だよ」
「ああ、茨城の誰々さんですね。でも、でも、あの、」
「どーした?」
「アタシ今日在宅、テレワークなんで。本社に戻らないとわからないんです」
「ああ、そうなのか。」
家にいるんだね。でも何だか声が反響しているぞ。エコーみたいだ。
「声が響いているが、昼っから風呂にでも入ってビールでも飲んでるんじゃねぇだろうな」
「ち、違いますよっ」
単なるジョークです。テレワーク、在宅勤務をOKする以上、多少の公私が混ざるのは上司が容認しなくてはいけないのぐらい知ってますよ。
「声が響いてるのは何だ?」
「ウチ、天井が高いんです」
天井が高い部屋ってことはいい部屋借りて住んでんだな。蕎麦宿のメゾネット恵明庵みたいなものらしい。
「急ぎなら〇〇さん(ソリ合わないオンナ)に聞いてください」
「ヤダよ」
「そんなこと言わないで」
ソリにCメールしたよ。
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炎天下を歩いています。
橋を歩いて川を渡った。おや?着信が。
男勝りの草の者5号からだった。折り返したら相変わらず太い声が返ってきた。
「ウチの★★★★★★★★の販売許可が切れるんで、更新の手続きをしなきゃならないんですどぉ」
「けどぉ」だと?品のないイントネーションだな。
「それの表紙は簡単ですぐにできる。問題は図面だな」
★★★★★★★★の販売許可は6年毎の更新なので、6年も経過すると初回に申請提出した図面とレイアウトが変わっちゃってるケースが多々あるのだ。保管庫や陳列棚が増えたとか移動したとかです。保管場所がいつの間にかレジ袋や備品や文具置き場になってたりする。
管理者も6年前とは代わって、6年目の若い男性の時代になっていた。チャラっぽい男性です。「アイツか」って不安がよぎった。
更新にあたって細かいTALKや留意点が要るので、
「支店長に直接、説明した方がいいかな」
「そうですねぇ。お願いできますか」(5号)
河1.jpg
そのチャラい支店長に替わって貰ったの。
「書類は私が作るが、図面は?」
「こ、こ、こっちにはないようですが」
緊張しまくりだな。
「本社にあるのかな。探してみる」
実はあるのを知ってます。管理者を試したというか、そういうのが必要なんだぞと告げたかっただけ。何でも本社に丸投げするんじゃないよってことを暗に伝えたかっただけ。
「保管場所は押さえてあるか?」
「ほ、か、ん、ば、しょ、ですか?」
「〇〇室の外でカウンターの内側、客や患者が手に取れない(届かない)場所だよ」
「あ、ありますあります」
「テプラか何かで保管場所って貼ってあるだろ」
「貼って、あります、ね」
困ったものだ。管理者はまだ若く6年前は何の役職もない社員だった。要は前任者から引き継いでいないのである。ただ売ればいいってもんじゃないんだぞ。
河2.jpg
「管理簿はあるか?」
「あ、あります、(緊張しまくり)」
ただ売るだけでなく、ものによっては指導内容を記載する義務があるんだよ。
「最後に、ちゃんと★★★★★★★★の講習受けてるか?」
「こ、講習ですか・・・」
さては受講してないなコイツ。
「年に1回か2回か知らんがセミナーが開催されてる筈だぞ。それの受講証明書がいるんだが」
「実は1回も受けてません」
ホラ出たよ。若くして就任した管理者や、年配者でも新規に就任した管理者にそういう傾向がある。ちゃんと教育が行き届いてないからである。
講習受けてないと更新に差し障りがあるんだぞ。
「何年になる?」
「??」
「そこの管理者(支店長)になって何年になるんだ?」
「に、2年です」
「2年間、1回も講習受けてないなんて言語道断だよ。すぐ年内の講習に申し込んで、申し込んだ旨がわかるようにプリントアウトしてくれ。それを添付して受講予定ですと言い切れば何とかなる。今の時期だったらWEBでも申請できる筈だ」
「ハイ。。。」
ギュウギュウやってしまった感があるが、これも若手の育成の為なのです。
支店の販売許認可を更新するのはいいが、管理者が必須講習を未受講という不手際は困ったもの。私はそヤツのエリア長に電話した。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-08-07
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-09-29
に登場しているヤンママです。指導を頼んだ。
「1回も受けてませんなんて言われるとさぁ」
「ああ、すみません、シフト内ですぐ受けさせます」
実は未受講だと更新に差し支えるかというと、そんなこともないのです。ただ、私が窓口で注意されるんですよ。「ちゃんと本社の上の方から指導してくださいねっ」ってね。
私は各支店の上司ではない。上役には違いないが直属の上司ではないのだ。でも行政の職員から見たら私がそういう立場に見えるんだって。私が知らないことで窓口で叱られることってよくあるんですよ。
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青い空、
悠々流れる桜川、
彼方には常磐線の鉄橋、ときおり電車が走り去る長閑な光景ですが、あの辺りには戦時中の「日本の黒い霧」が起きています。
常磐線土浦駅列車衝突事故です。
昭和18年(1943年)10月26日、土浦駅構内で入換中の貨車が上り本線に進入して、同駅を通過した上り貨物列車と衝突!貨物列車は脱線して今度は下り本線の普通列車と衝突した事故。
普通列車の客車4両が脱線転覆、1両がこの桜川に水没した。
最終的に110名死亡、107名が負傷した。
人為的なミス事故だったが、戦時中のため大きく報道されることなく写真もあまり無いそうです。報道規制がされたのかもしれない。
桜川鉄橋の北側、線路脇にJR東日本土浦寮があって、そこの敷地内に事故の慰霊碑があったのを車内からチラッと見た。中に入れるかどうかはわからなかった。
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炎天下で歩きながら長っ話してたら喉が渇いてきたぞ。
土手を歩いてて発見したのは川土手にある公民館と自販機、中から婆さんが出てきて余所者の私をジロリと一瞥した。
婆さんには用はない。自販機だ。
それもBOSSの自販機、ワンショットの強炭酸、ペプシはあるかな。
自販機1.jpg
自販機2.jpg
あった!!
それも3フェイスも。
ディスプレイは日焼けしてるが優秀な自販機だ。
だけどペプシとコカの自販機が並んでいるのって珍しい。
2本購入した。キンキンに冷えてる!
炎天下、川土手のオアシスだな。覚えておこう。
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土浦駅に戻ってきたところ。
土浦市は城下町で、駅から歩いて行ける距離に土浦城(平城)があるが、このクソ炎天下では行く気にならなかった。
茨城県南地域の商業や行政の中心地だったが、群馬と同じく郊外ロードサイドの複合施設の店舗に客を取られ、つくば研究学園都市の開発も拍車をかけて、駅チカにあった百貨店や大型店舗は殆ど撤退している。
でも路線バスは多そうだ。
駅前4.jpg
次回の為に飲食店に目星をつけておこうと思ったのだが。
次回は量的に多い申請事項になる。
でもこの市に泊まるほどじゃないんだ。支店に寄るにしても日帰りで充分クリアできる。
泊まると仮定して軽く飲むならこの路地かなぁ。
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だが私の茨城旅、訪問は僅か2ヶ月、3回か4回程度で終わった。草の者19号に引き継いだからです。
このレストランも未訪に終わった。
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さぁ帰京、帰社しないと。
帰りは常磐線特別快速のグリーン車で。
贅沢だって?私もあと3年、それぐらいいいでしょう。
僅かな回数の茨城県担当でしたが、そこで見たものを3話ほどUpします。
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草を見舞う [人間ドラマ]

草刈り記事じゃないですよ。草の者です。
14人いる草の者の中で男らしい草5号(女性です)が私に甲斐甲斐しくコーヒーを煎れてくれてるところ。
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草5号4-1.jpg草5号5-1.jpg
「砂糖とミルク要ります?」
「いや、要らない」
「ブラックで」
「うん」
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5号はドカッと私の前に座った。
「いやぁ、どうもぉ、わっざわざここまで来ていただいてぇ。あ、ドア閉めますね」
「いや、開けといていい」
「え?」
「自分は女性社員と1対1で面談する時は部屋のドアを開けるか、鍵かけないんだよ」
「アーッハッハッハッハッハッ(笑)」
5号は手を叩いて哄笑した。

私は赤面したと思う。
「そ、そんなにオカシいか?」
「いやいやいやいや、〇〇さん(私のこと)なら平気っスよ」
「何が平気なんだ。皆そうやって笑うんだよ。私なら大丈夫だって。でもそう言われたら私は男として傷つくんだぞ」
「アーッハッハッハッハッハッ(笑)」
「笑い過ぎだ」
「アハハハ、あ、すみません」
「で、怪我の具合は?」

草5号は勤務中に怪我をしたのです。
それも通常業務ではなく、別部署である私の委託業務途中でね。
草たちにも通常勤務のシフトがあって、その合間にラウンドという名目でエリア毎に受け持つ各支店を巡回する際に私からの委託業務を済ませるのだが、その過程で駅の階段で転んだ。

あくまでこっちは委託なので、都合や体調が悪ければ断ってもいいんです。さすれば自分が行くだけですから。
だが5号は「無理です」とは言ったことがない。「アタシが行きまっス」って言い張って聞かない子で、私が自ら動いたり他の草たちに振るとムクレるんです。
今日は怪我した5号の見舞いと次の委託業務の打ち合わせなのですが、やっぱり話していると「それはアタシの管轄です」という強烈な自負、意識が全面に出ているな。

「見たとこ普通に歩いてるようだが、何処を怪我したんだっけ?」
「足っス」
それはわかっている。
「骨折とかではない?」
「違いまっス。まぁその、切ったというか、割けたというか」
想像すると背筋が寒くなってきた。
「縫わなかったのか?」
「縫うと入院しなきゃなんないんでぇ。時間かかるけど別の治療の方法で通院してます。あと1ヶ月くらいかかっかなぁ」
この「っス」「っかなぁ」小さい「っ」が混じるんですよ。
しかもこの態度、仮にも私は上役だぜ。肘をテーブルの縁に載せて、私に迫るように話すんですよ。
草5号8.jpg
でも怪我したのは私の委託業務過程なので、こっちは立場が弱いわけよ。
「すまなかったな。私の委託のせいで」
私は軽くアタマを下げました。
「そ、そ、そ、そんな、気にすることないっス」
「っス」じゃないっつーの。そうは言っても自分の業務委託中に怪我ったので、負い目というか責任を感じてるわけですよ。
「アタシの怪我を誰から聞いたんスか?」
「〇〇(ソリ合わない)から。労災申請の書類廻ってきたでしょ。書いた?」
「あ、書きました書きました」
「〇〇(ソリ)に『通常業務でなくて俺の業務委託途中で怪我した』って言ったら『それって責任感じますよね』ってさ」
「ああ、へぇ、自分の不注意なんスけどねぇ」
「思い出したくもないだろうが、どういう怪我の仕方を?」
「〇〇駅で改札に歩いてぇ、こう片手に携帯を持ってぇ、落としそうになってぇ、慌てて取り直そうとしたら足がつんのめってぇ」
その先はどうなったか覚えてないらしい。歩きスマホでもやったんか。怪我した場面だけ切り取ったら、殆ど自分のドジというか、不注意には違いないが。
階段1.jpg
「入院すれば治りも早かったろうに」
「でももうここまで治りかけてきたんでぇ」
と言いながら傷口を見せられた。治りかけているとはいえかなり広い範囲の傷だった。

(5号は数年前、バイク通勤時に事故って転倒して、肩をヤマ(怪我)いってるんです。
その怪我は治癒していますが、肩から胸にかけてボルトが3本埋まっていて、それを取り除くので3日休みますって。
その時も「何処を怪我したんだ?」と聞いたら「ここです」と言ってブラウスの襟を引っ張り、患部を見せたんです。胸元をはだけたんですよ。ブラや胸の谷間まで見えたからね。
私を何だと思ってやがるんだ。)

「ご家族は怪我のこと知ってるの?」
「知らないっス。コロナのせいで、両親とも1ヶ月以上、あ、もっとかな、会ってないんでぇ」
コロナ感染拡大を大義名分に両親とも会ってないって言うんですよ。めんどくさい親子関係かもしれないね。まぁいい。私は草たちのプライベート背景は知らないようにしているんだ。独身か既婚者かも知らないようにしている。委託業務を期日までにやってくれればいいのだ。

で、次の委託業務について具体的な打ち合わせに入ったのだが、それは過日の上層部政変が絡んでいるんです。
「ああ、上が交代したあれですよね」
交替させられた前のTOP、というかナンバー2と草5号は仲が悪かった。5号がナンバー2に食ってかかったことがあるのを知ってるよ。ナンバー2は私にこう言ったもんですよ。「〇〇(5号)をあまり重要しないでくれませんか」ってね。
5号の直属の上司であるエリア長は女性で、https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-09-29後半に登場したヤンママですが、5号に「上に謝りなさい」って叱責しています。
ホント放っておくと何を言い出すか。今回の上層部交替の届け出も、改編前と改編後の組織図を指しながら、
「コイツ、何で出世したんスかね?」
「コイツ、何でおろされたんスかね?」
そういう言い方はやめなさいと注意するべきでしたが私はしなかった。「交代はあくまでTOPの意向だよ」とだけ言った。交代した理由なんてのは草たちに関係ないからね。
この政変のせいで私は7月多忙だった。草たちをフルに使っやっとENDに持ってたのです。手負いの5号もやってくれましたよ。

「キツければ無理せんでいいよ」と言ったのだが、5号は今回も私の業務を請け負った。
「じゃぁいついつまでが期限だよ」
「すぐに行きますよ。来週の今日行きます。その日自分、公休日なんで」
「公休日に行かんでもよかろうに」
「その日、病院なんで。その足で出してきます」
「病院か。まぁいいや。その分の時間調整は任せるよ。まてよ?来週の今日って午後から主任会議じゃなかったか?」
草たちが正式に集まる日、正規の部署の会議です。
「ああその日は自分出ません。欠席です」
「まぁ公休日だからね」
本当は公休日をズラしてでも出席した方がいいんだけどね。でもその会議とやらに私は無関係だし、出欠席を取る立場でもないのでスルーした。
それだけにして何も言わなきゃいいのに、5号はこうも言った。
「だってその日の会議ってU紀さん(もと草の者4号)主催の研修もあるんですよね」
「U紀の?」
かつては同格だったが、草から抜けて抜擢された者との温度差があるのだ。5号はもと4号のU紀が嫌いなんです。
まぁいい。そういう草同士の人間関係も私は関与しないことにしている。

「では頼むけど無理しなさんなよ。で、これなんだが」
見舞いを渡したんです。
会社から見舞い金なんて出ないからね。またしても私のスタンドプレイであります。
「ええっ!」
5号はビックリマナコで恐縮し、固辞しようとあがいた。
「いやいやいやいや受け取れません」
「突っ返すような野暮なことするんじゃない。今はこうして面と向かって会話してるが、入院して麻酔して意識が無かったら、枕元に置いてとくかお身内に託すだけだよ」
私もやや傲慢に言いました。「この金で肉でも買いなさい。傷口が塞がるように血骨肉となるモンを喰いなさい」って強引な論法で押し付けました。
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草5号はその男らしいサバサバした性格、物言いでスタッフには人気がある。5号は主任という立場上、所属支店を離れて他店の欠員補充や指導に赴くのですが、芳しくない噂もあって。
「言い方がキツい」「怖い」「できればシフトで重なりたくないなぁ」って言う者もいた。
直属の上司(女性、ヤンママ)ともあまり上手くいってないようです。
手負いの5号に再委託するにあたって、直属の上司であるヤンママさんに一応は承認をというか、事後とはいえ言っといた方がいいと思ってさ。電話したんですよ。
「例の件、彼女に委託したから」
「ああ、構いませんよ。ウチのエリアの件ですから」
「怪我してるからどうかなぁと思ったんだが大丈夫そうなので。彼女いつもそうなんだが、自分が行くってきかないんだよ。前に私が自ら済ませたり、他へ振ったらムクれたことがあってさぁ」
「ああ、あの子はねぇ。頑固で強情だしプライドもあるし。いつ行くって言ってました?」
「〇〇店が営業再会するその当日です。その日のうちに行くって言ってた。後日でもいいけどそういうのは早めに出した方がいいからね」
休業していた支店の営業再開、みたいなものなんです。
「いついつ日ですか?」
「そう」
「その日に行くって?」
「うん。勢いづいてたが」
「ハァ~(ため息)」
ヤンママはため息をついた。なんだ?

「その日はですねぇ。横浜の某支店で欠員が出て、彼女(5号)にヘルプを依頼したんですよ。でも彼女、怪我した箇所が痛むし、その某支店が遠いし、そこまで出向くのがキツいですって断られたんで、他の子に替えたんですよねっ」
最後の方のヤンママの声音は何だか憤慨気味だった。5号は直属の上司であるヤンママからのヘルプ依頼を断って、別部署の私の委託を優先して受けたのである。それも断った同日にね。
「それは、ちょっとなぁ、マズいなぁ」
「でしょ。ですよね。筋が違うんじゃないかなと思いますよね」
ヤンママは内心ではオモシロくなかったと思う。

「そっか。済まなかった申し訳ない。別の日に変えさせようか」
「いや、いいです。だってもう受けちゃったんだし。彼女が大丈夫ならいいです」
「本人はその日、病院に行くんでその足で行くって言ってた」
「病院の件も聞いています。だから他の人に替えたのもあるんです。ウチのエリア内のことですから誰かが行かなきゃならないんだし」
「行くって言いだしたら聞かないからね」
「まぁ彼女のいいところでもあります。これは自分の仕事ってなったらやり通すんで。」
「それもあるが・・・」
そこまでにしておけばよかったのだが。私はまた余計なひとことを言った。

「彼女、私のことを好きなんだと思うよ」

しばし沈黙になった。私は内心で「シマッタ」と気づいてはいますが。

しばらく間があって、
「それはあると思います」
否定しなかった。クールに言われた。
「いや、シマッタ、ごめん、でもヘンな意味ではないよ」
「アハハハ(笑)わかりますわかります。でも〇〇さん(私のこと)LOVEなのかなって見える時はありますよ」

「自分で自分を持ち上げて、上司部下の関係が損ないかねないこと言ってどーすんのよっ」(ジャン妻)

怪我して、怪我をやせ我慢して、自分なんかの委託業務を優先的に受けてくれる5号を可愛くないわけがないだろ。
5号はどっか筋が違ってる感もある。心配だが育成する気もないのだ私は。今のままのキャラがいい。無責任だな俺って。

完治した草5号は先日の会議に来社した。他の草たちに囲まれて怪我の心配をされ、傷の最初の写真を見せまくってドン引かれ、治りかけた生傷を見せて、想像を超える自己免疫力に唸られてた。
モザイクだらけの会議室風景、
草たち1.jpg草たち2.jpg
会議の合間の休憩時間に私のデスクにも来ました。来る前にCメールきて、
「本社にいますか?」
「いるかもしれないけどいないかもしれないよ」
「いなかったら残念、置いときます」
「なるべくいるようにするワ」
いそいそとやってきて、
「こないだのあれ済みました。ハイこれ控です。次はあの件ですね」
「うん」
もう次の案件を意識、心の準備してるのか。そういうのが見えるので「こないだどっかのヘルプ依頼断ったんだって?」とは言いませんでしたよ。言えなかったんだよね。
私はちょっと顎を引きながら、5号の怪我した脚に視線をやった。
「あ、もう全然平気っス。何なら傷痕お見せしましょうか?」
「いやいい、遠慮する」
5号は怪我した方の脚を上げた。宝塚歌劇団のラインダンスのように。30度くらいの角度で。
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草の者 増殖! [人間ドラマ]

私の正規ではない部下、草の者たちも増えた。
発足時は8人でスタートしたのですが、今は番号でいうと19号まで増殖した。
途中で寿退社したり、家庭事情で退任したりして5人欠けたので実質は19−5、現在は14人が現役です。
草たちの会社内での正式な職位は主任です。数多い支店を幾つものエリアに分けて、そのエリア毎に事務員たちに上に据え置かれた職位です。

数年前、全支店を束ねる責任者だった伊東甲子太郎(現在ジャン妻がいる会社取締役)が私に言うには、
「これから支店や社員の数が増えるので〇〇さん(私のこと)ひとりでは無理ですよ。主任たちを使ってください」
そう置き土産をしてくれたのが発端です。この件では伊東に感謝してるよ。
それ以来、会社や支店の絶対に必要な根幹である申請事項を私が元締めして草たちが走る、そういう関係になっています。
組織上は部署が違うので当初は業務委託だったが、近年は草たちの正規のボスが私の名前と業務内容も公に出すようになったので、私と草の関係や業務は議事録にも記載され、もう陰の部下でなくなってきたといっていい。

草たちは19号を除いて女性です。年齢は最も若い15号が20台前半で、他は30半ば~40台後半までといったところかな。
私が知る限りで既婚者は2名、バッテンは2名(もっといるかもしれない。)殆どが独身らしい。パートナー事実婚はいるかもしれない。誰も「仕事が好きです」なんて口が裂けても言わないが、草5号と8号のように「アタシはこのままいきます」ヘンな悟りを開いたのか、自分に言い聞かせるように言ってたな。
私の中で草たちのプライベートはなるべくベールに包んだままにしておく。でないと私情が入ってしまうから。

草1号、O美
13年前に私が面接、採用しました。
採用した理由?外見です。美人だったから。
だった?過去形ではないが、今はリスベット(蜘蛛の巣を払う女)みたいに髪を短く切り過ぎちゃって、採用時の面影は全く無い。
正式にはZ女史の部下だった。女史も一目置いています。
(だった?過去形?その件については別途項を改めます。)

後輩に対して厳しい口調だったり、エリア長に対して喧嘩まがいの口調が出るが、私にだけは従順です。「できません」「そんなの無理です」は絶対に言わない。何故かというと私に嫌われたくないからですよ。この子は単に私が好きなだけなんです。(ヘンな意味じゃないよ。)
1号です。会議室であまり仲がよくない11号を詰っているところにでくわしちゃったところ。
処理済~黒い1号.jpg
「書記やったことある?」(1号)
「やったことありませぇん」(11号)
「じゃぁ次回やってよぉ」
「ハイ・・・」
のような会話をしとったよ。1号と11号、一桁である先輩と、二桁の後輩との温度差を見たよ。

草2号
ハァ~っ、この子か・・・。
2人めで早くもため息です。2号は天然、おっとり型、指示すればちゃんとやるが指示命令しないとやらんのだ。
自分から気づこうとしない。「こうすればいいじゃないか。気づけよ」「あ、そうですね、すみません」を数年前から繰り返している。
やる気がないのではない。本当に気が付かないだけ。
休憩室でワイドショーを見てる2号です。
処理済~休憩中の2号.jpg
「そんなくだらないの見てんのか」
「あ、ハイ」
「そういうのばっか見てっと、噂話ばっかりしているオバちゃんになるぜ」
「あ、ハイ」
そこでムキになって「そんなことないですっ」「もうなってますっ」とでも反撃してくりゃいいのにさ。

草3号
痩せた神経質な子で、事務能力、教育能力、調整力等は草たちの中で高い方だ。
男嫌いのようです。「結婚なら仕方がないけど、そうでない男関係で辞めるとか異動を拒否るなんてトンデモナイ」って憤ってたことがある。「アタシだってあちこち異動させられてるのに、何でこの子は拒否るんだろう。何で上はそれを許すんだろう」ってプンプン怒ってたんです。
でもできる子なので今年の社内表彰で表彰された。事務部門の優秀社員賞だかMVPだったかな。その時期に「よかったじゃねぇか」って言ったら、
「ハァ~」(ため息)
「だがお前さんは貰って当然だぞ」
「ハァ~」
それが逆にプレッシャーになり「ハァ~」嘆息が多くなってきた。古参のお前さんがそんなんじゃぁ困るんだぞ。
昨日も会って打ち合わせしたのですが、
「おぉ〜い今年のMVPオンナァ」
「な、なんですかっ、そういう呼び方止めてくださいっ」
「だって賞取っただろ」
「取りましたけどっ。いただきましたけどっ。もうっ。プレッシャーでプレッシャーで」
でも会社ってのは与えた以上は返して貰うモンだからな。ただ与えるだけじゃぁないよ。
処理済~神経質な3号.jpg

もと草4号、U紀(仮名)
本社中枢に異動、抜擢されて重大なセクションにいます。美女なので本社男性陣の視線を釘付けにしていたが、最近はそうでもなくなった。美人は3日で慣れるんだよ。
私への口調は蓮っ葉で殆どタメ口に近い。
実はシングルマザーで、ジャン妻が本人から聞きだしたところかなり重たい去を背負っていた。やや暗いのはそのせいか。
処理済~歩いて来る長身のもと4号.jpg
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-04-24-1
U紀はかつて同格だった草たちからひとりだけ抜擢されたので、他の草たちとの温度差が広がってきている。草たちを指示する側にもなっているので浮いています。まぁそりゃそうだよな。かつて同格だったのがそうでなくなったんだから。
「U紀さんは無茶振りする」(9号)
「U紀さんのセミナーだからなぁ。でたくないなぁ」(嫌そうな5号)
会議や研修が終了して軽く食事か何か行くにしても、古参の1号、3号、5号、8号たちとは別行動で、新参でオドオドしている新しい草たちを子分にして?姐御のように引っ張ってってますね。

草5号
誰もが認める男らしい女性で、人気と怖れられ不人気が半々である。
毒舌です。口が悪いんだ。上の者にも下の者にも誰に対してもぶっきら棒な物言い、稀に諍いをおこすので上長もハラハラしている。
だが私には従順で、私の指示には1号と同じく「できません」と言ったことがない。ないんだけど物言いがさぁ、
「その日までにできっかなぁ」
「何とかなっかなぁ」
「やりますっ!」
無理そうでも5号を差し置いて他の草に業務を振ったり、私自ら動くと機嫌が悪くなる。膨れっ面になるんです。
まぁそういうところが可愛いっちゃぁ可愛いですけどね。これもヘンな意味ではないよ。
処理済~草5号1.jpg
この写真は私が見舞って嬉し気に微笑んでるところ。5号は私の委託業務中に大怪我をしたんですよ。それを見舞ったんです。
もちろん労災適用ですが「大丈夫っス」頑固な子で、いつも私の前ではやせ我慢。怪我に関しては別記事でまた登場する予定。
「っス」が多くなってきたな。声音も太いので電話だと男と話してるみたいですね。

もと草6号
群馬の西毛出身で裕福な地元名士の末娘だった。田舎(失礼)のイモお嬢様だったのだが、首都圏に嫁いだことで職制から引いて主任からいち社員に戻った。なのでもと草です。いつも「東京は物価が高い」ってボヤいています。
主任、草で現役の頃にこんなことを言っていた。
「アタシたち(主任たち、草たち)って30台半ばからそれ以上の独身ばかりじゃないですか。会社はそういうのを狙って声をかけたんですか?」
鋭い指摘です。実際そうらしいのだ。んでもっていちばん先に入籍して主任から退いたんですよ。まだ都内の某支店にいますけどね。
「群馬、あの子(後任の15号)で大丈夫でしょうか」
「なに?お前が言うか。お前が結婚したせいだろうがぁ」
「えぇぇぇぇぇぇぇ~っ」
まだ群馬にいた頃、独身の頃、作業中の6号の後ろ姿。
今は引いた6号.jpg
もと6号には今でも彼女が所属する支店の分だけ委託させています。もと6号の支店は12号の管轄なんですが、もと草の者なんだからできないとは言わせないよ。
ただ、遅いです。
「まだ出しに行ってないのか」
「今日行こうと思ってました」
「確か前もそんなこと言ってたな。蕎麦屋の出前じゃねぇんだぞ」
「今日、必ず行ってきます」
行って戻ってきてから、
「蕎麦屋の出前完了しました!」

もと草7号、
東海エリア担当→家庭事情で上京→今年になって寿退社して某国へ転居、引退した。
まだ東海、遠州にいた頃、駅から遠い支店があって、そこから六合駅(藤枝と島田の中間)まで乗せてってもらったことがある。美人なので車内は楽しくもあり息苦しくもあったな。
処理済~寿退社した7号.jpg
お幸せにと言いたいが。去り際に微妙なことを言っていた。相手の男性の転勤次第では戻ってきたいと。嫁いだ県にもウチの支店があるのはあるのだが、転居先からだと通えないと。
戻ってきたい?そんなにいい会社かウチは?
7号はウチに来るまでは個人のオーナー会社にいたのだが、そこは「会社がちゃんとしてない」だったそうです。オーナーには絶対服従、よくある話だ。
その会社をウチが買収しちゃったのです。やることが増えたとはいえ今の会社の方が断然いいというんだな。
会社を悪く言って辞めるのはよくある話だが、会社が好きで未練があって辞めた珍しいケースです。私は最後に会った時に「自分の幸福を優先しなさい」と言いましたが、内心では「おまえはもういいトシなんだからさ」ですよ。
でももしかしたらいち社員として戻って来る可能性が無きにしも非ず。16号が後任です。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-01-11

草8号、
普通に優秀です。普段は物静かです。だが隠された一面を知ったよ。ウチは顧問弁護士がいる別室みたいな部屋があるのですが、私の草になる数年前、その別室に内部告〇をして当時の上長を降格、更迭させた過去があるのだ。
単なる告げ口なんかではなく、告発して改善すべき内容だったけどね。ホントはコワイ女性というか、そういうことができる女性なのだ。
一応私には従順だが、そんな真の姿、裏のカオを知ってしまったのです。知らなきゃよかったんだけどね。
他の草たちとは距離を置いているが、この写真では左に2号、右に8号、手作業しながら「そっちはどう?」談笑していた。
処理済~2号と8号.jpg
8号は拙ブログによく登場した山女Uの部下だったのです。Uは拙BlogのⅠの頃から登場してますが(最近は幸福になったので出てない)そのUが8号に私のことをいい意味で色々と吹き込んだ形跡があるので私には従順です。1号や5号、何故か次に紹介する9号と仲良しですが、もと4号U紀とはあまり仲良くないみたいだね。11号から先は歯牙にもかけていないね。
草たちは決して一枚岩ではないのです。これだけ数増えたら一致団結なんて絶対無理。各人のレベルや経験値の差もあるし。

草9号、
いやぁ、この子を誰が抜擢したのかなぁ。
いい子なんだがすぐパニクる。先にできない理由をズラズラとあげるので、私はこの子に期限のある業務は依頼しなくなった、いや、依頼したくなくなった時期がある。
自身の労働環境を自分で整備できない子だった。
「あれもあるし」
「これもあるし」
「いつできるかわかんないよぅ」
それでは困るんだって。自分が動けるように自分でシフトや予定を組まなきゃ。
処理済~計測中の9号.jpg
9号が寸法を図面に記入すべく測っているところ。
測ったはいっけど、面積の計算や単位換算ができなかったんですよ。私が教えましたけど。
この計測作業のあと、在来線で一緒に移動したのですが、
「時間がないんでお昼は歩きながらパンでもかじります」
「高校生じゃあるまいし。いいトシしたオンナがそんなみっともないことすんな」
「いいトシですってぇ?」
「あ、いや」
後輩たちが増えたので最近になってようやく少しずつやる気になってきた。「私、やりましょうか?」ぐらいは言うようになったから。

処理済~寿退社した10号.jpg
もと草10号、
長い黒髪、細い切れ長の黒目、雪国を舞台にした和製ホラー映画に出てきそうな妖麗な美女だったが、2年前に寿退社、前述の9号が後任。
私より背が高い女性だった。確か山梨県は郡内(小山田氏の郷)に転居したんじゃなかったかな。
「そこに支店つくってくださいよ。そしたら戻ります」なぁんて言うとったけどね。

処理済~草11号と15号.jpg
もと草11号、(写真左)
平成23年に私が面接、採用しました。事務ワークが抜きんでて会社表彰を受けたこともあるが、残念ながら家庭事情で退任、草から退いた。
退く前に個人的に相談を受けたことがある。
「ちょっと無理そうです」
「ああ、そういうことなら降りたら?家族優先にしなよ」
都内の大通りで肩を並べて歩きながらそんな会話をしたな。その時点で私は11号の後任にこの後に出て来るAYAKA(17号)に目をつけていた。
11号のことを思いながらすぐ次の17号を狙っている私はやっぱり会社側の人間なんですよ。
草から退いたことで主任に支給される会社携帯を返却したのだが、過去の業務メールを全消去するのはいいにせよ、あろうことか電携帯番号や携帯アドレスまで全消去して返却しやがった。そのまま渡せばいいのに。

草12号、
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
この記事で、12号の上長が退職後に亡くなり、葬儀に私と出席して、斎場で大泣きしてから信頼関係ができた子です。私はその亡くなった上長が引き合わせてくれたと思っている。
これはその時の斎場に掲示されてた集合写真で、12号と私が写っています。
処理済~12号が写っている.jpg
明るく朗らかで積極性もある、人間性もいいので彼女を悪く言う人はいないな。
どうも既婚者らしいのだ。住居は荒川区内で、ドカ盛りの例の店から半径数百m以内だという。まさかあの店の大盛りチャーハンをシェアしてないだろうな。

草13号が前にいます。私と一緒に静岡駅に向かう東海道線車中です。
処理済~13号.jpg
退職した7号は東海エリアから東京に転居したのですが、その後任で東海エリア担当に抜擢された。
口の利き方がよくないという意見もあったが、他に東西に動ける者がいなかったのである。東海エリアって広いじゃないですか。
「自分静岡県民ですが、ひとりで廻ってみて、改めて静岡県ってこんなに広いんだなって思ったよ」
拙Blogでは静岡記事でB子という名でちょいちょい登場済みだから私とも親しいが、最近ますますタメ口が多くなってきたぞ。
「アタシがやるの?ワカッタやるよ。いつまで?」
でも内弁慶で、支店にいる時はブイブイ言わせてるが、本社に来ると圧倒されて肩をすくめてシュンと萎縮している。
「皆さん凄い人ばっかりで」
今はそう思っても、いずれそう思われる側になるさ。

草14号、
14号の拠点(支店)はJR某駅前にあり、支店の2階に休憩室兼事務室があるので、私はそこで一服することがある。
すると14号が事務室に入ってくる。よくお喋りするのです。このオンナ、やけに聡明で仕事ができると思ったら、前職は同業社大手の主任クラスだったのがわかった。
だから仕事ができて当然なので誰も誉めないんですよ。純粋培養ではないからです。
娘さんがいるらしいが、亭主がいるのかどうかは謎、写真はありません。

草15号、
現在の群馬エリア担当だが、前述の蕎麦屋の出前オンナ、もと草6号が危ぶんでいた。
「あの子で大丈夫でしょうか?」
草たちのなかでいちばん若いからです。まだ20代前半ですから。貫目不足なんです。
過去に散々登場した笑ふ女、酔っ払いオンナ他、ベテランの事務員どもが受けないから、仕方がなく消去法で決まったのです。それでいて連中は「あの娘さんの指導に従うんですか?」ってなるんだってさ。
私は平成24年から知ってる連中の中から抜擢して欲しかったんですがね。
左にいるのが11号で、その右隣が15号です。
処理済~草11号と15号.jpg
15号はこの記事で、迎えにきてくれた子です。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2016-08-22
実家がどうも凄い場所、地域にあるらしい。ポツンを1軒家ではないが、まぁ西毛の何処かですよ。

草16号、
群馬から戻った平成25年、ある支店が撤退することになり、そこで閉店作業を一緒にやったのがこの子、16号です。
7号の退職で抜擢されたのだが、7号が上京する前、私は「主任やってよ」って声はかけています。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-01-11
この時は「手当が安いし、仕事量だけ増えるし、〇〇さん(私のこと)の業務だけならいいけど、△△さん(当時のエリア長)の直の部下はイヤ」って断られたんですよね。
今回は指名されて観念したのかと思ったがさにあらず。
「前に私に言われてヤダって言ったのに、今回は受けたんだ?」
「他にいないっていうしぃ。だったら一度受けてぇ、アタシはそれほど仕事ができる人間じゃないのよっのを会社に知って貰おうかと思ってぇ」
「???」
処理済~草16号2.jpg
風雨強い中を私と業務デビューしたのですが、まぁよく喋る子で、昨今の風潮である「電車内では会話は控えめに」どころじゃなかったですね。
止せばいいのにこんなラインを大先輩の草1号に送信したんです。
「今〇〇さん(私のこと)と引継ぎデート中でぇす」
草1号からのレスは、
「あっそ、よかったね」(草1号)
冷たく突き放されたそうである。最古参の1号にしてみれば「アタシがデビューした時はそんな介添えなんてしてくれなかった」ってなるじゃないですか。

草17号、AYAKA
地味で目立たないイチ事務員だったが、昨年私がモグラ駅(土合駅)のトンネルに出入りしてた時に突然電話が架かってきたのが最初の接点だった。「誰に聞いていいかわからないので〇〇さん(私のこと)に電話してしまいましたすみません」
誰に電話していいかわからない?だから私?そうやって選ばれるって私って凄いなと自画自賛したよ。
相談、連絡、事後報告のポイントがすっげぇ的を得ていたので11号の後任に推薦しました。AYAKAでいいんじゃないかって。
私に決定権はないがそしたらホントにそうなっちゃったんです。でもAYAKA本人は私が推挙したことを知らない。写真はありません。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
17号AYAKAはこの記事に登場していましたね。16号でも17号でも「コイツは主任いけそうだな」って着眼した自分を自画自賛しています私。

草18号、KANAE
群馬から帰還した平成25年に中途採用で現れた。最初は私に対してビクビク、オドオドしていたが、そのうち慣れてきて、自分で言っちゃいますが私の大シンパ。
18号は草3号の後輩だが、実はいち社員の時点で3号より先に社内の事務部門で表彰されています。でも18号がいる支店のエリアは草3号が取り仕切っていたので、それからしばらくは鳴かず飛ばずだったのだ。3号が他エリアに異動になったのでようやく後任で抜擢されたのです。
この写真の右がそうです。
処理済~右18号.jpg
福島県某所の出身だが、戊辰で朝敵にされた会津藩をあまり快く思っていない。というのはどうも奥羽越列藩同盟に加盟したが途中で新政府に寝返った藩の出身らしいのです。福島県民にもいろいろあるんですね。

草19号、
草たちの中で唯一の男性です。今年になってから自分と遣り取りするようになったのだが。。。
草たちの中で唯一会ったことがないのだ。
北関東の某エリアを担当しているのだが、他の草たちと違って電話、メール等で充分指示が通じるので、手取り足取り教える必要がない。会ったことが無いしどんなカオしてるのかお互い知らないので写真はありません。

「19までいるの?」
「途中何番か欠番になってるけどね。4号、6号、7号、10号、11号、だから、ホントの意味で増殖というか、増えたわけでもないんだ」
「欠番に埋めないの?」
「埋めない。もう去った彼女たちともドラマがあったんだから」
「ふぅ~ん、で、〇〇さん(5号)のお見舞い行ったの?」
「・・・」
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メールの功罪 [人間ドラマ]

缶コーヒーや宇宙人ジョーンズのネタじゃないですよ。
ウチのBOSSの話、
ボス.jpg
まだコロナが感染拡大する前のこと。
月曜日、朝の満員通勤電車内でつり革につかまって立ってたのだ。
横浜駅に滑り込んだら前の席が空いた。
周囲に高齢者がいないか確認してから私は座った。腰が痛かったんだけど空いたんだから座るしかない。
そしてしばらくしたらストンと寝落ちしてしまったのです。
通勤電車だから爆睡するわけにはいかないが、体内生物時計が稼働して、私の身体は起きるべきところで覚醒するだろうと。

そしたら。。。

起こされたんですよ。会社携帯のバイブレーションで。
ヴィ~ンって鳴ったの。

私の業務PCのメールサーバから、衣類のポケットに入ってる業務携帯(ガラケー)にメールが転送されたのですよ。その着信音です。
PCから携帯に転送される設定になっているのです。そうすれば外回り中でも、共有すべき指示事項や内容が見れるのです。ガラケーなのでPDFとかの添付データは見れないのですが。
ビジネスマナー1.jpg
ビジネスマナー3.jpg
時間は8時半過ぎだった。誰だこんな朝っぱらからったってもう8時半なんだけど、朝の通勤時間帯だから何か突発的な緊急事項か、急な欠員や事故とか。
見たらウチの〇長、BOSSからだった。
何だろうと思って開いたら何のこたぁない。神奈川県内の某エリアを束ねるエリア長のひとりであるM子が、昨日のうちにBOSSに送信した業務報告についての回答をBOSSが返信したのです。報告者のM子他、上層部に全て配信したのです。
M子にはToで、私にはCCだった。管理者の等級とはいえ取締役や部長職の1等級下なのと、今は上層部や中枢から退いたポジションにいる私にはBccでもいいんだけど、内容的には私にも関係する内容だったけどね。
(M子はhttps://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-04-25-1に登場しています。)
ただ、朝8時半過ぎに送らんでもいいのにさ。9時出社してからでも充分な内容だった。今日は月曜だし、今だって東京本社に向かってるんですよ。そこでカオを併せたら言えばいいのに。

やれやれ、起こされちまったか。あと5分かそこらは寝れたのに。
起こしてくれてありがとうよ。ちょうど最寄り駅に着いたので、忌々し気に立ち上がって腰をさすりながらヨロヨロとホームに下り立った。
起こされた駅1.jpg
起こされた駅2.jpg
(この駅は品川駅ですが、島式ホームに東海道線と京浜東北根岸線が共用利用していますね。不思議な光景だ。高輪ゲートウエイ駅ができたので路線を付け替えたんだと思う。)

さて出社しました。実はその日、私は剃刀負けして鼻の下(別に長くないよ)をプチッって切ってしまい、血が滲むので小さい絆創膏を貼っています。
ETVでフロアに上がったらBOSSがWCから出てきたのだよ。シマッタと思ったがもうあとの祭り、BOSSが大きい声で、
「どうしたんですかぁその絆創膏はぁ?」
BOSSは声がデカい。気合入れて腹から出すんです。
私は辟易した。察してくれよ。スルーしてくれよって。

(BOSSは社員とのコミュニケーションが下手で、前も前橋まで日帰りしてきた私に向かってデッケぇ声で、
「〇〇さん(私のこと)、グンマに日帰りですかぁ」
「泊まらなかったんですかぁ」
「前は泊まってよく飲んでましたよねぇ」
知らない人が聞いたら私は飲む為にグンマに行ってたように聞こえるように言うもんだから閉口を通し越して腹がたったからね。)

「剃刀で切ったんですよ」
「そんなに肌が弱いんですかぁ」
るせぇなこのヤロゥいい加減にしろよって。私はアタマの天辺から顔面が赤くなった。ソリ合わないオンナやDON子だってそういう突っ込みはしませんよ。
男性職員が小さい声で「どうしたんスか?」って言って来たから「剃刀で切ったんだが、それを今しがた、ETVの前の廊下でBOSSにデケぇ声で突っ込まれた」
「心配して下さってるんですよ」
すりごますってんじゃねぇ。
「心配なんかしちゃいねぇよ。構って欲しいだけだ」
そう暴言を放ったら上長がイヤそうなカオをした。「〇〇さん(私のこと)その言い方は」とカオに書いてある。

ウチのBOSSはねぇ。
悪い人じゃないの。むしろいい人だと思うな。私も嫌いじゃないしね。
カリスマ性とか親分肌とかそういうのはゼロ、皆無、ナッシングだけどね。
命令したことってないんじゃないかな。朝礼なんかでもいつも「何々の案件についてよろしくお願いします」なんですよ。アナタはTOPなんだからお願いしてどーするんだっつーの。命令調で言えばいいんだって。だからナメられやすい。若手の取締役連中はBOSSから声を掛けられなければ知らん顔してますからね。
BOSSは社員とコミュニケーションを取るのが下手なのは皆、知っていて、
「ただでさえコミュニケーション能力が下手なんだから時間外にメールなんかすんなよって」
「〇〇さん(私のこと)それ逆だと思う。コミュニケーション能力が無いから時間外にメールするんですよ」(ソリの合わないオンナ)

メールについては前にもあったよな。昨年、蕎麦宿にいて18時「永年勤続20年おめでとう」のお祝いの一環で蕎麦懐石を美味しくいただこうという乾杯のタイミングでBOSSが不急メールを送ってきたことがあって、
https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2019-07-26
何かと思って見たら「いついつ何時頃から各部門へのヒアリングが行われます」とあって、関係者へのタイムスケジュールが一方的に記載されていた。「予定を見といてください」だけですよ。
私はムカッときたので「返り討ちにしてやりますよ」って返信したのです。そしたらすかさずレスが来て「果し合いじゃないんだから戦闘モードにならないでください」
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-11-20
レスは早いです。速いといってもいい。この後でまた出てきます。

「アナタの態度もよくないけど。確かに週明けでいい内容よねぇ」(ジャン妻)

後日の宴席で私の前にたまたまBOSSがいてさ。
「金曜日の時間外にあんなメール送らなくてもいいじゃないですか。月曜日で充分間に合いますよね」
って絡んでやったのだ。
「それは、自分が忘れるといけないと思って」、
自分の為だけですかい。忘れるくらいならたいした内容じゃぁないんじゃないのか。
ただ、朝の8時半も、蕎麦宿にいた18時も、その時間だと業務時間外とはいえないギリギリです。始業前、終業直後し、支店によっては8時〜営業、〜20時閉店、そういう現場もあるの。だからこっちも飲み込むしかないのですが、緊急事態発生云々の内容じゃないジャンかよ。

ところが続いたんですよ。朝のメールが。
うたた寝してたらまたしても8時半過ぎに起こされた。またヴィーンって会社携帯がバイブレーションしたのです。
今度は誰だ?何かあったか?と開いてみたらまたしてもBOSSからで、内容も不要不急でも何でもない。先週末までの会社全体の売り上げデータだったのだ。
売り上げデータは上層部だけでなく私も含めて本社職員は全員に配信されます。速報ベースなので売り上げと客数だけです。人件費や固定費、通信費、諸々経費は請求書が上がってこないと集計できないので翌月になります。
でも売り上げに対して前月度の経費を当てはめれば概略で利益も把握できます。速報ベースとはいえ大事なデータではあります。
そのデータは店舗を統括する部門がToになっています。そこの取締役が言ってたのは、
「あんなデータを毎日送って来られても毎日は見ないですよ」
週1日でいいと。それを見て日々一喜一憂する必要もないというんだな。私もマメに見るなら週に1回か、最終営業日を含めて「前月の総売上」でいいと思います。

売り上げ責任者である統括部長様に言いました。
「朝2回起こされたんですよ。あれって時間外業務に該当しませんか?」
「いや、それがですね」
意外だったが、違うという。
「自分も前に言ったんですよ。早朝と夜間に業務メールを送るのは控えましょうって。そしたらBOSSは『それって私に言ってますか?』そう言ったんです。その場で、朝はせめて8時半から、夜は20時までってなったんです」
「夜20時まで?」
「ハイ」
「最も長い営業時間の支店に合わせたってことか。そうなんだ。で、朝は8時半からね」
「まぁそうですね。9時から会議だとすると、その前には知っておかないといけない時もあるんで」
なるほどそういうことですかと。で、8時半になったら待ってましたとばかりに送ってきたってことか。
ビジネスマナー2.jpg
8時半から20時までにはシブシブ納得しました。
だがもうひとつ問題があって。
売り上げでも予算でも開発費でも経費でも何でもいいんだけど、その基になる試算データ、あるいは中間データを社員がBOSSにメールで報告したとします。BOSSが各関係者に配信するのではなく、担当者がBOSSに送信するんです。
すると速攻でレスがきます。「データありがとうございました」って。
レスが早過ぎるんです。間髪入れずにね。BOSSの業務PCのアドレスはBOSSの頭脳に直結してるんじゃないかってくらい反応が早いのだ。
そのレスが「データありがとうございました」「お疲れでした」で終わればいいのですが、末尾に必ず追加の質問が入るのですよ。
「何々の何々がこうこうなっておりますが、その内訳と理由を教えて貰えますか?」
こんな感じです。BOSSは数字にメチャ強いので、わずかな時間で「これはオカしくないか?」というポイントを把握できるのです。
ところが送信した報告者は、BOSSに送信した時点で「終わったぁ」安堵してるのと、時間によっては送信したと同時に退勤しちゃいますね。なのにBOSSから次の質問を含めたレスがすかさず届く、これが煙たがられてる。せめて配信された時刻を見て「急ぎませんが・・・」は入れるべきだろう。

で、送信者が退勤してもう席にいないのに、BOSSは部屋から出てフロアにドタドタ入ってくる。すぐ返信が来るものだと勝手に思ってるんです。
「誰々さんは?」
誰々さんとは送信した者です。
「今しがた帰られましたよ」
「そうですか」
BOSSはスゴスゴと自分の室に戻っていく。
まぁその者、報告者も、退勤時間ギリギリまで待って送信して逃げるのもどうかと思いますがね。
その日のギリに報告しないで1日あるんだから何処かで中間報告やお伺いを立てればいいのですよ。

もう辞めたけど、https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-11-20に登場したスマイルという子はBOSSから時間ギリに追加依頼が来ると、
「わかりました。それは明日でもよろしいでしょうか」
スマイルは時短社員なのでBOSSも無理は言えない。
「あ、それで結構です」
すごすごと下がっていく。それを見たソリ合わないオンナは拍手喝采ですよ。「今の返しは良かったね」って。その時は私もそう思った。その場でソリに同調はしなかったけどな。

またそう遅くない日のこと、送信者がBOSSに送信したと同時に外出したと。昼休憩とか。
ドタドタ入ってきたBOSSは、
「誰々さんは?」
ボードに行先書いてあるんですよ。昼休憩の札とか。帰社時間何時とか。それ以上でもそれ以下でもないんだ。
「そこに書いてあるだろ」
とは言ってません私もさすがにそこまでは。でも言いたくもなるよ。BOSSが探してる送信者は私んトコのシマ(部署)の人間じゃないモン。私が把握する義務ねーし。
BOSSが室に戻って、その者に追加質問メールでも送信して、昼を喰ってるその者の携帯に転送されたら「早く戻らなきゃ」になってランチが台無しである。戻ってくるの待てばいいじゃん。

「そこに書いてありますよねって言いそうですよね」
「言わなかったんですか?〇〇さん(私のこと)らしくないですよね」
(ソリの合わないオンナ)

BOSSのそういう癖がわかっているので、送信した者はBOSSの追加依頼を含めたメッセージを翌日まで見ない、見ても翌日までレスしない、あるいは私のように会社携帯に転送する設定にしてませんね。

ねぇBOSS、アナタが送信したメールは社員から見たら「即、業務!」と意識するんですよ。
緊急対応が必要な場合や、大事な連絡をしなければならない時等、止むをえず業務時間外にメールをしなければならないこともあるだろうけどさ。
そりゃ役員、取締役同士ならいいのよ。取締役ってのは24時間会社経営のことを考えてるべきだからね。(ウチの連中はそうは見えないけどね。)
今の時代、従業員にはまずいのではないかな。社員が時間外にメールを気にするしないは個人の自由なんだよ。だから知らん顔してればいいのだが、メールの手軽さ故に相手の時間や様子を考えずに送信できてしまうのもまた事実なんだな。

そりゃ送信する側は「送信しました」それで安心するだろ。「送信したんだから」見て当然かって?でも受けた側はその人によっては、時間帯によっては負担だよ。私みたいにそれ相応の自信があるか「こんな時間に配信するなよ」って傲岸不遜な態度を押し出せるヤツばっかりじゃないからね。
ビジネスマナー5.jpg
ビジネスマナー6.jpg
でもBOSSからの定期的なメール配信はある日突然無くなったのです。経理取締役が代行することになった。
無くなった理由を聞いたら。。。
部長職以上と各方面のエリア長が集合する会議が月イチで開催されています。今はコロナ感染拡大と非常事態宣言とかがあって、集合する会議のやり方を見直してTV会議になったのですが、そうなる前のこと。
何かの議事進行中、BOSSは退屈したのか、自分に関係ない議題だったのか、ひといきついたらいつもの売り上げメールを配信し忘れてたのに気がついた。
忘れてたのを思い出したかのように、その場で関係者全員に配信したのです。
するとどうなったか。BOSSの売り上げメール配信者はその会議に列席している連中全員ですよ。各人の業務携帯に転送されて、そこらじゅうで着信音、バイブレーション音が一斉に鳴りだしたというから笑える。
出席者は呆気に取られて会議進行はSTOP、中断しました。
壇上のパネリストや進行役も気づいたそうです。内心では「この場で配信するなよ」うんざりだったそうだが、敢えてその場でカオには出さずに、
「今のって何ですか?」
「あ、いや、すみません、忘れてたんで」
「・・・」
日頃ロクすっぽデータを見ようともしない現場統括部門の長たちは呆れて尚且つ知らん顔。見かねた総務部長と経理部長が「ああいう場ではお控えください」後でやんわり注意したのと「今後自分が定期的に週イチで配信を代行します」になったそうです。BOSSにこれ以上恥をかかせたくなかったのである。
私はBOSSに「最近売り上げメール来ませんね」とイヤミ言ってやろうとしたのですが、さすがにジャン妻に止められました。「そういう皮肉は止めなさい」って。
最近のBOSSは、代行してくれた経理部長んトコにドタドタとやってきて「売り上げデータまだですか?」督促してますよ。
「あ、もう少ししたら送ります」
「自分あと何時には出るんで」
「わかりましたそれまでには送れます」
送れますが遅れますにならなきゃいいけどね。
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今の時代、会社のデスクにデンと鎮座している固定電話の使用率は減ったかもしれないが、個人、あるいは会社の携帯、メールソフトやLINE等の普及で、帰宅後や休日、時間外に送信する傾向はまだあるようです。
配信する側も時間に気を遣うべきです。そりゃ突発性の事件、事故とか、緊急内容を関係者に配信するのはまぁ仕方がないにせよ「明日でいい」「週明けでいい」不急のものなら翌朝、翌週朝まで待った方がいいんだ。
世の中が便利になる一方で起こり得る弊害も多くあることを考えないといけない。受ける側の身や立場になってね。
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ワンショット [人間ドラマ]

外廻りから帰社して、
手を洗って嗽して、
デスクに戻ってPCの電源をON、
USBを繋いで、
外出先から指摘された修正、訂正を忘れないうちにカタカタ打ち直して、

フッとひと息、

そして自販機へいそいそと歩み寄る。本社フロアに自販機があるのです。SUNTORY BOSSです。
(コーラコーラ・・・)
私の心の声です。喉が枯渇しています。
100円玉と10円玉を挿入して、ボタンを押して、ビーッ、ガッチャン、ゴロン、取り出します。

プシュッ!

グビッ!

シュワシュワシュワ。。。

喉を潤します。強い炭酸が喉に五臓六腑に沁みわたる。私は意外にこういう時って「これがビールだったらなぁ」って思わない人なのです。
コーク1.jpg
飲み干したらいつの間にかジャン妻が立っていた。自販機脇にセルフのコーヒー煎れるとこがあって、そこにカップ持って立ってる。
私を見る眉間が険しい。
「またそういうのを飲むっ」
テレワークじゃないんかい今日は。
そういう言い方は止めてくれないかな。沽券に関わる。
「いいじゃねぇかよ。たいして量ないんだから」
200mlですよ。

でも日によっては2本か3本飲んじゃうんです。
ビーッ、ガッチャン、ゴロン、プシュッ、
今度はコーヒーコーナーにDON子がいた。(DON子、私のファンらしいが、ソリ合わないオンナの右腕でもある)
「またそれ飲んでるんですか?」
「そっちだってコーヒー飲んでんじゃねぇか」
「アタシはコーヒーですよ」
誰が何を飲もうと勝手だ。
人懐こいDON子の困ったところは「○○さん(私のこと)またあれ飲んでるんですよ」ってソリ合わないに告げ口したりするんです。
「身体によくないですよ」(ソリ)
(フンッ)
ソリは横合いから口出しするいつものクセではなく、ホントに私の内臓とかを心配してるみたいだったが。何を持って身体によくないってか。糖分かね。
私は他人が飲んでるドリンクを否定したことないですよ。
リフレッシュショット.jpg

このペプシ、あまり甘くないです。やや味が濃くて炭酸が強い。カフェインも強いらしいが、私は眠気覚ましに飲むわけではない。移動中に寝てますから。
強い炭酸パワーでひとくちひとくちが重たい。グビリッ、シュワ~が強いの。痛いくらいに。
ワンショットと謳ってるだけあってサイズは飲み切りです。これぐらいのサイズがちょうどいいです。これがデカいサイズだとぬるくなって炭酸が抜けますからね。1回でぐっと飲めるからいいのです。

ジャン妻は私がこれを飲むのを喜ばない。
「でもウチの伊東さん(甲子太郎)も飲んでるんだよね」(ジャン妻)
それは知っている。夏場になるとたま~に自販機の前でカチ合うことがある。伊東は炭酸重視の私と違ってカフェイン増量を重視している。チビチビ飲んでいるのです。
「総務から業者さんに言ってあの商品だけ撤去させようかしら」
止めろよって。そんな権限ないだろ。売れてるんだから業者だって売れ筋商品を棚割りから外すわけない。

この自販機は2018年の春頃に導入された。そしたらいつの間にかペプシが入っていた。こんなに美味しいコーラがあったのかってハマりました。大人の味ですよ。レギュラーのコカコーラやペプシコーラなんかカラメルが甘くって飲めなくなったもの。
最初はワンフェイスだったのがいつの間にかツーフェイス、2本になってた時期がある。私はドリンク仲間の伊東に「自分らが売り上げに貢献してるからフェイスが2本分になりましたよ」と言ってやったし、ジャン妻にも「ホレ見ろ。売れてるからだよ」って。
そしたら総務にいる若手男性に「それは違います」と訂正された。ディスプレイに2本入ってても、中の在庫は1本分、1列しかないそうである。2列3列あるわけじゃないんだって。

U紀(もと草の者4号)も私を見て、
「またそれ飲んでるの?」
目をしかめて言うんですよ。
U紀には育ちざかりの男の子がいる。子供の頃ってこういう炭酸飲料にハマるじゃないですか。それもあってか、炭酸飲料をたくさん飲むのは身体によくないと思っているんだろ。
子供さんに飲ませたくないのはそっちの勝手だが、俺はお前さんの子供じゃねぇんだぞ。
「またそれ飲んでるの?」って余計なお世話を。目をしかめて言いやがって。
そんな目ぇすると小皺が目立つぜ。お前さんは暗いところだとメッチャ美女だが、明るいとこでよ~く見ると・・・

おっと、失礼言い過ぎた。

このワンショットペプシは自販機専門で、コンビニでは売ってません。
郊外で置いてある自販機も少ない。JR駅ホームにはコカコーラの自販機がハバ利かせてるし、ペプシ系は見ないですね。
街角でもあまり見ない。私は外回りが多いので、このコーラが何処にある、何処にあった、をチェックするようにしています。狙うはSUNTORYのBOSS(宇宙人キャラのあれ)がある自販機にセットしてあるようだ。ウチの本社フロアにある自販機もそうだし。
あると駆け寄って小銭入れてビーガッチャンと買ってしまう。毎夏100本ぐらい買って飲んでましたね。
不思議なのは、自販機によって130円だったり110円だったりするのです。これは謎です。

東陽町、江東区の出先に歩く途中にあったもの。3フェイスになってるな。
もちろん1本買って飲み干しましたよ。
東陽町の自販機1.jpg
東陽町の自販機2.jpg

立川市の自販機1.jpg
これは南武線の西国立駅から徒歩数分のとこにある公用先から立川駅に戻ろうとしたのですが、バスが来なくて。
立川南通りを立川駅南(多摩モノレールの駅)まで歩いたんですよ。その途中にあったの。「あ、BOSSの販売機だ、あるかな?」って。駆け寄ったらあったの。
グビリ、美味かったな。
立川市の自販機2.jpg

で、そのまま立川南通りを西に真っすぐ歩いたら、もうひとつあった。どの辺りだったかな、立川病院の辺りだったかな。
立川市の自販機3.jpg
立川市の自販機4.jpg

その先、錦町のどっかにまたSUNTORYの自販機があったのですが。
立川市の自販機5.jpg
立川市の自販機6.jpg
無かったんです。実は無い自販機の方が多いです。大げさに言うと自分はガッカリさせられることの方が多いのだ。お以前はあったのに「あ、外しやがったな」って呟きが口から出たりします。
だからって昔ながらのペプシコーラなんて飲まないですよ。甘いしこれこそ身体によくないもの。

この右にある2缶は違います。
右の2本ではない.jpg
間違って買ったことがある。あ、これじゃねぇやと気づいたがもう遅い。甘くて飲めませんでしたよ。悪いけど全部飲めないで捨てちゃいました。そのうえで左の強炭酸を再度購入したんですよ。
何処だったかな.jpg

小田急線本厚木駅ホームにもあった。
強炭酸を発見1.jpg
強炭酸を発見2.jpg
本厚木駅からとことこ歩いて厚木合同庁舎に向かうと途中にもあった。
強炭酸を発見11.jpg
強炭酸を発見12.jpg
こうやってある場所、ポイントを覚えておくのです。

今年になって3月に入る前のこと。
ウチの部署(シマ)はミニ連絡会が週1日1回、定期に行なうのですが、まぁ何てことない、その週の予定というか、業務内容を確認し合うのです。
私の職掌は行政と支店の繋ぎのようなもので、外部に出す書類を期限内に済ませるのですが、私の責任においてひとりで完結できる職掌なので、他の連中とは殆ど関係ないというか、重ならないし関与しないので「私はこの連絡会に出る必要ないんじゃないかなぁ」っていっつも思ってる。
ソリ合わないオンナやDON子、W美の業務内容やスケジュールを聞いたってしょうがないんです。入職者、退職者、産休取得者、育休明け復職者の情報だけくれればいいの。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
の時みたいに忘れたりしなけりゃいいの。

特にソリが合わないオンナの報告内容が長ったらしい。男性は結果を先に知りたがる、女性はサイドストーリーを話したがるものですが、ソリは主題から離れて枝葉の話が多いオンナなので時間がかかってしょうがない。
それまで私はソリ合わない他の報告内容をツマんなそうに聞いていた。眠いのをガマンしてイヤイヤ聞きながら、早く終われよ、俺は外出したいんだよ、モードだったのです。
私の前には部署の上長がいます。よく我慢して聞いてるなっていつも思う。
やっとソリの報告が終わり、前述の「自販機の中身は1列ですよ」と言った男性若手社員の報告の番になった。男性は本社フロア全体の庶務を担当しておるのですが、その彼が言うには、
「自販機が入れ替わります」
それにピクッとした。

自販機が入れ替わるって?
それで覚醒した。
「そうなのか?」
「ハイ、今あるのって大きいじゃないですか。あれより一回り小さくなって、薄型になります」
私は眉間が険しくなった。前にいる上長が、
「どうかされましたか?」
「いや、ちょっと、」
自分、言おうかどうしようか躊躇したのですが、上長、男性、ソリ、DON子、W美、彼ら彼女らの視線が私に集中したのを感じた。
思い切って言った。
「商品(ドリンク)も変わるのかな」
「さぁ、それは」
「まさかあのペプシ外されないだろうな」
そしたら座が呆れたようにどよめいた。何かと思えばそんな話かと。
「ああ、あのペプシ」
「いっつも飲まれてますよね」
「〇〇さんあれ飲み過ぎ」
「身体によくないですよ」
それがどーしたっつーの。私は女史どもの黙殺して、男性に、
「商品の棚割とか見れるのか?」
「さぁ、入れ替え日に業者さんが持ってれば見れると思いますが。でもそれってもう決まってるんじゃ」
「う~ん」
ソリ合わないはこの時「絶対〇〇さん(私のこと)は業者に文句言ってアイテム自分の好きなように変えさせるだろう」って思ったそうです。
「あれ飲んでるの〇〇さんだけですよ」
「そんなこたぁない。伊東さん(甲子太郎)だって飲んでるよ」

それから数日後、とある日、私は千葉県内にいた。習志野市から千葉県庁近くにある窓口を廻って、そのまま直帰しちゃってもよかったのですが、何だか胸騒ぎがしたんだな。
帰社したらまさに自販機入れ替え作業の真っ最中だったのですよ。作業員が2人いて、これまであったデカいのをジャッキで台車に移して、その台車に載ってた新しい自販機、薄型のを所定位置にデンと鎮座させたとこだった。
私はカバンをデスクに放り出し、ズカズカ歩み寄って業者さんに声かけたんですよ。
「ねぇねぇ」
「ハイ」
「このペプシ無くなるのかな?」
「???」
チーフらしき人は私が何を言いたいのかすぐにはわからなかったらしい。私はペプシの缶を指して、
「これこれ。これだよ」
「ああ、これですか」
棚割表を見てる。
「ハイ、表には入ってないですね」
「えぇ―――――っ」
「!!!」
このえぇ―――――っが自分で思ったより大きかったらしい。
「困るなぁ。これ毎日飲んでるんだけど。残せないかなぁ」
「ええっと」
困惑してやがる。
「残してよ。売れてる筈だよ」
「う~ん、ちょっと自分には」
「決められない?」
権限ないのかな。SUNTORYの社員じゃなさそうだ。自販機だけの二次外注かもしれない。
「何とかならないかな。客先で無理難題言うヤツ、私のことだけど、そういうのがいたからって報告していいよ」
そしたらチーフの方は考えてたね。考えるフリだけかな。でもこういう作業って現場で不測の事態というか、想定外のことが起きることって多々あるでしょう。現場の裁量で臨機応変に何とかなるんじゃないかと思って。
別に無理難題でもないと思うよ。この自販機は社員への福利厚生の一環で、販売価格が巷より若干安くなってるんです。私に「それってもう決まってるんじゃないですかね」と言った総務のフロア担当の男性だって、自販機の売れ筋調査とか、アイテム選定とか、価格交渉とかやってませんからね。メーカー、業者に一任してるんです。
私は食い下がった。
「残そうよ。残してくださいよ」
駄々をこねる子供のようである。相手も辟易したらしい。まさかこんなヤツ(私のこと)がいて、たかがペプシでねじ込んでくるとは思わなかったのだろう。
「わかりました。じゃぁ何か他の商品を外さないと」
「売れてないヤツ、売れなさそうなのってない?」
私は図々しくも棚割表を覗き込んだ。これでも私は商品選定や棚割表を見て陳列した経験はあるし、特売品を山積みするとかそういう販売部門に関わってたことがある。群馬に飛ばされる前でしたね。平成24年の3月までやってたんですよ。
「じゃぁ、これでも外しますか」
これでも?何でもよかったんだろうね。仕方なく外された商品が何だったか、何を外したかすらもう覚えてないです。100%もない中途半端な果汁のジュースだったと思う。

そしたら背後から声がかかった。
「ちょっと」
振り向いたらジャン妻がいる。
「何をやってるのよ」
「何をって。業者さんと話してるんだよ」
「さっき大きい声で、げぇ―――――っとか吠えてたでしょ。こっちまで聞こえたんだからね。あ、さては例のコーラを残せって無理難題言ってるなってすぐわかったわよ」
「そんなに大きい声出したか俺?」
「こっちまで聞・こ・え・ま・し・たっ!△△さん(ジャン妻の隣の席の人)に「旦那さん何してるんですかね?」って聞かれたんだから。ウチの主人がよく飲んでるコーラを残せって業者さんに吹っ掛けてるんですよって説明したんだからね。」
ここでジャン妻は作業中の業者さんに向き直り、
「すみませんねぇ無理言って」
ところが業者さんにしてみたら、私に加えてもうひとり、それもハイミドルの女性が加わったことで加勢に見えたらしい。余計に緊張させたフシはある。

交渉成立、さて席に戻ろうとしたら、ソリ合わないがこっちをじーっと見てるんです。
自販機はウチの部から離れているのだが、ソリ合わないは私と上長を交互に見ながら何か心配そうなカオをしている。上長も遠くから不審そうに心配そうな表情だ。
「上長に『止めさせてくださいよ』とでも言ってたんじゃないの?」(ジャン妻)
遠目で見たら、業者さんに難癖つけて絡んでるように見えたんだろう。私は紳士的に商品交渉をしただけです。
私は右腕を上げて、掌をそっちに向けて「大丈夫だよ。心配すんなよ。交渉成立したから」のサインを送ったつもり。
それでもすぐには席に戻らなかった。ちゃんとペプシが残るか立ち合って確認してやるぞ。
そしたら、
「あ、大丈夫ですよ。残しますから」
じゃぁ任せよう。でも作業終了時にまた立ち会ってやるからな。
会社の自販機.jpg
交渉成立、言ってみるもんだね。
席に戻った。ソリ合わないが心配そうに、
「何してたんですか。もしかして」
何してるかも何もないもんだ。放っとけって。
「ペプシ残させたからよ」
「えぇぇぇぇっ!」
ソリ、DON子、W美、複数の声です。
「絡んでるように見えました」
ホントにそこまでやるとは思わなかったらしい。普通そこまでしないって言われた。
「ペプシ外されそうだったから交渉しただけだよ」
「でも、そ、それって、できるものなんですか」(フロア担当の男性)
「できたよ。多少はゴネて粘ったけどな」
「・・・」

作業が終わり、業者さんとウチの上長、フロア担当の男性が作業終了に立ち会った。大型地震で停電になった際に、この自販機を壊さないような開け方を教示され、中の商品を災害避難時の緊急補給にして構わないという。ペプシじゃないですよ。冷水もあるのです。
上長が作業終了のサインをして、私は「無理言って悪かったな。じゃぁさっそく買うから」小銭を入れようとしたら、
「あ、まだ冷えてませんので」
「ああそうか。」
「明日になれば冷えてますから」
そりゃそうだろよ。

作業終了のサインをして業者さんは撤収したのだが、私は草の者に送る郵便物を持って郵便ポストに向かった際に、ETVで業者さんと一緒になった。
そしたら業者さんは、
「自分もあのペプシときどき飲むんです」
って言ってきたよ。ホレ見ろって。
「あれ美味しいですよね」
私は我が意を得たりとばかりに、
「だろ、でしょ、あれは自販機しか売ってないんだぜ。コンビニには売ってないんだ」
「ええっ」
それすら知らなかったらしい。

後になってジャン妻が言うには、
「あ、自販機変えるんだ、アタシはどうせあのペプシは撤去されると思ってたんだよ。そしたらアナタが業者さんとこに向かったから、あ、始まった、あ、やってるな予想通りって」
「あれ結構粘ったんだぜ」
「ええ、見てたわよ。あ、まだやってる、いつまでやってる、仕事してないじゃんって。アタシの隣にいる△△さんも驚いてたわよ」
「何で驚くのさ?」
「そういうことができる旦那さんなんですねってさ」
誉め言葉と受け取っておこう。
「業者さんにしてみればアナタが現れてたことで2対1になって余計に恐縮させたんだぞ」
「ああ、そうなの。でもまさかアタシだって業者さんに『すみませんねぇ困った亭主で』のようには言えないわよっ」

本社にいる時は毎日飲んでます。
「またそれですか?」(DON子)
「あんだけ無理言って残したんだから責任もって買わなきゃな。飲んで残そうペプシドリンクだよ」
「何ですかそれ?」
「いや」
「乗って残そう〇〇鉄を」廃線になりそうな地方鉄道の存続スローガンをパクったのだが、通じなかった。
プシュッ!
コロナ感染拡大してるので、免疫力をつけんと、バターピーナツと併せて飲んだりする。そしたら塩分だ、糖分だ、脂質だってまぁうるせぇこと。

同じドリンクユーザーの伊東甲子太郎と自販機でカチ合った。
「こないだ外されそうになったので、身体を張って交渉して残しましたよ」
得意満面で言ってやったが、
「ああ、〇〇さん(私のこと)これお好きですよね」
伊東は今はペプシに飽きたのか、別のエナジードリンクにハマっている。

昨日は真夏日だった。マスクしたままの外回りはキツくて「人気のない場所では時々外し、人とすれ違う時にマスクをする」の繰り返しでした。
この写真は午後、炎天下の圏央部を歩いてたら見つけた自販機で、
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ここまで自販機は全くなくて、さながら砂漠中のオアシスの感があったよ。
プシッと開けてグビッと飲んで生き返りました。
オアシス3.jpg
オアシス2.jpg
圏央部だから丹沢おろしが吹いてた。風が吹けばその時だけ涼しいという。だから歩測数が我ながら驚愕の数値になった。昨夜帰宅した時点でついに歩測数30000歩、過去の最高数値27000歩を超過しました。
ジャン妻に「そんなに歩くんじゃないっ」怒られた。

スーパーレジにあったペプシ.jpg
最後に。これは地元のスーパーのレジ近くにあった。
自販機にしか置かないのに何故ここにあったのかはわからない。売れ筋じゃないのかもな。買ったかって?買いませんでした。勤務中に自販機で購入してこそ美味いのです。家で飲んだって美味くないよ。
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最後の大人数パーティー [人間ドラマ]

コロナウィルスなんぞが蔓延しないで普通に飲み歩きができる日常だったら、呑みネタに事欠かない日常なので、このような大人数の飲み会はUpしないのだが。
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会場です。もうコロナで休業してるだろう。今ひとりで行けと言われても何処にあるのかすら覚えてない。
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令和2年1月の第2週に本社全体の懇親会、新年会が開催されたのです。ウチの本社は私ら下っ端の運営会社、伊東甲子太郎とジャン妻のいる上の統括会社、他もう1社あって、それらの中に事業統括部、営業部、開発部、栄養指導部、そして人事部、教育部、管理部(総務、経理、財務)ゴチャゴチャと細かくあるのですが、総人数はワンフロアに100人近くいる。普段は挨拶程度で会話したことがない人も多い。
私を知らない人はいないと思う。会話はなくても「あの態度のデカい男は誰だ?」「ああ、〇〇さん(ジャン妻)の旦那さんか」だそうです。ジャン妻に聞いた話です。
大人数の宴会なんてのはツマらないし嫌いだが、一応は全社イベントである。知らない人をジャン妻に紹介してもらおうとしたら、
「アタシは行かない」
「何でさ?」
「その日は予算フォームを各社に配信する期日なのよ」
彼女だけ不参加だったんですよ。そりゃアナタも大人数の飲み会が嫌いで、あまり社交的に話せない人なのは知ってるけどさ。来なかったんです。私ひとり参加した。
大盛況11.jpg大盛況12.jpg
呉越同舟で100人中80人が参加したパーティー、席は席番号を籤で割り当てられた。この番号が後のクイズコーナーの番号になるのです。
でもまぁ料理はたいしたことなかったね。前菜、サラダ、マカロニだけだったのだ。ホントにその程度のものでしたよ。デザートはあったかも。肉もパスタもなかった。こりゃぁ店側は手を抜いたなぁと。
ノミホとはいえ、ワインはまぁまぁだった。
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スタートはつまんない雑談です。この日、初めて喋った人同士もいたみたいだね。
最初、クジ運悪く私の前に座り、私に背を向けているこの女性ですが。
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既に次のコーナー、お決まりのクイズゲームコーナーに入ってるのですが、この背中の女性はプレデターにそっくりなんです。素顔じゃないですよ。目つきがマスクしたプレデターにそっくりなのと、体育会系で肩幅広く二の腕が強く、歩き方もズイズイズイ、挨拶されて一瞬レスリングの選手かと思ったくらい。
目力も強いのだ。この私が気圧されて何を話したかあまり記憶にないくらい。体育会系のオンナって苦手なんですよ。
私の右隣には美女のU紀(もと草の者4号)がいますが、会場が明るいのでボロが出るというか、美人は美人なんだけど目の周りの小皺が見えたな。疲れてたようだ。
話の流れでU紀は「この方(私のこと)見た目はこうだけど。社員に優しいよ」
放っとけと思ったが、U紀也にフォローしてくれたのですよ。
で、お決まりのクイズ&ゲーム、多くはないけど幾つかの賞品が当たるわけです。
クイズの内容は司会者がキーワードを幾つかあげて「有名人の名前を当てる」で始まった。例えば簡単なのだと、①バット、②4367、これならイチロー選手ですよね。③アウトレイジ、④BIG3、これは北野武(ビートたけし)さん、そういうクイズで始まった。
難しかったのが歴史上の人物とか国名です。⑤毘沙門天、⑥日本海、長尾景虎、こんなのは簡単な方だがね。
解答はわかった者が挙手して答えるのではなく、司会者が席の番号を振って振られた者が答えるのです。私はクジ運、番号運が悪いので、そういうのは過去に一度も当たったタメシがない。ジャンケンも弱いし。
何かの上位賞を当てた男性は「これで今年の運を使い果たしました」と言っていたが最近カオを見ないもの。どっかに飛ばされたか病気で休んでるという噂も。ホントに運を使い果たしたかのように。
何番目かに振られたのが私と長年ソリが合わないオンナで、彼女に振られたクイズキーワードは、治安、空気が薄い、サルサ、だったと思う。
私でもわかった。メキシコですよ。
でもソリは答えられない。カウント内に答えられなけりゃ「残念でした、次!」次の番号に振られる。
私は胸中で歯ぎしりした。「当てろ、当てろ、メキシコだろーがよっ」でも声に出せない。ソリは海外旅行に無関心なオンナなので答えられなかった。次に振られた者に回答をさらわれた。
クイズが終わって、座が乱れたところで、私はソリに詰め寄った。
「さっきはなぁにやってんだっ。麻薬カルテルったらメキシコだろうがっ」
司会者は治安と言っただけで麻薬の麻の字もカルテルのカの字も言ってないんだけどね。
「そ、そ、そんなのわからないですっ。せめてタコスだったら」
大盛況13.jpg大盛況14.jpg
座が乱れてきた。私の隣には美女U紀(もと草の者4号)がいたのだが、知ってる彼女と話してたってオモシロくもないので、その辺を廻ってホストというか、挨拶がてら懇親するわけですよ。
ひとりの女性と会話した。色が黒いオンナで赤ワイン飲んで顔から顎下、首、胸元まで真っ黒、でもないが全体が浅黒いのだ。
その女性が言うには、
「20年前は〇〇さん(私のこと)尖ってましたよねぇ」
「そうだったかなぁ」
20年前は対立する構図だったのだが、歳月が経って相手の立場、気持ちが理解できたのだ。
この女性は群馬ブロックを案内した際に私が運転手をしたのですが、富岡か安中のGustでデザートを奢ったことがあるな。
「もう丸くなったよ」
「ですよねぇ」
何で親しくなったか。実はこのオンナは上州出身なのです。でも私が足を踏み入れたことのない地域の出身です。まぁ桐生か館林か、藤岡か南牧だと思ってください。
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座を廻るのに疲れたので、白ワイングラスを持ったまま壁に寄りかかって立ってたら伊東甲子太郎が来て、
「あれ?今日、〇〇さん(ジャン妻)は来てないんですか?」
っていうか、アナタの会社の部下でしょうよ。
「来てないですよ。来れないって」
「自分、何かそんな急な仕事頼んだかなぁ」
そのジャン妻は、この店でひとりで飲んでいた。(現在は休業中)
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ハーフか小皿の写真が届いたので、こっちもたいした料理が出なかったで物足りないので駆けつけました。
メニューを見る。こっちに来ればぁよかったかなぁと後悔。
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「伊東が、あれ?今日は〇〇さん(ジャン妻)は来てないんですか?とさ」
「また彼はそんなことを」
伊東は相変わらず忘れっぽい。大風呂敷で先の先まで見据えて、空の上から全体の対局を見てるのだが細部はすぐ忘れる。森全体を見て木や枝葉を見ない人なのです。
ハーフで2品ほどいただいた。
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味噌仕立て2.jpg
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大人数の宴会はこれを最後に開催されていない。(当然だが)
春に入社した新人60名の歓迎会もキャンセルされ、新人研修は各人の自宅かホテルの部屋内でWeb上で進行した。どうしても本社会議室に呼ばなきゃならない研修も60人を幾つかのグループに分けて、席を離して分散化して行ったのです。4月1日付の異動に伴う歓迎会は全社内で禁止になった。
いっそこれを機会に会社のカラーを「宴会をしない文化」に変えてもいいと思う。どうせ今のご時世は全体主義なのだから。
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飲みネタが尽きそうだ。
実は感染拡大前のネタがもう2譚あるのです。1譚は休業中のスパムステーキの店で、私がその日に受けた憤懣をジャン妻にぶつけた話。
でもそれは後に回す。もう1譚は4月1日異動に伴う壮行会で、私が懇意にしている支店で3月下旬に開催された。人間ドラマを構成、整理して後日にメモリー(記憶、想い出という意味で)Upしますけど。
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それはジェラシー? [人間ドラマ]

神奈川県内の某エリア長からソリ合わないオンナに問い合わせがあった。
その内容はというと、
「ウチの支店の誰々へ、裁判員裁判の通知が来ちゃったんですよ。そのせいで何日か休むんですけど、それって有給休暇扱いですよね?」
現規定、内規ではそうなるらしいな。
「エリア長は、その間だけだから新規採用はできないのはわかっていますが、人員が足りなくなると。その裁判員候補者さんは支店のメインの社員なので、裁判に行かせたくないって言ってるんですよ」(ソリ)
「行かせたくないって?」
「ハイ。でもそういうのが届いた以上、会社から行くなとは言えないし」
「裁判なんて滅多に無い経験だから、出てもいいとは思うけどな」
「でも、抜けた穴を補充する人がなかなかいないって言うんです」
「まぁそんなこったろうよ」
その社員の裁判期間中は誰が穴埋めするのはサトコ(仮名、草の者9号)という社員に決まった。
サトコはずーっと支店に入りきりになるから私の業務を受けられないって言ってたのを思い出した。
まてよ?それって回避できなくもないぞ。
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「それって正統な理由があれば辞退できるよ」
「正当な理由?」
裁判員制度は原則として辞退はできないが、辞退事由をあげて裁判所が認めれば辞退することができる。
①重い病気、怪我、親族や同居人の介護
②事業上の重要な業務を抱えている、
③重大災害指定を受け生活再建中である、
④妊娠中または出産日から8週間を経過していない、
⑤重病や怪我の治療を受ける親族や同居人の通院、入退院に付き添いがある、
⑥妻や娘の出産立ち会い、入退院に付き添い、
⑦居住所が裁判所の管轄区域外の遠隔地で裁判所に出向くことが困難、などなど。
私は過去に前述の①~⑦で、②の理由で辞退願を書いて裁判員候補者になった社員を辞退した(させた)ことがあります。
「随分前にZさん(Z女史)のトコに裁判員裁判通知が来てさ。本人が出たくないって言うからさ」
「Zさんがですか?」
群馬転勤が解けてからそういうことがあった。Z女史(私の1歳上)がアワアワしながら訴えてきたのです。
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Z女史は泡食ってアタフタしていた。
「来ちゃったのよ来ちゃったのよ」
「何が来たのさ?」
私はこの時「何がキタのさ?月の〇〇か?」とアヤうく言いそうになって飲み込んだ。アブネー。
「裁判員裁判通知よ。何でアタシんトコに」
「えっ?」
っていうことがあったんですよ。
「あれは確かクジで選ばれるんじゃないかなぁ。やればいいじゃん。滅多に無い機会だぜ」
「仕事休めないわよ」
「日当出るんでしょ」
「そういう問題じゃないの」
「(笑)毎年毎年東京マラソンは落ちるのに裁判員通知は引き当てちゃったってか。カッカッカッ(笑)」
女史はムッとした。マラソン10何年毎年申し込んでるのに1度も抽選で当たったことないのです。
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女史は眦が吊り上がって口調がキツくなった。
「他人事だと思ってるでしょっ。殺人犯だったらどうすんのよっ。アタシの顔を覚えられたらどうすんのよっ、あとで殺されに来たらどうすんのよっ」
「殺されに来たら?」
私は爆笑してしまった。
「そりゃ殺しに来たらの間違いでしょ」
真っ赤になって怒怒怒!
もうっ、笑ってないで裁判に出なくて済む方法を考えてよっ」
「ええっ」
「・・・」
「私に辞退届を書けってか?」
「〇〇さん(私のこと)文章得意でしょ」
文章得意ったって女史は拙Blogを見てる訳じゃないですよ。女史はSNSに全く興味の無いガラパゴス女、ダイナソー女ですから。私は過去に何回か社内報を書いてるので女史はそれを見てるんです。しょーがないから起案してあげたんですよ。裁判所宛へ、辞退理由②で書いたの。
「候補者当人は日々末端の医療に携わり、時間外や休日等も緊急依頼があれば出動しなくてはならない職種であります。裁判所への出頭等で業務に支障があると緊急な患者に迷惑がかかる云々」
ところがこれで通ったんです。これだけですけど。
「ありがと。辞退できたワ」
後日、涙目で礼を言われた。

「そんなことがあったんだよな~」
そしたらソリ合わないオンナが小さい声でポソッとこう言ったんです。
「Zさんと仲いいですね」
???
「そう見えるか?」
「ハイ」
それ以上何も言わず下を向いてしまった。寂しそうだった。

その日の夜、地元のスタンド酒場へ。
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この店は高齢なママがひとりで営っているので場所や店名は伏せます。家のおかずより少し高いぐらいのレベルです。
ただ、営業するしないが難で、その日によって営ってたり閉まってたり「こないだ7時に来たら閉まってたジャン」って詰ったら「その日は9時に開けたわよ」とか「前の日朝までお客さんがいて疲れちゃったのよ」とか、不規則不定期営業ばっかりの店なのです。
「今日は開いてたよ」
「今日は閉まってたよ」
そんなんばっか。たまたま開いてたら、タイミングが合えば入りますが。
この日はやや遅かったので開いていた。21時だったと思う。だから入れました。
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唐揚げ2.jpg
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で、この店でジャン妻と、その日にあったことをお互い話しながら、その話題になり、
「なんなんだアイツ(ソリ)は?」
「・・・」
「何が言いてぇんだ?」
面白くも無さそうに言うには、
「そりゃ彼女(ソリ)にしてみれば、Zさんにはそこまで親身に対応しているのにアタシにはしてくれないじゃないって思ったのよ。決まってるじゃん」
そんなこともわかんないのと。
「そりゃ焼き餅か?」
「そうよ」
「フンッ、アイツめ。そんな仲かっつーの」
「Zさんと何年?いいとこ10年でしょ。ソリさんとは20年じゃない」
珍しくジャン妻がソリを擁護したのです。
「何だよ。普段は仲悪いクセに」
「仲悪い?仕事上の接点が無いから会話がないだけよ」
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昨年、ALL店長会議のイベントでZ女史は私の隣だったのだが、
「今度いついつの健康イベント来てよ。今から抑えておくワ」
半ば強制的に私の予定を押さえられたことがある。まぁサクラみたいなもんです。
会社的には支店の大事な公的なイベントです。でも支店を統括するボンクラ部長から何の発表もなかった。誘導とか整理とか片付けとかの応援に、手伝いに行った方がいいのかどうか。
ジレたソリ合わないは、
「まだ部長から開催時間とか片付けとか、何の発表、依頼もないんですけど」
「さぁな。私は午後から行くけど」
何で午後からかというと、午前中は子供さんの職場体験のようなプログラムなので遠慮したの。午後から健康体操、ヨガ、栄養指導、カロリーオフ食の試食とか、大人のプログラムになるのだ。
「午前はガキばっかりだから行かねぇよ」
「何時からだか聞いてます?」
「聞いてない」
「聞いてないんですか?」
「だってアイツ(Z女史)は全体会議の懇親会で私に『その日来てよ。今から押さえとくワ』って一方的に言いやがってさ。じゃぁテキトーに行けばいいんだろとしか俺は思ってない」
そしたらソリはムキになって、
「〇〇さん(私のこと)はZさんと関係できてるからそれでもいいですけどっ。他の社員たちはそれだけじゃぁ困るんですっ」
な、なにを怒ってやがるんだ。

「それも焼き餅よ」(ジャン妻)
「そうなのか」
わかんないのこの人は?という白い目をされた。
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「こないだも『B子(草の者13号、東海担当)が最近俺にタメ口になってきた』って言ったら、だって〇〇さん(私のこと)はB子さんの支店の飲み会に出てるんでしょって言いやがって」
「どれもこれも焼き餅だね。ソリさんとはそういうのないでしょ」
ジャン妻は内心ではソリに対してザマミロと思ってるのかも知れないけど。それ以上に自分の亭主のドンカン力に呆れたフシがある。
「アイツとあるわけねぇだろ。部署の飲み会ならまだしも」
「いいわねそのトシで焼き餅なんか焼かれて。ホーッ、ホーッ、ホーッ(笑)」
ジャン妻は森のフクロウみたいな奇声を上げて、焼酎お湯割りをグビリと飲み干した。
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駆け込み神社 [人間ドラマ]

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群馬八幡駅に着いたらタクシーが停まってない。
今は16時ちょうど。17時台だと1台か2台は停車しているんだが。
仕方がない。歩くか。
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ここに来る前、高崎駅改札前のロータリーを出て、東口のやまだ電気前のデッキで目的の場所へ電話しています。なかなか電話に出なかったね。
「こちら八幡宮です」
「群馬八幡の?」
「そうです」
「境内に御守とか御札とかって売ってますか?」
私は八幡宮に行ったことが一度だけありますが、それはお参りに行ったのではなく、裏手にあるこういうものを見に行ったのです。
https://funayama-shika-2.blog.ss-blog.jp/2013-01-13

今回はそういう裏趣味ではなく、本当のお参り、祈願です。参拝の後、御守を購入してウチの女性社員に届けたいのだ。

八幡宮の管理者が言うには、
「境内の社務所にございます」
「何時までに行けばいいですかね」
日の入りは早いし、八幡様はデカい規模の何とか神宮とか、何とか大社のように随時神主さんや巫女さんが詰めてはいないのだ。陽が沈んだら地元町内会にある人気の無い神社と変わらない光景になる。
「ええっと、4時半ぐらいまでには」
「よじはん??」
せめて5時までいてよと思ったよ。
あまり時間はないな。ダイヤを調べたら15:52高崎発、八幡着15:59か。
「何とか急いで行きます」と言ってここまで来たのだが、16:00に八幡駅改札を出ても今からタクシーを呼ぶ距離でもないのだ。待ってる時間を考えると歩いた方が早い。
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歩いた。途中小走りに走ったりした。
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あの踏切を渡るとその先でバイパスに出て少林山達磨寺に繋がるのか。
八幡宮にするか少林山達磨寺にするか迷ったのだが、前者は行ったことあるけど後者は達磨で有名、達磨さんのイメージって私の参拝目的とはちょっと違うような気がした。選挙当選なんかで見るように何かを達成する為の意味合いが強い気がして。
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路地を右に曲がってそこからまた小走りに走ったりした。下校する地元女子高校生が脇道から出てきて、血走った私のカオを見てギクツと立ち止まった。
そこで息切れしたので走るのを止めて早歩きした。女子高生は私の後を一定の距離を置いて歩いてくる。
悪戯心が沸き上がりわざと立ち止まったりした。
女子高生の歩みも止まった。警戒してるらしいな。無理もない。他に人なんて歩いてないからね。
内心で可笑しくなったがそんなことしてる場合じゃないのだ。もう残り時間30分を切っている。急がなきゃ。また小走りに走った。恐々していた女子高生から見たら上下黒スーツ、柄ネクタイ、皮コートの私が人気の無い住宅地の路地を走っている姿はアヤしく見えたのだろうか。自分でも見てみたいぜ。
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参道に突き当たる通りにでた。
あ、あれだ。山門が見える。
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着いたぞ。何とか間に合った。だけど息が切れた。この階段を上がるのか。膝がガクガクしそうなのでゆっくり上がった。
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境内にが人気が無い。参拝者なんかいない。祭事でもないと人が集まらないのだろう。
薄暗くなってきそうだ。まず、小銭の有り金を全部投げ込んで参拝を済ませた。
(R子の手術が無事、成功しますように。。。)
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社務所.jpg
社務所に歩いた。
窓ガラスを開けて「御免」
管理人のオッさんが出てきた。住み込みではなく通いらしい。おそらく定年引退後だろう。
「さっき電話した者です。御守をいただきたいのだが」
「どんな御守ですか?」
「手術の御守」
長寿、病気平癒、健康、厄除け、安産、縁結び、合格、子授け、学業、旅行安全、幾つか見繕ってみた。
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「こういうのでいいと思います」
病気平癒とあった。これでいいかな。他は何がいいのかわからない。
「2つ貰おうか」
「おふたつですか」
色別、デザイン別に二つ、別袋に入れて貰った。
「ついでに聞いてみたいことが。裏手にある一直線の堀、濠は何なんですかね?」
「ああ、あの堀はですね。武田信玄が攻めて来た時に防ぐ為に作ったとか、もとからここにいた豪族の跡だとか、諸説あってわからないんですよ」
八幡様、源氏だから甲斐源氏にも繋がる。武田軍は上州で相当やらかしたが、この神社に対しては乱暴狼藉はしなかったのではないか。
タクシー会社の電話番号を聞いたら管理人さんは「今からお呼びしましょうか」と言ってくれたが、境内を見てから自分で呼ぶことにした。

裏手に廻ってみた。一直線の濠はまだあった。晩秋から冬に入る頃なので、草も刈られて遺構の起伏が見やすくなっていたが、埋められて浅くなっている。
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境内に戻って南方を遠望します。
あの山一帯を鼻高というのですが、写真の山中にラブホがあって、その右手に武田軍の本陣があった。そこでも激戦があったそうです。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2015-05-22
遠望1.jpg
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管理人が引き上げていくところに出くわした。
「タクシー呼びました?」
「いや、これからです」
定年退職後、ああやって社務所に詰めるのもいいかもなとふと思った。

下る方が足場がキケンですね。吸い込まれそうになる。
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タクシーが来たので、そこからウチの現場に向かった。御守を渡さないと。
渡す子は過去に登場した笑ふオンナではないです。
お喋りオンナEでもない。
イニシャルN、自分が群馬に来た時は20代前半の小娘だったが来年2児の母になるNでもない。
https://funayama-shika-2.blog.ss-blog.jp/2013-03-18
(2013年だからな。三十路になるよな)
聖なる酔っ払いオンナ、ヤンキーガールでもない。その子は平成後半に現れた。でも病気なのだ。もうすぐ入院して大手術です。
本社でソリの合わないオンナに呼ばれたの。アイツ小会議室に長い時間入ってなかなか出てこなかった。こっちは聞きたいことがあったのに。
「群馬に行く機会あります?」
「なくはない。あるといえばあるな」
「入院手術するR子さんから電話が架かってきて」
R子は障害者なんです。精神ではなくてハンディキャップです。でも日頃、頑張ってますよ。
「R子から?それで会議室にこもってたのか。だけど随分長い電話だったな」
「ハイ。電話口で泣いてました。エリア長が『長期で入院するんだったら新たに採用するしかないな』って言ってるのを小耳に挟んじゃって、自分なんかもう要らないんだって」
ソリの目には少しだけ涙が浮いていた。でも私にそれを見られたのが癪だったのか、キッと声に力を込めて、
「エリア長は何でそういうことを本人の耳に聞こえるように言うんですかねっ」
「エリア長はシフトを維持しなくちゃならない。1人欠員したら新規採用でも異動でもして補充するしかない。」
「それはわかりますけど」
「だけど・・・それを休む当人の前で、聞こえるように言ったってかぁ?」
「そうですよ!!」
という訳で、日頃っからソリの合わないオンナの依頼で来たのですよ。「行かれるんなら会って励ましてください」っていう依頼でね。

いきなり現れた私を見てR子はビックリ。
「N子(ソリ)が心配しとったぞ。で、どういう日程なんだ?」
そう切り出して入院手術、療養、リハビリの日程とかを長々聞いた。R子が涙目で言うには、
「私会社に戻れるでしょうか。私が長期入院して退院してからもリハビリして療養している間は誰かが入るだろうし、そうしたら私なんていらないのかなって。辞めるしかないのかなって。そういうう場合も想定して考え込んじゃって・・・」
あ~、頼むから泣かんでくれ。泣くオンナはめんどくさいんだよ。だけどそうか。入院手術の不安よりもその先の不安の方が大きいんだね。
私は聞くだけ聞いた。私は相手が訴えている間は遮ったりしないスタンスなのです。言うだけ言わせます。
だから女性社員に信頼されてるのだよ。
話の途中どこかで応えてあげなくちゃならない。「現代の医学を信じろ」とか何とか言ったんだたかな。
「戻って来い。戻れる。でもそれにはまず手術を無事終えて退院してから先のことだろう。手術に打ち勝って来い」
そう言ってからテーブルに御守をバンと置いた。
「R子、これを君に託そう」
R子は目を見開いた。
「何ですかこれ?」
「見りゃわかるだろうがよ。これを持って入院しろ。病室の枕許にでも置いとけ。八幡の神様が護ってくれるだろうさ」
「ええっ」
R子はまた泣きそうになった。あ~頼むからこれ以上泣くな。私は泣かせにきたんじゃない。
「この御守はご両親には見せてもいいが、ウチの連中には見せるなよ。アイツらに見せたらご利益が減るぜ、笑」
R子は少しだけ笑顔になった。

カッコつけた私ですが、私のもうひとつのホンネを書きます。
実は会社としてはR子に辞められると困るのです。ウチの会社、従業員数1000人に達しそうですが、障害者雇用数が未達らしいのだ。
一定数以上の従業員を雇用している事業主は従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務がある。それをクリアしていない。
思いっきり簡単に言うと、従業員を45.5人以上雇用している企業は障害者を1人以上雇用しなくてはならない。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者が算定対象です。
厚生労働省のHPから抜粋しますが。
『障害者雇用は作業施設や作業設備の改善、職場環境の整備、特別の雇用管理等が必要となり、健常者の雇用に比べて一定の経済的負担を伴う。
障害者を多く雇用している事業主の経済的負担を軽減し、事業主間の負担の公平を図り、障害者雇用の水準を高めることを目的として障害者雇用納付金制度が設けられている。』
この納付金は法定雇用率未達成の企業の中から労働者100人超の企業から障害者雇用納付金という名目で徴収されるのですが、これを元に法定雇用率を達成している優良企業に調整金、報奨金を支給するのです。
ウチは末端の医療業界で、専門技術職という性格上もあって遅れている。技術や専門の面での雇用が難しいようで事務職に限定されるのですが、障害者を雇用して窓口業務に就かせていると利用者側も安心するし、社会的にも信用されるのです。でもだからといって、まさかそれをR子に「そういう理由でお前が辞めたら会社が困るんだ」とは言えないじゃないですか。
「そんな言い方しないでくださいねっ」
ソリ合わないは私に依頼しておきながら思いっきりそう釘を刺してるんです。
「言わねぇよっ」
私に「会ってあげてください」そう頼んでおきながら「この人大丈夫だろうか?」と心配カオしとったがね。アッタマに来るオンナだ。さっきまで涙目だったクセによ。20年近くも一緒にいるのにコイツは私を信用しているのか信用していないのかどっちなんだ。

私はやはり会社側の人間なのです。R子の為に本気で想う一方で腹の中では会社のことを考えている。別の自分がいるんです。人事って腹黒い側面もあるのです。本人の為、会社の為、双方100%満たされる結果なんてそうそうないです。いいとこ70%だろう
R子に「ご利益が無くなるから御守は皆に見せるな」と言ったのも他に理由があって。
こういうのは支店長、エリア長といったR子の直属の上司がすることですよ。でもしない。彼らはR子が抜けた後の体制を最優先に心配してしまうのです。それは仕方がないのですが、だから私がこんなスタンドプレイをしなくちゃならない。連中は森田まさのり氏、宮下あきら氏、池上遼一氏の劇画を見て育ってないからだよ。
でもハッキリ言います。私ほど末端の社員を想っている者ってウチの会社に他にいないです。
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公用と言えるのかどうか。悪気はないけどR子を傷つけてしまったエリア長と次年度のシフトを相談してから引き上げました。例の託児居酒屋に行くにはまだ早過ぎる。
この日は帰りました。
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チェックシート [人間ドラマ]

今日から出社です。
まだ世間が動いてないので、これから当分の間の飲食関係は昨年のネタでしのぎます。
でも今日は小ネタです。
食べ物は出ません。
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ウチの会社は接客業でもあるので、服装、メイク、髪型等、うるさいマニュアルがあります。
まぁマニュアルに書いてあることは至極当然のことばかりなのですが。
そういうのは内部監査チームが廻ってチェックしたりしてます。店がクリンネスできてもそこで従事している者たちが乱れてたら意味ないですから。

では東京本社の社員はどうか。
現場に指示する側がちゃんとしてなきゃ示しがつかないですよね。
でもヒドいモンですワ。特に女性社員の服装がヒドいのだ。遊びに行くのか近所に生ゴミでも出しに行くのかってカッコが多い。
人事部はさすがにきちんとしていますね。中途面接を担当する女性社員もその時だけはOLスタイルですよ。
例のソリ合わないオンナ、このオンナが稀にいい服を着ている時は飲み会の時です。上の会社にまで誰かしら声かけて参加しまくっています。「会議でないけど打ち上げ参加していいですか?」とかね。
毎日オフィシャルなカッコしてるのは人事部、DON子(ソリ合わないの部下)社は違うけどジャン妻ぐらいだな。

で、その身だしなみチェックシートですが、教育部長が原案を作成して本社の社員全員と各現場を束ねるエリア長、スタッフを束ねる事務リーダーたち(私の草の者たち11人)に一斉に配信したのです。ただ、あくまで原案です。「こういう内容で如何でしょうか?」というもので。
まだ答える必要な無い原案はこんな内容だった。

頭髪、髪は清潔に、前髪やもみあげは長過ぎず、
髪の色、ヘアカラー100番以下、
寝癖など、乱れていない、

髭は剃るのが当然で無精髭は不可、剃り残しも出来たら無くすこと、
手先、指と爪の手入れ、長い爪は不可で、爪の長さ形は適切に、

名札を下げる、ネックストラップの汚れ等に注意、旧くなったら替える、

服装、男性はスーツ、Yシャツ、(夏場はクールビズ対応)ビジネスに相応しい色、(黒、グレー、紺が望ましい)、シワがなく折り目が付いていること。
Yシャツ、ビジネスに相応しい色、白が望ましい、華美な色、暗い色ではないこと、
シワがなく、Tシャツの襟や袖口が汚れていないこと、
ネクタイ、ビジネスに相応しい色柄であること、
結び目は襟元で締め、曲がっていないこと

靴、ビジネス仕様、カジュアル靴は不可、汚れ、すり減り、破れ等なく、靴底もすり減り過ぎてないこと、色は黒、茶色、紺等

香り、口臭、体臭、たばこ臭を気にすること、過度な香水等、臭いが気にならないこと、

アクセサリー、時計もビジネス仕様のものであること。

以上は男性編で、私は女性編は見てません。
男性の場合はスーツ、Yシャツ、ネクタイ数本あればいい訳で、金がかからないものなのです。
女性はとにかく金がかかるというんだな。
浜田省吾さんの唄で「4年めの秋」というのがあって、
今日は何を着て行こうかしら ♪
毎朝迷う鏡の前 ♪
でも迷うほどハンガーケースの中 ♪
洋服並んでいるわけじゃなし ♪

安い給料の草の者たちも言ってた。服を揃えるのが大変だって。
男性なんてネクタイ変えるだけでいいからね。
「いいわね男性は?」
言いたくなる気持ちもわかるけど。ウチのオンナどもはとにかく酷いので、教育部長に言ったのよ。
「ウチのオンナどもの服装から変えないとな。でもそれって誰が言うんだ?」
「それなんですよ~」
下手にグサッと言うと別の問題が起きかねないというんだな。温和で穏やかな教育部長はこれら全てを社員に徹底させるだけのメンタルパワーがあるのかな。
女性社員には男性が注意し難い部分もあると思う。女性管理者がいればいいのだが、それはそれでオンナ同士で「そういうアナタは何よ」となりかねないと。「良識の範囲内で」これが全くわかってないんだよ。
「制服にすればいいのよ」(ジャン妻)
一理、いや、それ以上ある意見ですね。

で、デスクワークがひと段落して、さぁ窓口に出かけようかとカバンに書類を詰め込んでいたら、そこにいた社員全員の会社携帯が鳴ったのだ。教育部長は関係者のPCに配信したのですが、殆どの社員はPCから携帯に転送されるように設定されているのです。

(この携帯転送でウチのボスがやらかしてくれて、失笑、呆れ、空気を読んでください事件が起きたのですがそれは項を改めます。)

携帯転送されたのがわかったので、私もまだPCの電源をOffする前だったのでサッと内容を見てみた。前述のようにまぁ当然のことが記載されているだけですよ。

で、教育部長はこの原案を配信して「何か追加、ご意見等あれば返信ください」という文面があったのですが、急いでた私は本文をよく読まず、各自の身だしなみをチェックしないといけないんだな、これはもう完成版なんだなと思い込んでしまい、急いで自身のチェックをし始めてしまった。一部にコメントを入れた。(カッコ内)がそれです。

頭髪、髪は清潔に保たれているか?
(生えてる部分だけなら、髪が無いわけではないぞ)
前髪、もみあげは長すぎないか?
(見りゃわかんだろ。全体的に短い)

ヘアカラーは・・・
(ナンバー云々の前に私は染めようが無い。頭皮を染めるハメになるじゃないか)
寝癖、乱れはないか?
(寝癖があるのか無いのか自分でもわからない)
マル、バツ、サンカクを付けるのです。殆どが〇だったのですが、ひとつ引っかかったのがネクタイなんですよ。

タイ1.jpg
タイ1.jpgタイ2.jpg
ビジネスに相応しい色柄である、
(お世辞にも堅気の柄とはいえないかもな)

急いで打ち込んで全員に返信するという悪いクセ、いや、わざとやったのですが、操作ミスのフリをして茶化して返信したのです。「あ、やっちゃったぜ、いいやもう」ニヤニヤ笑いながら社を出ようとしたら、各部署の女性たちからと笑いが起こった。
最初はクスクス、そのうち大口開けて掌で押さえながらケラケラ、店舗運営部門、教育部門、経理まで、フロアにいる殆どの女性社員が笑いだした。
「ちょっとぉ、もうなぁにこれぇ、おっかしいぃ、アハハハ(笑)」(U紀)
「〇〇さん(私のこと)アタシ笑い過ぎてひっくり返りそうになったよぉ」(経理女性)
「まぁ〇〇さん(私のこと)の場合、確かにそうだよねぇ」(女性課長)
当時はまだ在職していた雪子も声に出さないで笑っていた。
男性陣は誰も笑わなかったんですよ。ウチは私を笑う度胸のある連中なんていないからね。
女性社員で唯一笑わなかったのが前にいるソリの合わないオンナ、呆れたように言い放った。
「〇〇さん(私のこと)これまだ原案ですよ。本文よく読まなかったんですか?」
「読んでねぇよ。もうそれで決定かと思った」
ったくツマんないオンナだ。じゃぁお前さんの日頃のカッコ、服のセンスは何だと言いたい。

教育部の部長はアワを食ったカオしてスッとんできた。私を怒らせたかと思ったらしい。
「あの、あの、後日、正式なものを配信しますから」
「いいよいらねぇよもう。今返信したのでいいじゃねぇか。俺はあれ以上でもあれ以下でもないからさぁ」
部長職に対して随分とぞんざいな口を利いてますが私の方が一回り以上年上なのでつい。マナー項目の中で言葉遣いなんてのがあれば真っ先にひっかかりますけどね私。
それに(カッコ)内のコメントはともかく、己を鑑みてマルサンカクバツを付けたんだから。

〇長室から〇長、ボスがわざわざ出てきて、カオの筋肉だけで笑いながら、
「〇〇さん、あれは何ですかぁ」
「何って。見た通りですよ」

現場のエリア長たちは現場で笑ってたらしいが、当時11人いた事務員リーダーの一人(草の者12号)から、
「配信されたあれですけど、笑っちゃいけないと思いましたけど全員で見て笑っちゃいました。」
「全員て?支店のヤツら全員で見たのか」
「そうで~す。皆、ウケちゃって」
「あれは概ね内容はいいけど、私みたいなのもいるってことだよ」
全員共通に適用して配信するからだよ。
自分はこういうのとは縁遠い2.jpg
ジャン妻は眉間にシワを寄せながら、
「アナタ受け狙いでわざとやったでしょ」
「・・・」
「またそういうことをして女性社員の人気取りをするんだから」
「そんなつもりは・・・」
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宴会嫌い [人間ドラマ]

会社勤めをしている以上、酒の席、おつきあいというものがついてまわります。
私はひとり酒、あるいはジャン妻と2人、第3者を交えてもいいとこ3人か4人がいいのですが、歓送迎会、送別会、忘年会、そいうその・・・何ていうのかな、筋目の宴席にはもう残り数年なので参加するよう努力はしています。(努力足りませんけど。)

でも集団の飲み会なのでどうしても意にそぐわないというか「出なきゃよかった」不快な場合がある。または開催された理由や背景が残念だったり。
後味がよくなかった飲み会のことを4編書きます。読んでて不快な方は飛ばしてくださいね。
まず最初に、本社内の女性社員送別会でのこと。
送別される社員は小柄な美人、いつもスマイル、笑顔を絶やさず静かに穏やかに話す、誰もが心落ち着く素晴らしい子だった。あまりいい子過ぎてこのBlogには未登場のまま終わった。
送別会では誰もがそのスマイルの傍に座りたがるだろうと、幹事が席を公平に決めようと座席番号のついたクジを作成したのですが。
ある上役がスマイルの前や隣に座りたがってクジを操作したのです。
操作というか、スマイルの近くの席を引き当てるまで何回もクジを引いたんだとさ。クジを作成した幹事や他の若い衆もその上役を止めなかったらしい。
その送別会の料理がこれです。
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誰が店を選定したか知らんがエスニック系のバルでしたね。私の路線じゃないが。まぁ黙って文句言わずにいただきましたが、何の料理なのかサッパリわからなかった。
魚のすり身なのか鶏肉のミンチなのかもわからんまま終わった。美味しくない白ワインをガブ飲みしましたよ。
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ところがこの席のクジを操作したのが後でバレたのですよ。問題の上役とその子分が引いた最初のクジ番号がある古参女性の前席だったのだが、そのクジを箱に戻してスマイルの近くの番号を何回も引いたことがバレた。
古参女性は後でそれを知って激怒した。(誰がそんなことを耳に入れたのか)

実はその古参女性、何でか知らんが私の大シンパで、涙ながらに私に打ち明けたのは、
「彼女(スマイル)はすごくいい子だからその子の近くに座りたがるのはわかるよ。でもそういうの(クジ操作)はアタシも含めて他の女性に対して失礼だよ。アタシはもう二度と会社の飲み会には参加しないから」
侮辱されたと思ったんだな。当然そう思うよね。
スマイルは裏でそんなことがあったのを知らない。惜しまれながら去っていった。
デザート1.jpg
デザート2.jpg
後日譚があってですね。
実は辞めたスマイルは私の部下でもあり、ソリが合わないオンナの右腕でもあったのです。ソリは家庭の事情で送別会は泣く泣く欠席だったのですが。
ソリは会社の宴会を企画することが多いので、クジで袖にされた古参女性からこう言われたそうです。
「あの時こういうことがあったの。悔しいからもう会社の飲み会には出ないけど気にしないでね。この件はウチの上司と〇〇さん(私のこと)には話したから」
ソリ合わないオンナが幹事だったらそういう不正は絶対にさせない。だから話したんだと思う。

それで終わるかと思いきや・・・

・・・後日、問題のクジ操作の上役とその子分が、辞めたスマイルと外で飲み会をセッティングしようと目論んだ。
でもそれだと男性2人と辞めたスマイル、男性2人対女性1人じゃないですか。それだとスマイルも来難いだろうからせめて2対2にしようとして、あろうことかソリ合わないオンナを誘ったのです。
ソリにしてみれば穴埋めにさせられたのだが、ソリは何故か私を小会議室に呼んで「そういう飲み会があるのですが参加していいものでしょうかね」と私に相談を持ち掛けた。私なんかに相談すると小難しくなるのにね。
「誰が誰と他所で飲もうが勝手だが、最後にスマイルと話した時に言ってたよ。このまま在職してもアナタ(ソリ)の下だし、時短勤務で中途半端、周囲に迷惑をかけるから探すんですって」
事実そうだったのですが、ソリは一瞬絶句した後で、
「そうですか。そうですよね。辞めたのがアタシが原因だったら、アタシがいたらイヤですよね」
「お前さんが悪いとか原因とかそういうんじゃないよ。スマイルの置かれた立場が彼女の意に沿わなくなっただけだ」
ソリは哀しそうに頷いた。男性2人がスマイルと会いたいが為にダシにしようとしたのも理解した。
その飲み会は流れたと思う。だとしたら私はその私的な飲み会を潰したのかも知れないが、私がソリにそのように言ったからといって参加するしないはソリの勝手だし、スマイルが来るか来ないかも私の知ったことじゃぁないからね。
「もう会社の飲み会には出ません」と宣言した古参女性は今日まで見事に出席していません。
その後、開催された歓送迎会の出欠を見ると思い出すのです。「ああ、彼女今回も来ないんだ」って。
私の送別会が開催されても来ないつもりかな。
ただ、彼女の名誉の為に言うと送別会の贈答品等でカンパはしています。
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次いきます。私も役職者なので歓送迎会とか送別会とか忘年会とかに正式な集いに参加を要請されたら無下に出きない場合があるが、店、料理、酒、満足した試しが一度もない。
いつもノミホですが、幾ら幹事が楽だからといってもノミホが現代の若者や、壮年にかけての酒飲み文化を破壊したと思ってるよ。
店のやっつけ料理をコースにして押し付けられて店の言い成りだし、冬場に冷凍の枝豆、サディスティックな量のポテトフライ、鮮度の落ちた刺身、そして何を?どんな銘柄の酒を?飲まされてるかわからんしな。
WCに立つフリをして厨房を覗いてみるといい。一升瓶から注いでたらまだマシですが、アヤしい透明の瓶からグラスに注いでたり、水でもマシてるのか?と思わせたり、疑わしい光景を見たことがありますよ。
だったら限られた時間の中で酔っ払って騒げりゃいいってなるよね。
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20人ぐらいの宴会で、初参加の中堅男性社員のO塚(仮名)という野郎が日本酒を徳利でオーダーしたのですが、O塚は自分で店のおねぇさんに注文しないで、幹事でもあるソリの合わないオンナにやらせたんです。「熱燗10本頼んでくれ」って。
「10本?誰がそんなに飲むんですか?」(ソリ)
「〇〇さん(私のこと)が飲むって言ってんだよ」(O塚)
ところが私はその席にいないのです。O塚やソリから離れた席にいるのです。でも私の名前だけ聞こえた。
ノミホって大概はグラスと交換、飲んでたグラスが空いたらオーダーじゃないですか。
「そうじゃなかったんですあの店は」(翌朝のソリ)
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ソリは日本酒が飲めないので「自分が飲みたいんだから自分で注文すればいいのに」とプンプン憤慨しながら個室の内線でオーダーした。
その10本の徳利が注文させた男性の前にズラリ。
周囲は驚いた。
「誰がこんなに注文したんですか?誰がこんなに飲むんですか?」
O塚はまた言ったそうです。「〇〇さん(私のこと)が飲むんだよ」
O塚やソリの合わないがいる席から離れた席にいる私のところへ10本の徳利のうち5本がこっちに廻ってきた。見たら一合徳利じゃないの。二合徳利だった。
見るだけで気持ち悪くなってきた。カチンと来たのもある。俺はお前に自分の酒なんか頼んでねぇ。自分で飲む酒は自分で注文するよ。何を考えてんだって。
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この時、私は私で態度が悪く、前にいる〇長に、
「週末の金曜日の時間外にあんなメール送らなくてもいいじゃないですか。週明けの月曜日で充分間に合いますよね」
絡みまくっていたのですが。
https://funayama-shika-3.blog.ss-blog.jp/2019-09-17
「それぐらいでいいじゃないですか」
そうU紀(もと草の者4号)に制止される始末。そのU紀も10本徳利を見て愕然。
「飲めるんですか?」
「全部は無理」
ノミホだからって10本の徳利を一度にオーダーすんなよ。飲みきれるわけない。廃棄したと思う。もったいないよな。
O塚は、クールビューティー雪子、U紀(もと草の者4号)、ムードメーカーのDON子他、女性社員に絡んだのもあってヒンシュクを買った。
これはO塚に辟易したので反対側の席に逃げてきたところ。こうして見ると空いたグラス下げてないですね。
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荒れる、うるさい、汚しはしなかったけど、酒飲みの矜持というものが無いね。だからノミホは嫌いなんだ。いい飲み会じゃなかったよ。
翌朝ソリの合わないオンナに、
「一度に10本も徳利を注文すんなってんだよなぁ。飲めるわけねぇだろうが」
「あ、あ、あれは、アタシが注文させられたんです」
「そうなのか?アイツ(O塚)が自分で注文したんじゃないのか」
「アタシです。もうO塚さん酒癖が悪くって。〇〇さん(私)が飲むんだからいいんだって」
「そこで何故私の名前が出るかな。私はそっちと離れた席にいて、自分の意思で1本ずつ頼んだんだからな」
「わかってます。でも〇〇さんの名前を出したんです。なので仕方なく」
仕方なくぅ?
私の名前をダシにするなって。まぁソリも被害者だがね。

そのO塚という野郎はその前の宴会でもあったんですよ。
1次会で帰ろうとした私に背後から声が聞こえたの。
「おおいっ」
振り向いたら、O塚の野郎が、
「二次会行かないのかよ」
無視して帰った。内心では「誰に向かって言ってんだ」と腸が煮えた。

かなり経ってからO塚から謝罪がありました。私が「ああいう注文の仕方を無理酒というんだ」「あんな野郎とは二度と同席しねぇ」と吹聴しまくってたのがO塚の上司の耳に入ったか、女性社員からやんわりとクレームもあがったんじゃないか。
「あの時はすみませんでした。〇〇さん(私のこと)って私より年上だったんですね。」
平身低頭で謝罪してきたのでそこで収めましたけど。年上だから謝罪してきたってか。
この年齢になるともう年上も年下も関係なくなるんだがね。
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次にこの店での宴会はノミホじゃなかった。
じゃなかったんだけど、話題に辟易してその場にいるのに耐えられなくなり私自身が途中で帰っちゃったんです。
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参加者はALL男性社員で女性社員ゼロ、そのせいで席上の話題は耳を覆いたくなるようなのばかり、エロ、グロ、オンナ、風俗、下半身、私がいちばん嫌いなネタが声高に飛び交っていた。
私は毒舌で日頃っから「そこまで言っていいんかい?」スレスレな時が多々あるが、猥談や下ネタは絶対にしない人でもあります。ただでさえ口悪いのにその一線を越えたら女性の多い職場で信用を失うからね。
ある上役が部下にこう言い放ったのが発端。
「お前、歌舞伎町でその辺のオンナに声かけてただろう」
歌舞伎町か新宿三丁目か忘れたが、これ嘘です。デッチ上げです。部下をからかっているだけです。新宿の何処かで「お前」によく似てる男を見たのはホントらしいが。
そこから独身も妻子持ちも年配者も若い者も、出張先での遊び、有名繁華街での遊び方、有名な風俗店とか遊び方のコツとか、この場にいない女性社員のネタとか、口角泡を吹いて声高に飛び交った。
宴席で固い仕事の話題ばかりなのもどうかと思うが、この時はくだらなさが度を越した感がある。若い連中がそういうネタに迎合し、合わせるのも処世術として理解できなくはないが、傍から見て私には入っていけない内容ばかりで、辟易を通り越してしまいに呆れてしまい、この場から消えたい、コイツらと同等に見られたくないと思った。ウチの会社の男性ってこんなに低レベルかと思ったもの。
連中2.jpg
ああうるさい、いい加減にしろよ。話題変えろよ。
ソリの合わないオンナへ「金出すから今から来いよ」そう呼ぼうとして途中までメール作ったぐらいですよ。女性がひとりでもいればそういうネタは鎮まるからね。
でもそれは思いとどまった。ソリだって迷惑だろうからね。
イカ、タコ、酢味噌和え
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甘いポテサラ、私の好みの味じゃない。
ポテサラ.jpg
よ~く焼いてある、焼き過ぎてある焼き鳥。
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誰が注文したのか。解凍して焼いた感の焼き魚。
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串揚げ、特にかも無く不可も無く。
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天ぷら、衣が厚過ぎだよ。
天ぷら1.jpg
天ぷら2.jpg
キムチ炒め、家で私が作る方が美味い。
キムチ炒め.jpg
ベエ1.jpg
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1時間ほどでもう限界、唯一美味しかったベーコンエッグをひとりで平らげた時点で「ちょっと体調悪いから」と先に出たのです。
出て振り返ってゲンナリ、勘弁してくれと罵りながら撮った写真がこれ。
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ひとり後から遅れて来た男性社員がいて、連中の中でいちばん品があるというか、そういう遊びとは無縁の人なのだが、後日その男性との会話。(実は最初の話に登場した子分です。)
「あの場にいるのに耐えきれなかった。遅れて来たお前さんは品がある方だし、ひとりでもお前さんのような者がいれば皆、話題を選んで遠慮するだろうからよ。早く来ねぇか来ねぇかってずっと待ってたんだぜ」
「遅れてすみませんでした。でも・・・。自分が来ていっとき収まったんですが、10分か15分しか持ちませんでしたね」
そして9月末、ある幹部の壮行会に自分だけ声が掛からなかったのです。本社の役職者で私だけ壮行会に呼ばれなかったのだ。
「こないだ途中で抜けたからか?」
「いや、その前に、普段からノミホ嫌い、店のレベルが低い、料理が不味い、そんなことを声高に放言してるからじゃない?この店にあの人(私のこと)を誘っても後で不満を持つだろうなってなっちゃったんじゃないかな。だから呼ばれなかったのよ」(ジャン妻)

最後に支店の飲み会を。
送別会でした。5年めの女性社員が辞めたの。
ウチの会社、3年が節目というか、4年目から危険水域に入ります。5年持てばいい方です。3年経つとイロんな理由で会社から離れますね。
今の時代は終身雇用が崩壊しているから、若い衆が「自分のやりたいことはこれじゃない」って思ったらサッサと辞めますよ。
在職していても嫁いだり産休育休に入るとかね。6年生は入籍、婚姻が早いのですよ。在学中に2年費やしてますから。
で、送別会だから退職するのですが、その辞める理由が「家から遠い」というものだった。
辞意を表明した女性社員は入社してからずーっと同じ支店勤務で私の最も息のかかった店舗だった。そこに配属されてこの日まで異動が無かったといっていい。
ずーっと実家から通勤してたのが、嫁いだことで実家を出て新居からの通勤が遠くなった。
通勤時間の長さや遠さは明確な規約があるわけではなく、本人が「遠い」と言ったら遠いわけで、個人による感覚の差が影響するのですが「通勤時間が長くなった」そういう理由で辞めるなら今の住居地から近いどっか他の勤務地に異動させればいだけのこと。
だがそれをしなかったのです。支店長の上にいてそのエリアを束ねるエリア長がね。

私は人事部から女性の辞意を知り、自分のヒイキ現場でもあるので2回説得に赴いて、住居から近い支店を幾つか提示したが。
初回は、
「じゃぁ考えてみます」
2回め、
「う~ん、でもやっぱり」
翻意に至らなかった。今いる支店よりも会社そのものから気持ちが離れてしまったのでしょう。
ただ、ただですよ。
その女性、私にこう言ったんです。
「こうして本社から説得に来て下さったのは〇〇さん(私のこと)だけですよ」
えぇっ?って思った。
「誰も来なかったのか?引き止めなかったってか?エリア長は慰留に来なかったのか」
「なかったですね。あれ?電話かメールであった・・・かもしれませんが」
でも本人は来なかったという。
更に言われたのが、
「この会社って辞める時は随分簡単に辞められるんだなぁって思いました。笑」
カーッと来ましたよ。それをバックしたら人事部も怒って「エリア長や上の者は社員のケアをちゃんとやってるのか」と上の者にねじ込んだ。
だが上の者は「辞める理由が遠いというんじゃなぁ」仕方がないというのと、辞める社員よりもエリア長を庇ったフシがある。「あのエリア長はよくやってますよ」ってね。上の者はエリア長を庇うことで自身が楽になるからである。上は組織を守ろうとするが、社員は守ろうとしないがこれにあたる。

ここで人事部が介入したのは、人事部は毎年ある時期に採用実績のある大学から指定された日に社員をOBとして送り込み就職活動の一環に繋げるからです。会社説明会で在学中の後輩を取り込むのです。女性は教授の受けがよかったというんだな。
大学の教授にしてみれば「御社を推薦したのにもう辞めたのか」ってなるじゃないですか。下手すれば「あの会社はすぐ辞めるから止めといた方がいい」って就職活動中の学生さんに言うでしょう。
人事部は「もったいない」「あたらいい人材を」と歯ぎしりした。ソリの合わないオンナも私と近い現場の子なのを知っているので「何とかならないんですか?」と残念そうだった。
辞めて欲しくない人材ほど去るものなんだな。。
初回の「考えてみます」は、出向いた唯一の私のカオを立ててくれたのかもしれない。

エリア長にも言い分があって「家から勤務地が遠いというのは本人のわがままですよ。通えない距離じゃないし、そういう悪しき前例を許してしまうと示しがつかない」というもの。
そうなんだけど。正論なんだけど。「通えない距離じゃない」これはエリア長は自分の物差しで言ってるだけです。自分が許容できる通勤時間と比較して言ってるだけ。嫁いだ以上は家事があるわけで、エリア長は男性なのでそこまで考えに至ったかどうか疑問だね。
もっど前に早く異動させればよかったのだが、エリア長は自分のエリア、縄張りしか守らないから、その女性の住居のある別エリアのヘッドに交渉しなかった。
異動させれば、トレードすれば欠員でなくなるのだが。辞意を表明してから近場に異動を提示しても手遅れなのですよ。
肝心の本人の意思が変わらないので、結局は去ったのですが、その送別会です。私も呼ばれた。
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別れ際に彼女に言ったのが、
「今、子供ができたら辞めないだろーがよ」
「ハイっ、そしたら辞めません。そうなったら戻ってきてもいいですか?笑」
バカヤロって言いました。
ジャン妻や人事部に言われたのが、
「辞めてしまったけど、アナタが2回説得に行ったことは彼女の同期や後輩たちに伝わるでしょう。それだけでもよかったのでは?」
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イベント [人間ドラマ]

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さる居酒屋、目の前に自分と同年代の支店長がいます。
「アタシは出ないよ」
「出ないのかよ~」
何に出る出ないのか?毎年、都内のデカいホテルの宴会場で1年に一度全支店の長が集まって会議、とはいっても昨年実績と年度予算、トピックス発表、そして親睦会が開催されるのですが、それに出れないというのだ。
「その日は用事があるのよ。もっと早くアナウンスしてくれないと」
確かに早くはなかった。今期明けてからだから、正式アナウンスは4月初旬だった。
「アタシたち現場はもう3ヵ月先まで休日当番とか、研修会とか講習会とか入ってるのよ。そういうのって本社ですり合わせしないの?」
「しないな。昨年のうちから会場を押さえてあるんだから、こっちが先だって思ってる」
「昨年から押さえてあるんなら、せめて日付だけでも配信すればいいのにさ」
でも相手のホンネは「日曜にそんなめんどくさい会議に出たくない」なのである。会社は若手の底上げというか、若年層を押し上げ、盛り上げ、次世代に繋げようという傾向、風潮にある。私の目の前にいる女性もそうだが、50代クラスの支店長たちは会社が今より小さかった頃には会社の柱を1本2本を支えてきたが、もうそれは忘れ去られ、執行部も若い者が取り仕切り、ベテランは社に「いて当然」または見向きもされなくなっている。

「出ないってよ」
「そうですか・・・」(ソリ合わないオンナ)
「予定が入ってる。告知が遅いとさ」
「確かに早くはないです。でも期が変わる前にアナウンスするのもどうかと思って」
「前年のうちに『来年はいついつ開催します』ってアナウンスが無いのかとも言ってたな。でもそう言ってるヤツが1年後に支店長でなくなる可能性もあるからな」
「他、誰々さんや誰彼さんも欠席なんですよ」
いずれも一部を除いて50代、年長者ばかりだった。それでも来賓と合わせて150人の大所帯になる。大人数だからひとり二人いなくても、埋もれてしまって気が付かないかも知れない。
ソリ合わないは会議の出欠一覧を見て「誰々さんと何々さんは欠席ってなってますが、何か聞いてます?」って私に振ってきたんですよ。
「どっちかには今度会うよ」
「聞いといてください」
お前は俺に命令すんのかと思ったよ。でもソリと私は合わないがお互い長く在職しているので、社員の動静というか、特に長くいる社員たちの去就が気になるのだ。

2年か3年前、その全体会議~懇親会でひとりのベテラン女性の支店長が誰とも打ち解けず、ひとりでポツ~ンとしていたのを見た。
その女性、半年後にいきなり辞めた。ソリ合わないは「もったいない。あと半年いれば定年で、退職金満額貰えたんですよ」と自分のことのように悔しがっていた。
「これ(退職届)を出す前に何とかならなかったんでしょうか」
誰も引き留めた形跡が無いのだ。ソリ合わないは退職届が廻ってきたということは上層部が退職を承認したということである。だから事務的に処理するしかないのでときおり悲憤慷慨している時がある。なんだかんだ言って会社が好きなんだろう。

ソリは総務なので原則、本社内に常勤して、電話やメール等で全従業員に対応しているのですが、
「いつも店舗を廻っている〇〇さん(私のこと)は気が付かなかったんですか?」
のように私を責める時がある。
いきなり辞めた社員は会議の席上でひとりでポツンとしていたので「自分はもういいかな?」そう辞める決心がついたのは想像に難くない。「もう自分がいなくてもいい」のように思わせて早まったことを後悔した。だから冒頭の女性店長に会ったのだが、気持ちは離れている感がある。
定年前予備軍と言ったら失礼だが、そういう店長たちは他にも何人かいる。彼女たちにそういう寂しい気分を持たせてはならない。
自分ができることって何だろうか?
一計を案じた。

イベント開催当日、会場前の交差点で出会ったベテラン女性と出会った。その女性は2年前に他社から引き抜かれたのだが、不安そうなカオをしている。
「昨年もそうでしたが、周りに知らない方たちばかりで」
そりゃそうだよな。
「まぁ気を遣いますわな」
「〇〇さん(私のこと)は知らない方なんていないでしょう?」
「もちろん。私を知らない支店長なんていないですよ」
自信満々です。それは昨日の記事で上大岡の串焼き屋でジャン妻が自分を鼓舞してくれたからでもある。「アナタの晴れ舞台は全体会議じゃないわよ。日頃の各支店たちよ」
なので今日は日頃感謝の意味もあってホストしまくるのだ。毎年そうです。

会場入りして受付脇に立ってエスコートしてたら、支店長たち、事務リーダー(草の者)たち、本社幹部、執行部、伊東甲子太郎他の来賓者たち、続々来場してきた。
受付で出席簿に〇して自席を確認するのである。
私の隣に経理の若手ボンボンが立っている。何処の誰が来たか教えてあげた。
「アイツは何々店の誰」
「彼女はどこどこ店の誰」
「事務リーダーの誰」
「静岡エリアの」
ボンボンはビックリした。
「全員知ってるんですか?」
「知ってるさ。それに私を知らないヤツなんていないよ」
自分の人間関係を誇示しているようなものだ。どんなもんだい。

テーブルは円卓です。
誰がどの席に配置されるかは当日になってみないとわからない。どうやって決めるのか?執行部がランダムに振り分けるのだ。
極力同じエリア内の者は同テーブルにしないそうです。それはそれで一つのやり方ですね。懇親会なんだから今まで会ったことない者同士で懇親させるのです。
一計を案じた私は執行部に申し入れした。
「50代半ば以上の支店長たち、特に女性で、あまり横の接点の無さそうな連中を集めて私をその中に入れてくれ。若い子らはそっち(執行部)で盛り上げろ」
50代半ば以上ってのは別に私の趣味や嗜好ではないですよ。「いいわねもう若い者の時代ね」そう横目でシラ~っと見てる連中、でもキャリアとして侮れない連中をこっちでフォローするから、なのです。
よくない言い方、表現をするなら、
「大年増のオンナの長たちを集めろ」
そう言ったようなものです。
そしたらホントにそうなっちゃって。
処理済~塾女たち.jpg
私ががいるテーブル席です。
手前から過去に散々登場している例のZ女史、YA、KN、いずれも50代後半です。私の方が若いんだから。
反対側にもうひとり熟女がいるが私より年齢上で、その女性から「〇〇さん(私のこと)って私より年上かと思ってました」と言われて傷ついたけどな。
写真に男性が写っています。この男性、部署は違うのですが、自分と連携取りながらやっている人です。その男性がこのテーブルのメンバーを見て絶句していた。
「何だか、随分メンバーが・・・」
「何言いたいかわかりますよ。〇〇ァばかりだって言いたいんでしょ」
「い、いや、そんな・・・」
手を振って訂正しても顔に書いてあるよ。
自分がこういう年齢層のメンバーにしてくれって申し入れしたんだが、そちらまで巻き込んじゃって悪いね。その男性にしてみりゃ若い子のいる席の方がよかったんだろうね。
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会議は定刻13時に始まった。〇長が壇上に立ち、プロジェクターでスクリーンに映し出された昨年の実績、本年度の予算目標、方向性、それらが淡々と発表されていく。
私は黙って進行を見守っていた。もう売り上げも利益も予算も関係無い職掌にいるからです。
だがその職掌が幸いして、各支店に顔を出す立場を維持しているので私のカオは売れている。ここいる連中、現場の長たちで私を知らない者はひとりもいないんだぜ。

聞いてて退屈になってきた。早く乾杯しようよ。そして各テーブルを廻って旧交温めたいんだけど。
数字の発表って大事なのはわかるけど、プロジェクタースクリーンに映し出される棒グラフ、円グラフが見難い。
「売り上げ、利益はいいけどよ。退職率、退職者、そういう数字は出ないんだよな」
「声が大きいわよ」(Z女史)
そうたしなめたのは私の右席にいるZ女史である。ここ数年、毎年毎回私と同じテーブルか隣の席にいる。
「話、長ぇなぁ」
「シッ」(Z女史)
処理済~会場4.jpg
ようやく会議(聞いてるだけだが)が終わって懇親会に移行、乾杯の時にはグラスのビールが少しぬるくなって、こんなん飲めるかになる手前の冷え加減だったのは会場の空調が冷え冷えだったからだと思う。空調が寒いのだ。
私は下戸のZ女史他、何人かに「ノンアルの人います?」聞いて数を確認したうえで、ウーロン茶やジュースを配っています。どーですこの気遣い?
アタリマエだって?
女史が「寒いわね」っていうから、会場のスタッフに「ここだけ空調抑えてくれないか」って頼んだり、気を遣ってるんですよ。なのに乾杯したらZ女史が素っ頓狂な大声をあげた。喉が渇いていた私はグラスのビールを一気飲みしたのだが、
「ちょっとぉ。この人(私のこと)信じられなぁい。乾杯の最初の一杯一気飲みしちゃってさぁ。もうヤダぁ」
うっせぇなぁデケぇ声出しやがってからに。
「喉が渇いてたんだよ」
「普通、最初の1杯を一気に飲まないわよぉ」
自分は下戸のクセに。俺が持ってきてやったウーロン茶をマズそうに飲むなよっ。
なんだったかなこれ?.jpg
懇親、懇談、飲み食いしながらです。
あまり美味しくなかったな。
(こういうことを言うせいか、こないだ会社の飲み会に役職者で自分だけ声がかからずさすがに傷ついた。)
料理はデザートだけバイキングで、他は会場のボーイさんが持ってきてくれるの。それを各人で取り分けるのよ。
「誰かが最初に手ぇつけないと誰も食べられないぞ」
「アタシ?アタシが最初に?」(Z女史)
Z女史は誰よりも早く、誰よりも多く(デザートバイキングとか特にそう)手早く食べて損をしない女史です。「食べられないのではなくて、率先して食べないのが悪い」なのです。
スープ.jpg
〇長が瓶ビール持ってテーブル席に来た。
わざわざ〇長自ら酌して回らなくてもいいのに。
私は自分の右隣から並んでいる3人他を掌で示して誇示してやった。
「〇長、どうですウチのこのメンバー、凄いでしょ」
「な、なにがですかぁ?」
何が凄いのか。私は熟年揃い、50代後半メンバー揃い、ストライクゾーン高め、そういうメンバーで固めましたと言いたかったのだが、〇長はわかっててトボケ損なった感がある。ツマんない人だ。
私の右隣からZ女史、YA、KN、いずれも私より年長です。3人とも今日会うのも会話するのも初めてらしいのだ。各支店の長ってそんなもんなんです。エリアを別に席配置したので、名前は知っててもカオは知らないとか、研修会でもあれば顔を合わせるけど、日ごろはまず滅多に会わないのだ。
さて、この連中相手に私はどう振舞ったかというと。
「よう、みんな後何年いる?」
それまで堅かった3人だが、こう振ったら最初はギョッとしたが、すぐに打ち解けたものだよ。お互いが、
「お幾つですか?」
「え?アタシと同年?」
「もう後が見えちゃって」
そこで私が突っ込む。
「なぁに言ってんスか。有資格者に定年なんてないですよ。過ぎても残りましょう」
「そうよねそうよね」
「もったいないもんね」
少し和んで盛り上がってきた。3人はお互いの支店の情報を交換してる。今日初めて出会った連中だが同年代同士の親近感、ライバル意識や相乗効果もあって「アタシたちまだやれるワ」になるのです。長年懇意にしているZ女史もそうだが、私は彼女らを煽る為にこの席を選んだのもある。
会話に花が咲きだしたので、私はグラスを持って席を立った。
「ちとあっちこっち廻ってくら」
各テーブルを廻った。
本社の連中や来賓者は無視。〇長たちに声掛けする。
事務員のリーダー(私の陰の部下、10人いる草の者たち)たちもいるいる。普段はラフか遊びに行くようなカッコなのに、さすがにこういう場ではそれなりのカッコしてる。
「あの、あの、例の書類ですけど」(草の者3号)
「そんな話は週明けにしろ。今は飲め。あっちこっち廻れ」
だけど限られた時間内なのでとても全部のテーブルは回り切れない。
今いる連中が来年も〇長でいるかどうかはわからないのだ。来年はもしかしたら辞めてたり、産休育休取得で辞退したりしていないかもしれない。
各テーブルを廻るのは私だけじゃなくて、それ相応の職位に就いている連中は皆、廻るのです。
廻り疲れていったん席に戻ったら、誰だ俺の席に座ってZ女史と喋ってる野郎は?
処理済~伊東甲子太郎とZ女史.jpg
伊東甲子太郎だった。
女史と伊東?
珍しい2ショットだな。過去に接点あったかどうか。
伊東は振り向いて慌てて「あ、どうぞ座ってください。もうZさんと話済みましたから」
伊東が立ち去った後、
「伊東さんて?」(Z女史)
「そう。再婚したんだよ」
「よね?いつ?」
「昨年暮れ」
「でも前の奥さんは?」
「何々店の支店長、今日は来てないな」
欠席理由が明記してなかったのだ。再婚した前夫の伊東とバッタリ顔を合わせるのを避けたんだろう。
出欠席を集計していたソリ合わないオンナは、
「欠席理由も明記してないんですよ。白紙です」
「まぁ来たくないんだろ。理由なんて書けないさ」
「でも〇長なんだからそこは業務上、伊東さんとカオを合わせるのも割り切らないと」
ヘンに息まいてたな。でもそれはお前さんが離婚したことないから言えるんだよ。外国人とは違う。洋画のようにはいかないよ。

また席を立って、別のテーブル席を廻った。
廻ったったって目と目が合って「オウ」「元気か?」「久しぶりだな」かなり横柄に聞こえますが年齢的にも在職年数的にも私は支店長たちより格も貫目も上なのね。
人数大過ぎるので挨拶とはいっても会釈だけだったり、目と目が合って笑みで頷いたり、ニヤッと笑ったり、ベタベタ話なんかしなかったのね。
群馬や静岡の〇長たちはポツンとしがちなのでこっちから親し気に話しかけた。だがそれを見てる東京神奈川の〇長がじーっと見るんですよ。「話したいことがあるんだけど」の視線です。「アタシたちには話ないの?」って顔に出てるんです。
ある支店長に聞かれた。在職年数長い人です。
「〇〇さん(ジャン妻)は来ないんですか?」
この問いは支店長数人から言われましたね。
「彼女はもう同じ会社じゃないし、上の会社だし」
「でも伊東さんいますよ。M村さんも」
彼らは来賓で呼ばれているのです。来賓の参加費用はこっち持ちなので、何処まで、どのクラスまで呼ぶか、管理部長とソリ合わないが選別したらしい。際限無く人数多く呼んでも膨れ上がるだけで何処かで枠をクローズしないと収拾つかなくなるからね。

肉料理が出たのを見て急いで自分の席に戻った。
ステーキ、これだけ美味かった。
ステーキ?これは美味かった.jpg
こういう会場でパーフェクトな料理を期待しちゃダメだが、何かたったひとつだけでもバカ美味があればいいのだと割り切るしかない。
「でも何でお肉にお蕎麦がついてくるのよ」(Z女史)
「ホントだ。蕎麦がついてる。口直しかな?」
蕎麦はスタンド蕎麦を食いなれてる私から見たら、まぁまぁこんなものかなというレベルの蕎麦だった。
ステーキに何故か蕎麦が.jpg
肉を食い終えたらひとりの若手支店長(男性)がこっちのテーブルにやってきた。
イケメンで背が高い彼はZ女史の下で1年か2年ほど修養を積んだ経験がある。昨年支店長に抜擢されて引き抜かれた際には女史は喜んだが、自分の手許から手放すのを少し哀しんでもいた。
その若手男性、私と女史を見て、
「昨年もご一緒でしたよね。」
「彼女はひとりにしとくとアブねぇからよ」
女史はキッと睨んだ。
「でも何かお2人って、いい関係ですねぇ」
「だろ」とは言わない。
「同じトシだからな」
女史はややムッとしたがいつものこと。その男性が立ち去ってから、
「彼、辞めるんじゃなかったの?」
「いや辞めなくなった。上が引き止めに成功したんだよ」
「ふぅ~ん」
「彼だけじゃない。何人かいるよ。辞めるのを止めたのが」
私の知る限り、ここ1年で「辞めるのを止めた」のが5人か6人いて、うち1人か2人は私も関わったが。そのイケメンは私に「思いとどまりました」の挨拶は無かったですね。
「そうなんだ。会社にとっては今後大事な子だからね」
「会社は何かエサをブラ下げたんだろうね」
女史は表情が険しくなった。
「アタシなんか去年、〇〇部長に『定年まで頑張ろうね』って言われたんだからね」
知ってるけどそれは私が言ったんじゃない。
「40代の社員に定年まで頑張ろうは言っても構わないけど、60歳前の女性に普通言わねぇよなぁ」
また女史は目をひん剥いた。
そしてデザートバイキングに食らいついた。
デザートバイキング.jpg
最優秀社員、最優秀店舗、その他、何かのテーマを達成、努力した社員表彰が淡々と進んでいく。
ある男性、仮にNとしておきます。Nは私が群馬に飛ばされている時期に新規採用され、そろそろ若手呼ばわりもそろそろ終わりかな~ぐらいです。
Nは私ともやや親しい方だが不遜なところがある。社内監査役がNの支店に視察に行ったことがあって、訪問予定時刻ピッタリに行ったら、
「今、休憩時間中なんでちょっと待ってください」
そう言い放って監査役を待たせたんです。これは監査項目には引っかからなかったが「何だあの態度は?」と後でちょっとした問題になった。
視察は抜き打ちじゃない。事前にいついつの何時何分訪問予定と告知してあるのです。だからせめてその時間を避けて休憩を取っておくべきだと。
Nはこないだも現場視察に赴いた〇長に「この郵便物を〇〇さん(私のこと)に渡してください」とやらかした。〇長は私宛のメールボーイにされたのです。
「Nさんに頼まれて持ってきました」(〇長)
ブ厚い書面を渡された。それは私がNに「郵送しろ」と指示したものです。社内で〇長から渡されたら、私が〇長に「持ってきてください」と頼んだかのように誤解されるじゃないですか。
そのN、何をどんな手を使ったのかワカランが、いちばんいい賞を受賞したんです。だが事前に知らされてなかったらしく、もう酔っ払ってる。
ついこないだメールボーイした〇長から「おめでとうございます。何かひとこと」とマイクとMCを振られて困惑していた。
「こぉんなすぅばらぁしぃ、ショウ(賞)をいただけたのはぁ、じぶん(自分)ひとりのせいか(成果)ではなぁくぅてぇ、すたっふのぉ、みなぁさぁんのぉ、おかぁげだとぉ、おもってぇ(思って)おりぃまぁす、あぁりがとぉごぉざいまぁす」
ってな体たらくである。
私は可笑しくて可笑しくてゲラゲラ笑ってしまったが、女史はその笑いは不謹慎だワと言う表情で私を睨めつけた。
「あ、ゴメン、誰か支えろよ」
酔っ払いに無理に挨拶なんてフラなきゃいいんだよ。
でも私が思うに表彰された後が大事なのです。表彰された、持ち上げられた、チヤホヤされた、だからもういいかなこの会社は、そう考えて辞めるバカもいるんです。燃え尽きちゃったからです。その後に何かテーマを与えないと辞めますね。

表彰は現場部門だけ。本社の管理部門はまず表彰されない。総務、庶務、経理は脚光を浴びることはない。やって当然だからです。ソリ合わないオンナたちも裏方に徹していた。
笑いが収まった私はシラーッとして見ていた。
ダラダラと表彰が続いて、最後の方になってクジ、抽選コーナー、これ必ずやるんです。1等2等3等あって前後賞は無し、金一封なんですよ。
前はディズニーのペアチケットとか商品券だったのだが、商品券ならまだしもペアチケットなんかをチョンガーが当ててもね。
なので現金になったんです。3等5000円、2等10000円、1等20000円だったかな。後でジャン妻に聞いたの。こういうのって経理上はどうやって処理するのか。
「福利厚生費じゃないかな。外部に対する費用じゃないし、社員へ渡すものだから接待交際費じゃないしね。そういうのって経費で処理できるのよ」
「ただクジだけ引いて現ナマ渡すのは感心しないな」
「まぁね。何かの対価として渡すんじゃないからね。たまたま当たったってのはどうなのかな」
私は自分が当選しなかったからブツクサ言ってるんじゃないですよ。だいたい150分の1の確率だし、日頃の行いや暴言のせいでまず私は当たらないけど、もし当たったら辞退するよ。どうせタカられるだけからね。
クジを引くのは〇長です。
「アイツ、クジ運悪そうだな」
〇長を指してアイツ呼ばわりもないもんだけどね。こういうことを平気で放言する私がNのことを「不遜なところがある」とよく言えるものだ。
「くじ運が悪いのはくじを引く〇長じゃなくって、番号持ってるアタシたちの方よ」
Z女史は姉が弟に話すようなモノ言いでまた私をたしなめた。
その1等賞、現ナマ20000円を当てたのはM美(草の者1号)だった。
「ヤッター」
M美はガッツポーズで絶叫に及んだ。M美は12年前に私が面接、採用したんだよ。よかったね金一封貰えて。
M美は正規の組織上ではZ女史の部下なので、
「嘘っ、M美さん当たったの?」
「らしいな」
「何かご馳走して貰おっと」
ほら、もう何かたかろうとしてる。M美の周囲には他の草の者たちや、人がわんさか集まり群がっていた。M美は満面の笑みだが。
「何に使うの?」
「美味しいもの食べるの?」
「どっか出かけるの?」
カマスビしいことである。
政治家もそうだが、やはり金があるところに人は群がるんだなと思った。

定刻で散会、参加者の中で希望者は2次回に流れるのだが、私は事前に不参加を表明してある。
昨年、二次会からMAX5次会まで流れたグループがあった。酔って、WCで吐いて、潰れて、はまだいい方で、支店長同士で喧嘩になったヤツがいる。
別に根深い理由で喧嘩になったんじゃなくて、単にプライドがぶつかっただけらしい。
このイベントは13時開始で散会が15時半、それから二次会、延々と続いて五次会??そりゃ日付が変わったんじゃないか。そんなに長時間、12時間も飲んで次の日大丈夫だったのだろうか。
「二次会に参加される方はぁ」
ソリ合わないが絶叫調で案内していた。私はソリに「じゃぁ後は頼む。俺は引き上げるから」
「お疲れ様でした。また来年もよろしくお願いします。あれ?それ何かのお土産ですか?」
私は軽くはない手土産、手提げ袋を下げているんです。
「これか。これはな」
日本酒が2本と、何かの品が入っている。重たい。
「東海エリアの某支店と神奈川県内の某支店から貰ったの。永年勤続20年祝だってさ」
「ええっ、よかったじゃないですかぁ」
「ああ、いろいろ表彰されてたのを遠目に見てたが、壇上に立たないだけで、自分はこれがいちばん嬉しいよ」
帰りのG車内.jpg
帰りのG車内です。贈答品が重たいよ。
着信があった。神奈川県内のエリア長2名からだった。
「二次会行かれてるんですか?」
「いや、行ってない。もう横須賀線の中だよ」
「今から横浜駅チカで二次会するんで来ませんか?」
二次会?私はジャン妻の許可を得てそれに乗ったの。
でも先ほど15時半に都内で散会して今は16時半、居酒屋がOPENするには微妙な時間帯である。日曜日だし、駅から近くて昼から午後から飲める店となると限られてくる。ビル地下とか24時間営業しちぇいる店とか、そういう選択肢しかない。
贈答品の手提げ紙袋も軽くないし。駅近場になるだろうな。
「〇〇さん(私のこと)こういう店でもいいですか?」
誘われておきながら気を遣われた。
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総勢10名いた。150人中の10名だから少なくないと思う。
集まった連中はどちらかというと本社中枢部にやや批判的で冷めており、今頃何処かで開催されている本部隊の二次会を「出ません」パスして集まったんだと。昨年も一昨年もずっとそうやって来たんだって。
私の前に黒服の女性がいます。
あるエリア長でリーダー格。2児か3児のヤンキーママ。私はこの女性に最近ある件で励まされたことがある。出会った最初の頃は「何だこのオンナは?」だったのですが、信用できるのがわかったので今はかなり気を許しています。
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懇親会であらかた腹はクチているので、皆あまりオーダーしようとしないね。
私は懇親会ではホストしてたのでステーキと締めのヘンな蕎麦しか食べてないから小腹が空いています。例によって焼きそば(またかよという声が聞こえてきそうだが)クリームコロッケとかをオーダー、オーダーは店員さんを呼ぶのではなく、タッチパネルでオーダーする店でした。
タッチパネルオーダーの店ってフロアに店員さん殆どいないですね。テーブルには空いた皿が出しっ放しで片付けてないし。時間が早かったからかも知れないが、かなり広い店内なのに、若いけど気の利かない、笑顔が殆ど無い、何で日曜日に働かせるんだ?不満の表情がアリアリのムスッとしたバイト嬢がひとりいただけ。
廻らなくなったのか、厨房から(厨房見えない)白服着た料理人自ら持ってくるようになった。その料理人の方が愛想がよかったからね。
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静かに話す連中だけど、話の内容は生臭かった。クダを撒く、オダを上げる感じな二次会ですよ。何であの支店が表彰されるのよ、どんな手使ったの?誰々部長のヒイキだよね~、とか。
私も一応は本社の者なんだけどね。
私の前にいるリーダーのヤンママには、過去に一度、マイカーの助手席に乗せて貰ったことがあります。乗せて貰っておいてこう言っちゃぁ何だけど、汚い車内だったね。子供が3人いるとお菓子の食い散らかしのクズとか、ゴミとか、空いたジュースの器だらけ。
「ゴメンなさい汚くって」
「ホントに汚いな」
そうは言わなかったけどね。
ヤンママの部下にはK美(草の者5号)がいるが、持て余している感がある。5号はこの席に参加してもおかしくないのだが、宴会嫌いのK美(5号)はサッサと帰ったそうです。
5号は私には素直だが、他ではクセがある対応をする時がある。本社中枢部、執行部にもウケが良くない。半面1号と8号は5号を好ましく思っている。自分らが言えないことをバンバン言うからである。
でもそういうのって上に立つ者の器量にもよりますが、ヤンママリーダーは扱いかねている。
ヤンママは重要事項をOPENギリギリまでK美(5号)に明かさない。自分の腹心なのにですよ。
それを知らない私が先に5号に指示命令の過程で重要事項を「知ってるだろ?」と思って明かしたら当人に伝わってなくて私は地雷を踏むハメになった。
電話口で激怒しちゃって、
「聞いてませんっ」
「アタシ信用されてないんですよっ」
凄い剣幕だった。
「今日、K美は?」
「さぁ。帰ったんじゃないですかねぇ」(ヤンママ)
ヤンママもK美(5号)もサバサバした性格です。だから合わないのだと思う。
他、男性陣は大人しい若手リーダーばかり。何が日頃不満なのか、不満があるのかないのかわからなかったですね。
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まぁまぁ飲み食いしたのですが、時間が早いじゃないですか。二次会散会したのが19時半です。家でジャン妻と飲み直した。
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支店から貰った記念品を並べたとこ。4合瓶2本と、パッケージは扇子だったのです。いつも暑い暑い言いながら外廻りしてるからって。
「よかったね~」(ジャン妻)
「まぁな。嬉しかった~」
「だから上大岡で言ったでしょ。現役の本社管理職でそういうものを貰えるってアナタだけだよ」
「表彰されてる連中を横目で見て、フゥ~ンって鼻白んでやったよ」

翌日の朝、ソリ合わないオンナが、
「昨日はお疲れ様でした。あれから真っすぐ帰ったんですか?」
ドキッ!!
そういうことを聞くか。こっちは普段から「二次会なんて出ねぇよ」と豪語しまくりなんだから聞かなくてもいいじゃないか。スルーしろよ。
まさか地元の支店長連中と二次会行ったなんて言えない。そんなん言ったら「だったら皆さんでこっち(本体の二次会)に来ればいいじゃないですか」とまくしたてられるに決まっている。
「荷物があったからね」
そう言って煙に撒いた。別に嘘じゃないよな。
「そっちは?」
「アタシは二次会まで。他の方たちは知りませんけど」
盛り上がったらしい。

いただいた日本酒は後日飲み始めたらすぐに無くなってしまった。図に乗った私はお礼にこう言いました。
「次からは一升瓶で頼むぜ!!」
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